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奉仕・後編

この星に住むすべての生き物の生殺は巨神のちんこのご機嫌次第。


馬鹿げたような状況だが、しかし、これが現実だ。巨神を満足させることだけが生存を許される唯一の道なのだ。


しかし、だからといって今まで散々争ってきた人間と魔族が、潔く手を取って協力して、巨神と言う脅威に立ち向かえるかと言ったら、そんな簡単な話ではない。


それほどに両者の溝は深かった。


本来であれば、魔族と人間、お互いの利点を活かし協力し合い、かつ最大限の努力を以てして、それでようやく巨神の性器清掃が成功するかどうか、という程の難題を突き付けられている。


そして、その肝要な部分を克服できなかったバルバトス帝国は、あっさりと亡ぶこととなった。


バルバトス帝国もあくまで自国内でできる範囲では全力を出し切った形だが、それでも巨神を満足させるには至らなかった。


人間と違い魔族には翼を持つ種族もいるため、テレシア王国のように何もできなかったわけではなかったが、テレシアの300万人の血肉でできた恥垢は思いの外、頑固で、単純に作業工数が足りなかったのだ。


現実的な範囲でできる限り頑張ったのだから、大目に見てあげてもいいものだが、巨神が求めているのは、何百年という月日を重ねて形成された怨嗟を乗り越えて、すべての生命が自分のちんこの為だけに集中して生きるという世界である。


そこは譲れなかった。


結局、バルバトス帝国の全国民400万人の血肉も巨神の性器の恥垢に加わることになった。魔人、ゴブリン、オーク、コボルト、ドラゴン、獣人・・・すべての種族に平等な死が訪れる。


中にはバルバトス帝国の誇る守護竜、6大魔竜の一角『火竜ギルフレイム』もいたのだが、巨神の前では羽虫同然で「少し大きめの恥垢」と化した。



世界は絶望に満ちた。

大国が次々と地図から消えていき、年々恥垢の量は増え状況は悪化するばかり。


しかし、そんな中、次に巨神が指定したのは、人間の住む小公国クレインだった。


クレインの何倍もある大国ですらどうにもならなかったのに、小公国でどうにかなる話ではない、と誰しもが思ったことだろう。


しかし敏腕公と知られる、クレイン公国の領主は物おじせず全力で準備にあたった。


彼はいつか必ず来るであろう危機に対し、テレシア王国滅亡の時から着々と準備を進めていたのだ。


クレイン公国は巨神の登場とともにいち早く兵役を廃止しており、兵のすべてを性器清掃を専門とするスペシャリスト集団として育成していた。


ちょうど巨神の性器と同じ大きさのある標高3000mの山の崖を訓練地とし、ずっと訓練をしてきたのだ。

また、巨根の清掃をするにあたり、何が障害となるのか、しっかりと研究者を交えて議論を重ね、あらゆる方面から対策を進めていた。


既にその成果はしっかりと出ており、乾いた血と肉を溶かすのに最適な薬剤を開発し、大量生産することにも成功している。



クレイン公国の作戦はこうだ。


まず巨神が出現したと同時にクレイン公国の誇るペガサス部隊が、亀頭周辺まで急行し、薬剤を投下する。クレイン公国はペガサスの産地としても有名なのだ。


薬剤投下後もペガサスは輸送部隊として、亀頭部に性器清掃のスペシャリストたちを送り込み続ける。


亀頭に投下された清掃部隊は直ちに恥垢に杭を打ち付け、そこからロープを垂らしていく。性器全体をカバーする為には、約3000本のロープを垂らす必要があると試算されている。


一本のロープに付き5人程度の小隊を組み、その中で特に性器清掃に長けた「一級ペニス管理士」をリーダーとして、その指揮のもとロープを下りながら恥垢を順次剥がしていく。


