※本作には以下の表現を含みますので、苦手な方は注意願います。
【愛液蹂躙・殺戮(グロや動物の死は弱め)】
(町が消えている…)
第一空母航空団は滅茶苦茶に踏み荒らされた大地を見て愕然とした。
今まで幾度と上空から見下ろしてきた緑色と灰色の大地は土色で塗りつぶされている。
その巨大な足跡はまるで一つ一つがクレーターのようで、無数にあったはずの建物は忽然と姿を消し、代わりに地平線のどこまでも瓦礫の山が広がっていた。
—司令部より緊急戦闘態勢の命を受け、空母より離陸した戦闘機32機。
しかし、既にその司令部と連絡が取れてないどころか、先ほど後にしたばかりの空母すらレーダーから消えている。
突如、国を襲った何者か。その襲撃の反動は大地だけでなく海にまで波及し、すべての戦艦は転覆した。空母も例外なく高波に揉みくちゃにされて沈没してしまったのだ。
この崩壊した大地を見れば、陸軍はおろか、空軍ですら離陸すること叶わずペチャンコにされてしまっただろうことは一目瞭然だった。
沖に出ていたことで、離陸の猶予があった自分達空母航空団のみが、辛うじて生存している最後の戦力であることは自明である。
どこかに着陸するにも、そもそも飛行場すらすべて地図から消えているような状態で、ただただ宛てもなく大空を彷徨うことしかできない。
一瞬で国一つ、数千万単位の命を奪うような怪物相手にたった数十機の戦闘機が何ができるのだろうか。できるなら、このままずっと遠くに飛んで逃げてしまいたい、とパイロット全員がそう思ったことだろう。
しかし…
「…こちら、臨時司令部!臨時司令部!…至急応援を要請する!!…まだ国民が10万人以上生き残っている!誰でもいい…助けてくれ!!このままでは、本当に我が国の血が途絶えてしまう…!…誰か!!」
突如、全軍に向けて発せられた無線。これに応答するということは、即ち死地に強行するということ。しかし、それでも航空団隊長は応えた。
「こちら、第一空母航空団!・・哨戒任務中の有事ゆえ、状況が一切把握できていない!詳細な状況報告を頼む!」
「了解!…我々は現在、国立競技場地下シェルターにいる。上級司令官はすべて殉職し、政府関係者も全滅。既に指揮系統は崩壊し、生き残りである我々、第3首都警備隊が仮の司令部を設置した。信じられないことだが、急遽出現した巨大生物が町を襲撃し、一瞬で国土のほとんどが踏みつぶされた。衛星写真から見ても、現存する都市はもはや存在せず、ランドマークとしては奇跡的に踏みつぶされずに済んだこの競技場くらいしか残っていない。飛行場も軍事施設もすべて壊滅だ。」
「・・・そんな馬鹿な・・・」
悪夢なら早く醒めて欲しい。ただただそう思った。
「巨大生物は今まさに我らの目の前にいるが、疲れているのか横になって暫くの間静止している。しかし、もし少しでも体勢を変えたりでもしたら、それだけで・・・あ、ま、まずいぞ!・・・マズイマズイマズイ…ッ!!!!」
「どうした!?何があった…ッ!!?」
「ペニスが…!巨大生物のペニスが…!!」
「なんだ、落ち着け!・・・ペニス?」
「巨大生物のちんこが競技場に降ってくる!!早く来てくれっ!!ちんこに押し潰される!!!」
軍隊の無線のやり取りにあって、ペニスだの、ちんこだのというワードが飛び交うこと自体普通ではないが、しかし、臨時司令部のこの慌てた口調はとてもふざけているようにはみえない。
「ちょうど競技場が巨大生物の股あたりに位置しているんだ!やつは破壊と殺戮の興奮で勃起している!…しかし、横になって休憩しているからなのか、萎え始めている!このままだと倒れてきた肉棒に競技場が潰されてしまう!!」
国立競技場は直径300mにもなる巨大なスタジアム。それが巨大生物の男根如きで潰されそうなどというありえないスケールの話にとても頭がついていかない。
しかし、どんな滅茶苦茶な状況にしろ、奇跡的に生き残ったスタジアム内のたくさんの命が危機に瀕しているというのなら、なんとしてでも助け出したい。
