重たい袋の密輸 「後編」
Added 2024-10-28 13:25:48 +0000 UTCあれほど怪しまれていたというのにロイスは普通に入国できていた。 というのも〝精液から麻薬成分を感知できる機器〟など 用意されていなかったからだ。 二人の女性審査官はロイスの射精(だ)したものを 念入りに調べはしたが、目につくのは異常な量と粘性の高さ、 鼻につくのは気が狂いそうなほど濃厚な精液臭ばかりで まさか〝この粘液〟から麻薬が生成できるなど 考えられられるような精神状態ではなかったのだ。 ただし。 「………やっちまった」 ロイスは絶望していた。 一時の性欲に負けて後悔するのは男にとってよくあることだが、 ロイスの〝やらかし〟は後悔とかのレベルではない。 反社会組織から預かった〝ブツ〟をすべて捨てたに等しい、 まさに絶望である。 「こ… 殺される」 こうなったら審査官に事情を説明してかくまって貰おう。 そう考えるロイスの足が後ろに向けられると、 ひとりの女性が逃げ道をふさいでいた。 「な、なんだアンタ」 「〝受け取り係〟の者だ」 「!!」 ロイスが溜め込んだ精液を渡す予定の相手だ。 「あ、あぁ…そうか…」 〝袋の中〟を空にしてしまったロイスが小さく返事すると、 〝受け取り係〟の女に腕を引かれた。 「さっそく渡してもらう。来い」 「え?」 「すぐそこにホテルを取ってある。 そこで搾らせてもらうぞ」 「えぇ!」 〝受け取り係〟の女性は小柄。 振り切って逃走するのは可能だろうが、 組織の者が近くに潜んでいる可能性も高い。 ロイスは引っ張られるがままホテルへと向かった。 ※ 出入国者たちが集まるということもあって町は発展しており、 ロイスの連れ込まれたホテルも一流と言ってよい質だった。 〝ブツ〟の末端価格を考えればセキュリティの乏しい ホテルでは不安という事だろう。 「――――男性器を見せろ」 〝受け取り係〟の会話はシンプルだった。 若く美しい女性だというのに恥じらいがまったく無く、 部屋に着くなり服を脱いで下着姿となったのだ。 「うぉ…」 さっきの巨乳審査官と比べるのは気の毒だが、 小柄ながらに乳房はしっかりと丸みを形成しており、 腰つきも安産型という男を欲情させるには十分な エロさを持っていた。 「〝この方〟が効率的だろ。 私は平均的な女性より美しいからな、 男は自分でヌクより私のような女性にシて貰った方が たくさん射精(だ)せると聞く。 これで一滴でも多く射精せるのなら協力してやる」 無駄撃ちしたばかりのロイスがギクリと肩をすくめる。 「今のキサマは世界一高価な金玉をぶら下げているといっても 過言ではない。その〝中身〟をキレイサッパリ搾り出すためなら 何でもしてやるぞ」 「な、何でも…」 一流ホテルで美女相手からこんな事を言われたら ヤルことはひとつしかない。 これは〝本来なら〟頑張って耐えたロイスへの褒美も兼ねているのだと 彼自身も気付いたが、同時に焦りも見えていた。 (パイズリ射精からまだ三十分くらいしか経っていない… でも俺の回復力なら射精(だ)せるだろうし、 こんなカワイイ子がヤラせてくれるってんなら 〝そこそこの量〟は射精すことは出来る、が… 【2H(だぶるえっち)】成分はもう…無くなっているだろう… くそッ バレるに決まっているッ) どうにか誤魔化す方法は無いか。 一時的でもいい、逃げる時間さえ稼げれば。 必死で頭を回しているとロイスへと声が掛かった。 「おい何をしている。男性器を見せろと言っただろ」 「お、おぉ… そ、そういやアンタの名前は?」 「名前だと?」 「名前を知っている女の方が興奮して射精がはかどるんだよ」 時間稼ぎの嘘だが〝受け取り係〟は深く考えずに答えた。 「そういうものか… まぁいい、私はネリアだ」 「ネリアちゃんね。 ずいぶん若く見えるけど年齢は――――」 「キサマ、何か隠しているのか?」 「!?」 これ以上の質問は怪しまれる、というより 既に怪しまれていたため、ロイスは急いでペニスを取り出した。 