作業しながら3㎞のロープ下りをするだけの体力と技術を身に着けたエリート達が合計で15000人必要な計算だ。


薬剤には興奮剤も含まれているので、恥垢を溶かすと同時に性器の更なる肥大化で勝手に恥垢が剥がれていくことも期待できる。

どちらかというと、性器清掃部隊はそれでも剥がれなかった厄介な恥垢を除去するのが仕事ということになる。


ここまででも相当な労力と危険が伴うが、まだ大変な仕事が残っている。


それは、落下した大量の恥垢の回収だ。


言わずもがな、完璧主義の巨神のことだ、恥垢を剥がすだけ剥がして、散乱させたままでは許してくれないだろう。


恥垢をすべて片付けたうえで、薬剤と恥垢で汚れた身体も綺麗にしなくては納得してくれない可能性がある。


恥垢回収部隊には残りの全国民100万人を投入する予定だ。それでも工数が足りるかどうか不安なところではある。


今迄にオナニーに巻き込まれた人や魔族は1000万を超える。その血肉の総質量は何万トンあるのかもわからない。

その大量の恥垢をたった一日で片付けなければならないのだから、よっぽど効率的に行わなければ日没までに終わらせることは不可能だ。


目論見通り事が進んだとしてもギリギリ・・やはり他国の協力は不可欠だろう。


クレイン公国領主は、作戦の全容を全世界に向けて発信した。


同時に蓄えてきた知識や技術を人間・魔族分け隔てなく広く公開し、皆の協力があれば、この地獄を終わらせることができると力説した。


クレイン公国領主の全世界に向けて発した演説は、非常に熱意に溢れたもので、このままでは遅かれ早かれ全生命が蹂躙されてしまうこと。それを止める為にも、ここで全生命が力を合わせなければならないこと。竜やグリフォン、鳥人にも薬剤散布の任を協力してほしいこと。巨大な恥垢を回収する為に力のある魔族にも力を借りたいこと。そして、その象徴として、6大魔竜を魔族側の総指揮として、人間と魔族の仲を取り持って欲しいこと。


・・など。一切の駆け引きも忌憚もない演説は人間のみならず多くの魔族の心をも動かした。


死にたくない、という本心が生み出すエネルギーは凄まじいものだ。もしかしたら、今回はいけるかもしれない、死の順番をただ待つだけではなく、存続できる未来がまだあるのかもしれない、そう皆に思わせたクレイン公国領主の功績はあまりに大きい。


目の前に迫る逃れられない死を回避できるのなら、憎悪を抑え込んでも、命を繋ぎたい。人間も魔族も大半がそう思ったことで、急激に両者の溝は埋まっていった。



そして、清掃日当日、クレイン公国には様々な国と多種多様な種族の応援が一堂に集結した。

恥垢回収部隊には各国の力自慢達が加わり、人間の国々からは馬や牧畜まで搔き集められ、恥垢の運搬の為に役立てられることとなった。


薬剤散布には魔族側からも多く応援がきており、ドラゴンにグリフォン、鳥人、マンティコア、ハーピィ、サキュバス・・など翼を持つ者たちが大挙した。


そして、彼らを指揮する役目として、6大魔竜達も駆け付けた。バルバトスの守護竜を失ったことで、彼らのような伝説級の種族までもが危機感を持って本作戦に参加してきてくれたのだ。


まさに総力戦だ。人間でも魔族でもなく、神という新たな脅威に対して、両者が手を取り合う瞬間が来たのだ。



そして、全世界が緊張に包まれる中、ついに神が降臨する!


突如、クレイン公国に出現した巨大な影。すべての生命が空を見上げた。


腕を組み、空中に浮かぶ巨神。まるで浮遊大陸でも浮かんでいるかのような圧倒的な威圧感。


それが着地した瞬間に発生した暴風はそれはそれは凄まじいもので、まるで竜巻が直撃したかの如くクレイン公国の町々を蹂躙していった。たったそれだけで、城下町は壊滅的被害を受けた。


しかし、巨神降臨時の被害もしっかり想定していたので、すでに老若男女問わず、女も子供も全国民が、土豪を掘って、そこに身を隠していたので暴風による死者は最低限に留められた。


地震によって土豪が崩れて、生き埋めになってしまった人も少なくないはないが、死傷者は1万にも及ばない。



巨神はいつも通り、町のすぐ傍に横たわると「始めろ」と一言だけ言った。


・・しかし、降臨の混乱がまだ収束できていない。崩れた土豪の被害もそうだが、ペガサスや馬たちが恐怖でパニック状態に陥ってしまったのだ。ペガサス達は本作戦の要。薬剤散布が滞れば、致命的になる。


開始早々、絶望感と焦燥感が周囲を支配していき、事態の収拾がつかない。



そんな時、現場に大きな声が響き渡る!


