闘技場支配人の苦悩 8話【破壊描写有り】
Added 2023-06-23 13:44:30 +0000 UTC「〝淫気〟?」 宿へ戻ったリーゼルが眉を上げる。 「淫魔のみが持つ〝気〟ですわ。 〝淫気〟に当てられた男のペニスは奮い勃ち、 精液も異常な速度で造られる――――って 前にも説明しましたよね?」 サルメラがベッドに肘を付きながらジーっと見ている。 「……そういや、言っていたような」 目を逸らすリーゼルに対して「ふぅ」とため息が吐かれた。 「わ、悪かったよ! ……んで、 今日の試合で相手のチンポが斬れなかったのは、 その〝淫気〟のせいだってのかい?」 「〝淫気〟のおかげと言って欲しいところですが、その通りです。 ――――というより、リーゼルさんの〝淫気〟が強すぎるんです」 「?」 リーゼルが首をかしげていると、ベッドから降りたサルメラが テーブルへと手を伸ばし、バナナを一本取り上げた。 「アタシが買ってきたんだけど」 「まぁまぁ、説明に使うだけですから」 「説明って、〝淫気〟のかい?」 「はい。 ――――あの日。 私が貴女に声を掛けたのは 決して偶然ではなく、類まれなる〝淫気〟を秘めていたからです」 それを聞いたリーゼルがまた首をかしげる。 「ちょっと待って。アンタさっき〝淫気〟は淫魔のみが持ってる、 って言ってたじゃないか」 「あぁ失礼。では、リーゼルさんが秘めていたのは 〝スケベ心〟と訂正します」 「なッ!?」 「そもそも、女性ならば誰でも【淫魔化】出来るわけではなく、 ある程度の〝スケベ心〟が必要なのです。 そして〝スケベ心〟が大きいほど強大な〝淫気〟を持つ淫魔となる のですが、貴女の場合は強すぎてペニスが斬れなかったのです」 言いたい事は色々とあったが、リーゼルはぐっと堪え、 質問をひとつに絞る。 「だから、何でそうなるのさ! 普通、強い方が斬れるもんだろ」 強く問い掛けると、淫魔は首を横に振った。 「〝淫気〟とは〝男を悦ばせるための気〟 剣先にあれほど滾らせていては〝斬る行為〟が〝撫でる行為〟に 変換されてしまってもおかしくありません」 「そ、そんなに滾ってたのかい?」 「無意識でしょうね。 淫魔となってから日が浅いので、リーゼルさんが その強大な〝淫気〟をコントロール出来ないのは仕方の無いこと。 今日の試合ではまるで〝垂れ流しの状態〟でしたわよ」 自覚のないリーゼルが唇を尖らせる。 「け、けどさぁ。 垂れ流しっつっても駄目じゃないんだろ? 試合の相手だって開始前からチンポ勃たせてたし… 客席の野郎たちも半勃起してたし… 自分で言うのも何だけど、すごく淫魔っぽかったと思うよ」 すると、厳しい一言が返ってきた。 「それでは見た目の良い痴女と大差ありませんよ」 「ち、痴女ッ……!」 「色気を振りまいて男の視線を惹きつけるだけで満足せず、 淫魔ならばここぞという時のために〝淫気〟を抑え込む事も必要なのです。 今日は相手が弱かったので〝あの程度〟でも勃起してくれましたが、 もっと格上の選手だったら負けてましたわね」 サルメラが持っていたバナナを〝下向き〟に掲げる。 どうやら男根を比喩しているようだ。 「強大な〝淫気〟も扱い方を磨かねば宝の持ち腐れ。 巨根の童貞クンくらい勿体ないものものですわ。 それに、リーゼルさんだってペニスが斬れないとお困りでしょう?」 「!」 リーゼルが【淫魔化】した主な理由は〝男たちへの復讐〟 正々堂々戦って負けたのだから復讐と言うのは少し違うかもしれないが、 とにかく、今まで勝てなかった男たちを負かすことなのだ。 だから、ランタ戦のように〝男を悦ばす〟事しか出来なければ、 いくら勝ててもリーゼル本人が気持ち良くない。 生粋の淫魔なら悦ぶ男を見て悦ぶものだが、 彼女の心はまだ人間であり、剣士としてのプライドもあるのだ。 「その〝淫気〟ってのをコントロールすれば、 アタシでも、淫魔でもチンポを斬る事が出来るんだね?」 薄れかけていた初心を思い出し、リーゼルは聞いた。 「イかすも殺すも想いのまま。ですわ♪」 サルメラがバナナを〝上向き〟に回し、先端にキスをした。 ※ 次の日の夜 リーゼルは木彫りのコップを片手に干し肉を食(は)んでいた。 