「な、何も隠してねーって… ほら、これでいいんだろ」 ベルトを外してパンツを降ろし、生殖器を露出させる。 部屋の奥には豪華な寝具があり、このままベットインするのが 自然な流れなのだろうが、そうはいかなかった。 「キサマッ 何だ〝それ〟は!」 ネリアのキツイ目がさらにキツく細まっていく。 鋭く尖った視線が刺さるのは陰嚢(いんのう)だった。 「〝中身〟はどうした?」 「な、中身…?」 「その股間にぶら下げた〝金玉の中身〟はどうしたと聞いているんだ!」 ひと目見せただけでバレてしまった。 ロイスはどうにか誤魔化すための言葉を練り出そうとするが。 「私は〝受け取り係〟だ。キサマら男の〝溜まり具合〟など 金玉を見ただけで手に取るように分かる」 こう言われては観念するしかなかった。 「……ここからの質問はよく考えて答えろ。 キサマ、ここに来る前に勝手に射精したな?」 「…………す…すまねぇ。 けどあれは審査官が悪かったんだよ。 とんでもねぇ巨乳審査官でよ、俺は限界まで我慢したのに 反則レベルのパイズリしやがるもんだから――――」 言い訳の途中でロイスの股間に何かが飛んできた。 「だまれ」 飛んできたのはネリアの足。 凄まじい速度の蹴り足がすんでのところで止まっていた。 「ひッ!?」 思わず悲鳴を上げたのは、ネリアの靴の先から 刃物が飛び出していたから。 ロイスの股間は蹴り上げられる寸前だったのではなく、 斬り飛ばされる寸前だったのだ。 「まッ 待ってくれ!」 ロイスはペニス丸出しのまま後ずさり、 そのまま尻もちをついた。 「頼むッ こ、殺さないでくれ!」 命乞いが通じる相手とは思えなかったが、 それでもロイスの取れる選択肢は他になかった。 「……」 足先の刃物を仕舞い込んだネリアは 脱いだスーツに再び腕を通していく。 キサマは私の下着姿を見せる価値すらない、とばかりに。 「―――少し待ってろ」 窓際へと移動したネリアが誰かに電話をかける。 「………どうやら入国審査中に射精してしまったようで… はい… はい……」 会話の詳細は聞こえないがロイスの〝この後〟についてなのは明らか。 ネリアは窓際で電話中、対するロイスは扉のすぐ近くにへたり込んでいる。 このまま逃げ出せるか? そう思ったが、ネリアがこんな隙を見せるということ自体が 他に仲間がいる証拠であり、たとえ扉から逃げ出せても 簡単に捕まえる自信があるのだろう。 「………分かりました、では」 結局、ネリアの通話が終わるまでロイスは一歩も動けなかった。 「おいキサマ、とりあえずチャンスをくれてやるから こっちへ来てチンポをシゴけ」 「え」 「早くしろ」 まったく意図が読めなかったがロイスは素早く立ち上がり、 ネリアの元へ駆け寄って自分のペニスを握りしめた。 「シ、シゴけって… シコれってことか?」 「そうだ。 まずはキサマの睾丸にまだ【2H】成分が残っているのか どうかを確かめる。だからさっさとシコれ。 精液を採取して調べねばならんからな」 ネリアはコップ型の容器を取り出してペニスの正面へ差し出してくる。 「ここへ射精(だ)せ。一滴も零すんじゃないぞ」 「……ッ」 いくら横暴な態度を取られても逆らえない。 ロイスは今チャンスを貰っている立場なのだ。 だから言う通りにネリアの前でオナニーするしかないのだが… 「……あ、あれ」 異常事態が発生する。 「こ、こんなはずじゃ… ちょっとまて…」 いくらシゴいても勃たない。 逃げ場のない緊張感によるものか。 生殖器に刃物を寸止めされて怯えているのか。 早く射精しなければという焦りか。 ペニスをいくらコスっても海綿体が充血してくれない。 (そッ そんなッ ……どうしちまったんだ俺の相棒は… こんないい女の前で射精できるんだぞ。 ぶっかけるのは無理でも〝見せつける〟ことは出来るんだぞ。 た…勃てッ 勃ってくれ!) 悲痛な問いかけにも応答なし。 強姦魔の生殖器はふにゃふにゃと力無く揺れるだけ。 「どうした? まさか勃たないのか?」 ネリアが下向きのペニスを見ながら言ってくる。 その目はふたつの意味で見下していた。 