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【有料部分約10,000字】杜◯凛◯がPのために作った本命チョコを出会って数秒のイケメンADに渡してしまう話-2

3 「はい、あーん♡」  満面の笑みを浮かべた凛世は、一口サイズに割ったチョコレートを◯◯の口に運ぶ。◯◯の暮らすマンションの部屋はいたるところ散らかり放題だが、そんなことはまったく気にならない。むしろ、整然とした自分の部屋よりも心地よさを覚えさえする。 「美味しい、でしょうか?」  もじもじと照れながらの質問に、◯◯は「んー。うまいよ」と頷いた。 「ありがとうございます! ありがとうございます!」  やった。褒めてもらえた。  火照る頬に両掌をあてがいつつ、凛世は体をくねらせて照れに照れる。初めての手作りチョコレートを彼に捧げられた――そのことが嬉しくてたまらない。この喜びに比べたら、アイドルイベントで優勝した時の感情など塵芥も同然だ。 「ほらほら。何してんの」  ◯◯に促され、凛世はチョコレートを一欠片ごと彼の口へと運び、どんな菓子よりもなお甘い「あーん♡」の声とともに食べさせていった。まるで自分を食されているような錯覚に、彼が咀嚼を重ねるたび、凛世の瞳は陶然と霞んだ。チョコレートも、プロデューサーではなく、◯◯に食べられて幸せに違いなかった。  ハート型のチョコレートは、刻一刻とその体積を減らしていく。これを全部食べ終えたら自分はきっと――と想像すると、心臓が高鳴り、血が沸き立った。こんな格好をしていなかったら、大汗を掻いていたことだろう。  ピンク色のキャミソールと超ミニ丈のスカート――厚手のコートの下に、冬らしからぬ、そして凛世らしからぬ露出度の極めて高い服を着てきたのは、もちろん、◯◯の目を楽しませるためだ。あのくだらない番組の収録がおわった後、慌てて駆け込んだショップで購入した。  寮の皆には、友人の家に泊まる、と嘘の連絡をしている。品行方正な凛世を疑う者は誰もおらず、千雪にいたっては「楽しんできてね!」とメッセージをくれた。もちろん、楽しむつもりだ。そのために、凛世はここに来たのだから。 「最後の一口は、凛世ちゃんが口移しで食わせてよ(笑)」  できないわけないよね、と言う◯◯に、凛世は「は、はいっ♡」と返事をした。  焦げ茶色の欠片を唇に咥える。顔は真っ赤だが、その動きに躊躇いはない。膨らんだ鼻の穴から荒い呼吸を漏らしながら、凛世は彼の顔に自分の顔を近づけていく。  どれだけ近くから見ても、◯◯の顔にはいささかの欠点すら見られない。 (格好いい格好いい格好いい格好いい格好いい格好いい格好いい格好いい格好いい格好いい格好いい格好いい格好いい格好いい格好いい格好いいこのひと本当に格好いい格好よすぎ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡)  やがて重なり合う唇と唇――絡まりあう舌のあいだで、チョコレートが溶けていく。鼻息を混じり合わせながら、凛世と◯◯は両手の指を恋人繋ぎにつないだ。手作りチョコレートだけではなく、それよりももっと大切なファーストキスを、最高の男性に捧げられた幸せに、凛世の下肢が痙攣する。性知識はあれど、自慰行為すらしたことのなかった少女は、口吻だけで絶頂に達してしまっていた。  すべらかな内腿を、下着では吸収しきれなかった愛液がねっとりと這う。  彼の勃起が腹にぐりぐりと押しつけられると、いったんは収まっていた痙攣が、今度はさらに激しく凛世の体を震わせた。その震えにあわせて、凛世の掌が彼の掌をすがりつくように握りしめ、「んっ♡」「んっ♡」と彼女の鼻奥に切ない音が連続する。  時刻は二十二時。ふたりの夜はまだ始まったばかりだ。 