『ダイマックス災害』
間欠泉の如く突如、赤い素粒子が噴き上がり、近くにいたポケモンを超巨大化させてしまう自然災害だ。
特に街中や近郊でポケモンがダイマックスした時の被害は甚大で、実際、過去には、町のど真ん中で突如素粒子が噴出し、たまたまそこにいたビリリダマが超巨大化、そして自爆したことにより、町一つが消滅した大災害や、同じく街中で巨大化してしまったピチューがパニックで放電し、町が焼け野原になった激甚災害も発生している。
ダイマックス現象については、長年研究が続けられているが、どこから赤い素粒子が噴出するのかは未だ予想ができておらず、人々は不安な毎日を送っていた。
そんなある日、人口100万人を超える大都市のすぐ近くの谷で赤い素粒子の噴出が確認された。
この地域は昔からダイマックスのパワースポットが少なく、ダイマックス災害の危険性が少ないと信じられていたエリアだった。それ故に災害を恐れる人々が集まり、こうして大都市を形成しているということもある。
天に向かって立ち上がる素粒子の柱。早朝にもかかわらず、辺りは黄昏時のように赤く染まっている。
『北西方向、距離約30㎞のエリアでダイマックス素粒子の噴出が確認されました。直ちにシェルターに避難してください。繰り返します。ダイマックス素粒子の…』
町中に避難警報が鳴り響く。滅多に警報など鳴らないこともあって、町は軽いパニック状態に陥った。すぐさまそこら中の幹線道路で渋滞が起き、そこかしこでクラクションの音が鳴っている。
人々は固唾を呑んで北西方向に出現したパワースポットを見守った。しかし、その表情は、徐々に引き攣り、恐怖で歪んでいく。
大きな影。
赤い光の中心に、大きな影が見える。
町からスポットまで30㎞近くもあるはずなのに、でも、確かにくっきりと黒い人型の影が浮かんでいる。
「お、おやぶんだ…」
一人が気付きそう言った。
「ま、まさか・・嘘だろ?そんな・・・」
「終わりだ・・・」
「に、逃げろー!!皆殺しにされる!!」
一人がそう言うと、まるで堰を切ったかのように、人々は悲鳴をあげながら我先にと走り出した。
オヤブン。
野生のポケモンの中に稀に出現する特異個体の総称である。
彼らに共通するのは、赤く光る瞳、そして、通常個体の数倍にもなる巨大な肉体である。
その特徴から、オヤブン個体はダイマックス素粒子を生まれながらにして身に宿しているのではないか、という説を唱える研究者もいるくらいだ。
そして、人々が顔面蒼白となって一斉に逃げ出したのには、もう一つオヤブン個体の持つ、ある性質を知っているからだ。
その性質とは、気性の荒さだ。ダイマックス関係なく、そもそもオヤブン個体は人々にとって脅威的な存在なのである。
通常、ポケモン達はダイマックスすると50~100倍の姿に巨大化するが、もともと体が大きく、攻撃的な彼らが巨大化するというのは、もはやその脅威は別次元なのだ。まさに世界破滅の危機と言っても過言ではないだろう。
…ズシンッ!…ズシンッ!
『緊急地震速報!緊急地震速報!大都市全域で震度4を確認しました。』
立て続けの地震速報。もはやあらゆる警報が同時に鳴り響いて、何が起きているかもわからない。
しかし、それは誤報ではなく、実際に町は大きく揺れ、立っているのも困難なくらいだ。
「こっちにきてる!!やばいぞ!!!」
一人が気付いた。
一斉に皆が振り向くと、巨大な人型のポケモンが明らかに町に向かって歩いてきてる。
腰まで垂れている巨大な耳、そして、グラマラスで身の引き締まった肉体…そのシルエットは明らかにミミロップのものだ。
ミミロップといえば、綺麗好きでメロメロボディを持つ美しいポケモン。人間達にも非常に人気がある。
しかし、その眼光は狂気を孕んで赤く鈍く光っている。
人々の恐れていたことが現実になってしまった。ミミロップのオヤブン個体。それが脇目も振らずに町に向かって近づいてきている。
本来、温厚でお淑やかな性格のポケモンであるはずのミミロップ。であれば、いくらオヤブン個体とはいえ町を襲ったりはしないのではないか、と普通なら思いそうなものだが、人々の脳裏には既にミミロップの恐怖が焼き付いていた。
というのも、谷のオヤブンミミロップと人間との間には既に過去に何度か一悶着があったのだ。
一時期、ミミロルの毛皮が上級国民のステータス的な意味合いで大流行したことがあり、その際、密猟者が谷に住んでいるミミロルを絶滅間際まで狩り尽くしたという事件があった。
この時、ミミロルの群れのリーダーであったオヤブンミミロップは、密猟者全員を蹴り殺している。
その後、余程人間に恨みを覚えたのか、谷に立ち入った人間には問答無用で襲い掛かるようになり、既にオヤブンミミロップによる被害者の数は50人を超えていた。
生き残りの証言によると、オヤブンミミロップはその巨体を支える為、また強烈なキックを繰り出す為か、太腿が腰回りより太いくらい発達していたとのことだ。また、自らの巨体を維持する為に、大量の食糧が必要になるからなのか、殺した人間を捕食し、糧としているとも言われている。
そして、今、目の前にいるダイマックスしたオヤブンミミロップもまさに丸太のような大腿部を備えている。密猟者を皆殺しにしたミミロップと同一個体であることは疑いようがなく、またそうであれば、町を襲撃する意思があるのも確実であろう。
それこそ、人間の肉の味を覚えたミミロップにとっては、町はもはやただの餌場でしかない可能性もある。
人間達は皆、それがわかっているからこそのこの慌てようなのである。
…ズシンッ!!…ズシンッ!!!
