XaiJu
ハルカナ
ハルカナ

fanbox


ショーダウンⅡ 『37:遺恨晴らし』

#37『遺恨晴らし』 「ちょ、どういうつもり!? 綾香を解放しろって言ったのに……なんで私をその綾香の上に拘束する必要があるのよっ!?」  紅葉が再び拘束されたのはベッドの上ではなく“ベッドに拘束されたままの綾香の上”に重なるような拘束が施されていた。  綾香は仰向けの格好で寝かされた状態……それに対して、紅葉はベッドの側を見るようなうつ伏せの状態を強いられている。 「しかも何この拘束の仕方っ! 何でわざわざ逆向きに寝かせて拘束したの? 意味わかんないんだけどっ!」  お互いに肌を触れ合わせ、紅葉が綾香の身体の上に寝かされている状態になっているが……二人の上半身と下半身はなぜか互い違いになるよう反転されて拘束が行われていた。  綾香の手首に付けられていた枷の所には“足用”の枷が連結され、その枷に紅葉の“足首”が拘束されてある。同じように、綾香の足首の枷には足とは逆の“手用”の枷が連結され紅葉の手首がそれに拘束されてある。  これにより、互いに身体を向かい合わせに重ねて拘束されてあるが……互いの顔を見合う事なく二人は互いの股の間に顔の位置が来るよう調整された状態となっていた。  綾香と隣同士に拘束されるならともかく、なぜ身体を上に重ねるよう拘束したのかも謎だし……更にその拘束の仕方が綾香とは上下が逆になっているというのがどうにもその意図が読み取れず理解出来ない。  紅葉はこの不可解な拘束の仕方に不満を漏らしつつも、なぜまだ綾香が巻き込まれているのか! と声を荒げて鈴音達に問いかけるのだった。 「あら……素敵♪ とっても良い格好になったじゃない♥ トランプの絵札みたいに上下反転してて……あんた達にはお似合いの格好よ♪」  鈴音は二人のその反転して拘束された格好を見てクスクスと不敵な笑いを零している。その反応を見て紅葉は話が通じない苛立ちを覚えてしまう。  しかし、その後に零した智恵理の言葉を聞いて、その苛立ちは再び困惑へと変化する事となる。 「えぇ、えぇ♥ とっても面白い拘束ですね♪ ほら、お互い……相手の足首の所に手首が拘束されていますから……手首を少し曲げれば、お互いの足に指が届いちゃうじゃありませんか~♪」  智恵理にそのように言われ何の事を言われているのか理解出来なかった紅葉は、「はぁ?」と苛立ちを形にしたような声を零しつつ智恵理に訝しむような言葉を返した。 「足に指が届くって……何が言いたいワケ? それがなんだって言うのよっ!」  智恵理の発した言葉の意図に理解が及ばず紅葉は声を荒げてその様に強く言葉を発する。それに対して智恵理は「ウフフフ♥」と、含みのある笑いを零して鈴音と顔を合わせて首を縦に振り合って納得し合っている。  その様子を見てもまだ意図を察せない紅葉だったが……綾香は彼女らが自分達に何をさせたいのかを敏感に察してしまい再び苦々しい表情を浮かべてしまう。 『やれやれ……。また馬鹿なこと企んでるわね……このコンビは……』  綾香は心のなかでその様に悪態をつきつつ、彼女達の意図に沿うよう行動を開始し始める。 「んな事よりもっ! 綾香の拘束を解けって言ってんのよ! 何でまだこいつは拘束されて――」  っと、紅葉が更なる言葉を発そうとしたその時…… 「――んひゃっ!?!?」  自分の足裏に何かゾワっとした寒気が湧き立つ感触が与えられ驚きの声を上げてしまう。 「な、な、な、なに?? なんか……足裏にっっ! 指が触った??」  鈴音と智恵理は自分達の横に立っている為紅葉の足裏に触れる事は出来ない。しかし、足裏には確かに指先でツツツと撫で上げた感触が広がった……  この刺激は誰が? どうやって? っと、疑問を浮かべたが……その答えは、刺激に驚いて思わず手を動かしたタイミングで“綾香の足”に触れた事で自力で見出す事となった。 『ま、まさか綾香が……私の足裏に手を伸ばして……くすぐった??』  