「現役アイドルの本命ちゅー美味しすぎ♡」  たっぷりと凛世とのキスを楽しんだのち、◯◯は手指の絡みをほどき、体を離す。彼が視線をむける凛世の顔は、これが本当にあの凛世なのかと疑ってしまうほどにだらしなく崩れている。潤んだ目、上気した頬、半開きのままで乱れた呼吸を喘いでいる唇、顎に垂れる……それは完全に発情したメスの表情だった。  そうえばさ、と◯◯が凛世のほつれた髪を指で整えてやりながら言う。 「本命チョコは食わしてもらったけど、肝心の告白、聞いてなかったよね。聞きたいなー。凛世ちゃんの告白。つーか、聞かせてよ、凛世ちゃんの素直な気持ち。俺のこと、どう思ってるの? 逆ナンしたからには言う義務があるでしょ」  どうなのかな、と◯◯は凛世の顎に手を添えて、あらためて、その視線を自分に集中させる。顎クイ――少女漫画で見た行為を実際に体験し、凛世の唾液に濡れた唇から熱すぎる吐息が漏れる。  好き、と凛世は彼の瞳を見つめて言った。 「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好好きほんと〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜に大好き、ですっ♡」  息の続く限りに好意を強調する凛世――アイドルの渾身の告白は、◯◯に満足の笑みを浮かべさせずにはおかない。 「俺のこと、彼ピにしたい?」  ◯◯の問いかけに、凛世は食い気味に激しく頷きを返した。 「はい! か、彼ピ――凛世の彼ピになってください!」  お願いしますっ、と普段とはまったく違う喋り方で媚びに媚びる。その姿には、アイドルとして持ち合わせているべき特別さなど欠片も見いだせない。 「そんなに俺のこと好きになってもらえて嬉しいけどさ」  と、◯◯が言う。 「凛世ちゃんは、俺のどこをそんなに好きになってくれたのかな? 正直に教えてくれたら、凛世ちゃんの彼ピになってあげるよ。つーか、嘘ついたらボコる(笑)」  それは、と凛世は生唾を飲みこむ。彼女を躊躇わせるのは、答えの内容ではなく、それを口にすることのあまりの容易さだ。◯◯のどこを好きになったのか、そんなの決まりきっている。 「顔、ですっ!」  アイドルとして決して口にしてはならないこと――ともすれば、喫煙や飲酒よりもなおファンを絶望させるに違いない言葉を、凛世は力強く口にしていた。しかし、それは偽らざる凛世の気持ちだ。 「◯◯さんの顔、最強すぎて、凛世、一目惚れさせられちゃいました♡」 「一目惚れ、とかいい感じに言ってんじゃねえよ。単にお前が面食い女なだけだろ(笑)」  へらへらと笑うその顔すらも魅力的だ。目を潤ませ、熱い息で喉を焦がしながら、凛世は「はい。凛世は……面食い、です……♡」と彼の罵倒を肯定していた。  そうだ。自分は面食いだったのだ。自分が欲しているのは、ステージから見下ろす客席を埋め尽くす豚どもでもなければ、人がいいだけが取り柄の冴えない男でもない。  凛世が求めているものは――イケメンだ。それ以外には何も要らない。  しかし、それのどこが悪いのだろう。より容貌の優れた異性と結ばれたいと願うのは、人間として当然の本能だ。そもそも、アイドルという仕事が、そうした欲望を利用を擬似的に満たしてやるものではないか。  だから、自分は悪くない。自分がしているのは正しいことなのだ。 「アイドルとしては失格の答えだけど、俺の彼女としては合格かな(笑)」 「それって――」 「いいよ。これから凛世ちゃんは俺の女ってことで。えーと、彼女十六号かな? 十七号かも(笑) これから毎月彼ピ代納めてもらうんでよろしくね♡」  笑ってしまうほどに軽い口調で◯◯は告げた。  何人目の恋人であろうが、そのために金銭が発生しようが関係はない。今はただ、彼と特別な関係になれたことが嬉しくてたまらない。