もはやオヤブンミミロップの一歩一歩が震源であることは誰もがわかっていた、そして、たった一歩ですら地震を巻き起こしているという事実は、もはや人間達の死を決定的にするほどの重大なものだ。それほどにデカいのだ。
人間達が必死になって走った数百メートルもミミロップにとっては一歩にも満たない距離。
ミミロップの大きな影がついには町を覆いはじめ、人間達はあまりの恐怖に、まともに立っていられない者や、失禁してしまう者もいた。
視覚的な恐怖と断続的な地震、そしてどこからか鳴り響く重低音。その音の波が人間達を精神的に追い詰めていく。
・・・その音源はミミロップの乳房だった。
歩くたびにばるんばるんと大きく揺れる巨乳。
その乳揺れが巻き起こす重低音が、時に窓ガラスすら割ってしまうほどの音波を発している。
Jカップ…いやKカップはあるだろうか。流石、オヤブンなだけありおっぱいもオヤブンサイズだ。
地震と重低音の波状攻撃を前に、既に都市機能は完全にダウンしている。
ズドォォオオオオオオオオオオン!!!
そしてミミロップはついに町の真上にまで到達した。
避難警報が出てからまだ5分にも満たない。結局、100万人の住人の誰一人、避難すること叶わず、あとはもはや、オヤブンの慈悲に縋るしかないという状況である。
ミミロップはすっぽりと町を股下に収めると、じっくり人間達を観察でもするかのように、町全体を見渡す。
町への接近時に起きた地震の最大震度は6にも達し、連続的な揺れを前に既に町の20%近くの家屋は倒壊。其処ら中で火の手や煙が上がり、死者も万単位規模で出ている。
ミミロップはその壊滅的な町の様子が余程愉快に映るのか、クスクスと笑みをこぼした。
ポタ…ポタ…
なぜか彼女の股は濡れており、地面に愛液のメテオを降らしている。
たった一滴の膣分泌液も、このサイズともなると立派な殺傷能力を有しており、着弾点にあった建物はたやすく破壊された。そして、人間数十人が愛液に囚われ、流され命を落としていく。
「で・・・でかすぎる・・・なんだあの巨大なマンコは…!!」
「お願いです。殺さないでください。神様…助けて…!」
「こんな・・・こんなことが…災害が怖くてわざわざこの町に引っ越してきたのに…!」
その垂れ下がる大きな耳に彼らの命乞いは届いただろうか。
しかし、次の瞬間…
ズドォオオオオオオオオオオン!グッシャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
突如、町の中心地、繁華街は消滅した。
本当に一瞬の出来事だった。彼女は町の上に腰を降ろした、ただそれだけだ。
しかし、人間達にとってあまりに巨大な彼女のお尻は、繁華街を壊滅させるには十分過ぎるものだった。
ミミロップの特徴である“ぺちゃんこ座り”。足を曲げて地面に太ももから臀部まで密着させる非常に可愛らしい座り方だが、この場所この時に限っては、最低最悪の虐殺座りだ。
25万人。そして、彼らと共存するポケモン約75万匹。それらの命は何が起きたかもわからないままミミロップのおしりに吞み込まれて消えた。
知能指数の高いオヤブン個体の彼女であれば、町には憎き人間達だけでなく、ポケモン達も沢山存在していることは分かっているはずだが、それでも一緒にミンチにしてしまったのはどういう思いからであろうか。
話によると密漁者たちは、ミミロル狩りに多種多様のポケモンを投入していたとされる。
もしかしたら、彼女にとっては、人間と馴れ合い、共存するポケモン達すら嫌悪感を覚え、殺意を向ける対象だったのかもしれない。
彼女は自らが今犯した惨劇に心を痛めるどころか、破壊の感触にうっとりと恍惚とした表情を浮かべ、頬を紅潮させている。
目の前にあったはずのコンクリートジャングルが忽然と姿を消し、呆然と立ち尽くしていた人間だったが、ミミロップは「次はお前だ」と言わんばかりに、生き残り達を睨みつけた。
町に近づいた時に起きた地震、そして、今、腰を降ろした振動で町は半壊し、無残にも横倒しになったビルが散見されたが、瓦礫で封鎖された道路の前には必ずといって立ち往生している人間達の群れができていた。
