魔王スクアルスと義憤の狼
Added 2020-06-16 03:11:30 +0000 UTC
やり方はともかくとして、スクアルスの立ち位置はヒーローサイドに寄るというもの。
しかしそれを知ってか知らずか、魔王という触れ込みだけを聞き、倒さんと息巻くヒーローも居る。
話し合いで誤解を解ければまだ良いのだが、それすらも聞く耳持たず、視野狭窄な者も稀にいるのだ。
そんな場合は、魔王としての力を存分に発揮する。
鋼より軟らかく堅い泥の鎧。動きも長さも多彩である無数の触手。変幻自在の右手。
そして元来ケモレスラーであるポテンシャルをフルに発揮し、生半な実力者はそれだけで無力化されるのだ。
叩きのめされ、泥化した触手に拘束されてなす術のないケモヒーロー。
それでも尚牙を剥き、聞く耳を持とうとしない。
ここまで意地を張られては、もはや称賛の域だなとスクアルスは毒吐く。
ならばとスクアルスは、己の信念を少しだけ曲げる。
胸元のブローチを妖しく光らせ、ケモヒーローの脳髄を揺さぶり、侵し始めた。
ヒーローを快楽の毒から救う魔王は、一時だけその毒に沈める魔王となる。