第一話:【歩きスマホはやめましょう。大変なことになります。】
空前の宇宙旅行ブームの到来。
科学技術の進歩により家庭用ポータルが比較的安価で購入できるようになったことがブームの背景にある。
ポータルにスマホを接続すれば、宇宙地図アプリに星の座標を入力するだけで簡単にワープが可能なのだ。
宇宙法による制限は多いが、ワープ先の環境はポータル内蔵の分析システムである程度割り出すことができるので安心である。
銀河368543468565 No.132553451224と番号だけが振られたある無名の惑星。
宇宙には無限の星があり、命名された星などほんのひと握りである。その未開拓の星に、初めての来訪者があった。
一人旅が趣味のルガルガンの青年「ガルー」。
彼も今、家庭用ポータルに夢中で、未開拓の面白そうな星を発見しては旅に出ている。
今日訪れた星は環境的には自分の住む星に近いので、有生物惑星の可能性がある。
未知の生物との出会いに心膨らませながら、ガルーは周囲の散策を始めた。
しかし、視界に映るのはどこまでも平坦な大地だけ。地平線の奥の奥の方まで何ひとつない。
残念ながら彼の期待するような星ではないようだ。
さっそくスマホを取り出し、彼のガールフレンドのルカリオの「ルカ」にメッセージを発信する。
『今日も一人旅で未知の惑星にきてるよ。でも今日もはずれ・・開けていて開放感あるけど何もいない><』
すぐに返事がきた。彼女はバイトの時間のはずだが休憩中なのだろう。
『無生物惑星なのかな? ねぇねぇ、そこなら前言ってたやつできるかな?今度、私も連れてってくれない?』
”前言ってたやつ”とは青姦のことである。家庭用ポータルが急激に普及している今日この頃、カップル達の中で密かに流行ってるのが、未開拓の惑星で行う青姦である。
未開拓の無生物惑星なら太陽の光を浴び新鮮な空気を吸いながら、人目を気にせず思う存分開放感溢れるSEXができるからだ。
ガルーは彼女との行為を想像し興奮しながらも、そのままメッセージのやり取りを進める。
何もない星と決めつけているので、前方も足元も見ずにスマホの画面にだけ集中しながら、そのまま数分ほど歩きスマホを続けていた。
彼女との約束を取り付けると、そのままポータルから元の星へと帰っていった。
【ある有生物惑星のN国の報告書】
20XX年5月24日 『初の宇宙外生命体の来訪を確認、人類史史上最大の災害』
PM14:14 首都直下型の大地震を観測、その後13分間の間に数百回に及ぶ連続地震を観測した。
直線上約2000Kmに、観測した地震の回数と同じ数の巨大クレーターが出現。
調査の結果、クレーターの形がイヌ科の獣の足跡と酷似していることが判明した。
初の宇宙外生命体の来訪と断定。
クレーター内で圧死した被害者の数は約1235万人。
また連続的な大地震により巨大生物の通過した直線上の周囲数十kmの建物の95%が倒壊しており、倒壊や火災に巻き込まれた被害者を含めると、今回の宇宙外生命体の来訪による被害者の総計は5000万人を超えた。
以下、生存者の目撃情報や足跡の大きさから来訪者の特徴を纏めた。
身長:約10Km
足のサイズ:約1.8Km
身体的特徴:赤と白の体毛で2足歩行のイヌ科の巨大生物。我々の扱うスマートデバイスと同じようなものを手にしており手元のほうを凝視していたという報告から、人類と同程度の知能を持つことと、これは認めたくないことだが、今回の数千万人単位の殺戮はただの歩きスマホによるものであり、本人に敵意はないどころか、我々の存在すら認識していない可能性がある。また、男性器が確認されており、報告によれば勃起状態だったとのこと。
第二話:【初めての青姦!!】
歴史的な大虐殺が全世界を恐怖に陥れてから1ヶ月が経った。