「………はぁ、本当に〝役勃たず〟だなキサマは」 男のプライドに大きな亀裂が入る。 これまでも散々な目に合ってきたが、それでもペニスが力強く ギンギンに勃ち上がっているのには〝男の自信〟を感じていた。 しかし今はまったく勃起してくれない。 女の前でペニスをシゴいてもふにゃチンのまま変化なし。 〝勃ち上がらせるべき場面〟で勃ち上がらせる事が出来ない。 それがどれほど〝男の自信〟を失わせるか。 更に女からの〝役勃たず〟という追い打ち。 このような精神的トラウマはインポテンツに直結する。 「う… ぅぅ…」 ロイスは強姦に手を染めるようになって初めて自分のペニスを責めた。 情けない… 恥ずかしい… と。 すると。 「ったく手間のかかる―――」 ネリアがふにゃチンを優しく摘んだのだ。 しかもそれだけでなく。 ちゅむ♡ 小さくて艶やかな唇が玉袋を咥え込む。 「はひ!?」 ロイスは勃起が出来ない罰として噛み潰されるのか と恐怖したが、直後に発生したのは〝地獄の痛み〟ではなく 〝天国のような心地よさ〟だった。 ころ…♡ 「おっ…」 ころ…♡ ころ…♡ 「おぉ…」 ころころころころ…♡ 「おぉぉ~~……♡」 玉舐めが始まった。 ネリアの目つきは相変わらずきつかったが、 ロイスの勃起をサポートしているのは明白であり、 この思わぬご褒美に恐怖で固まっていた表情がみるみる溶けていく。 「あはぁ……♡」 ちなみにフェラではなく玉舐めを選択したのは 竿の方を舐めてしまうと自分の唾液が〝精液の発射口〟に ついてしまうので麻薬成分検査に影響が出ると考えたから。 ころ♡ ころ♡ ころ♡ 「お、おおお…♡」 少女と言ってもいいくらい幼いネリアの美しい顔が 自分の股間に張り付き、陰嚢という女性ならば 嫌悪する部分を舐めている。 憎らしく睨んでいても顔の美しさは損なわれず、 しかもそんな表情をしながら〝男の一番弱いトコロ〟を 傷つけないように優しく舐めてくれているのだ。 そのギャップがロイスの〝男〟を復活させた。 「―――お」 垂れ下がっていたふにゃチンの海綿体がピクリと反応し、 ゆっくり、ムクムクと膨らみながら角度を上げていく。 「お! おお!」 そして、上を向くほど硬く膨らんだ〝自分のムスコ〟を 見たロイスは心の底から安堵したという。 俺は不能になっていなかったのだ、と。 だが。 「……本当に手間のかかるクズだ」 フル勃起を確認したネリアが素早く搾精を開始した。 シュシュシュシュシュッ 「ッッ!!」 始まったのは右手による手コキ。 「無駄にした時間を少しでも取り戻さねばならんからな。 私がシてやる。光栄に思え」 シュシュシュ… ネリアの手コキは高速だが雑ではない。 握り加減も丁度良く、ただ擦るだけでなく亀頭の凹凸を 通過する際は指で優しくカリ首をなぞるなど、 細かな技巧も織り込まれていた。 「舐めていた金玉がググっと上に引っ張られるのを感じた。 もう射精の準備は整っているのだろ? ならさっさと射精(だ)せ」 シュシュシュシュシュシュ 「あっっっあぁぁっっ♡」 せり上がっていた睾丸が更にペニスへ密着すると、 パックリと開いていた鈴口から〝それ〟が飛び出した。 どぴゅうううううぅう!! 勢いよく放たれた白濁液。 ネリアは右手でシゴきつつ、左手で容器をペニスの射線上に 構えて一滴も逃さずに受け止める。 「…よし」 精液を確認したネリアはぱっと右手を離す。 「ッ!? ……え、え?」 すべてを出し切る前に手コキを止められたロイスが子犬のように 戸惑い、無意識に右手を股間へ伸ばすと… 「さわるな!」 飼い主に叱られてしまった。 「私はコレを確認してくる。 いいか、そこでじっとしていろよ」 〝待て〟をくらったロイスが股間のシッポをぴくぴく振るわせてる。 男にとって中途半端な射精という生殺し状態は非常につらいものだが、 命令には従わなければならない。 「……【2H】の成分が残っててくれるといいのだが」 ネリアはあらかじめ部屋に用意していた道具を広げる。 「これを… こうして…」 容器に入っている精液を少量だけ別容器へ移し、 そこに謎の液体を数滴たらして混ぜると精液が変色した。 