ありがとうございますっ、と礼を述べようとした凛世の唇を、◯◯の唇が塞ぐ。舌の根が融けあわせるようなキス――彼の逞しい腕に抱きすくめられる凛世の体が喜びの大波に時折痙攣する。部屋は適温のはずなのに汗がどっと吹き出し、少女らしからぬ、女の香りを立ち上らせる。  ふたりの唇が唾液の糸をひきつつ離れる。それでも、なお、彼の感触は、凛世に残され、彼女の心臓を弾ませている。はへっ♡ はへっ♡ と情欲の呼吸を喘ぐ彼女を、優越に満ちた視線で見下ろしながら、◯◯はベルトに手をかける。 「それじゃ、早速、俺のカノピとしての仕事、してもらおっかな♡」 4  そうそう、そんな感じ、と◯◯が言う。 「ぶっちゃけ、俺、アイドルとは結構経験あるんだよね。鷺沢文香って知ってる? 新田美波、三船美優、高垣楓……他にもいるけど、この四人とは今でもたまに飯行ってエッチしてるなー。いつも大体向こうが顔赤くして誘ってくるんだけどさ、凛世ちゃんくらいソッコーで逆ナンしてきた女はさすがに初めてだったわ(笑)」  ベルトを弛めてチャックを開き、巨大な勃起を露出させて仁王立ちになった◯◯――凛世はその前にひざまずき、彼の股間にうずめた頭部を激しく前後させている。 「ほら、俺って格好いいじゃん? だから、働いてるとよく芸能事務所のやつにスカウトされるんだよね。アイドルになってみませんかー、って。冗談じゃねえっつうの。ブスに媚びなきゃいけないとか、拷問でしかないでしょ。――ああ。ブサイクに媚びて金巻き上げてる凛世ちゃんに言うことじゃないか」  ごめんごめん、という謝意のない謝罪は凛世の耳を素通りしている。彼女は、今、教えてもらったばかりの口淫に夢中だ。強烈な吸引のためにその頬はへこみ、頭を引くたび、鼻下の皮膚が限界まで伸びる。ひょっとこのように変形したその顔の滑稽さを、寄り目が強調していた。  自分がどんな顔をしているのかはわかっている。アイドルが決してしてはならない顔だ。しかし、◯◯のペニスに触れる愉悦が、凛世に口唇奉仕をやめることを許してはくれない。たとええづきそうになっても、喉奥まで使って凛世は肉棒をしゃぶりたてる。  彼の肉棒が刺激にいななくたび、メスの喜悦が凛世を襲う。彼女の手は、本人も意識しないうち、パンティの内側へともぐりこみ、淫裂をかき回し、クリトリスを弄り回していた。 「そうだ。記念写真撮っちゃお♡」  ズボンから引っ張り出したスマートフォンを向けた彼に、凛世はようやく唇をペニスから離す。 「あの、さすがに顔を撮影されるのは――」  凛世の言葉に、仕方ないな、と◯◯は苦笑いした。雑多なものが乱雑に詰めこまれたカゴを漁り、そこで見つけた白い不織布のマスクを手に戻ってくる。それを凛世に装着させ、これじゃ表情がわかりづらいかな、と今度は床に落ちていたヘアピンで前髪を留めて、額を露出させる。 「これなら安心でしょ?」  撮影した画像を見せて、◯◯が尋ねる。確かにこれなら、よほど親しくても凛世とはわからないだろう。いや、親しければ親しいほど、イメージが違いすぎて、凛世と認識できないに違いない。そもそも、当の凛世がそこに映っているのが自分自身だと認識できない。 「はい。思う存分、撮影してください♡」  目を細めて微笑んだ凛世は、マスクをつまみあげて作った下方の隙間から、◯◯の巨根を咥えこんでいく。 「これはこれで風情があっていいわ」  マスクの向こう側で肉棒を吸いしゃぶる凛世を撮影した◯◯は、「ツイスタに投稿しよ」とスマートフォンを操作する。それを後々残業をしていたプロデューサーが目にすることになることを、凛世はもちろん知らない。今の彼女は、ただ夢中で肉棒の熱を貪りつつ、自慰に耽っている。もう何度も絶頂に達しているが、体は満足するどころか、時を重ねるにつれて渇いていくようだった。 「今日は一杯写真撮るから、ずっとマスクつけといてよ。――あ♡ そろそろ出すね。