女神アノーラ。作物の豊穣を司っている地母神の一柱である。
偶像として描かれるその肉体は豊満で、日差しを受けて輝く褐色の肌はいかにも”実り”を司る神らしい。
彼女は広く農民の信仰を集め、各地に彼女を祀る祠や社が建立されている。
そしてある日、山奥にあるアノーラ神殿にて、今年の例祭が催されていた。
夕闇の中、神殿前の広場には数十人もの人々が集い今年の作物を献じ、アノーラへの祈りを捧げている。
しばし、静謐な時が流れた。祈りを捧げる人々の間を、一陣の風が優しく通り過ぎたとき、それは起こった。
跪いた大地から生命力が溢れ、人々を包み込む。
「おお……!」
誰ともしれず、感嘆の声を漏らす。
神殿の奥深くから発せられる強烈な光が、一筋の柱となって天へと伸びた。
光はゆっくりと収束し、やがて人の形を成していく。
女神アノーラの顕現だ。
彼女の褐色の肌は太陽よりも明るく輝き、豊満な肢体は実りそのものを体現しているかのようだった。
「アノーラ様が顕現なされた……」
アノーラは両腕を広げ、微笑みながら民衆を見渡す。
しかし、その歓喜の瞬間——
「うわぁああっ!?」
群衆の一角から悲鳴が上がった。皆がそちらを一斉に見やると、角の方から黒い塊が吹き出し、まるで人々を飲み込んでいくように見えた。
「ま、魔族だぁっ!」
黒い塊に見えたのは魔族の一団だった。彼らは異形の翼を広げ、鉤爪のような手をワキワキとさせて人々を薙ぎ払っている。
「お逃げなさい……! あれは下等な魔族ですが、あなたがたの手に負えるものでは……!」
民を救おうとアノーラが動こうとした瞬間、触手のようなものが背後から伸び、彼女の身体を絡め取った。
「うっ……!! これは一体……!」
振り返ると、そこには巨大な魔物が立っていた。目がなく、ただ不揃いの歯をむき出しにして荒く息をついている。その腐った肉のような不気味な表皮は、アノーラの肌さえ粟立たせた。
「この時を待っていた……」
低く響く声と共に、アノーラの身体はゆっくりと宙に浮かんでいった。彼女は抵抗しようとするが、抗うことができない。
力強い魔物の腕が彼女の腰に回され、そのまま闇へと消えていった。
「くぅうっ! 皆、お逃げなさい……!」
「アノーラ様……!」
残された民衆は呆然と見上げることしかできなかった。
魔族も次々と飛び去った結果、広場には先ほどまでの歓喜など跡形もなく、ただ荒れ果てた神殿と傷ついた人々だけが取り残されていた。
「こ、こは……」
魔方陣の上で目を覚ましたアノーラは、自分がどこにいるのか理解できなかった。ぼんやりと上から連れ下げられていることだけはわかるのだが、周囲が真っ暗で状況は全く不明だ。
周囲には歪んだ影のような存在たちが蠢いており、眼前に立つ一人の男が冷たい眼差しで彼女を見上げていた。
深いローブに身を包んでいて顔はわからないが、青黒い肌は魔のものであることを知らせてくる。
「女神よ、目覚めたか」
男は唇の端を吊り上げる。
「あなたは一体何者ですか、このような真似を……!」
アノーラは身を起こそうとしたが、何かに縛られて身動きが取れない。
「端的に言おう。お前の力が欲しい」
「私の……?」
アノーラの表情が険しくなる。
「しかし、お前のような神の力を直接奪うことはむずかしい。それでこういう仕組みを考えた」
「仕組み……? っ!」
ハッとして振り向くと、そこにはあのとき目にした魔物が居た。
毛のない皮膚がぬらりと光り、アノーラの胴体ほどある腕が不気味に鳴動しながら彼女を拘束していた。
「それは私が錬成した合成魔獣だ。女体を孕ますことに特化した存在……その精巣にはいくつもの魔獣の子種が収められている」
アノーラの背筋が寒くなる。
「その魔獣は特別な存在なのだ。神とてかつては地上にいた身……どれかは当たるであろう。なに、安心するがいい。できた子はこちらでしっかり育ててやる。我々の尖兵としてな」
「や、やめてっ!」
「グオオオオッ」
魔獣の股間からは触手が蠢いていた。それらはそれぞれ独自の生命を持つように脈打ち、粘液を滴らせながらアノーラの秘部へと伸びていく。
「いや……くうっ! 離れてっ!」
アノーラは必死に足をばたつかせるが、がっちりと魔獣に掴まれていて身動きが取れない。
ずぐっ! ぐぐっ……!!
