サキュモスハンター【36】【覚醒、死闘の末に……】
Added 2025-03-21 15:00:00 +0000 UTCサキュモスハンター【36】【覚醒、死闘の末に……】(3383文字) 【第30話選択肢より】 https://abnormal-create.fanbox.cc/posts/9383216 【選択肢】そんなことはできない (そんなこと、できるわけがない) 足を全力で動かした。 だが、どうやっても間に合わない。 その距離が、あまりにも遠く感じる。 そして、無情にも……。 「はい、ぶっちゅぅ~ん♡」 「んぐぅぅぅ――!!んむぅぅぅ――――!!!!♡♡」 手の平が合わせられる。 その間からユイナの快楽の悲鳴が鳴った。 乳房と乳房の押し合った力によって、母乳が溢れ出す。 ドバドバと母乳が手平の間から零れ出る。 「まだ!!」 パイラウネの太ももの付け根付近まで掛けたところで、跳躍した。 本来ならメグルの力では届かない高さ。 だが、途中でパイラウネの下腹部を蹴り上げ、挟みこむ腕まで到達する。 「太刀を振り上げる」 「ふふ、無駄よ♡さぁ、この子がこれから磨り潰されるところを特等席で……♡」 (できる) 「乱舞……」 「……なに?」 パイラウネの言葉に動揺が走った。 自分自身できるかどうかわからない。 だが、できるという確信にも似た感覚が体を駆け巡る。 肉体に流れる淫気が爆発する。 それは、『崩壊』にも似た感覚だった。 そして、手が勝手に動いた。 「『百(ひゃく)蛇(じゃ)の顎(あぎと)』」 上から下に、下から上に切り上げる動作。 一往復だけのように見えるその一撃に上顎五十牙が、そして、切り上げる動作一度に、下顎五十牙、合計百の牙による斬撃が発生した。 高位のサキュモスであるパイラウネにも認識できなかったようだった。 超高速の五十連撃の往復斬。 残像はただの一度きりのゆっくりとした上下に動かされる太刀筋にしか見えない一撃。 だが、それだけの攻撃回数、体の末端である手が耐えられる攻撃ではなかった。 彼女の右手首から先が、乳蕾同様に霧散した。 「まぁ~!」 パイラウネの純粋な驚愕の声。 片手の圧力がなくなったユイナの体が自然と落下する。 「あぐぁぁ……♡」 そして、メグルはパイラウネの腕を蹴り、雷光の速度で彼女の太ももまで降りる。 今の動きはまるでラドル隊長の跳躍のようだった。 また、落下の間に、手の中にユイナを抱き留めている。 再度一回の跳躍。 ラドル隊長に群がる蕾を、通り抜ける際に一閃。隊長の上を覆う天蓋を剥がすように、一撃でかき消した。 「あぁ……♡ぁ、ありが、とぅ……♡」 地面に着地すると、甘い声でユイナがそう呟いてきた。 「大丈夫だよ、ちょっと休んでいて」 そっと、彼女の体を草原の地面に横たえる。 リマと隊長が駆け寄ってきた。 「よくやった」 「ユイナ」 隊長から肩を叩かれる。 リマはユイナに抱きついていた。 「隊長、二人をお願いします」 「メグル君……いや、今の君なら」 そう、なぜかわからないが、今までに感じたことのないほどの感覚が体に巡っていた。 そして、その力がどこから流れているのかも感じられる。 「一皇」 (この太刀のおかげだ) 味わったことのない体の中を駆け巡る強烈な力の奔流。 間違いなくこの太刀の力だ。 「いってきます」 「めぐぅる……♡」 ユイナの声が後ろ髪を引いたが、あいつを倒すしかないという思いで飛び出した。 「あはは♡すごいわ♡イリス様が目は間違っていなかったのね♡」 壁のように無数の乳蕾が押し寄せる。 まるで津波だ。 パイラウネの本気。 さらに、大地から彼女の分裂体も現れる。 「『一皇』」 太刀を横に構える。 あぁ……。違う。これじゃない。さっきまでとは、違う。 そう……これは。 「『蛇竜瞬閃(じゃりゅうしゅんせん)』」 鞘に納めるように左腰へと当てた刀剣を、抜刀術の要領で放つ『一皇・閃』と全く同じ動きだ。 だが……。 スッ……ドォォン!! 放った一閃は音を超え、空間を切り裂き、その先の空気までも吹き飛ばした。 衝撃波が万の刃となって放たれる。 その波は、夢幻種器と同じように淫気を吸収した。 そして、大波のように迫ってきた乳蕾の壁と分裂体の林を一瞬で霧散させた。 「…………」 (これが、今の、力……) 放った途端に発現した効が、一瞬で正面に迫っていた敵を霧散させる。 あまりの力にメグル自身も驚愕を隠しきれなかった。 「すごいわ♡メグル君からはさぞ、美味しい精気が吸えそうね♡さぁ、いらっしゃい♡」 霧散させた津波の正面を抜ける。 