きちんとごっくんして」  唐突に宣言して、◯◯が凛世の頭髪を掴み、強引に前後させる。がつがつと亀頭で喉を突かれて目を白黒させる凛世――その口腔にオスの灼熱がぶちまけられる。大量かつ特濃のそれを、凛世は喉を鳴らして必死に嚥下する。粘りつきながら食道を下っていく精液の感覚に、凛世もまた絶頂に感染し、眼球を裏返らせながら体を幸福に震わせる。 (〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡)  溢れ出す愛液――凛世の内腿はすでにべっとりと粘液に濡れている。ともすれば腰が砕け、床に尻もちをついてしまいそうだった。  フェラチオですらこんなにも感じてしまう。それならば、これから行われるであろう行為は、自分をどれほどの快楽に溺れさせてくれるのか。期待が子宮をきゅんきゅんと蠢動させ、絶頂の度合いを跳ね上げる。 「出した出した。気持ちよかったよ。ありがとねー、凛世ちゃん♡」  すべてを放出しおえた◯◯は満足の息を吐きながら、もう一枚写真を撮影し、凛世の頭をわしゃわしゃと撫ぜた。彼が喜んでくれていることが、凛世にとっても嬉しい。マスクの内側に漏れる歓喜の息遣いの香りは、たったいま飲み込んだ牡液に染まっている。 「凛世も、とっても、気持ちよかったです……♡」  その言葉に、◯◯は「本番はこれからだから」と苦笑いする。  そして、彼は凛世の体をお姫様抱っこの形で抱え上げ、寝室へと移動する。逞しい腕と胸板――そして間近に臨む彼の顔貌に、凛世は感動を通り越して慄然とする。こんなにも格好いい男で初体験をしてしまったら、自分はもう後戻りできなくなってしまう。もう容姿に優れた男しか異性として認識できなくなってしまう。不細工どもを相手にしたアイドルの仕事が、完全に「お仕事」になってしまう。しかし、だからといって、今さら引き返そうという気持ちには微塵もならない。 (イケメン♡ イケメン♡ イケメン最高最高最高最高っ♡)  溢れる思いのままに、凛世はぎゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと彼にしがみつき、精一杯の愛を伝える。今この瞬間が永遠に続きますように、と願った矢先に、その体はぞんざいな動きでベッドへと投げ出されてしまう。  きゃっ♡ という可愛らしい驚きの声が漏れた。  スマートフォンをベッドに放った◯◯は、服を脱ぎ捨て、凛世に覆いかぶさる。彼女の服を脱がせつつ行われるその愛撫は、凛世の女としてのツボをいささかも外さないものだった。フェザータッチに柔腰を撫ぜられるだけで、あるかなきかの乳房に唇で触れられるだけで、首筋に息を吹きかけられるだけで、凛世は「おほぉっ♡」とはしたなさを極めた声をあげつつ、軽い絶頂に達してしまう。 「好きだよ、凛世ちゃん」「可愛いよ」「綺麗だよ」「大好きだよ」「愛してるよ」……耳に流し込まれる甘すぎる囁き――もしもその場に男がいれば、その上っ面だけの言葉に失笑を漏らしただろう。しかし、女がいたのなら、自分も愛を囁かれたいと身を焦がしたに違いない。凛世がどのように感じているかは、マスクをしていてもわかる汗と涙に原型を留めないほど崩れた顔と、湯を浴びせられたように汗をかき、生々しい芳香をたちのぼらせる肢体、白濁した愛蜜を垂れ流しにしている股間を見れば明らかだろう。 「凛世も……凛世も大好きです♡」  脚腰をがくがくと痙攣されながら訴える凛世の愛は、◯◯のそれとは正反対に真実と切実さに満ちている。しかし、その愛が◯◯に届くことはない。彼はただ見目麗しい女で性欲と征服欲を満たしたいだけなのだから。 「そろそろ挿れるね♡」  凛世の額にキスを置いた◯◯は、枕元に置いてあった避妊具をペニスに装着し、スマートフォンを片手に凛世の両脚のあいだに陣取った。