自分も触れたのだから綾香も同じように手を足裏へ這わせる事も可能では? と、その様に答えを導き出すと……その考えが間違いではないと言わんばかりに左右の足裏から次々に刺激が送り込まれ紅葉は再び素っ頓狂な声を出す羽目になってしまう。 「ひゃはっ! ひぃぃぃっっ!?!? ちょ、ちょっ、綾香ッ? な、なにやって……」  紅葉の想像通り、綾香は自分の手首の真横に置かれた紅葉の足裏に手を曲げて伸ばし、触れた肌をコチョコチョとくすぐり始めていた。  手は手首から曲げれば簡単に紅葉の足裏に届いてしまう。互い違いに拘束した理由はこういう事をしろと言いたいのだろう……と察した綾香は、紅葉に見本を示す意味も含めて相手の足裏をくすぐれる旨を実践して示してあげたのだった。 「こうしろって……言いたいんでしょ? ったく……変態共は考える事がいちいち歪んでて……普通の子じゃ理解し難いっつーの。ねぇ? 紅葉……」  綾香はその様に言いながらも紅葉の足裏をくすぐり続けている。そのくすぐりに紅葉は虚を突かれ驚いてしまい、笑う事を我慢するのも忘れ吹き出してしまう。 「ぷっっはっ!!!! ぷひゃ~~~~っはははははははははははははははははははは、ちょ、ちょっと待ってぇへへへへへへへへへへへへ!! 綾香ぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、何すんのよぉぉっ!!」  綾香はニンマリとした笑みを浮かべ紅葉の足裏をくすぐり回していく。その刺激に耐えられない紅葉は綾香の身体の上でジタバタと身体を揺すり笑い悶えてしまう。 「こうやって……お互いの遺恨もそれぞれで晴らせって言いたいみたいよ? だから……ほら、あんたもやりなさい? 私の足裏くすぐって……溜まってた恨みでも何でも好きに晴らしたらいいわ……」  綾香がそのように言うと紅葉はようやくその意図を察し口元にグッと力を込めて笑いを堪える。そして、促される通りに綾香の足裏に自分の手を伸ばして反り返る様に拘束されていた彼女の足裏をカリカリと爪先で引っ掻く様にくすぐり始めた。 「な、何よそれ! んくっ! い、意味……分かんないっ! 今更恨みなんて……無いってのに、こんな事して何の意味が……」  そう言いつつ紅葉も手を伸ばし、綾香の強く足裏をくすぐり返す。そのくすぐりに綾香はビクンと体を震わせて目をつむり、襲い来るこそばゆさに耐えようと力を込める。 「ぷっっふっ!!! そ、そう! そうよ! ぅくくくくく! それで……良いの……んくっ! 私の足は……指まで拘束されてあるから逃げられないわ。うぐっふふふふふふふ……容赦なんてしなくて良い……存分に……ンフッっ! くすぐって……私の事……笑わせてみなさい……くっっふっ!!」 「んぐぅぅっっ! くぅ~~~~っ!! そう言ってる割に……あんたの手も容赦……ないじゃないっ!! フッ……フッフッ……くふぅぅ……く、くすぐり方がいやらし過ぎて……我慢出来そうもない……っひぐっ!!?」  互いの足裏を互いの手でくすぐり合いながら二人は笑う寸前の顔になって言葉を交わしている。  紅葉は、足指まで反らすように拘束されたままだった綾香の反った足裏に爪を立てて上下に引っ掻くくすぐりを繰り返し、綾香の方はくすぐりを嫌がって足先を左右に振って逃げ惑う紅葉の足裏に全ての指を総動員してコチョコチョと優しく触り回すようにくすぐりを入れている。  互いのくすぐりが互いの笑いたい欲を存分に刺激し、二人ともすぐに我慢の限界に達してしまう。特に綾香の方は“媚薬”の効果がまだ切れていない状態でもあった為紅葉のくすぐりが余計にこそばゆく感じてしまう。  それでも、綾香は懸命に笑い出してしまうのを我慢し紅葉に言葉を紡ぎ続ける。 「くくく……ぷふっふ!! そ、そう……そこ……私……弱いの! そこを攻めれば……私は……ぷくふっっふふっ! もう……我慢できずに……くっくっくっく……んぐぅぅぅ!!」 「くぅぅ~~~っ! んぐぐぐぅぅぅ!! そ、そんな事言って……余裕でもある訳? それとも……私を惑わす為の……嘘……とか、かしら?」 「ふっっふふ……疑うなら……実際に触ってみたら良いじゃ――っは、ひぎぃぃ~~~~っ!?!?」 