彼女が寛いでいるのは酒場。 【淫魔化】した日の夜も通っていた馴染の酒場である。 仕切りのない店内では肉体労働に従事する男たちが酒を交わし、 飾りっ気のない肉料理にかぶりついては豪快な笑い声を吐いていた。 そんな店内にいる女性客はリーゼルひとり。 しかし、彼女はこういった活気に満ちた空間が好きであり、 他の客も、店主も男勝りなリーゼルを快く受け入れていた。が… 彼女はもう淫魔。 美酒よりも精液を好む淫魔へと生まれ変わったのだ。 そんな女性が男たちの溜まり場へ現れたら、 別の意味での〝盛り場〟と化してもおかしくない。 「なぁ、リーゼルさんって昨日の試合で勝ったんだろ?」 「あぁ。仕事で見に行けなかったが無傷の完勝らしいぞ」 「へー… つーか、リーゼルさんってなんか… 少し変わったよな」 「お、おぉ…… ぶっちゃけ… エロくなったっていうか…」 カウンターで静かに飲んでいるリーゼル。 その背中へと男たちの熱い視線が注がれているのは、 淫魔となった彼女にもしっかり伝わっていた。 (おーおー♪ 見てるねぇ… 男たちがアタシのことを、エロい目で… ん~と… 八割くらいの野郎はお尻を見てるね。ハハ♪ 知らなかったよ。この店ってこんなにお尻好きが居たのかい♪) サルメラがダグに仕掛けた時のように、空気のこもる室内では 〝淫気〟の効果は上昇するのだが、男たちはまだ冷静さを残している。 理由はリーゼルが〝淫気〟を抑えていたから。 彼女は食事ではなく訓練のためにこの店に来たのだ。 (サルメラのおかげで少しずつ〝淫気〟ってやつが分かってきたよ。 ちょっと窮屈だけど、こうして抑えておけばちょっと注目される くらいで済む。そして――――) リーゼルが振り返り、一番近くのテーブルに座っていた男と目を合わせると。 (―――溜め込んだ〝淫気〟で特定の男を狙い撃ちしてやれば) サルメラが称賛するほど強大な〝淫気〟を、 ふわっと男の周囲へ漂わせてやった。 「……むっ!?」 狙い撃ちされた男が椅子に深く腰掛ける。 「っ! ぁうッ!? ……ッ!?」 溜め込まれた最上級の〝淫気〟を一身に受けた男に起きたのは、 勃起ではなく異変だった。 「う… お… おッ おぉぉッ!?」 精巣が異次元の速度で精液を造り、瞬く間に出荷。 その早漏(はや)さは射精の準備を整える暇すらなかった。 何が起きたのかと言うと、勃起しきる前に射精したのだ。 「くッ ああぁッ!!」 まだ柔いペニスから次々と漏れ出す白濁液。 何をされたのか、何が起きたのか知らぬ本人にとっては恐怖だろうが、 それでも気持ち良さを隠せず、顔は恍惚で歪んでいた。 「くッ♡ ああぁぁ♡」 他の客はひとり残らず酒が入っていたため誰も精液の匂いに気付いておらず、 更に酔っ払いなど日常茶飯事の店内では、椅子に腰かけた男が少し震えていても 気を止める者はいなかった。 彼の内情を知る者はこの場でリーゼルのみ。 (スゴイねこりゃ♪ ふにゃチンのままビュルビュル射精(だ)しちまってるよ♪ …けど、こんだけ至近距離じゃないとまだ上手く当てられないし、 実戦で使うにはもっと練習が必要だね) 大量に漏らした男がひょこひょことトイレに向かうところを確認し、 リーゼルが再びカウンターへ向きを直した。 「ふぅ」 (それに、剣で斬る時はどうしても気分が昂ぶっちまうから 気を付けておかないと…… 淫魔は淫魔で大変だわ) 鍛錬の必要性を実感したリーゼルが次なる実験体を目で探る。 すると、二席分空いた隣のカウンターに男が座っており、 正面を向いて店主と談笑しながら飲んでいる。 だが、しっかりとリーゼルを意識していることは感じた。 要するにさり気なく近づいて〝夜のお誘い〟をしようと考えているのだ。 男の下心を感じ取ったリーゼルは酒を飲み干し、 自分から近づいてやることにした。 「失礼。お隣いいかい?」 ぎょっとする男が慌てて表情を取り繕う。 「あ、あぁもちろん」 いつもは装具で固めた〝いかにも剣士〟といった格好のリーゼルだが、 今夜の彼女は少しだけ〝女〟を意識した華やかな装いをしている。 この好みの変化も【淫魔化】の影響かもしれない。 「リ、リーゼルさん。