パニックも少しづつ収束しきている。
この頃から各国首脳がA国に集い巨大生物対策会議が頻繁に開かれるようになった。
襲撃のあったN国は総人口の半分を失い、それ以上に多くの家屋を損壊したことにより事実上消滅。
溢れかえった難民に各国が頭を悩ませていた。
が、そんな悩みなどこれから起こる惨劇の前では些細な問題に過ぎなかった。
20XX年6月21日 2度目の来訪。
それはちょうど正午頃、全人類がA国で行われていた首脳会議の生放送に耳を傾けていた時だった。
突如、轟音が鳴り響きLIVE映像が暗転した。
各国からA国に問い合わせが殺到するものの、一向に状況がわからない。
何が起きたのか。
その事実を目の当たりにしているのはまさにそのA国の国民達だけだった。
そう、A国に巨大生物が出現したのだ。
何もなかった空の裂け目が急遽歪み”彼ら”は表れた。
そう、先日N国を壊滅させた真紅の雄の巨獣だけではない。
もう一匹、全身鮮やかなブルーの体毛に包まれた雌の巨獣を連れてきたのだ。
LIVE映像が乱れたのは、機器のトラブルや電波の問題ではない。
あろうことか、彼らが降り立った場所は首脳会議の場のすぐ近くだったのである。
2匹分の超重量が降り立った衝撃で、すでに周囲は壊滅的な被害を受けていた。
まだ何もしていない。
ただ降り立っただけで百万単位の人間が命を落とした。
「ほんとだ!何もない。ここなら思う存分イチャイチャできるね」
雌の巨獣が何か言葉を発する。
ただし人間たちにとってそれは言葉でもなんでもなく暴力的な重低音でしかない。
強烈な音の振動が建物の窓やガラスを粉々に砕き、生存者の鼓膜を破壊する。
「太陽の暖かさもちょうどいいし、生物がいないだけで俺たちの星とほとんど変わらないよね。ほんと青姦に最適だよ。」
雄の巨獣のほうも雌に応える。
すでに股間はパンパンに膨れ上がりドクンドクンと脈を打っている。
その鼓動ですら地を揺らすほどのスケール差が彼らと人間との間にはあった。
「さっそくヤろっか。疲れたらすぐ戻れるし、今日は果てるまでがんばるぞ!まずは後ろから!」
「え、いきなりバック?明るいし恥ずかしいよぉ」
といいつもまんざらでもないのか、すぐに四つん這いになり尻を突き出す。
巨獣達の一動作一動作が起こす微震が先の大地震で耐えた建物に追い打ちをかけ、確実に生き残り達の命は奪われていく。
雄の巨獣が雌の腰をがっつり掴むとそれに合わせて雌も尻尾を挙げる。二つの大穴が顕になる。
そのうちの下、割れ目状の穴に肉棒の先端を当てる。
「ルカ。今日はスローセックスだからね。あんま波導は使うなよ。」
ルカリオ種は波導を使ってあらゆる感度を研ぎ澄ます能力がある。
五感を強化して戦闘能力を向上させるのが一般的だが、性感も例外ではない。
膣や乳房に波導を集中させることでイキやすい状態にすることが可能だが、ルカリオは強い『せいしんりょく』を持っていることから極限の快感を前にしてもある程度コントロールすることができる。
あらゆる種の中で最もSEXを楽しむことができる種であると言っても過言ではない。
ただ若いうちはせいしんりょくも波導の技術も未熟である。
このルカリオも波導の強弱の付け方が苦手で、膣に想定以上に波導を集中させすぎて、行為開始数秒でイってしまったり、絶頂時の気絶、失禁等等、失敗を挙げれば枚挙に暇がない。
「いれるよー」
「あ...ッ...ん///ま、待って...おっき... ゆ、ゆっくりね」
雌が小刻みに身体を震わす。
ビクンッビクンッ
建物が倒壊していく。また数千人が死んだ。
「お、前戯もやってないのに簡単に奥まで入った。ヤル気まんまんじゃん。びちょびちょだぞ?」