「あら……本当だったみたいね? やっぱり土踏まずの少し上の膨らみのトコ……あんた弱いのね? ココをカリカリされんのが弱いんでしょ? ほら、やってあげるから……笑いなさいよ!」 「ぐふ~~~っふっっふっっふっっ!!! くふふ……ふふ……ま、まだまだ! 私だって……あんたの弱点……見抜いてんだからっっ!!」 「んヒョっはッっ!? ちょほっっ!! やだっ!! 土踏まずぅぅふふふふ、掻き回さないでっっへへへへ!! そこダメ! 嫌っ! くすぐったいっっ!!」 「ふっ……フフッ! くふっっ! でしょ? こうやって……指をランダムに動かされると……あんた……弱いみたいね?」 「ぷふっっふっっふっ!! 刺激が……予測できなくて……こそばいっっひっ!! ダメっっ! こそば過ぎて……笑っちゃうぅっっふっふっ!!」 「ひゃはっ!? あひぃぃっ!?!? ちょ、紅葉ぃィひひ!? そんなに強く掻き毟ったらぁぁひゃっっ!! 無理っっひひひ! 無理ぃィぃひひひひひひ!!」  コチョコチョ……コチョコチョ……とお互いがお互いをくすぐり合う音がステージに響き渡る。  紅葉の強く掻き毟るくすぐりと、綾香の素早く撫で回すくすぐり……それぞれが足裏の肌を刺激する音が重なり異様な風景が出来上がってしまう。  その様子を満足げに見ながら麗華はほんの少し視線を上に向けて何かを確認した後、時が来たと言わんばかりに広げていた扇子をパタンと畳んで鈴音に声をかける。 「鈴音ちゃん……わたくし……ちょっと、席を外しますわね?」  その言葉を聞き鈴音は驚くような顔を作って麗華に問い返す。 「お嬢? もう観なくて良いんですか? これからが罰の本番なのに……」 「えぇ……もう十分に堪能致しましたわ♥ それよりも……まだわたくしには“やらないとならない仕事”が残っておりますから……」 「……仕事?」 「えぇ……。ほら、さっき鈴音ちゃんにお願いした仕事があったでしょう? アレの続き……というか後始末ですね♪」 「あぁ……アレですか……」 「丁度、姿が見えないようですし……恐らくあそこに行っているのでしょう……」 「でしたら、コレ……持って行きます?」 「えぇ。預かりますわ♥ それと……」 「それと?」 「あのゲーム機も……貸して頂いても良いですか?」 「……? ゲーム機?」 「そっ♥ そっちにも残してあるのでしょう? 送信してくれたヤツが……」 「え、えぇ……まぁ。保存してますが?」 「それも借りていきたいんですの♥ それを見せた方が“伝わり易い”と思うので♪」 「あぁ……成程……。確かに……」 「ありがとうございます♪ そういうわけですので……コチラの後の件、お任せして構いませんか?」 「えぇ、問題ないです……」 「フフフ……では、少し行ってまいりますわね?」 「分かりました。でも……お嬢、気を付けて下さいね? あいつ追い込まれたら何をしでかすか分かりませんから……」 「大丈夫です♪ ちゃんと警戒はしてますから♥」 「それなら……良いですけど……」  鈴音は麗華に要求された物を渡して彼女がエレベーターへと向かうのを見送った。  麗華は紅葉と綾香の攻め合う声をもう少し見たかったと後ろ髪を引かれる思いではあったが、意を決したように表情を引き締めホテルの上階へと向かうボタンを押してエレベーターを待った。  その様子を見ていた客席の中の一人が、エレベーターに乗った麗華の姿を見ながら静かに立ち上がる様子を見せた。  やがて麗華を乗せたエレベーターが最上階にて止まったことを確認すると、その者もエレベーターへと向かって歩き出した。  鈴音と智恵理はその者の動きを特に意識に入れる事はしていなかった。  それよりも……綾香と紅葉のくすぐり合いの方に興味が移り、二人とも満足げな笑みを浮かべていたのだ。  くすぐり合いはいよいよ二人の我慢が限界へと達した事を漏れる声で知らせていた。  智恵理と鈴音はその頃合いを見計らって、二人が拘束されたベッド脇へと近づくよう歩みを進めていった。  そして……彼女達が吹き出したその瞬間を見定めて、智恵理と鈴音は更なる罰を二人に下すのだった。


More Creators