昨日は大活躍したらしいな」 「まぁね」 カウンター越しの店主は注文されたであろう酒を用意している最中。 ただし、リーゼルの接近で動揺したのか、注がれる酒が 時折りコップからはみ出していた。リーゼルが狙いを付けた男も同様、 その視線が顔と胸を往復している。 (コイツら二人は乳房(オッパイ)好きか。 ハハ、可愛いくらい分かり易いねぇ♪) 〝こういった男の視線〟に対する女の感覚は鋭い。 仮に【淫魔化】する前の彼女でも気付いていただろう。 反面、色欲に突き動かされている男のなんと鈍感な事か。 見透かされているとも知らずにこんな間抜けな言葉を放つ。 「そ、それで、快勝のお祝いってことで一杯奢らせてくれないか?」 その代わり一発ヤラせてくれ――――! と、 股間に飼う欲望の肉蛇が訴えていた。 「では喜んで♪」 察しつつも友好的に微笑むリーゼル。 上等な酒が目の前に差し出されても、いつものように豪快に飲むのではなく そっと口を付ける程度で済まし、感謝の笑みを返す。 それら全ての工程で、リーゼルは試していた。 カウンター越しの店主へ影響が及ばぬよう、 隣の男にだけジワジワと〝淫気〟を送り続けていたのだ。 最初の男のように一気に、ではなく、 ちゃんと〝順を追った生理現象〟が起きるように。 「……ぅっ!」 彼女の狙いは成功する。 カウンター席へ座る男の股間はビンビンに突き上がっていたのだ。 (お…♡) カウンターに肘をつくリーゼルからは見えないが、見る必要もない。 男も男で、見えないのをいいことに遠慮なくテントを勃てながら、 気障(きざ)な顔を向けていた。 (フル勃起してるクセにカッコつけちゃって♪ 指摘して大恥をかかせるのも面白そうだけど、ここは―――) リーゼルが男の〝調理法〟を決めた。 「本当にうまいねぇ、このお酒。 アンタもどうだい?」 と、ひとすすりしたコップをそのまま差し出したのだ。 「え!」 間接キス。程度で喜ぶほど初心ではなかったが、 〝この行為〟自体が気を許している証拠。 男が内心でほくそ笑む。 この女――――― ヤレる! と。 「…そうだな。ではひと口」 男の指がコップに触れる寸前、リーゼルはわざと手を放した。 「あ」 コップが倒れ、酒が男にかかってしまう。 「あっちゃ~ ゴメンねぇ」 どこか白々しく謝るリーゼルに対し、「い、いや、平気だ」と、 男は寛容なところを見せようとするが、滴り落ちた酒が股間を濡らしていた。 狙い通り――― 確認したリーゼルが素早く次の行動へ移った。 「本当にすまないねぇ。 こんなに濡らしちまって…」 身を寄せ、男の太ももにそっと手を回したのだ。 「!!」 距離を置いて見ていた男たちがオォッとざわつく。 リーゼルが大胆に誘っているように見えたのだ。 「あ、あの…ッ」 突然の接触に動転する男。 しかし、まだ〝フル勃起程度〟で済んでいる。 実験体が暴発していないことを確認しつつ、 リーゼルは〝ある理由〟から事を急いだ。 (後ろで見ている野郎たちの中に……… 二人ほどいるね。 そろそろ痺れを切らしてかかってきそうなのが。 ………仕方ない。 どこまでチンポを生殺しに出来るのか試してみたかったけど、、 ちょいと変更するか) 太ももの内側に手を置かれた男は動かない。 動揺と期待が入り混じり、体が固まっていたのだ。 もちろん股間も限界以上の硬度を見せていた。 「……あら♡」 男の股間を一瞥し、リーゼルはいかにも〝今気づいた〟といった 表情を浮かべてからソレに触れた。 ――――ス♡ 「ッッ!!?」 男が息を呑む。 「………なんか、カチンコチンなのがあるねぇ♡」 まんざらでもない反応。 この状況でこの反応は、もはやエッチOKのサイン。 「……ごくっ」 男の喉が鳴り、目つきが変わる。 肉を前にした獣の目。 そんな性獣の〝前に突き上がる尻尾の先〟へと、 淫魔(リーゼル)が人差し指を置いた。 ――――ちょん♡ 直後。 「――――うはっ??」 どぷ… どぷどぷどぷっっ!! リーゼルに注ぐために急ピッチで造られていた子種が流出したのだ。 「なっ!? あああぁぁ……ッ」 どぷぷ… どぷぷぷぷぷッッ!! 「おやぁ♡ この辺だけネバネバしてきたんだけど…♪」 くり…♡ くり…♡ 暴発中のペニスをほじくると、最後の残弾が撃ち出された。 