「今こそ、我らが魔族の力を発揮する時!直ちにペガサス部隊に装備された薬剤を受け取り、目標地点に向かえ!・・領主殿!今はペガサス部隊の鎮静化に注力なされよ!収拾次第、ペガサス部隊にはロープとスペシャリストの投下準備を。薬剤は魔族の有翼部隊にお任せあれ!」


6大魔竜の一角、聖竜ギネヴィアだ。巨神の圧倒的威圧感に皆が唖然としていたが、象徴的な立場である彼女の一声が大きな喝となった。


領主もハッと目を覚ましたかのように、我に返ると、すぐさま陣頭指揮を再開する。


「聖竜殿、かたじけない!ペガサス部隊!ただちに馬達の耳と目を布で覆い、落ち着かせろ!大丈夫だ、焦らなくていい!ゆっくりと優しく撫でてやってくれ。人間達の恐怖や焦りは馬たちにも伝染する。魔族の方々が作戦を進めてくれているうちに、我らは性器清掃スペシャリストを薬剤散布後すぐに投入できるよう準備を進める!恥垢除去部隊長殿!誠に残念だが、土豪で生き埋めになった人達を救っている余裕がない!すぐさま巨神様の尾から登る部隊と右大腿骨、左大腿骨それぞれに待機させる部隊の編成を進めてくれ!」


ペガサスがすぐに機能しなかった時点でかなり余裕はなくなっている。薬剤散布に余計な時間が掛かると、全体的に工程が遅れてしまうのだ。


魔族の協力がなかったらこの時点で詰みだったことを考えると、かなりの綱渡りである。


薬剤の散布が始まった。ただでさえ1000万の血肉でできた恥垢が放つ異臭は凄まじかったが、それが薬で溶けた匂いは尋常じゃない臭気だ。

作戦参加者は皆、防護面を取り付けているから問題ないが、対策していなかったら、それだけで全滅もあり得ただろう。


実際、クレイン王国周辺に広がる森林地帯までこの臭気の被害は広がっており、森に生息する動物たちがバタバタと倒れていっている。


媚薬の効果なのか、自分の身体の周りをうろちょろする虫けら達の必死な姿に興奮してるのか、巨神のペニスは降臨時より更に肥大化しているように見える。


目論み通り、その肥大化と股間の拍動によって、薬剤によって脆くなった頑固な恥垢が次々と剥がれ落ちていく。


できればここでほとんどの恥垢が落下してくれれば、だいぶ仕事は楽になるのだが、やはり、血管の部分やカリの部分はしっかりこべり付いているのか、ほとんどが残ったままだ。


尻尾からアクセスする部隊がちんこの根元まで到着するのが、昼頃になる見込みだが、それまでにどれだけの恥垢が落下しているかで、彼らの被害がだいぶ変わってくる。


当たり前のことだが、ペニスの根元は、落下してくる恥垢の下敷きになるリスクが極めて高いのだ。


そしてなにより被害が大きいのが、時折亀頭から垂れる我慢汁である。巨神からすればたった一滴の我慢汁でも落下場所が悪いと数千人の命を一瞬で奪う程の破壊力がある。


対策として、常にカウパ―の状態を監視する隊も設置されてはいる。


我慢汁が垂れそうになったら、その時の風向きから落下地点を予測し、そのエリアにいる恥垢回収部隊に避難命令を出す。


それで被害がどれだけ減らせるかはわからないが、何もしなければ我慢汁だけで数十万はもってかれるリスクがあるので、そこにも人員を割かざるを得ないのだ。


ペガサス達が落ち着きを取り戻した頃には、日が高く昇っていた。


あとはこのまま地平線の彼方に日が沈むまでが死のカウントダウンとなる。

有翼族達の頑張りもあり、3㎞あるペニス全体の薬剤散布もほぼ完了していた。


途中、カリの部分に溜まっていた巨大な恥垢の塊が落下したことにより、たまたまその下で薬剤散布をしていたドラゴン族の一隊が巻き込まれて全滅したり、その塊がゴロゴロと転がって、腰下に集まっていた恥垢回収部隊の列を蹂躙し、千人規模の死者が出たりもしたが、まだ致命的に作業が遅れる程の痛手ではない。