彼女はその人の塊に手を伸ばすと、瓦礫や車ごと鷲掴みにして、そのまま口の中に頬り込んでしまった。
「た、助けて…!!」
「死にたくない…!!!」
必至に藻掻くいじらしい命。
ミミロップは獲物を弄ぶように舌の上で人間達を転がす。
唾液でべちょべちょになり、一瞬で体力を奪われた彼らはすぐにぐったりと動かなくなった。
続けざまにビルより巨大な臼歯が人間達に無慈悲にも襲い掛かり、声を上げることもできぬまま、一瞬で摩砕される。
ゴックン…
その一連の流れを見ていた町の人間達は、このままでは自分たちも喰われると思ったのか、周りの人間を突き飛ばしたり、足蹴にしながら、形振り構わずなんとか自分だけでも助かろうと人間が続出し、大混乱に陥った。
しかし、彼女の巨大な腕は町のどこにでも簡単に届いてしまうほどの長さがある。人間達がどんな行動をしようが、すべてに意味はなく、決して彼女からは逃れられない。身勝手な行動はただただ自らの魂を醜く穢すだけだ。
巨大な掌が次々と人間達に覆いかぶさり、そのすべてが彼女の胃の中に消えていく。
人間とポケモン…数多の命を食す、豪勢なブレックファスト。だいぶ時間を掛けたが人間40万、ポケモン100万匹が彼女の口の中にあるストーンヘンジに粉々に磨り潰され、血肉となった。
ミミロップはだいぶ満足したのか口元を舐め回し、お腹をさする。
ダイマックス状態でなければ、多くても人一人くらいで十分腹が満たされたろうに、わざわざ巨大化してる時に食事する非効率さに彼女の隠しきれない殺意と残虐性が見て取れる。
喰うために殺すというよりは、殺すために喰うといった感じだ。
オヤブンミミロップは身体を起こすと丁度ヤンキー座りの要領でお尻を持ち上げた。
そして…
ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!
爆音とともに放たれる大放屁。どうやら彼女のお腹にはもう人間やポケモン達から発生したガスが溜まっていたらしい。
彼女の背後に確かにあったはずの街並みは一瞬でおならの風圧に吹き飛ばされ、また、瓦解したビルに燻っていた火に引火して、大きな爆発が起きる。
命から生まれた『死の風』によって火の海となった町。このおならだけでも数万、いや十数万の命が犠牲になったことだろう。
ミミロップも流石にここまで大きな火災になるとは思ってなかったらしく、今度は慌てて放尿して、消火しようとする。
これもまた命から生まれた『死の水』。たくさんの人間とポケモン達から摂取した水が尿に変わったのだ。
巨大な股からレーザービームにように放たれる高圧の尿は瞬く間に火もビルの残骸も押し流し、町全体の約半分を見事に水没させてしまった。
もしこの地獄のような光景を目の当たりにした上で、万が一生き残った人間がいたならば、定番クイズの「上は洪水、下は大火事ってなぁに?」という問いに対し、ミミロップの生理現象を思い浮かべてしまうかもしれない。
おならやおしっこという他愛もない生理現象が大火事や大洪水といった天災を巻き起こしたという事実は決して脳裏に焼き付いて頭から離れないことだろう。
膀胱に溜まった命の成れの果てをすべて出し切ったミミロップは、まだ“穢されていない”町の一角のほうに向きなおった。
生存者は残り20万人といったところか。しかし、それらも度重なる衝撃や、彼女のおならに含まれていた硫化水素ガスの中毒などで体力を削られ、まともに立ってられるような者はほとんどいない。
ミミロップは何を思ったのか、生き残り達がいるエリアのビル群を片っ端から指先で器用に引っこ抜き、握りつぶし始めた。そうして、できる限り人間やポケモン達を殺さないようにしながら、町を更地にしていく。
勿論、建物内に隠れていた者は全滅してしまっだが、大半の人々は町から退避しようと外に出ていたので、死傷者は1割ほどで済んでいる。
瞬く間に背の高い建物は除去され、人間達の視界を遮る物はもう何もない。
少し減って約17万の人間とポケモン30万強、そしてたった一匹の脅威、オヤブンミミロップ。人工物の消えた町に命だけが残っている状態だ。
