星はいつか必ず死を迎える。
超新星爆発に巻き込まれたり、隕石の衝突による崩壊、星の燃料の枯渇等々・・・死因は実に様々だ。
すべての生命がいつか必ず死を迎えるように、星もまた歳をとり、いつかは消滅する運命にある。
―しかし、中には失うにはあまりに惜しい星も存在する。
外観が美しいものから物質の構成が特殊なものまで、希少価値の高い星は色々あるが、その中でも有生物惑星は特に価値が高い。
生命の発生の条件を満たす惑星というのは、その存在自体がもはや奇跡だからだ。
だが、有生物惑星の場合は他の星と違って、星を死に至らしめる要因が更にもう二つ追加される。
一つ目はその星の住人が原子力文明に到達した際に“核戦争”によって自らの星を破壊してしまうこと。そしてもう一つは住人達が無計画に星の持つ資源、エネルギーを搾取し続けた結果、星の寿命を著しく縮めてしまうことだ。
その為、しばしばそのような惑星には“延命措置”がとられることがある。
エネルギーが底を尽いた死に掛けの星の寿命を延ばす為には、やはり直接、星のナカにエネルギーを注入するのが手っ取り早い。
そして、このエネルギーの注入を専門としている者がいる。
“炎の狐”と呼ばれる宇宙生物である。
延命措置の方法とは簡単に言えば“星内射精”である。
ふざけているようだが、実はこれが一番星の延命に効くのである。
というのも、あらゆる分泌物の中で最もエネルギー量が大きいと言われているのが精液だからだ。
星の延命を彼が一手に担っている理由は、その肉体的特徴が大きく関係している。
彼は狐頭の獣人のような姿をしており、どちらかというと中性的な体つきをしているが、その体型にはおよそ似つかわしくないような巨根をぶら下げている。
勃起時の性器長は6000㎞をゆうに超え、その発達した男根部に合わせて精嚢のサイズも巨大で、精液の貯蔵量も凄まじい。
地を割り、星の奥深くまで性器を挿入し、核にナカ出しするには、そこそこの
ペニスサイズが必要になるのは当たり前のことで、また一度の射精量も多ければ多い程、沢山のエネルギーを孕ませることができると言える。
なにより、彼は“炎の狐”の渾名通り、火属性のモンスターであり、高温への耐性を持つ。当然、惑星の中心は超高温であり、火耐性がないと亀頭を火傷する可能性もある。
これらのことを考慮すると、いくら宇宙広しと言えども彼ほど星内射精に適した身体を持つ雄は他にはいないだろう。
そんな彼だが、今日も今日とて、瀕死の惑星を見つけては、星を守る為に一心不乱に腰を振っていた。
例え星自体は瀕死でも、ギリギリ生命が生息できるレベルの惑星環境を保っているケースは少なくはないが、その場合はまだ星の住人が生き残っていることも多い。
今から救おうとしているこの“地球”という星にも、まだその表面には70億人ほどの“人間”という種族が、何も知らずにのうのうと暮らしていた。
近いうちに自分たちの住む惑星が死を迎えるなんて思ってもいないことだろう。
当たり前のことだが、20000㎞をゆうに超える巨大生物の彼に星が抱かれたともなれば、表面にかろうじてこべり付いているだけの塵のような生命体達が一瞬で全滅するのは言うまでもない。
しかし、彼には大量の命を奪うことへの躊躇は一切なかった。
どのみち星が死を迎えれば、そこに住む住人も全員が死に絶える。
であれば、まだ星が生きているうちに、しっかりと星のケアを行い。後にまた発生するであろう新たな命を育むほうを優先すべきだと割り切っているのだ。
この“生命のリセット”の優れた点は、星の住人たちの文明レベルまでリセットできることである。
大半の有生物惑星がやがて行き着く“核戦争”という悲劇。その滅びの未来を文明諸共すべての生命を虐殺することによって回避することができるのだ。
―巨大な掌が地球を鷲掴みにする。
地盤が砕け、大陸全土に巨大な地割れが発生。国が滅茶苦茶に分断されていく。
人間達は何が起こったのかもわからずパニックに陥っていたようだが、次の瞬間にはこの星が未だ経験したことすらないような大地震が巻き起こった為、彼らはそのまま恐怖を抱く暇もなく倒壊したビルの瓦礫に揉まれて死んでいった。
一瞬で二つの大陸が肉球に飲み込まれ、そこに住むすべての命も消滅。その死者は10億をゆうに超えるだろう。
そして、その地球の裏側には、神の鉄槌ともいうべき、空を覆い尽くすほどの巨大な亀頭と睾丸が逼っていた。
亀頭が発する熱気と鈴口から発せられる雄の匂いが大気に充満する。臭気だけでもテラフォーミングが起きてもおかしくないほどの環境負荷だ。
その匂いだけでバタバタと人々は倒れていった。かろうじて匂いに耐えた人間達の視線は突如上空に現れた漆黒の塊に釘付けになる。
まさかそれが、巨大なお狐様のちんこの先っぽだなんて思いもしなかったことだろう。
そして次の瞬間・・・
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
一瞬で亀頭直下にあった複数の都市とそこに息づいていたすべての生命が消滅!