しかし、ここからは生きるか死ぬかの凄惨な現場となる。


ペガサス部隊が恥垢除去のスペシャリスト達を亀頭に派遣する。


それと同じタイミングで尻尾から登ってきた性器根元配属の恥垢回収部隊もようやく到着した。


彼らはある意味「決死隊」である。


上から落ちてくる恥垢や我慢汁に蹂躙されながらも、なんとか大腿骨の下にいる恥垢回収部隊まで恥垢を運搬する激務を遂行しなければならないのだ。


しかし、よりにもよって今日の巨神の我慢汁の量はいつもの比ではないくらい多かった。


「落下予測地点、H-3!ただちに避難せよ!!」カウパ―監視部隊が声を張り上げる。

避難勧告が功を奏し、被害を大幅に減らせる場面も多かったが、思った以上に落下が早く避難途中で我慢汁に巻き込まれる人も少なくはない。


中でも全体を通して、最も被害が大きかったのが、巨神の“ビクつき”である。


何の前触れもなく巨神がペニスをビクつかせると、その反動でロープ上にいた恥垢除去部隊が何百人も落下していく。


3㎞もあるちんこがビクついているだけあって、ペニス自体も大きく動いて、近くを飛んでいたペガサスや有翼族達がマラビンタで叩き落される。


それだけでも致命的だが、この“ビクつき”で一番厄介なのは、予測不可能なタイミングで大量の我慢汁が放出されることである。


PC筋の収縮によって、尿道内を満たしていた大量の我慢汁が一気に鈴口から溢れ出るのである。


それはもはや射精に近く、亀頭付近を飛んでいた飛行部隊もかなりの数が飲み込まれるし、垂れた我慢汁によってロープ上にいた恥垢除去部隊も次々と押し流されていく。


恥垢除去部隊にとってはもはやそれは湖が落ちてくるのと同じくらいの脅威で、避難どうこうという規模の災害ではない。


5万人。


巨神が無意識に起こしてしまうたった一回のビクつきだけでそれだけの死者が出た。しかも当然、ビクつきは清掃中何度も起きた。


ビクつく度に数を減らす人々、二度目のビクつきが起こすマラビンタでは6大魔竜の一体、暗黒竜『ナーガ』が死亡。


5度目のビクつきでは、射精の如く打ち出された我慢汁の塊が司令部を直撃し、クレイン公国の領主も行方不明となった。


その後も恥垢除去部隊の隊長や、6大魔竜の雷竜、水竜までもが次々と亡くなっていく。


指揮系統はもう滅茶苦茶だが、皆が何度も何度も訓練してきたこともあってか、作業の手が止まることはなかった。


あたりが夕日に照らされる頃には、作戦に投入された人間や魔族の実に半分近くが死滅していたが、それでも諦めずに死力を尽くしていた。


生き残っている隊長クラスや聖竜ギネヴィアも声が枯れるくらい激励し続けた。


もしこれで巨神が満足してくれたとしても、翼のない者たちが日没までに巨神の身体から降りる時間はない。尻尾からここまで登ってくるだけでも4,5時間掛かるのだ。


巨神の腰辺りから、腰下にできた我慢汁の湖に飛び込むくらいしか手はないが、粘性の強い我慢汁の前ではほとんどが溺れ死ぬだろう。


どっちにしろ自分たちは死ぬのだろうと皆がわかっていたが、それでも、もし清掃が成功すれば、きっと全世界の生命の希望となると信じて、手を動かし続けた。


そして・・ついに日没を迎えた。


なんとか恥垢は取り付くし、根元から上は巨神の性器の本来の輝きを取り戻し、月光が反射している。


しかし、腰辺りは我慢汁の被害も酷くかなりの恥垢除去部隊が死に絶えてしまったこともあり、恥垢が回収しきれずに終わってしまった。


我慢汁もそのまま腰辺りに溜まっているような状態で、その中には今回の作戦で亡くなった人々の死体が大量に浮かんでいる。


腰下の恥垢除去部隊も死力を尽くしたが、巨大な恥垢の塊をどうやっても運ぶことができず、日没を迎えてしまった。


「・・・よろしい。今回は大目に見てやろう。少なくとも、「性器の清掃」、その部分だけで言えば、お前たちの働きは完璧だった。」

意外にも巨神は彼らを許した。


「確かに後片付けは中途半端に終わってしまったが、それはお前たちだけの非ではない。我も期待感から少々我慢汁を出し過ぎて邪魔をしてしまったようだ。」

実際、我慢汁の蹂躙さえなければ、もっと結果が違っていたことは明白だった。散々、妨害して強引に失敗させるようなアンフェアは巨神の本意でもない。