ガルーの性器の大きさはなかなかのもので、普通なら挿れるのにかなり苦労しそうなものだが、ルカ自体がかなりの巨尻であることに加え、日頃からかなりの頻度でSEXしているのか、すでに彼女の膣はガルー向きに開発されているようだ。
パンパンの肉棒に押し出されるように穴から液体が溢れ出す。
滅茶苦茶に破壊された高層ビル郡の瓦礫に市民プール数個分の膣分泌液が撒き散らされる。
「腰、動かすよ」
ゆっくりと小刻みなストローク..。
少しずつ早く、そしてストローク幅が長くなっていく。
奥へ奥へ。
パンッパンッパンッ
ルカリオの豊満なおしりとルガルガンの腰が衝突し音をたてる。
ゆうに2kmはある巨根がすっぽりと大穴に呑み込まれた。
SEXの衝撃が町を震わす。
ルガルガンが腰を振る度にまるで水面に波紋が広がるように、周囲の地面が盛り上がり建物を巻き込んでいく。
その衝撃は遠く遠くずっと先まで波及しながら被害を拡大させていった。
ものの1分で数十キロ先の町でも損壊率は99.9%を超える。
200回。
SEXを始めて一分間で起きた地震の数だ。
しかし、まだSEXは始まったばかりだ。
ルガルガンが腰を振る速度が早くなるにつれ、ルカリオの喘ぎ声も大きくなっていく。
「あ...ッ あッ んっ あんッ」
ルガルガンのピストンのリズムに合わせてルカリオのほうも腰を振る。
パンッ!パンッ!!パンッ!!!
超重量と超重量の衝突。
先程までとは次元の違う衝撃が星を震わせる。
コンクリートで硬く覆われていたはずの地表は連続的な衝撃で液状化し、建物の瓦礫も地面も生命も関係なく滅茶苦茶にシェイクされていく。
1秒に5回の速さに到達した高速ピストンが生み出す衝撃波、地震、そして喘ぎ声という名の超音波が形ある物すべてを破壊しつくす。
100Km以上離れた勇壮な山々もなすすべなく崩れ去り、どの山も標高の半分を減らした。
世界が平らになっていく...
この時にはすでに死者は3億を数えていた。
しかし、今はそんな些細なことはどうでもいい。
このままでは星が壊れてしまう。
人間どころか、この地球が、全生命が、長い長い星の歴史が幕を閉じる危機なのである。
しかし、もし星が壊れてしまっても、彼らはなんの罪悪感も持たないはずだ。
若気の至り。行為が激しすぎて星が壊れてしまったという笑い話で終わることだろう。
彼らにとって地球は無限にあるちっぽけでありふれた星の一つに過ぎないのだから。
また、もし仮に星が壊れる前に二匹が絶頂を迎えたとしても、安心はできない。
彼らは今回“お楽しみ”の様子。
また青姦をやりたくなる時もくるだろう。
その時、彼らがもう一度この星を訪れる可能性は高い。
星を使用不可能にするまで。星の住人を虐殺しながら、何度も何度も。
彼らがこの星を“もう汚した場所”として使い捨て別の星を探し出すことくらいしか望みはないのだ。
超越した存在に自分たちの星をゴムのように使い捨てられる屈辱。しかし、それだけが唯一、星が存続し続ける希望でもあった。
断章「奇跡の旅客機」
その日、ある旅客機にはたくさんの子供たちが乗っていた。
今日は修学旅行。機内は談笑で溢れかえっていた。
しかし、突如現れた”それ”によって、楽しい旅は一瞬で地獄に変わった。
数秒前まで、確かにコックピットからは空だけしか見えなかった筈。
なのに、気付けば航路の先には巨大な青い尻立ちふさがっていたのである。
思わず急旋回をかけるパイロット。
機体が90度傾き、機内は子供たちの悲鳴で溢れかえる。
しかし、旋回した先には今度は深紅の体毛を纏う巨獣が仁王立ちしていた。
再び旋回しようにも、2体の巨大生物の一動作一動作が巻き起こす風圧が乱気流を生み、
思ったように舵がとれない。
幻覚を見ているのだと信じたかったが、機体の激しい揺れがこれが現実で起きていることだと知らしめてくる。
(なんとしてでも切り抜けなければ・・・!)