「あー至高の眺め♡」とにやつきながら、薄い恥毛に彩られたそこに亀頭をあてがう。  はっ♡  はっ♡  はっ♡  切迫した息遣いを連続させながら待ち受ける凛世――まだ挿れられてもいないのに、期待だけで訪れた絶頂が少女の肉という肉を痺れさせていた。 「いくよー(笑) 全力でパコるから死なないでね♡」  という宣告に答える間も与えられず、◯◯の肉槍が少女の最奥に突き立てられる。すでに十分以上に濡れそぼったそこは痛みすら覚えない。たった一秒にも満たない時間で、凛世の体は完全に◯◯の形にされてしまっていた。喉をそらしながら、凛世は絶頂する。それは、これまでの絶頂をはるか下に置き去りにしてしまうほどに圧倒的な愉悦を彼女にもたらした。 「あー。きっつきつで気持ちー♡」  適当な言葉を吐き散らしながら、男は腰を前後させる。彼の体がぶつかるたび、体が四散してしまうのではないかというほどの衝撃が凛世を襲う。怖い。怖いはずなのに――深く、さらに深く彼の挿入を求めてしまう。 「これなら朝まで余裕でパコり続けられるわ。凛世ちゃん、オナホの才能たっぷりだね♡ アイドルより向いてんじゃね?」  スマートフォンで写真を幾枚も撮影しながら、◯◯が言う。  夜通し抱いてもらえる。際限なしに膨れ上がる喜びに、呼吸が激しくなる。酸欠に陥る脳内――脳細胞が大量に死滅していくのがはっきりとわかる。しかし、それで構わない。彼への気持ち以外、価値のあるものなどないのだから。 「凛世ちゃん、締めつけやっば♡ ほんとに処女? まあ、気持ちよく出せりゃ、俺はどっちでもいいけど(笑)」  締まりに締まる膣道で悦楽を貪る肉棒が、やがて爆発の予兆を脈打ちはじめる。至近距離で絡まりあうふたりの視線――乱れに乱れているはずの息遣いが同調しはじめる。 「イくぞ、凛世♡」  響きだけは愛に満ちた口調で彼女の名前を呼び捨てにする。 「は、はいっ♡ 凛世も……凛世も……っ♡」  彼に追いすがるように絶頂へと昇りつめていく凛世を見下ろしつつ、◯◯は呻き声とともに凛世の膣奥に盛大に果てた。野太い砲身から発射される大量の灼熱――白目を剥いた凛世は喉をそらし、マスクの向こう側から、「          っ♡」と声にならない声を垂れ流す。 「じゃあ、これで、凛世は俺の使用済みってことで♡」  中古品だね、と笑いながら、◯◯が腰を引き、肉棒を抜く。 「やばいくらい出た(笑) これが俺の愛の証ね」  彼は外したコンドームを、いまだ絶頂の余韻に全身を泳がせている凛世の胸に載せた。ずっしりとした重さに、「はああっ♡」と感激の溜息が漏れる。こんなにたっぷり出してくれた――ということは、つまり、彼は自分にこれだけの性的な価値を見出してくれた、ということだ。 (嬉し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ♡ 嬉しすぎてやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい♡)  普段ならば絶対に使わないであろう言葉を狂ったように繰り返しながら、凛世は内心で悶え転がる。だらしなく下がった目尻――他のすべてのメスに対する優越感がその黒瞳にぐるぐると渦を巻いている。  昨日まで、容姿を誇りに思ったことはなかった。しかし、今この時は、己の見目麗しさに感謝する。それが自惚れではないのは、アイドルとしてスカウトされた事実以上に、コンドームの重さが示してくれている。 「凛世の写真、超似てる子ってことにして投稿したんだけど、結構反響きてるわ」  スマートフォンを操作しながら◯◯が言う。 「『エッロ』、『めっちゃ似てる』、『似てるけど雰囲気違いすぎw』、『寂しい夜にオカズありがとう』……あ(笑) 『こんな写真に凛世ちゃんの名前使わないでください!』だってさ。お前のファンだな、これ。