「ぬはぁあぁっ」 どぴゅるるるう… どぷぷぷ… 「ふふ…♡」 生殺しの特訓をする時間が無いと見たリーゼルは、 すぐに〝精密動作〟の訓練へと切り替えた。 〝淫気〟を人差し指の先へ集約させ、勃起テントの先端をつつく。 それだけの技だが、リーゼルほど強大な〝淫気〟の持ち主なら どんな男にも通用する必殺技にもなる。 「あ… あへ……♡」 酒と精液で股間を濡らした男から距離を取るリーゼル。 それは〝次なる相手〟を迎え討つためでもあった。 「よぉネエちゃん、そんな男より俺達の相手をしてくんないか?」 「金ならあるぜ。もちろん〝アッチの方〟の自信もな♪」 酒の入った男二人が近づいてきたが、 リーゼルはカウンターの方を向いたまま振り向かない。 「なぁ、無視しないでくれよ」 「ネエちゃんだってこんな店に一人で来るくらいだから刺激が欲しいんだろ」 常連客であるリーゼルを〝ネエちゃん〟と呼ぶあたり、 この男たちが新参者であることが分かる。 「おいアンタら――――」 カウンターの向こうから店主が注意しようとしたが、 リーゼルはそれを手で制止した。 「心配ないよ。こういった〝腐ったソーセージ〟の扱いは慣れてんだ。 店主さんだって知ってんだろ」 それを聞いた男二人が更に距離を詰める。 店内で飲んでいる他の男が心配していたのは、 むしろその二人組の方だった。 「腐ったソーセージってのは、俺達の事かい?」 「まぁ、間違ってねぇよ。最高級の極太ソーセージだけどなぁ♪」 と、片方の男がリーゼルに肩に手を回し、 〝極太ソーセージ〟とやらを押し付けた瞬間。 ――――――シュプッ 彼女は体を素早く反転させ、隠し持っていたフォークで 男の股間を突き刺したのだ。 「ひっ…… がぁぁッッ…」 銀製のフォークは衣服を突き破り、〝男のソーセージ〟に深々と刺さる 「ぁッッ… うッッ…」 フォークが引き抜かれ、股間が赤黒く染まると、 男がその場に転がり落ちた。 「確かに中々のサイズだったよ。 もう使いもんにならないだろうけどね♪」 吐き捨てるように言いながら、リーゼルは手応えを掴んでいた。 淫魔になってから初めてペニスを〝攻撃〟する事が出来た――――! ランタ戦では斬ろうとしたペニスを逆に悦ばせてしまったが、 今回は〝淫気〟のコントロールによって突き刺す事が出来たのだ。 「て、てめぇ――― はひっ!?」 うろたえていた〝もう一本のソーセージ〟へと、 血の付いたフォークが突き刺さった。 しかし。 「あ… あふぅ♡」 出てきたのは悲鳴ではなく嬌声。 ペニスを刺せた喜びで〝淫気〟のコントロールが乱れ、 〝フォークでの攻撃〟が〝フォークでの愛撫〟に変換されたのだ。 当然、ペニスにフォークは刺さらず、 まるで甘噛みのようにグリグリと押し当たっているだけ。 「おっ♡ 何だ…これ? うぉぉ♡」 「ちッ 失敗か」 とはいえ、コレはコレで男に効果はあるので、 マヌケ面で隙を見せているうちにリーゼルは深呼吸し、 心を落ち着かせてから再度フォークを突き立てる。 「まだまだ訓練不足ってこと――― ねっ!」 今度の狙いは〝男のソーセージ〟ではなく〝男の卵〟 ――――――ズブッ!! フォークの三つ矛が〝白身と黄身〟を貫いた。 「○×▲◎△※×ッッ!!!」 一人目以上の絶叫を上げてから男が泡を吹いて倒れ込む。 「………ま、今日のところはこんなもんか」 店主を含む店内の男たちが無意識に股間を押さえている中、 リーゼルが〝卵〟を突き刺したフォークを拾い上げ、 料金と一緒にカウンターへ置いた。 今回分かった事は〝淫気〟のコントロールだけではない。 男の勃起具合がハッキリ分かっていると、 こうも大胆な行動が取れるという事も実感していた。 元々大胆な性格のリーゼルだが、今日のように自分から男の下半身に 手を伸ばして誘う事などほとんどなかった。 だが、淫魔となり、男の内面がより鮮明に分かった事で、 自分の魅力に自信をもってアピール出来るようになったのだ。 淫魔が全員自信たっぷりなのはこの能力のおかげかもしれない。 未だに羽も尻尾も生えていないリーセルだが、 確実に淫魔として深化していた。