サシャ・ドルク。王都より遥か離れた山あいを縄張りとする山賊だ。
日焼けした肌に引き締まった肉体、その奔放で豪快な気質から蛮族と字され、市井からは悪名高い彼女ではあったが、一方義賊としての顔も持ち合わせていた。
彼女の縄張り内にはいくつか貧しい山村があったが、標的にされたことは一度もなく、もっぱら豪奢な貴族たちの荷馬車や、他所の賊から通行料を奪うことで生計を立てていた。
そんな彼女も、とうとう年貢の納め時が来たようだった。
陰ながら庇護していた山村がトロルの襲撃に遭い、村娘が戦利品として拐かされそうになったところを彼女が割って入り、なんとか逃がすことに成功した。
のだが、その代わりにトロルに打ちのめされ、彼らの巣につれてこられてしまったのだ。
亜人種であるトロルは、人間のメスを好んで犯す。それが繁殖目的なのかただの快楽のためなのか、それは誰にもわからない。その巨根に耐えられるメスはほとんどいないからだ。
「けッ……残念だったな。あたしみたいな女連れてきちまってよ」
しかしサシャからすれば、自分がオスたちからそういう目で見られていると思ったこともない。であれば、あとは食料として貪られるくらいか。
(まあ、いいか……あたしにしちゃ上等な最後か)
見渡せば、数匹ものトロルが彼女を囲んでいる。背後では一匹のトロルが逃げ出せないようにサシャの両腕をガッチリ掴んでいる。背後から漂う獣臭に顔をしかめつつ、彼女は自ら最期を受け入れていた。
「さっさと殺せ! このクソ……」
罵倒しようとした瞬間、別のトロルが前に立ち塞がった。それは握りこぶしを作ると、サシャにこれみよがしに見せつける。
「うっ……まさか……!」
サシャの頬を冷や汗が伝う。何をされるかわかったからだ。その一瞬後、トロルは彼女の想像通り、力任せにサシャの腹を殴りつけた。
「ぐぁっ!?」
ぐしゃ、と鈍い音と共に、腹筋越しに内臓が押しつぶされた。同時に、ブラの紐部分も巻き込まれ、根本から千切られて宙に舞い、乳房があらわになる。
「うッ……グッッ……」
口腔に苦いものが上がってきて、刺激臭が鼻を突く。しかし、吐きはしない。こういう連中に弱みを見せてはならないという意地がある。
視界がチカチカと明滅する。来るとわかっていなければ気絶していただろう。それほどの一撃だった。激痛で思考が真っ白になるが、すぐさま怒りと苛立ちに塗り替えられる。
(くそ……こんなヤツらなんかにっ……さっさとやればいいだろうが……!?)
サシャはあることに気づき、青ざめた。強烈な一撃は痛み以外の感覚を呼び起こしていた。
快楽や恐怖より深くにあるもの──生存本能。
それが、サシャの秘密にしていたモノを励起させていた。
(違う……こんなッ! ……バカみたいな理由で、ありえねぇだろぉ!!)
サシャの股間では、本来女性にはないもの――ペニスがパンツを押しのけてそそり立っていた。その長さは一般男性のそれよりもかなり大きい。
「ううっ……くっ……見るな、見るなっ……!」
相手がトロルであろうとも、自分にとって望まぬものであるのは確かだ。乳房を晒していても隠す気は起きないが、これは違う。羞恥で泣きたくなる。自分のモノを隠すように身を捩ろうとするが、拘束されている身ではどうすることもできない。
幸か不幸か、トロルの知能は低い。彼らがサシャのそれについて何か理解できたわけではない。
ただ――それが彼女の性感帯であるということには気づいたようだった。
グルル、と低い唸り声と共に、足先を伸ばし、太い指の間でサシャのペニスを挟み込んだ。
「なっ……! 何しやがる!? あぁあっ!?」
トロルはそのまま、爪先を巧みに使って竿を上下に擦り上げた。
「あんっ♥ こ、これはっ……?」
自慰より明らかに気持ちいいのにサシャは困惑した。自分ではうまく扱けない角度からの行為であることと、状況そのものが起因しているのかもしれない。いずれにしても、こんな屈辱は受け入れがたい。
「やめろ、ぉおおっ!! こんな、のっ!? ふざけんなぁっ!! やめろっ!」
じゅっ、しゅっ、にゅるっ!!