パイロットは青ざめていたが、しかし、根気で操縦を続けた。500人の乗客の命が自分の双肩にかかっているのだ。
赤い獣の股間から天を衝くように聳え立つ巨塔にあわや激突しかけたが、フルスロットルでなんとか切り抜ける。
前も後ろも巨大な壁に囲まれた絶望的状況。なんとか、2体の側面から抜け出したいところだが、乱気流の中、機体を水平に保つことすら難しい。
一瞬、機体が垂直落下しかけ、コックピットに地表が映し出されたが、その光景にパイロットは思わず絶句した。
既に町の大半がは巨獣たちに蹂躙されて壊滅していたのだ。
少なくとも帰る場所はなくなった。自分の家も家族も何もかもが消えたことをパイロットは悟った。
手から力が抜けていく。
が、子供達の顔がチラつきなんとか踏みとどまる。
しかし、その一瞬の油断は致命的だった。
次の瞬間、再び視界は青い獣の巨大な尻で埋め尽くされた。
機体が滅茶苦茶に回転して、コントロールを失っている間に、気付かないうちにかなり接近してしまったのだ。
(終わった・・)
それはもはや逆噴射でブレーキをかけても曲がり切れる距離ではなかった。
パイロットは諦め、目を瞑ろうとしたが、その刹那、目の端に「ピンク」を捉えた。
一瞬、目を疑ったが、それは確かに存在していた。
青い月のような巨大な二つの球体の間に突如、桃色のクレバスが姿を現したのだ。
一か八か。
パイロットはそのピンク色の割れ目に突っ込むことを決意した。
それが何かはわからない。穴の先になにがあるかはわからない。
しかし、このまま巨獣の尻に激突すれば機体は粉々に砕け散り、爆発飛散することは明らかだ。
それなら・・!
「うおおおおおおおおおおお!」
ジェットエンジンを全開にし、機体を割れ目に合わせて傾ける。
大穴に突っ込む間際、パイロットは確かに見た。
日の光を浴びて、輝くピンク色の絨毯のような美しい光景を。
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・・・その後、その旅客機がどうなったかは判らない。
膣の内壁で粉々に砕け散ったかもしれないし、膣分泌液がクッションになって損傷を免れ、膣内を彷徨ったかもしれない。
しかし、その直後に、太い肉棒が差し込まれたことを考えると、生存は絶望的だろう。
ペニスに磨り潰されたか、膣の奥深くまで押し込まれたか、中出しの衝撃でバラバラになったか。
しかし、あの状況下において、巨獣達の手足や胴体、尻や男根に衝突することなく、膣内に入りこめたのは、奇跡といっても過言ではない。
どこまでもピンク色に輝くビロードのカーテンのような絶景。
それを拝めただけでも、この星の誰よりも幸運だったことだろう。
外伝1:【ある一人の貧しい農夫】
いつも昼になると私は大きな木のある丘の上で昼食をとる。
天気の良い日に限るがここなら大都市を一望できるのだ。
仕事の疲れもこの時だけは忘れられる。
この丘から都市部の中枢までは100kmは離れている。
広大なコンクリートジャングルもここから見れば平らな灰色の絨毯。
ランドマークの高い建物すら針のように見える。
標高1000mの高原にあるひっそりとした農村。
数十頭の牛、豚、鶏、彼らがこの村の生命線だ。
都市部の暮らしと真逆の土にまみれた貧しい暮らし。
若い衆は皆、都会の生活に憧れてここを離れていく。
少しづつ、だが確実にこの村は衰退している。