彼女は足を左右に開いていた。 股の間に誘導される。 そして、そのまま……。 「ぱっちゅん♡」 左右から迫る巨大な足。 早い。 だが、回避は容易、飛びあがり、太ももの上へ着地する。 途端、足元から花が咲き始める。 「うふ、『百乳繚乱』♡」 まさに百の乳房がいり乱れる様を見事に再現していた。 太ももからのみではない、乳房が、乳蕾が、体中に咲き乱れ、咲いた花からは人の理性を犯す香が振りまかれる。 「はあっ!!」 もう一撃、神速の斬撃を放つ。 同じく衝撃波が刀身の正面に立つものをなぎ倒す。 だが、それでもパイラウネの体は霧散させることができなかった。 ダメージが弱いわけではない、それだけかのサキュモスが強大なのだ。 「くっ!!」 足元から伸びる花と蕾を避けるために飛びあがる。 パイラウネはまるで植物と乳房の服を身にまとう様に、もうすでに足を置ける場所すらないほど首から下の全身を美麗なドレスで覆っていた。 真正面。 パイラウネと対峙する。 (あとは、お願いします) 「『一皇……』」 (縦閃よりもさらに、重く、広く) 自分の中に浮かびあがる力が、言葉に変わる。 「『竜(りゅう)蛇(じゃ)の尾(び)鞭(べん)』」 一閃、二閃、三閃。 視界に残像すら残さない、三連撃。 先の一撃を三度撃ち放つ大技だ。 「ぐぅ……♡あぁ、あぁぁん♡」 衝撃波となって広範囲にバラまかれた三撃は、彼女の上半身を包んでいた花乳混じりに混じった繚乱のドレスを粉砕し、艶めかしい肌を露出させていた。 だが、宙空でそんな技を放てば……。 「あぐぅ……!!」 (ヤバい、吹き飛ぶ!!) 後方に飛んだ体は、パイラウネの乳蕾に捕まってしまった。 「あぐぅぁ……♡ぁぁぁ……♡」 下腹部より下が、彼女の蕾に中に呑み込まれてしまった。 ろくに防具の残っていない下半身は、強烈な快楽に襲われる。 それも、乳房まみれの柔らかな快楽で。 「うふふ、捕まえたぁ~♡残念でしたね……♡わたしを倒せる最後のチャンス♡」 両手にもツタが絡みつく。 そのままパイラウネの顔の前に連れてこられた。 「ほらほ~ら♡」 蕾の中がぐにゅぐにゅと蠢いた。 「あぐあぁぁ……♡あぁぁ……♡」 「うふふ、ここまで頑張ったメグル君ですもの、たっぷり焦らして、アヘアヘの虜にしてあげる♡全部、搾って、精気をしゃぶって、私なしじゃ生きていけないくらいの虜に……」 「は、はは……」 そこでパイラウネの表情が怪訝なものに変わる。 「何がおかしいの……」 「ボクの役割は、陽動だよ、ラウネリア……」 彼女を名で呼んだ。 それは、強者への敬意であり、同時にこの戦いの終幕を告げる意味を持っていた。 「あなたの恐れは正しかった。最後までユイナを狙うべきだった」 ハッとした表情で、パイラウネは遠くを見た。 だが、もう遅い。 「『滅弓』の二つ名、この目で拝見できるとは……」 話には聞いていた。 滅弓の二つ名は、相手を滅殺する弓を意味し、その真骨頂は弓で放つ砲撃であること。 ズッドォォッォォォン――――‼‼ 「う、そ……」 パイラウネの胸から下が、淫気を保てず、霧散した。 広範囲殲滅砲撃『滅弓』 彼女は、弓使いではない。砲術師なのだ。 「勝負、あり、だ」 メグルを包む蕾も桃色の霧となって霧散する。 地面に降り立つと、横たわるパイラウネの横に立った。 身体を維持できなくなったパイラウネの体が徐々に消えていく。 「あぁ……素晴らしいわ……私の完敗ね。でも、すぐにイリス様が助けてくださるわ。まあ、今ではないですけど……」 「どういう意味だ」 「うふふ、すぐに分かるわ、すぐに、ね♡」 意味深な言葉を残しながら、パイラウネは霧散して消えた。 近くに落ちていたメグルの気袋、そして、リマ、ユイナ、ラドル隊長の気袋にもパイラウネの淫気が封印された。 これで再度復活しても今回ほどの強大な敵にはなりえない。 「はぁ……、あぁ……やった、やった……」 体がぐらつく。 頭がぼっと、して、そのまま草原に倒れた。 いや、ここは夢牢の中だ。 それが徐々に解け始める。 「メグル!しっかりして、メグル!メグル!」 「ゆいぃ、な、無事で……」 駆けよってきたユイナが体を支えてくれた。 だが、そこまでが限界だった。 自分にとっては、強すぎる力だ。 強大な力を使えば、それだけ反動が自分に訪れるのは必然。 メグルは温かな闇に意識を刈り取られた。 *** 【第37話へ】【部隊撤退。そして、その夜……】 https://abnormal-create.fanbox.cc/posts/9577846