こんにちは、庄名です。
すっかり冬めいた寒さになってしまいましたね。
もうちょっとあったかい時期が続いてほしい…行かないで、秋さん……
さて、今回は前々回の線画を完成させたので、
ユーリちゃんにショートストーリーをつけてもらいました!
よろしければしばしお付き合いくださいませ……!
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『 貴方の香りを纏う 』
花の匂いに誘われた振りをして、私は窓から空を見上げている。
背後からは、静かな足音と、本をぱらぱらとめくる音、匂い。
ここは学内図書室の最も隅のほう。辺りには郷土資料が収められているせいで、あまりにひとけが少ない。
図書室特有のそれらをBGMに、私はまったく関係のないことに心奪われていた。
「また、来た」
窓の淵に、差し込まれた一通の封筒。
すぅっと抵抗なく手紙を抜き取れば、同時に外の香りが手紙に乗って舞い込んだ。
「金木犀の似合う貴方へ」
仰々しい封蝋ではないが、封蝋をかたどったシールが貼られてあって、私はいつものあの人からの手紙だと知る。
封蝋シールの下にはそんなことが細い字体で書かれてあって、くす、と私は笑みをこぼす。
冬に始まったこの手紙のやりとりの中で、差出人はこうしていつも季節にあったあて名書きをしてくれるのだった。
金木犀の似合う人。なんて、それは素敵な人だろう。私には不釣り合いだと思う。
この手紙の主は、こっそりどこかから私の顔を見ていたりするのだろうか?
「いい匂い……」
胸いっぱいに吸い込んで、私はその香りがまるであの人そのものみたいな気持ちになる。
どこの誰かもわからない。名前も知らない。少し癖のある字体だけは、少し女性よりだろうか。
ふとしたことではじまった私たちの……文通、そう、文通は、そんなことは関係なく続いている。
「今日は……あ、やっぱり」
冬には柊の実を、春には桜咲く丘を、夏には光り輝く海を、そして秋には、香り立つような金木犀を。
はがき大の紙にえがかれたささやかな季節の絵。
柊の実のことを最初は知らなくて、首を傾げたのを思い出す。
そして添えられた、短い言葉。
なんと返事すればいいだろう、と、それだけで私はワクワクさせられていく。
「私は、何を描こうかな……」
冬には雪だるまを、春にはチューリップ、夏にはヒマワリを、私は描いていた。
少しずつ形を変えて季節の返事をしていたのだ。でも、今は。
「私も、金木犀がいいな」
目の前で揺れる木々を見上げれば、予定していた紅葉のことなどどこかへ行ってしまう。
そして私も、同じ宛名にしてみようかと考える。
いや、少し変えよう。
「金木犀の香りを纏う貴方へ……」
どんな人が、どんな顔で、どんな声を出してこの手紙を受け取るのだろう。
私は未だ描いてもいないイラストの宛先を思い浮かべ、口を笑みの形に描きながらそっと目を閉じた。
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本当にありがとうございます!ヽ(*’ワ’)ノ
最近、いただいた支援のおかげもあって、
絵の環境をがらりと変えました。
液晶タブレットを大きいものにしたり、
左手デバイスに慣れようとしてみたりしてます。
絵の描き方もいろいろ試しながら慣れていきたいです(’v’)
これからもよかったら見てやってくださいね!
それではでは!
庄名 泉石
おまけ
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使いどころがなかったラフ画です…
一番上のはタペにしたいな~と思ってたけど放置してもーた…
また近々!
ななつ
2022-10-28 18:10:11 +0000 UTC