ロイスにとって理解できない作業だがそんなものはどうでもよく、 頭の中は〝この残っている精液を出したい〟という欲望だけである。 そして数分後。 確認作業が終わったネリアが誰かに電話で報告している。 「お待たせしました。…はい。 かなり低い数値ですが… ほんの少しは残っているようです」 断片的な会話がロイスにも聞こえてきたが、 彼はまだ〝待て〟の状態を維持するのに必死だった。 さらに数分後。 ネリアは電話の主が出した結論を述べる。 「聞け。キサマの〝睾丸は〟まだ利用価値が残っている」 「!」 「この場での〝処分〟は無くなったから安心しろ。 と言ってもまぁ――――――」 言い終えるより先にロイスに両肩を掴まれた。 「……おい、なんだこの手は?」 小柄のネリアが見上げる先では鼻息荒いロイスが薄ら笑いを浮かべている。 「はぁ… はぁ… パ……パイズリしてくれよ」 「は?」 「いいだろ、なぁ… パイズってくれよ。 も、もう限界なんだ… 中途半端に残っている精子のせいで頭がイカれちまいそうだ… だから…」 「パイズリしろと?」 ネリアが言うとロイスがうなずいた。だけでなく、 なんとOKを貰う前にネリアのスーツを力任せに開いたのだ。 「……ッ」 弾けたボタンが床に転がる。 これにはネリアも少し驚いたが声は出さず、 抵抗する様子も見せない。 そんな反応にロイスも調子づく。 (よしっ いける!) 彼もヤケクソになったのではなく少しは考えていた。 この女は刃物付きの靴で金玉を蹴ろうとしてくるような ヤバイ奴だが、自分の金玉に価値が残っていると分かった今なら 乱暴なことはしてこないはず――― 斬るのはもちろん、蹴ることすらしてこないだろうと考え、 強引にパイズリを迫ったのだ。 ネリアは変わらず無言のままやりたい放題されている。 服を剥かれても、下着を外されても動かない。 その無抵抗さは不気味なほどだったが、 強姦魔のスイッチが入ったロイスはもう止まれない。 「はぁ… はぁ… はぁ… 子供(ガキ)みてぇな体なのにいいオッパイしてるじゃねーか」 子供みたいな体のネリアに何故ロイスはパイズリを求めたのか。 それは、やはりあの〝巨乳審査官〟のせいである。 あれほど溜まりに溜まっていた特濃精液を、 あれほどの超巨乳でほぼ全部搾り取られたのだ。 一時的にパイズリ中毒になってもおかしくはない。 (さっきの巨乳に比べりゃもの足りねーけど 〝挟む〟には十分な大きさだな、しかも幼い顔とのギャップが いい具合にチンポに響いてきやがる) 性的興奮によって思考が浅薄となったロイスが 欲望の赴くまま勃起ペニスをネリアに押し付けて、 強引にパイズリを開始した。 むにゅううぅ♡ 「おほぉぉ♡」 自分でオッパイを寄せ上げての挿乳。 ペニスの先から垂れていた精液がローション代わりに なったので滑り具合も良好だった。 ずりゅ♡ ずりっ♡ 加えて、ネリアの乳房はどうにかパイズれるサイズでは あるものの若さゆえの〝張り〟があり、決してあの巨乳審査官の 劣化パイズリなどではなかった。 「うああぁぁ♡」 ずちゅ♡ ずにゅっ♡ こうなると冷たく睨んでくるネリアの顔も最高の興奮材料と化す。 美しい少女顔から冷徹な視線を送られ、 不釣り合いなオッパイで無理矢理パイズリをしている。 強姦魔として良識など元々持ち合わせていないが、 都合よく今だけは〝背徳感〟を味わっていた。 より興奮するために。 ずちゅ♡ ぬちゅ♡ ずりっ♡ 「お、おおぉぉおおっ はは… イイ感じだ♪ よ…よぉし… だ、だすぞ… ぉおお!」 どびゅるるるるるるるるっっっ!! ネリアの胸では勃起したペニス全体を挟むことは出来ない。 つまり、谷間からはハミ出たペニスが射精すれば 向かう先はすぐ上にある顔という事になる。 「ッッ」 流石のネリアも目をつぶって顔を背けた。 「ま、まだまだイクぞっ」 びゅぷるるるるっ 若く美しい顔が汚らわしい濁液で汚されていくと、 強姦魔に久々の〝満足感〟が訪れた。 「お、おおぉぉ……♪」 己のチンポを気持ち良くするために女を物のように扱う感覚。 