ずちゅんっ!
「ああああああっ!!」
太い触手が無理やり彼女の内壁を押し開いた。神の肉体とはいえ、人の身を模しているのだ。痛みもそれ相応にある。
「うぐぅ、うぅうぅっ!」
苦悶の声が喉から漏れる。魔獣は容赦なく触手をピストンさせ、粘膜同士が擦れる音が響く。
「あうっ、ああっ! く、うぅ、ううーっ!!」
アノーラは目を閉じ、耐えた。
(こんな……ことが……誰、かっ!)
魔法陣には複雑極まりない印が刻まれている。それが神である自分の力でさえ抑え込んでしまっているのだろう。
「うっくっ! あうぅっ! あ、ああっ!!」
激しいピストンで体と意識が強烈に揺さぶられる。しかし、若干ではあるが痛みが薄まりつつあった。
(このままでは……!)
いずれは快楽にあえいでしまうのではないか。こんな魔獣に、神である自分が犯されて――。
しかしそんなアノーラの危惧とは裏腹に、恐ろしい光景が目の前に現れた。
「え……? そ、そんなっ!!」
触手がさらに二本、魔獣の股間からせり上がってきたのだ。
「まだまだ入りそうだと思ったらしいな。まあ、何本だろうとその子種袋をパンパンにするのは変わりないだろうが……」
「あ、あぁあぁぁ……」
そして触手は躊躇なくアノーラの膣に突き立てられた。
「ひぎぃいいいぃぃぃっ!!」
一本でも膣内を埋め尽くしていたのに、さらに二本もの触手が突き立てられたのだ。アノーラは苦痛に絶叫するしかない。
「あ、ぁあっ! あふっ! あんっ……ああっ!!」
しかし――予想していたほどの痛みはなかった。むしろ……
「あ、あっ……?♥」
じんわりと多幸感が結合部から広がって、全身を包みこんでいくようだった。
(そ、そんなっ♥ おかしいっ♥ 気持ち、いいなんてっ……!!♥)
ずちゅんっ、ぐちゅんっ!!
腟内をかき回される不快な感覚は、今や甘い痺れをもたらすものへと変わっていた。
「くぅん♥ ……うっ……あぁぁっ♥ あんっ!♥」
アノーラの喉から漏れる喘ぎも、もはや悲痛なものではなかった。オスに媚びるメスの、嗜虐心をそそるような猫なで声だ。
「嘘ォン♥ ……だめッ……♥ 私、は神なの♥ こんなことでェ……っ♥」
うなされるような呟き。
一片の誇りだけが言葉を紡ぐが、肉体はすでに屈服していた。膣内の触手が擦れるたび、電流のような快感が全身を駆け巡り、腰がいやらしくくねった。
「あっ♥ ……あぉん♥ ……もっと、もっとぉ……っっ!♥」
自ら腰を振り始めるアノーラ。その姿からは神としての威厳は感じられない。彼女を奉った民衆がみたら失望するだろう。
「くくっ……女神様のなんと無様なことよ」
見守っていた魔族が口を開く。
「さぁ宿せ、神力を宿した魔の子を……!」
その瞬間を迎える間際、魔族も流石に高ぶり、声に力がこもった。
「あっ……イク♥ イクッ……イッちゃうっ!!♥ あ~ん♥ あっっっ!!!♥」
どびゅううううううっっっ!!!
絶頂を迎えた瞬間、触手から大量の白濁液が注ぎ込まれた。
「ああああぁぁああああぁぁあああーー!!」
快楽にとろけきった表情でアノーラは絶叫し、達する。
「おほぉぉうっ!♥ イック……うーっ!!♥!?♥」
どぽぽっ、ごぽっ……。
三本のペニスからの射精を受け、流石に子宮に収まりきらない分の白濁が溢れ、噴水のように吹き出した。
「しゅご、しゅぎぃ……♥ あっ……♥」
完全に壊れた女神の表情をみて、魔族は満足気にほくそ笑んだ。
「これで終わりではない、始まりだ……女神よ」
そう告げる魔族の顔は邪悪な笑みに満ちていた。そしてローブの裾を大きくはためかせると、その姿は一瞬のうちに掻き消えていた。
そして――
「おほぉぉっ!♥ らめぇ、まだイッたばかり……あはーんっ♥」
堕ちた女神と魔獣のみが、その場に残されたのだった。
月日がすぎ――
翌年になっても、更に次の年になっても、アノーラはその姿を民の前に現すことはなかった。
やがてその地はかつてないほどの凶作に見舞われ、次第にアノーラへの信仰は失われていったのだった……。