乾いた摩擦音だったのが、やがて水音を帯びてくる。
紛れもなく彼女の滴らせた我慢汁が原因だった。
(なんで……こんな奴らにされて感じちまってるんだ!? あたしはぁ……っ!)
「うあ、あああああああああーーっ!!!」
びゅくうううっ!!
身体の奥底から湧き上がる欲望の奔流に逆らえないまま、サシャはトロルの足コキで絶頂を迎えてしまった。
勢いよく吐き出された白濁は周囲に飛散し、精の匂いを撒き散らす。
「ぐ……うう、うっ!」
やがて快楽の波が去り、脱力感と羞恥にサシャはうなだれた。
「はぁ、はぁ…………っ!?」
不意に視界に何かが映る。黒い塊が自身のペニスの向こうから伸びてきている。同時に、背中越しに荒い呼吸があるのに気がついた。
(ま、まさか……!)
サシャを羽交い締めしているトロルが、ペニスを勃起させていたのだ。その大きさはサシャのそれさえ比ではない。
そのサイズに、死を覚悟した彼女でさえ恐怖に打ち震えた。
「やめ……! そんなの、入るわけなっっ」
そう懇願しかけたが、既に遅かった。
ずぶ、ぶぶぶぶぶっ!!!
「あぐああああああっ!!!」
トロルのペニスがサシャの膣を押し広げ、強引に侵入していった。
「おぐっ!? お、ぉおぉ……!」
バチバチと目の前で火花が散っている。痛みによるものかどうかさえわからない。
「ひぎぃっ!? がっ! ああああぁっ!!」
ずぶううっ! ズッ! ズッ!!
サシャは痛みから逃れようと必死にもがくものの、トロルの怪力の前ではあまりにも無力であり、為されるがままに蹂躙されていく。
抜き差しの度に愛液が飛び散り、サシャの勃起したペニスは上下に跳ね続けた。
「あぎ、ああっ! やめ、てぇぇっ!! 壊れるっ! 壊れちゃうからあぁぁあ……っ!」
涙で顔をグシャグシャに崩しながら懇願する。そこに男勝りの蛮族、サシャの姿はない。
(あ、れ……っ)
しかし徐々に、徐々にではあるが、痛みは和らぎつつあった。慣れか、潤滑液の分泌のためか――いずれにせよ、それでサシャは奇妙なことに気が付いた。
痛みと違和感が消えていくにつれて、快楽の波が押し寄せてきたのだ。
(なんだ……これ……っ! こんなの知らない……!)
自分のペニスをギンギンにしながら、膣をえぐられる。その圧倒的な快楽に、サシャは翻弄され、ぐんぐんと押し上げられた。
「んっ……! はあ……ッ! ふぅっ……!♥ あああああんっ!!♥」
絶叫するような嬌声が、甘いそれへと変わっていく。
「や、だっ!♥ だめだ、イクっ……トロルに犯されながらっ!?♥ チンポから出ちまうっ、イッちまう……っ♥」
そして――
「おっ……♥ お゛お゛っ♥ ン゛ォォォーーッ!!♥♥」
どびゅううううーーーーーっ!! びゅるううううううっ!!
トロルが射精するのと同時に、サシャも絶頂を迎えた。二本のペニスから放たれた白い放物線が、暗い洞窟の中で白い虹を描き交差する。
「イクイクイクいくイッてる!?♥ 出るでるだす出して孕むぅっ!!♥ ううううううーーーーっっっ!!!!♥♥」
びゅーーーっ!! びゅくびゅくっ! どぷどぷどぷっ!!
「あっひ♥ あああああああああーーーっ!!!」
アクメ大絶叫を洞窟内に響き渡らせ、サシャはイキ果てた。
そしてしばらく痙攣したあと、糸が切れた人形のようにぐったりと身体を弛緩させる。
「あひぃ……いぃっ♥ あぅあぁぁ……」
二匹分の精液にまみれ、口元からは涎を垂らしたサシャは完全に前後不覚に陥っていた。白目をむいて痙攣するその姿は無様というほかない。
トロルたちにとっては、そんなサシャであっても、得難い獲物であったろう。自分たちのペニスに耐えられるメスなど、そうは存在しないのだから。
――それより数日の後、この洞窟の前を通った旅人が、中から獣のようではあるが、人間の叫び声が聞こえたと兵士の詰め所に届け出た。
兵士たちが確認しに向かった所、トロルたちの巣の中にサシャを発見。白濁まみれになっていた彼女は生きてはいたものの、ただ虚ろに何事かを呟く廃人となっていたという……。