もともと村の中でも特に貧しい家庭で育った私にはここを出る選択肢など最初からなかった。
だから時折、仕事がつらくてたまらない時、どうしてもここを離れた彼らを妬んでしまう。
だがこうも思う。
私はただの貧しい農夫だが、彼らだってただのちっぽけな存在にすぎないと。
ここから見れば両手に収まってしまうくらい小さいあの灰色の地表に何百万、何千万の人間が詰まっているのだ。
手を閉じてしまえば消えてしまうくらいちっぽけな存在。
こうやって俯瞰していると、神になった心地で、少し気分が晴れる。
もし雲を超える巨大な怪物になって町を襲ったら、破壊された町はどんな風景だろうか。
神のような圧倒的な存在になって、星の支配者だと勘違いしている憐れな彼らにこの世界の真実を教えてやりたい。
今日も町をぼんやり見ながらそんなくだらない妄想をしていた。
テレビもラジオもないこの村の人間はひと月前の悲劇をまだ知らないのだ。
農夫の妄想する圧倒的存在が実際にこの星に現れたなんて知ったらどう思うことだろう。
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ふと町の上空あたりに目をやるとなにか空間が歪んでいるのに気付いた。
疲れで視界がぼやけているのか。目をこすりもう一度よく目を凝らした。
やはり空間が歪んでいる!
そして次の瞬間!その空間の歪みの中からぬっと巨大ななにか獣のような足が現れた。
続いて全身が顕になる。
見たことのない生物。
赤い毛の狼のような、しかし人型で...
しかも一匹だけではない、もう一匹は青いやはり犬のような顔をしている人型の怪物。
それらはちょうど都市の真ん中あたりに降り立った。
直前まで見ていたはずの灰色の地表が気づいた頃には土煙のようなもので見えなくなっている。
なにかがおかしい。
もちろん異形の怪物が目の前に現れたことがすでに十分おかしいわけだが、それ以上になにか違和感がある。
農夫は気が付いた。
そう、100Km先に急遽現れたそれらは、まるで数メートル先にいる人間くらいの大きさがあるようにみえるのだ。
夢か幻か。
農夫は目の前で起きていることを必死に整理しようとしていたが、まもなく高原を大きな揺れが襲い、彼にそれが現実であることを告げた。
経験したことのないような大地震に思わず隣の木にしがみつく。
やつらが降り立った衝撃が時間差でここまで波及したというのか。
家畜と村人たちの悲鳴と家屋が倒壊する音が聞こえる。
村が心配だが自分も余裕がない。
なにより目の前にいる超常の存在に目が離せないのだ。
間違いない。やつらは超巨大生物だ。
それも100mとかそこらの怪獣サイズではない。
信じられないことだが目測でも10kmはあるように見える。
でもだとしたら怪物たちの足元の町は...都会に出たあいつらはもう...
気付くと青いほうの怪物が地面に手を突き尻を赤い怪物のほうに向けていた。
農夫は困惑した。
赤い怪物が青い怪物の上に覆いかぶさっている。
なんと怪物たちはやってきて侵略を始めるわけでもなく、その場で白昼堂々SEXを始めたのだ。
まるで初めからエッチ目的で来訪したかのようだ。
農夫はただ唖然としながら赤い怪物が腰を振るのを見つめていた。
その十数秒後、漸く先の地震が収まってきたところに再び下から突き上げられるような振動が農夫を襲う。
それも何度も何度も!
