pixivに投稿したブル〇カの美甘ネルのイラストに、短めのssを書いてみました。シチュの一助になれば幸いです。
※前回のカンナパートと続いてます
しばらく周囲の様子を見て回っているうちに、ミレニアムの区画に入っていた。
ここでもちらほらと、異様な筋肉体型の生徒たちが歩いている。
ただ、街に混乱している様子はない。
筋肉がついた身体で平然と歩いているだけだし、いつも通りの姿の生徒たちも普通に過ごしているように見える。
あまりにも平穏なことが、むしろ余計に恐ろしく感じてしまう。
カンナも普通に仕事していたし、まるでみんなの常識ごと歪められているような……。
「よぉ先生、そんなに慌ててどうしたんだ?」
呼び止められて声がした方を振り向くと、オレンジ色の髪とバニーガールのカチューシャが目線より少し下に見えた。
「いつも落ち着いてるのによ、息まで上がってるし……何かあったか?」
C&Cのリーダー、美甘ネル。
接近戦を得意とする武闘派で、何度もお世話になっている生徒だ。
バニーカチューシャは前の任務で使った衣装だし、普段からちょくちょく着ているのは知っている。
でも今はそれよりも、問題があるのは彼女の首から下で……
ギュムッ、ギチチッ……ボコッ!
これでもかと筋肉が肥大していた。
もともと小柄だったけど、身長はそのままに横幅が倍くらいに大きくなったように感じる。
身体の輪郭を塗り変えるほどの筋肉量。
カンナも相当な体型だったけど、ネルは彼女以上にバルクがあるようにみえる。
「その身体……」
「ああ、これか?」
自分の身体を見下ろして当然のことのように反応するネル。
あまりにも平然としすぎていてこっちがおかしいのかと思いそうになるけど、どこからどう見ても全身が分厚い筋肉に覆われていた。
しかも、ほとんど裸……ビキニの水着ですらなく、乳首と股間をニプレスで隠しているだけ。
逆バニー……みたいな感じだけど、腕も脚も衣装はなくて目に入ってくるのは筋肉ばかりだ。
「最高にカッコイイだろ!」
こちらの困惑も意に介さず、満面の笑みで胸を張っている。
もともと起伏の少ない体型だったのだけど、今はその胸に2つの膨らみがついていた。
ただ……その全部が大胸筋で構成されていて、乳房というよりも丸みを帯びた分厚い胸板といった印象の方が強い。
ただあまりの筋肉量ゆえに、胸の筋肉が干渉し合って固そうな谷間ができあがっている。
その下にある腹筋も握りこぶしみたいな塊が隆起して、ギチギチとひしめき合っていた。
ここまで存在感があると、自然と目で追ってしまうというか……。
パワーはもちろんありそうだけど、見せつけるための筋肉という感じもしてくる。
ネルらしいというか、なんというか……異変のせいで受け入れてるのか、素でカッコイイと思っているのかは判断しにくいところだった。
「ただ、服がみんな入んなくなってよ、スカジャンもデケェやつを買い直さねえと……」
自分の腕や胸を眺めて、少しだけ不満そうに呟く。
この格好もおそらく、バニースーツに身体が入らなかったがゆえだろう。
前は胸のカップがゆるゆるだったけど、この胸板で着るには特注品が必要になりそうだ。
太腿も筋肉がボコボコと盛り上がって付け根よりも中ほどの方がずっと太いし、普通に立っているだけでも内腿がぶつかり合っている。
元から動じないタイプではあったけど、ほぼ全身の肌を晒していながら恥ずかしがる様子はまったくないし、筋肉そのものが衣装だと言わんばかりに堂々としていた。
「まあ、服ぐらいはどうにでもなんだろ。それより、これでチビ扱いされる筋合いもなくなったしな」
自分の筋肉を触りながら満足そうに語っているネル。
絞り込まれつつバルクもあるから、肌のすぐ下に筋肉があってその形がくっきりと見える。
全身を鎧のように覆っているそのボリュームは、圧巻としか言いようがない。
……身長はまったく変わってないけれど、そのことは言わないでおく。
「先生はタッパはあるけど細いよなー。もっとゴツくなった方がいいんじゃねえか?」
ネルは腕を曲げたり、頭の後ろに回してポーズを取りながら、己の筋肉を私に見せつけてくる。
ラグビーボールのように太く中央が張り出した二の腕がボコリと盛り上がる。
体格ゆえに手足の長さはないけど、ビキビキと筋だけでなく極太の血管が浮き上がり、肉体の威圧感がさらに増していく。
「どうしたんだよ、さっきからぼーっとして。何かあったのか?」
「あー、えっと……」
ポージングを止めて、こちらを心配する様子のネル。
原因が彼女の身体であることを、どう伝えればいいのか分からずに言葉に詰まってしまう。
本人が筋肉を気に入っているのも含めて、否定的なことを言うわけにもいかなかった。
逡巡している私を眺めている間にネルは何かを思いついたらしく、いつものニヤリとした笑みを浮かべながら近づいてきて、がしっと腕を掴まれた。
「あたしが気合い入れてやるよ」
抱きつくように腕を回し、強めに背中をバンッと叩かれる。
熱気と、固くありつつもしなやかな筋肉の感触。
大胸筋でできた胸板が、私の胸の下あたりに押しつけられる。
服ごしにもじっとりと汗が染みて、ムワッとした匂いが鼻腔に広がっていく。
フリーズしていたけど、このままじゃマズいと理性が警告を発していた。
「ご、ごめん、先急いでるから、また今度ね!」
ネルの身体をそっと離して、急いでその場を離れる。
こちらの用事を邪魔するような生徒ではないし、驚いてはいたけどそのまま見送ってくれた。
何だろう、筋肉のこと以外は、普段とまったく変わらないような態度で……。
(もしかして、想像以上に異変は広がってる?)
走りながら、どうするべきか考える。
ミレニアムで最強クラスの生徒が変化してるとなると、事態はより深刻かもしれない。
少なくとも、力技で制圧する必要が出てきた場合には解決がかなり困難になるのは間違いない。
そもそも近接戦闘でギヴォトス最強と評判だったのに、あの筋肉が加わったら手の付けようが──
(本人も満足しているみたいだし……戻すべきなのかな?)
ふと、疑問が頭をよぎる。
間違いなく異常ではあるけれど……ネルもカンナも困っているわけではないのだ。
生徒たちのやりたいことを優先するのが先生としての責任だし、「この異常を解決してほしい」って望んでるなら話は別なんだけど……。
(とにかく、他の生徒のところに行ってみようかな)
視界に映る肌色をチラチラと見やりながら、ひとまず調査を続けることにした。
……ムググッ
(続くようにがんばる)