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死蛸都内
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退魔ハンターアサヒの堕落・前編

文明が星を覆い、人工の光が夜を真昼のように照らしても、闇に潜む魑魅魍魎たちはいまだ存在する、そんな世界……。

人魔入り混じる魔都・蝀京。

煌びやかで猥雑な都市の裏側には、深い闇が息づいていた。

人ならざる者どもが、跳梁跋扈する闇の領域。

一度、ただの人間が立ち入れば最後、二度と日の目を見ることのない常闇がある。

そんな魔境に、今日も一人、迷い込んでしまったものが居た。


「まずい、まずいぞ」


ビルの谷間の路地裏に、スーツを着た若い男がいる。

ぶつぶつと呟きながら、暗い小路を駆けていく。

地味な雰囲気の、どこにでも居そうな男だ。


脂汗を流す男の顔は赤く、荒い息は酒くさい。

彼は仕事帰り、いつもより飲み過ぎてしまった男は、いつの間にか路地裏に入り込んでいた。


「この辺りは暗すぎる。くそっ!」


自分が間違いを犯したと気づいたと同時に、心地よい男の酔いはサッと引き、代わりに恐怖が湧き上がってきた。

昼でも陽の当たらないビルの狭間は、夜にもなれば月明りも街灯も届かない。

光を嫌う魔のものどもが巣食う、人外の領域だ。


男はなんども後ろを振り返りながら、懸命に走った。

酔いに足がもつれ、何度も転びそうになる。

しかし、止まれば最期だと直感が告げていた。


「おい、止まれ」


ふいに、前方の闇から、重くしわがれた声が響いた。


「ひっ」


男は肩を震わせ、脚を止める。

目を凝らした先に、大きな人影があった。

3メートルはあろうかという巨躯に、深青色の肌。

長く鋭い乱杭歯。

人喰鬼と呼ばれる、人肉食を好む妖魔だ。


「あ、ああ……」


男は腰を抜かし、その場にへたり込む。

人喰鬼は、ゆっくりとした足取りで男に近づいてきた。


「人間が自分で俺たちの縄張りに入って来るのは珍しい。ちょうど小腹がすいていたところだ。ありがたく頂くとするかな」


人喰鬼はニヤリと笑い、舌なめずりする。

男は恐怖のあまり腰が抜けて、立ち上がることができない。


「ん、どうした? 逃げないのか?」


嗜虐的な笑みを浮かべ、人喰鬼が男の目の前に顔を寄せた。

生臭い、獣臭い吐息が、男の鼻先をくすぐる。

人喰鬼の血管が浮いた太腕が、男の胸倉を掴もうとした。

もはやここまでか

男が目をつぶり、観念したその時、ひとつの影が疾風の速さで駆け抜けた。


「ふっ、瞬光斬!」


「ぬぐわぁッ!」


ひとすじの閃光が煌めいたか思うと、人喰鬼の腕が斬り飛ばされていた。

人喰鬼の悲鳴に、男は恐る恐る目を開く。

そこには、肘先を失った腕を抑える人喰鬼と滑らかな黒髪をポニーテールに束ねた美少女がいた。


「隠れていてください」


少女は玲瓏な透き通る声で男に告げると、刀を構えなおした。

油断の色なく人喰鬼を見つめる瞳は、刃のように鋭い。

凛とした光を宿した切れ長の瞳、通った鼻筋に桜色の唇。

目鼻立ちは美しく整いつつも、どこかあどけなさを残す可憐さがあった。

すらりとした長身を、ライダースジャケットとジーンズが包んでおり、特製のホルスターが取り付られた革のベルトには、鞘が提げてある。


彼女の名は、一条 アサヒ。

人に仇なす妖魔を狩る、退魔ハンターのひとりである。


「は、はい」


男は我を取戻し、あわてて室外機の陰に隠れた。


「くそぉ。小娘、ただで済むと思うなよ!」


片腕を斬り飛ばされた人喰鬼は、怒りに顔をゆがませる。

アサヒは、冷静に相手の出方を見定めた。


「グガアァァァァ!」


人喰鬼は咆哮し、アサヒに飛び掛かった。


「遅い! 瞬光斬!」


アサヒは退魔刀を電光石火の速さで袈裟懸けに一閃した。

瞬間、街灯の光も届かない暗い路地裏に、青い血飛沫と断末魔の絶叫がこだまする。



「ふう……」


人食鬼が崩れ落ちたのを確認したアサヒは、退魔刀を振って血を払い、刀身を鞘に収めて一息吐いた。


「あ、ありがとうございます」


隠れていた男が、室外機の影からおずおずと姿を現した。


「お怪我は?」


「だ、大丈夫です。この通り」


男はスーツの汚れを払い、無事をアピールする。