腰と腰がぶつかり合う怪物たちの激しいSEXの衝撃がここまで伝わってきているのだ。
地面に亀裂が走る。
すぐ目の前の山が崩れていくのが見える。
麓には小さな農村が点在していたはずだ。どれも全滅だろう。
そもそも100Km離れたここですらこの有様だ。都市部は跡形もないだろう。
そう、数千万の命が消えたということだ。
怪物たちのたった一回のSEXで。
この丘も直に崩れるだろう。今すぐに怪物たちがSEXをやめたところで、時間差で数十秒はこの地震が続く。
・・・終わった。
自分の死を悟って漸く農夫は現実-自分の住む村に目をやった。
生まれてから今まで自分を育ててきた農村。
十数戸しか建物はないがそのすべてはすでに倒壊していた。
この振動では一歩も動けない。避難する隙もなく家屋の中にいた村人や家畜は全滅だろう。
それも昼飯時の出来事だ。
私のような変わり者以外は皆家の中にいたはずだ。
それに...何人生きていようと、この村はすでに死んでいる。
家畜が我々の財産なのだ。それを失っては生活にならない。
地震がどんどん大きくなる。
長時間の大きな揺れにより農夫を強烈な吐き気が襲った。
再び怪物のほうを振り返ると、先程より更に強く激しく腰を振っていた。
なんて気持ちよさそうな顔をしているんだろう。
同じ人間でなくてもわかるほど彼らの表情は恍惚としていた。
数千万の人間。いや、人間以外も含めた無数のかけがえのない命たちに死を振り撒きながら、彼らは今最高に幸せなのだろう。
農夫は何度も何度も吐き散らかしながら、それでも最後の瞬間まで世界に終焉を齎す神々の愛を目に焼き付けようと必死だった。
が、その抵抗虚しく極限まで達したストレスで農夫はついに気絶してしまった。
外伝2:【世界の行く末】
どれだけの時間が経ったことだろう。
静寂。
辺りはシーンとしている。鳥のさえずり一つ聞こえない。
奇跡的に自分は助かったのだろうか。
なにか様子がおかしい。自分がいるのはいつもの高原..のはずだが、周りを見渡しても
高くそびえ立っていた山々がない。
遠く、大都市があったほうに目をやる。
怪物たちはもういない。そして灰色の絨毯も消えていた。視界に広がる風景はどこまでも
土の色。
村があったはずの場所。崖崩れの影響だろうか村は忽然と消えていた。生き残りは自分だけだろうか。
農夫は大都市がある方向へ吸い寄せられるようにふらふらと歩き始めた。
なにか宛があるわけではない。ただいつも眺めていたあの灰色の世界がどうなったのか、ただそれを確かめたい。
長い長い旅だ。
どこもかしくも崩れていて簡単には進めない。
道中、何度か村の跡地を見つけた。
どこもかしくも滅茶苦茶になっており、折れた木材や散乱した生活品だけが唯一そこに営みがあったことを教えてくれる。
遺体はいたるところに転がっていた。
どの身体もボロ雑巾のように傷だらけだ。
あの地獄のような地震がどれほど長いあいだ続いたのかはわからないが、山が尽く崩れさるほどの大災害だ。
自分のように余程の幸運に恵まれない限りは生き残るのは難しかったのだろう。一人として生存者には出会わない。
散乱したゴミの中から口に入れられそうなものを見つけながら、旅を続ける。
3日かけてようやく山の麓の町(だった場所)にたどり着いた。
本来は3時間ほどで着く場所だが、道が滅茶苦茶に寸断されていてすべての木が倒れていたこともあって想像以上に時間がかかってしまった。
この町は大都市と山村との交易の中継地点として賑わっていた。がその面影は一切ない。そもそも近くを流れていた川が消えている。
辺りは一面、泥まみれになった残骸しかない。あらかた想像はつく。地震で川が氾濫し、土砂崩れが町を襲い...