絶賛裏切られてるアイドル豚クッソ哀れ(笑) おとなしく俺があげてる画像でシコって死んどけっつうの」  大切なファンを完全に小馬鹿にする男の言葉――それに対して、凛世はくすりと笑いを漏らしていた。自分のことなど何も知らないはずなのに、自分を信じている。どれほど信じようと、自分が不細工と恋愛をする可能性など微塵もありはしないというのに。  本当に哀れだった。哀れすぎて、笑わずにはいられない。 「あの……」  凛世はもじもじと指を合わせつつ、彼に上目遣いを送る。「もう二回戦行きたくなっちゃった?」と尋ねられた彼女は、恥じらいつつも「はい♡」と素直に頷く。 「チョコの代わりに、凛世のこと、いっぱい食べてくださいっ♡」  きゃはっ☆ と声を弾けさせて、◯◯に抱きつく凛世――イケメンとの夜に全力ではしゃぐその胸から、へばりついていた使用済みのコンドームが剥がれる。ベッドに落下したそれから染み出した精液は、乱れたシーツにじわじわと染みを広げていった。 5  くそ、と◯◯が吐き捨てる。 「もうゴムねーわ。まだハメ足りねえけど、これで終わりにしよっか」  空箱を捨てた彼が視線を向ける先――先ほどまで後背位で交わっていた凛世が、尻を高く掲げたまま、上体を突っ伏して、華奢な全身を痙攣させている。その震えにあわせ、さらけ出された菊門がひくひくといなないていた。  様々な体位で彼ともう何度交わったのか――凛世は覚えていない。どの一瞬もかけがえのないものとして、凛世の胸に刻まれている。そのうちのいくつかは、◯◯によって写真として撮影され、ネットに投稿された。最初は万が一にも露見するのではないか、と恐ろしかったが、途中からは開き直り、全力で自分をさらけ出すことができた。凛世はまだ見ていないが、それらの画像は、どんな名カメラマンの手になるものよりも的確に彼女を捉えているに違いなかった。 (終わり――)  快楽に揉まれた体はぐったりと脱力しているが、しかし、体の奥底に燃える欲情の炎はいささかも勢いを衰えさせてはいない。これで終わり――まだまだ時刻は朝には遠いというのに、そんなことを認められるわけがなかった。  認めない、ということが何を意味しているかはわかっている。それでも、彼との睦み合いを続けたかった。凛世は体を起こし、ベッドから脚をおろして座っている彼の背中にひしと抱きつく。 「ひ、避妊具――」  薄い胸を彼に押し当てて精一杯に媚びながら凛世は言った。 「コンドームは、つけなくて、構いません♡ つけなくていいから、もっと――」 「生でいいからハメてくれってこと? ガキできても、絶対に責任取んないよ、俺? それでもいいの?」  大丈夫です、と凛世は断言する。 「責任取らなくていいです♡ 子供ができたら、凛世が責任をもって育てます♡」 「凛世だってまだ子供じゃん(笑)」  と苦笑した男は、「そうだ」と跳ね上げたばかりのライターの蓋を降ろす。 「本命チョコあげるはずだった男ってさ、どうせ、あのプロデューサーでしょ? あいつに父親になってもらえばいいじゃん。無理矢理に既成事実作ってさ。凛世くらい可愛かったら、逆レイプ余裕でしょ? 血液型は適当に誤魔化してもろて(笑)」  ほとんど計画ともいえないような杜撰な思いつき――しかし、凛世は「わかりました!」と目を輝かせる。色惚けしたその頭には、もう、◯◯と性行為したいという欲望以外には何も存在しない。 「プロデューサーのこと、逆レイプします♡ 凛世と◯◯さんの子供の父親にします♡ で、ですから、◯◯さんっ、もうおわりなんて言わないでください♡ 凛世のこと、もっともっとも〜〜〜〜っとたくさん食べてくださいっ♡」  お願いしますぅ、と媚びに媚びる凛世は、溢れる欲情に耐えきれず、腰をカクカクと前後させる。火のついていない煙草を指で弾き飛ばした◯◯は、いまだ熱の冷めやらぬ凛世の体に覆いかぶさった。  