「・・・状況は分かった!しかし、我々もわずか32機だ。どうすれば良い?」
「巨大生物はあまりにもデカすぎる。撃退は不可能だ。もはや、気が変わって自分から帰ってくれることを祈るくらいしかできないという絶望的な状況・・・しかし、その最後の祈りも、やつのチンコが萎えたら途絶えてしまう!とにかく性器に火器を集中してくれ!性器の破壊は無理にしても、刺激を与えれば、再び勃ち上がるかもしれん!」
「了解!目標まであと10㎞。30秒で到着する!」
よもや最期の決死作戦が巨大生物を勃起させる作戦だなんて、誰が想像したことだろう。
パイロットたちは皆、国を守る為に高い志を持って軍に入った者ばかりだ。有事の際は国民を守る為ならば命を落とすことも厭わない。そんな覚悟で今ここにいる。
しかし、いくら民を守る為とはいえ、たかが一匹の雄のチンコを興奮させる為だけに死ぬなどどいう、そんな虚しい最期を迎えることになるなんて…
・・・ついに怪物の姿が目視できる位置まで到達した。
それはあまりにも巨大で、もし事前に情報をもらっていなかったら山脈か何かと勘違いしてもおかしくないくらいのスケールがあった。
頭から背中にかけて漆黒の鬣をなびかせる灰色の巨獣。骨格こそ人間に近いが、頭部は犬や狼といった肉食獣のソレが付いている。
ただでさえデカいのに、その身体はまるで全身鎧のようにしっかりと筋肉に覆われており、その逞しい股からは発達した大腿部にも負けず劣らずの立派な男根がそそり立っていた。
すべての建物が破壊しつくされた代わりに、人類の誇るどんな建造物より高く太い巨塔がまるで人類の脆弱さをあざ笑うかのように堂々と首都のど真ん中に鎮座し、その亀頭が町を見下ろしている。
「目標目の前!超巨大生物!!・・・総員攻撃準備!・・・3・・・2・・・1・・・FIRE!!」
人類の誇る最新鋭の兵器。一斉に放たれた無数のミサイルがちんこという熱源に吸い寄せられていく!
ズドドドドオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!
着弾。
「火勢を緩めるな!旋回し、第二射撃に移る!!」
何十発というミサイルの爆発で、膨大な熱エネルギーが局所的かつ急激に開放されたことで競技場の上空には巨大なキノコ雲が出現。
しかし、そのキノコ雲ですら短小に思えてしまうくらい巨大生物のキノコはデカかった。
大方の予想通り、人類の科学の結晶では彼のチンコには傷一つ付かない。
しかし…
・・・ドクンッ!!!
ミサイルの爆音より大きいのではないかというくらいの脈動音が町に鳴り響いた。それと同時に、巨塔がビクンビクンと再び天に向かって勃ちあがっていく。
ビキビキと裏筋に極太の血管がせり上がり、その血流音は競技場内の人々の耳に届くほどに大きい。
勃起維持大作戦は成功。
実際、ここまでのスケール差が両者にあることを考えれば、塵埃のようなちっぽけな人類が、神のような存在の彼に僅かでも肉体的変化を与えたということは殊勝と言える。
それがたった数秒の時間稼ぎだったとしても。巨獣を興奮させるためだけの虚しい決死作戦だとしても。航空団は勇気を以て、任務を遂行したのである。
—次の瞬間、第一空母航空団の前には突如巨大な壁が現れ衝突、全機が爆発飛散した。
巨獣が戯れに手で羽虫を払ったのである。
「・・・第一空母航空団!応答せよ!!!第一空母航空団!応答せよ!!!」
もう彼らから返事が返ってくることはなかった。あとはもう本当にただ彼の気まぐれに巻き込まれないことだけを神に祈ることしかできない。
「・・・し、司令官殿!巨獣が動き始めました!」
「な、何・・・ッ!?」
ズゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・
巨大生物は上体を起こし、明らかに競技場のほうを直視している。そして、そのまま顔をこちらに近付けてきた!!