物凄い衝撃が巻き起こったが、件の亀頭はというとまだ地表にすら達していなかった。
どうやら亀頭を地表に近付けた際に、彼の鈴口に溜まっていた一滴の我慢汁が表面張力で地表に張り付いたようだ。
たったそれだけの出来事だったが、それでも5000万人近くの死者が出た。
地球とペニスを繋いだカウパ―。その中には、無残にも水圧で押し潰され、ぺちゃんこになった遺体が大量に浮かんでいる。
しかし、これほどの大量虐殺でさえ、彼は認知すらできていない。
むしろ、たった一滴の我慢汁が人々にどのような影響を与えているかなんて、そんなこといちいち気にしてるほうがおかしいくらいだろう。
それほどに人と炎の狐との間には圧倒的なスケールの差があった。
本番はこれからだ。
彼は両ひざでしっかり地球を挟み込むと、一度腰を引いた。
興奮でバキバキに血管の膨れ上がった黒い巨塔がドクンドクンと脈動し、地球を微震させる。
炎の狐はゆっくりと舌なめずりをした後、湧き上がる涎をゴクリと呑み込んだ。
そして・・・勢いよくペニスを地表に突き刺した!!
ズッドグシャアアアアアアアアアアアアッ!!!
・・・その衝撃はまさに宇宙スケールのそれであった。
天変地異、大災害、大量破壊・・・どんな言葉もあまりにも“軽すぎて”相応しい言葉が見つからない。
もし万が一この行為のあとに人間が生き残っていたとしたら、この激甚災害をどう言葉で言い表しただろうか。
人間の観測しうるエネルギーを遥か超えた衝撃として、畏怖を込めて“神撃”とでも呼んだだろうか。
それほどまでにただただ凄まじい一撃だった。
直径1500㎞の極太の肉棒の直下、ちょうど接地面にあった数か国、数百の町、数億単位の人間の命が一瞬で彼の亀頭に磨り潰され、シミとなる。
勿論、この亀頭爆心地を中心に半径数千キロにあった国や町もそのほとんどが壊滅している。
この挿入の一幕、“直下型大自慰”ともいうべき行為だけで、だいたい20億くらいは死んだだろうか。実際、この一突きで30を超える国々が消滅している。
人間達はまだ自業自得だとしても、不憫なのは、巻き込まれた動植物たちだ。
人類に都合が良かったが為に数を増やした、犬や猫、馬といった動物達。人類の発展という、大きな淘汰圧にも耐え、命を繋いできた無数の生命。
それらすべてに等しく無慈悲な死が訪れる。
パンパンに固くなった彼の爆根の前では、地球の岩盤ですらスポンジケーキのように柔らかく、瞬く間に亀頭が地球のナカ奥深くまで進んでいった。
地球が壊れないように四肢でしっかり固定しながら、ぐりぐりと腰に力を入れペニスを奥へ奥へと掘り進めていく。
そして・・・ついに亀頭が地球の核に到達した。
“地球の膣”からは、じわぁとマントルが染み出し、まるで膣分泌液のように穴の中を満たしていく。
準備は整った。既に人類の半数は死滅してしまっていたが、むしろ本当の地獄はこれからだ。
彼は再び両ひざと両手でがっしりと地球をホールドすると、激しく腰を振り始めた!