そしてはじまる無責任の生性交――仰向けになった凛世の膣に剥き出しのペニスが挿入される。直に得られる◯◯の感触は、ゴムごしのものとはまったく違っていた。微細な皺までもがはっきりと感じられる。彼と直に繋がることができたのだという実感に、体中が歓喜している。 「ああっ♡ ◯◯さんっ♡ ◯◯さんっ♡」  名前を呼ぶだけで脳が蕩けそうだ。心臓の高鳴りはとまらず、陰部は間欠的に潮を吹き散らかしている。生理周期など関係ない。自分はこの性交で確実に妊娠してしまう――メスの本能で、凛世はそれを悟った。 「大好き、ですっっっっ♡」  万感の思いをこめて愛情を訴えた凛世の腕が◯◯の体を抱きしめ、脚が腰を挟み込む。もはやこれ以上はない密着度で、◯◯は凛世の最奥のさらに奥を暴力的に抉る。並の男では絶対に届かない彼だけに許された場所で、◯◯は欲望を解き放つ。  膣奥にぶちまけられる白濁は、これまでもう幾度も射精しているのが信じられないほど大量だった。凛世は声を出すこともできず、目をぎゅっと閉じて、歯を軋らせながら暴風に耐えるように彼の体に必死にしがみつく。たった今注がれた精液に含まれている精子が、凛世の海を泳ぎ、やがて卵子に辿り着く。そして、そこで、ふたたび凛世と◯◯は結ばれるのだ。  なんてロマンティックなのだろう。  その思いが凛世の肉体だけではなく、脳を絶頂させていた。精神的な絶頂は、肉体のそれとは違い、いつまで経ってもおわることはない。この幸せを永続させるためなら、どんなことだって――許されないことだって、平然とやってしまえる、と凛世は確信する。 「あー。すっげー出たわ。やば」  凛世から体を離し、◯◯が笑う。スマートフォンを取りあげた彼は、いまだ苦しげに呼吸している凛世を斟酌せず、指で陰部を広げてみせろ、と命じる。 「ついでに、ポーズとろっか」  こういう感じね、と◯◯は拳に中指をつきたてて見せる。その意味するところを理解していながら、いや、理解しているからこそ楽しげに、凛世はカメラに向かってファックサインを作ってみせる。陰裂から粘り気たっぷりに垂れる精液の感覚がたまらなく心地いい。 「久しぶりに生でハメたらマジで妊娠させたくなってきたわ。つーか絶対孕ます。朝までぶっ続けで中出し決定な」  撮影した写真をツイスタに投稿した◯◯は、スマートフォンを放り、凛世の体を貪りはじめる。同時に、凛世も彼の欲望に奉仕する喜びを貪っていく。その目つきは、大和撫子のものでもなければ少女のものでもない。完全に、妖しい魅力に満ちた大人の女のそれだ。  この夜を経た凛世に言い寄られて、淫心をかき乱されない男はいないだろう。もちろん、プロデューサーとて、例外ではない。自分に言い寄られ、欲望に負ける瞬間の彼の顔を凛世は目で見ているように想像することができた。おそらく、日付が変わって今日の朝、彼は自分の体調を気遣うメッセージを送ってよこす。適当な言い訳をつけて、彼とふたりきりになり、そこで―― (逆レイプ♡)  もはや必要のなくなったマスクを剥きとり、◯◯と激しく口吻を交わす。赤の他人の子供の父親にされる彼は確かに可哀想だが、それを言うならば、プロデューサーのように冴えない男とセックスをしなければいけない凛世のほうが憐れまれるべきだろう。  いや――むしろ凛世のように超絶的な美少女との性行為ができるのだから、彼は幸福だ。そうだ。これはいわば、凛世からプロデューサーへのプレゼントだ。  バレンタインデーでなくても、贈り物はできる。  くすり、という笑いさえも口吻のなかに蕩けさせて、恋する少女は夜に溺れていく。 (了) ―――――― バックナンバーはBOOTHにて頒布中です https://ringokidjp.booth.pm/

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