「うわあああああああ!!もう終わりだああああ!」
「あーん・・・!怖いよお、お母さああああん!!」
「死にたくない・・・!神様・・・!」
「お願いします!殺さないでください!!」
奇跡的に命が繋がっていたスタジアムの人々だったが、ついにその時がきたと言わんばかりに、方々で絶叫する。
大きく見開かれた巨大生物の紅い瞳はそれだけで競技場を呑み込まんばかりのスケールがある。瞬きするだけで、強風が巻き起こり、人々は死の恐怖に苛まれていった。
巨大な掌に握りつぶされるのか、幾万の血を吸った巨大な足…その巨槌が振り下ろされるのか、はたまた地獄門のような大きく裂けた肉食獣特有の巨大な口に呑み込まれるのか。
既に人々の死は決定的で、あとは死に方だけだ。
人々が見守る中、巨獣がとった行動は…
“オナニー”だった。
競技場直上。あろうことか彼は、10万の視線を浴びるこのロケーションで、その自慢の男根を見せつけんばかりに観客席ぎりぎりまでペニスを近づけて、ゴジゴシと扱き始めた!
尿道内に溜まった雄臭い我慢汁が鈴口から放たれ、廃墟と化した町に降り注ぐ。
そのうち数滴はスタジアムにも落下し、人々はパニックに陥った。
たった数滴とはいえ、その容積は凄まじく、一瞬でスタジアムの芝生部分がすべて見えなくなる程の水嵩に達する。
我慢汁自体には毒性こそないものの、その粘性は致命的で、数分もしないうちに約2万人もの人々が溺死した。
脅威は我慢汁だけではない。
亀頭から根元まで1kmはあるのではないかという爆根を往復する凄まじいピストン運動。それが齎す暴風、そして、連続的な大地震はそれだけで町を壊滅させるだけの
威力があり、もはや人々は自分たちが生きているのか死んでいるのか、それすらわからないくらいの凄惨な状況だ。
生存者の全員が“早く死にたい”と思う程の恐怖。地獄。
巨獣はまるでその願いに応えてやるかの如く絶頂した!
グオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!
この世の終わりかというような大地を揺るがす巨獣の大咆哮。その暴力的な喘ぎ声はスタジアムにいた人間達全員の鼓膜を容易く破壊してしまう。
そして、静寂の中、人々は見た。
膨れ上がる彼の男根の裏筋を。そして、鈴口から放たれる白銀の聖液を。
その“命の砲弾”が遠く離れた野に山に町に着弾し、人間も動物も関係もなく等しい死を与えていくのを人々は確かに目に焼き付けた。
その光景は美しくすらあった。
強きものが弱きものを平らげる。地球史が紡いできたシンプルな摂理。たかが個の生理現象が世界を終わらせるという弱肉強食の極致。神の射精。それを彼らは垣間見たのだ。
人々は高揚した。地球史に残るようなこの壮絶な破壊劇を一生を懸けて語り継いでいきたい、そう思わせる程に、人々は圧倒的なスケールの射精に魅入られた。
…しかし、神は万物に対し平等である。
この美しい光景の見物料は決してタダではなかった。
代償は死。
—神の鈴口から残液がホロリと滴り落ちる。そして、瞬く間にスタジアムの容積一杯なみなみに愛液が注がれてしまった。
我慢汁とは比べ物にならない溶解性と致死性を持った液体。金属をも溶かすその死の液体は、核シェルターの分厚い鉄扉すら無効化し、地下に流れ込んでいく。
人々はジュクジュクと皮膚を溶かしながら、やがて精液の不純物となって消えていった。
誰もいなくなった大地でただ一人。蹂躙オナニーのあまりの気持ちよさに恍惚とした表情を浮かべ、頬を紅潮させる破壊神『シヴァ』。
彼はまだたった3000万人“しか”ヤっていない。
これから、この惑星はこの凄惨な大量虐殺すら、些細な犠牲だったと思わされる程の暗黒の時代に突入するのだった…。
終わり