ミミロップは再びお尻を降ろすと、足を開いて、巨大なまんこを思いっきり人間達に晒した。そして、右手の親指と人差し指で膣をクパァと押し広げる。
濃厚な愛液が滝のように湧出し、辺りに甘く香ばしい雌の匂いが充満していく。
町に突如出現した巨大洞窟。人間達はもうこれ以上何が起きても驚かないくらい憔悴しきっていた。ここまでの凄惨な一幕を見ていれば、生を諦めてしまうのも無理はない。
しかし…
「あ…あぁ…」
「ミミロップ…様…」
蹲っていた人間達のうち何人かが突如立ち上がった。
そして、なぜかミミロップがいる方向へと向かって、よろよろと歩き始めた。
道路を封鎖していたビルも除去された今、人々とミミロップの間には遮る物は何もない。
ミミロップはそんな彼らにニコリと優しく笑って見せる。
人々は続々と立ち上がり、気付けば、ミミロップの股に向かって大行列ができていた。男も女もポケモン達も、皆がこの行列に続いていく。
彼らの表情は絶望どころか、恍惚としており、目は微睡んでいる。
ミミロップは丁度足元にあった中折れした高架橋の先が膣に入るよう位置を調整する。
人々はその高架橋に沿って、脇目も降らず彼女のマンコ目指して列をなす。
『催淫ガス』
ミミロップの巨大なシャコガイから放たれる強烈な匂い。特性:メロメロボディの成分とされる濃厚なフェロモンに晒された人間やポケモン達は性別関係なく、彼女の妖艶な肉体の虜となったのだ。
それはもはや洗脳に近く、正常な思考すら奪う恐ろしい化学兵器だ。
列の先頭にいた人間がついに洞窟の入り口に到達した。しかし立ち止まることなくそのまま躊躇いもせずに膣内に呑み込まれ消えていった。
100人…1000人…。
誰もこの行列が死の行列だと気付きもしない。
オヤブンミミロップは膣で命を捕食するのが余程気持ちよいのか、ビクンビクンと股間をヒクつかせる。
タイミング悪くそのヒクつきに巻き込まれた人間達は、膣壁に押しつぶされて一瞬でただの恥垢と化した。
ドロドロと流れ出す愛液が徐々に血混じりのピンク色に変化している。
たった小一時間の出来事。
恐ろしいことにミミロップはポケモン達含む約50万の命をすべて下の口で平らげてしまった。
そのほとんどは膣の中でぺちゃんこになり吸収されたことだろう。度重なる膣壁プレスの受難を乗り越え、最奥部に辿り着いた強運の持ち主は果たして何人いただろうか。
町が無人の野と化して間もなく、まるで図ったかのようにダイマックス素粒子が尽きたのか、オヤブンミミロップの肉体はシュルシュルと縮んで、元の姿に戻った。
日は南中している。数時間前には確かにそこに存在していた100万人規模の大都市は半分が更地に、そしてもう半分は広大な尿の湖となってしまった。
ミミロップは大きくゲップすると、何事もなかったのように自分の住む谷に帰っていった。
・・・その後、ミミロップは自分の棲み処で大量のタマゴを産んだ。孵った子供たちはどれもかなり人に近い骨格をしていたという。
そして十数年後、研究の為、たまたま谷に立ち入った調査隊が、独自の文化を営む兎獣人族の村を発見し、世界を賑わせることになる。
おわり(以下、アフターストーリー)
大都市壊滅から程なく、町の廃墟には大勢の捜索隊と調査隊が投入されていた。
町の住人はすべて行方不明。更地と化したエリアにはただの一人も生存者はいなかった。
尿の湖に関しては、もはやアトランティスと化しており、とてもこの中に潜って沈没した廃墟を探索しようなんて勇気のある者はいなかった。
そんな中、尿湖のほとりに何か兎のフンのようなものが落ちているのを偶然、研究者が見つける。
そして、フンを持ち帰った研究者は顕微鏡を覗いて、驚きのあまり引っくりかえった。
なんとそのフンの中には、微生物サイズの大量の白骨死体が含まれていたのだ。
しかも中にはポケモンのものとも思われる骨も多数混じっており、個体数にして約100万個体相当がこのこぶし大のフンの何かには詰まっていた。
小さな小さなそのフンは、たくさんの命の成れの果てだったのだ。