「宣言からこの日までしっかりと準備をして事に当たったこと、そして、魔族と人とが軋轢を乗り越えて手を取り合った事実を評価してやろう」

巨神は徐に手を振り上げると、作戦参加者たちの身体が浮かび上がった。そして小高い丘に優しく降ろしてやる。


「そこでみていろ。成功の祝砲だ!」

そう言うと巨神はその場で立ち上がり、ちんこを思い切り扱きだした!亀頭の向く先にはクレイン王国が再三、訓練に使った標高3000mの山がある。


「出すぞ!!これが巨神の射精だ!!目に焼き付けよ!!」


びゅるるっるるうるっるるるるっるるるる!!!!

物凄い水圧で放たれる精液。その轟音だけで、耳が潰されそうだ。


あまりの射精の威力にターゲットにされた山は一瞬で吹き飛んでしまう。


クレイン公国の象徴でもあり、水源としても重要な役割を果たしていた山だったが、巨神の前では障害物にすらなり得ない。


希少な植物や、ここにしか住まない動物たちもたくさんいた筈だが、残念ながらこの一瞬で全滅であろう。


「出来る限り魔力を抑えて射精しておいた。我が精液はエネルギーの塊だ。資源として有効に使え。」


本来であれば巨神の精液は魔力含有量が多すぎて、触っただけでも灰になってしまう程、強力だ。


わざわざクレイン公国の近くで射精したのは、頑張って性器清掃をした者たちへのせめてもの労いなのだろう。


「次の性器清掃は3年後とする。今まで通り、1年前に宣告を行う故、各国準備を怠ることなきよう。」


そう言って巨神は姿を消した。


クレイン公国の領主をはじめ、80万人の民や魔族の命、そして6大魔竜をもほとんど失って、ようやく勝ち取った3年の平和。


今までの巨神の無茶ぶりを考えれば3年も猶予が与えられただけマシのようにも見えるが、これは巨神自身が現実的な目線で次回も成功させるためには最大限努力しても3年は掛かるだろうと見積もったことによるものである。


すなわちここから3年間死ぬ物狂いで対策を進めなければ、次回の清掃は失敗に終わる可能性が高いと巨神は判断しているのだ。


特に今回の清掃では、世界中から精鋭が集められ、その多くが死んだこともある。これは世界的に見ても大きな痛手だ。


3年後までに新たな精鋭を揃え、しかも今度はやり残しなど許されないだろうことも考えると、世界総出で人材育成・清掃システムの構築を急がなければ未来はない。


もし3年後に間に合わせられたとしても、それ以降、毎回3年の猶予が与えられるかだってわからない。


持続的に巨根清掃を成功させるためには、清掃中の死者をどれだけ防ぐかというのも今後は重要になっていくだろう。


巨神は常に全生命に対して最大限の奉仕を課す。それをすべての生き物が理解した今、巨神の理想の世界はもうすぐそこにあった。


すなわち「世界中の生き物すべてが巨神のちんこを綺麗に保つ為だけに存在している世界」である。


実際、巨神が人間と魔族に性器清掃を課して以降、彼らの価値観は急速に変化していった。


ペニス管理士以外にも性器清掃士、カウパ―被害防止管理者など様々な資格が生まれ、より巨神の清掃に対する知識や技術を持つものほど、高く評価されるようになり、学生たちにも巨神学、性器清掃学などが必修科目に追加された。


人間も魔族も子供のころから巨神の性器について徹底的に学び、また、巨神の慈悲によって自分たちは生かされており、その恩に報いる為にも、人生を巨神のペニスに捧げなくてはならないことを教わっていく。


息をしなければ死ぬし、食事を摂らなければ死ぬように、「巨神を満足させられなければ死ぬ」ことが全生命の共通認識となり、誰もそれを不思議に思わないくらいに浸透していった。



普通に生活することに飽きた巨神が、ほんのきまぐれで作り変えてしまった歪んだ世界。


言ってしまえばただの「チンカス取り」に何千万という尊い命と、そして全生命の直向きな努力が注ぎ込まれたのだ。


宇宙広しと言えど、ここまで滑稽な歴史を刻んだ星は他にはないだろう。


そして、巨神在る限り、何十何百世代、今後この星に生まれてくる何億何兆という命が、

ずっと彼の気まぐれに振り回され続けることになるのだと思うと、ただただ憐れで仕方がない。


おわり。

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