自分は今〝男〟を謳歌していると強烈に実感できる。 「お…」 びゅぷっ 今度は最後の一滴まで搾り出せた。 この生意気な女の胸を使って。 自分をゴミのように見ていた顔を汚してやった。 強姦魔が下卑た笑みを浮かべる。 しかし、最後の一滴まで出した男にはそれなりの代償もあり、 ロイスは疲れから一歩後ろにフラついてしまう。 「はは… ちょっと出しすぎちまったかな…」 男とは性欲を発散させてから後悔することが多い生き物。 ロイスにも〝流石に調子に乗り過ぎたか〟と後悔が沸いてきたが、 調子に乗っても乗らなくても〝ここから〟には関係なかった。 「!」 ヒュンと冷たい風が股間を潜り抜けた。 ようにロイスは感じたが、その実態は――― 「ここまで徹底したクズだとこちらもやりやすい」 ネリアが蹴ったのだ。 ロイスの股間を、刃物の飛び出た靴で。 「ぐ…ぁ…??」 金玉が熱いと感じて股間を見ると、 垂れ下がった陰嚢の根元に〝赤いライン〟が走っていた。 「ま、チンポがより上向きになってくれたおかげで 上手く玉を傷つけずに切り離せたがな」 ロイスが一歩後ろへ引いて距離が空いた瞬間、 ネリアは足先に付いた刃物を陰茎と陰嚢のつなぎ目へ 滑らせたのだ。 「あ……あぁぁぁッッッ!!」 〝赤いライン〟は斬った跡。 鋭い斬撃のせいで痛みも陰嚢の反応すらも遅れていた。 「ぐッ た…玉が…ッ」 遅れてやってきた激痛から〝とんでもないこと〟を されたのだと気付いたが、もうすでに終わっていた。 この強姦魔はもう終わっているのだ。 「―――おっと」 ロイスの股間から落ちてきたモノを ネリアが手を伸ばして受け止める。 「…よし♪」 薄い皮袋の中に見える〝ふたつの玉〟が無傷なのを確認すると、 ネリアは初めて微笑を浮かべた。 〝やっていること〟からは想像もできない清らかで美しい笑顔。 強姦魔が見たら〝どうやって犯してやろうか〟とばかり企むであろう 顔だが、その強姦魔はというと… 「が……ぁあ… お、俺の………玉……」 両膝と頭を床に付けて痙攣していた。 膝の間からはボタボタと血が流れ続けており、 ロイスの周囲には赤い水溜りが出来ている、 「話をちゃんと聞いてなかったのか? 私はキサマの〝睾丸は〟利用価値が残っていると言ったが 〝それ以外〟に価値があるとは言ってないぞ」 ネリアの組織が出した結論はこうだ。 ロイスの睾丸にはまだ【2H】の成分が残っている。 しかし、そこから造られる精液にはもうほとんど成分が 残っておらず、麻薬を精製するにはあまりに薄すぎる。 ならば睾丸そのものをすり潰して利用した方がマシだろう。 睾丸の持ち主(ロイス)はただでは済まないだろうが、 組織を裏切った者をただで済ます気はないから丁度いい、と。 「ふむ、竿だけでなく玉袋を切られてもここまで出血するのだな。 男とは不便な肉体構造をしているものだ」 ネリアが切り取った陰嚢を片手にロイスを観察している。 「……た……玉……」 一方のロイスは意識が有るのか無いのか、 〝男の最も大事なモノ〟をか細い声でつぶやくのみ。 「玉? あぁコレのことか。 大丈夫だ、ちゃんと潰れずにふたつともあるぞ。 だから安心して……… くたばれ」 ※ シャワーを浴びたネリアが電話している。 相手はロイスをこの密輸計画に巻き込んだあの女だ。 「今回は残念な結果になってしまいましたね」 『仕方ないわ。これは成功のための失敗として受け入れましょ。 …で、悪いんだけど次の〝密輸容器〟が見つかったから ソイツの所まで行ってくれるかしら』 「分かりました。 今度は〝ちゃんとした容器〟だといいですね」 『何言ってるの。 〝男〟としてちゃんとしている容器(キンタマ)の方が 漏れやすいでしょ♪』 「あ、そうですね♪」 『ま、例え不良品でも変わりはいくらでもあるわ。 そこら中の男の股間にぶら下がっていんですもの♪ 根気よく行きましょ』 「はい」 女二人が通話している部屋の隅では、 〝壊れた容器〟が冷たくなっていた。 ーーーーーーーーーーーー 今回で終わりです。 来月からはまた新しいシリーズとなります。