交易が盛んな時間、昼間人口は3万人というそこそこの規模の町だったはずだ。
その3万の人間はすべて泥に埋まってしまったのだろうか。
ここからは勾配は少なくなる。
大都市までずっと平坦な地形が続くはずだ。だいぶ道のりは楽になる。と農夫は思っていたが考えが甘かった。
大都市が近づくにつれ、地割れがひどくなり、時には何キロも遠回りしなくてはならないときもあった。
いくつもの町を越えていく。町と言ってもただの瓦礫の山だ。
あの怪物たちの行為でいったいいくつもの町が消失したのだろうか。100km離れた自分の村ですらあの有様だ。
もしかしたらもっと離れた場所、例えば海を隔てた別の大陸にも被害がでているかもしれない。
この星は今どうなっているのだろう。
日数が経つに連れて旅は熾烈を極めた。
今まで瓦礫の山から食料を漁りながら生き繋いできた。が、どれもこれも腐敗が進みせっかく見つけても口にすることができないことが多くなった。
また人間の遺体からの腐臭も凄まじく、跡地の探索はとてもつらい作業だ。
このまま進み続けてなにになるというのか。
正直、自分自身ですらもうよくわからない。
ただひとつ言えることは、あのままあの丘にいたところで何もやることはないということ。
だとしたら自分は死に場所を求めているのか。それとも自分だけが生き残った理由を探しているのか。
毎日、妄想していた“圧倒的存在”というものが現実に体現されるというのはどういうものか、その答え合わせにきているのか。
そして農夫はたどり着いた。その答えに。
それは...すべての形あるもの、命を無に帰す究極の破壊。
大都市は。数千万の人間の命は。
“無かった”
文字通り瓦礫すら肉片すら本当に何もない。地平線のずっと先まで。
道中見た村や町の跡。そんな生易しいものではない。
巨大なエネルギー体同士が長時間に渡ってぶつかり合う地獄。その地獄に間近で晒され続けるということはどういうことか。
農夫は理解した。
ちょっと考えればわかる。10kmの超巨大生物だ。彼らの所作すべてが我ら人間にとっては災害レベルなのだ。
例え些細なことでも。
例えば声。ロケットが発射する際の音は180dbと言われているが、これは鼓膜が破裂するほどの爆音だ。
では、彼らの声はどうだろう。おそらく声帯だけで100mはあるはずだ。その声帯から繰り出される音量はロケットの発射音程度では済まないはずだ。190dbを超えると肺が壊れるとも言われている。
普通の会話レベルなら鼓膜が破れるくらいの音量だとしても、例えば行為のクライマックス、絶頂時の喘ぎ声に近距離で晒されたらおそらく命はない。
想像もできないことだが、もしかしたら音圧だけで人間たちは破裂し、粉々になったのかもしれない。
人間だけでなく建物ですら暴力的な音圧を前に崩れ落ちるかも知れないのだ。
そしてこれはあくまで破壊の原因の可能性の一つに過ぎない。
それ以外にもピストン運動が発生させる風圧、摩擦による温度変化、衝突時の衝撃、それらすべてが人知を超えたレベルの破壊を齎したのなら、この“無”にも納得できる。
答えにたどり着いた農夫はその空虚の中で膝をついた。
答えを見つけて生きる目的を失い、衰弱しきった身体は急速に死に向かう。
おそらく死んでも周囲の光景は何も変わらないだろう。
同じ無の空間へ誘われるだけなのだから。
【エピローグ】
ガルーはベッドで横になりながら宇宙地図アプリを開いていた。
このアプリには星の座標検索だけでなくメモ機能も備わっている。
銀河368543468565 No.132553451224 この星のメモにはこう書かれていた。
『ルカと初めて青姦をやった星。気候がちょうどよくSEXに最適!毎週末はここでSEXしようと約束した。次回はティッシュを持っていこう。星を汚したままはマナーが悪い。』
彼らの中でこの星を呼ぶとき、“青姦用の星”とは言わなかった。ルカリオがはしたないと言って。
壊れるまで何度も愛用したこの星を彼らは、青姦と、その星の見た目を掛けてこう呼んだ
“青い星”と。
END