パンッ!パンッ!!パンッ!!!
炎の狐にとっては他愛もないこのパムパム音。しかし、地球の住人達の目線では、ズドオオオオオン!!!ズドオオオオオン!!!という耳を劈くような轟音が巻き起こっている。
その爆音だけでも、鼓膜を破り、生命を破裂させるほどのエネルギーを持っていたが、それ以上に致命的だったのが、このペニスのピストン運動によって引き起こされる大地震だ。
それはもはや人間達にとっては地震の域を超えていた。
あまりの衝撃に一瞬で建物も人も何もかもが宙に投げ出されるほどの衝撃だったのだ。
彼が一度腰を打ち付け、まるで双子の月のような巨大な睾丸が地面に叩きつけられる度、数億人の命が消滅する。
実際、大量の精液を作る為に異常発達した彼の睾丸はまさに月と同じくらいの大きさがあった。
そんな巨玉が地表に思いっきり打ち付けられているのだから、その衝撃の凄まじさは計り知れない。
それはかつて恐竜が絶滅させた小隕石の衝突と比較しても遜色ないレベルだったが、むしろ玉が二つある分、こちらのほうが凶悪的と言えるだろう。
1秒一回のゆったりとしたストロークのプラネットセックス。しかし、そんな途轍もない衝撃が秒単位で立て続けに起こって人間達が無事なはずもなく…
5,6回睾丸を打ち付けた頃には既に地球は無生物惑星と化していた。そう、このたった数秒間で70億の人間達が全員死んだのだ。
彼がこの大量殺戮に心を痛めることはない。
しかし、文明を築くレベルの生命体が確かにそこに存在し、それを自分がすべて皆殺しにした、という事実だけはちゃんと理解していた。
どれだけ慎重にヤッても、彼らを死滅させるのを避けられないほどのスケール差があるのは重々承知していたし、なにより文明のリセットが至上命題であることも考えると、助けてあげたくても助けられない立場にある。
それに罪深いとは思いつつも、ここまで相手が小さいとどうしても罪悪感まで希薄化してしまうものだ。
むしろ、罪悪感以上に、自分のたかがオナニー如きが億単位の命を虐殺してしまっているという事実に優越感と満足感を抱いていた。
それはある意味、猟奇的とも言えるかもしれないが、そもそもこの殺戮行為に興奮を見出すことができず、勃起することができなければ、星内射精は成立しない。
そういう意味でも、加虐性癖はマストと言えるだろう。
そしてなにより大前提として、この惑星姦は、星を守りたいという明確な正義によって行われている。
矛盾しているようだが、この大量虐殺は彼の慈悲深さ故のものなのである。
びゅるるるるるるるっるる!!!
海の水の総量に匹敵する程の大量射精。
彼は射精する際、PC筋にはほとんど力を入れない。
あまり力み過ぎると、射精の水圧が核を傷付け、場合によっては精液が星の裏側まで貫通して、星を壊してしまうことがあるからだ。
今となっては星内射精の匠ともいうべきテクニシャンな彼だが、この域に至るまでに無駄に消費してしまった星は一つや二つではない。
それこそ無駄に殺戮してしまった命は兆どころか京も超えるかもしれない。
それを考えれば、こうして母星が遺るというだけでも、死に行く彼らにとってはまだ幸いと言えるかもしれない。
―今回、たまたまそこに居合わせてしまったが為に、彼のオナニーに巻き込まれて皆殺しにされてしまった70億の命。
しかし、この星で初めて生命が発生し今に至るまで、長い歴史の中で生まれ落ちた命を全て数えれば数兆にも及ぶように、とにかく星さえ生きていれば、それこそ70億の命などほんの些細なものだと思えるくらいに沢山の命を育むことができる。
彼らの命は、決して無駄ではない。
彼らは惑星に治療を施す為に必要不可欠なオカズとして、しっかりとお狐様のお役に勃ったのだ。
子孫を残すために花を咲かせ、甘い蜜で虫を惹き寄せる植物のように、地球もまた、炎の狐を呼び寄せる為に人間という餌を生み出したのかもしれない。
“人間はいったい何のために生きているのか”
その問いに今ようやく答えが見出された。
おわり