怪我一つない姿を見て、アサヒは安堵の表情を浮かべた。


「良かった。最近、この辺りも妖魔が増えてきていますから、気を付けてくださいね」


「ハンターの方、なんですよね? 本当に助かりました。なにかお礼を……」


「いえ、けっこうです。これが仕事ですから。この路地を右に行けば、すぐに表通りに出られますよ。次からはこんなところに迷い込まないように気を付けてくださいね」


アサヒは柔和に笑い、男に道を教えた。


「そ、そうですか……。では、失礼します。本当にありがとうございました」


男は何度も頭を下げながら、その場を後にした。

一仕事を終え、アサヒも帰路に就こうとしたそのとき、ふわりと甘い芳香が漂ってきた。


「ん……?」


思わず、足を止める。

花のような、熟れ過ぎた果実のような、甘ったるいその香りに、アサヒは覚えがあった。


「これは……淫魔の……?」


形の良い眉が、わずかにひそめられる。

淫魔とは、人の精気を糧に生きる妖魔である。

その香りは、人を惑わす催淫効果を持ち、吸い込むだけで理性を溶かし、肉欲の虜にする。

そんな危険な香りが、路地裏の奥から漂ってきたのだ。


「匂いはこの先からか……。確認しないと」


淫魔は人喰鬼と違って、人間を喰い殺しはしない。

人食鬼のように肉を食らうのではなく、性行為を通じて精力を奪うのが、淫魔の「捕食」なのだ。

淫魔は妖魔の中で、もっとも人間に友好的な種のひとつであり、戦闘能力もさほど高くはないとされている。

退魔協会が認定した危険度も低い為、正式に身分を持ち、人間社会に溶け込んで生活しているものも居るほどだ。


しかし、アサヒは淫魔が油断ならない相手だと、経験で知っていた。


淫魔の肉体はその全てが劇毒じみた媚薬となっており、体臭や吐息はもちろん、体液までもが催淫・魅了の効果を持つ。

ヒトでは決して到達できない美貌と、媚毒の肉体を持つ淫魔の誘惑に抗える人間は、そう多くはない。

淫魔の虜となり、性行為のことしか考えられない廃人となってしまう者も後を絶たないのだ。

さらに、淫魔は秘術を使い、他種族を同胞に変える力を持っている。

人間を取り返しのつかない堕落へと誘う魔性の存在、それが淫魔である。


甘い体臭の放散は、淫魔が「捕食」を行うとき、獲物を誘惑するために行う行為だ。

なにかあってからでは遅い。

そう判断したアサヒは淫魔の捜索を開始した。


「このあたりのはずだが……」


「くっ、なんて匂いだ」


退魔ハンターとして鍛えられているアサヒですら、媚香にあてられて呼吸が速くなり、下腹部が熱くなり始める。


「近い……!」


アサヒは刀の柄に手をかけ、気合を入れ直した。

次の瞬間、路地の向こうから、一人の女が歩いてきた。


女の年齢は二十代後半くらいだろうか。

ウェーブの掛かったプラチナブロンドのロングヘアに、雪のように白い肌。

切れ長の瞳に、高い鼻筋と薄い唇。

まるで人形のような美しさを持つ女だった。

ビジネススーツの上からわかるほどの、豊満なバスト。

タイトスカートからすらりと伸びる脚は、黒タイツに包まれていて肉感的だ。

退魔師であるアサヒですら、一瞬見惚れてしまうほどの美女である。

しかし、その身から発散される媚毒の香りは、この女が淫魔であることを示していた。


「あら、こんなところでヒトと会うなんて。どうされましたか?」


女はにっこりと笑い、鈴の鳴るような声でアサヒに話しかけてきた。


「お前こそ、ここで何をやっている。淫魔」


アサヒは柄に手を置いていつでも刀を抜けるようにしつつ、目の前の女に問いかけた。

女は自分が淫魔だと見破られたことをなんとも思っていない様子で、平然としている。


「ちょっとビジネスを。ああ、ちゃんと身分証もありますよ。私はラフィ・スミスといいまして――」


ラフィと名乗った女が懐に手を入れた瞬間、アサヒは退魔刀を抜き放った。

そのまま、ラフィに切りかかる。


「おっと」


電光石火の一撃を、ラフィはひらりと躱した。


「血の気の多いハンターさんですね。身分のある妖魔を理由なく攻撃するのは、協定違反では?」


「それほど催淫フェロモンを振りまいていれば、理由になる!」


アサヒは退魔刀を上段に構え直し、再びラフィに飛び掛かった。

振り下ろしをラフィは紙一重で躱し、ステップを踏んで距離を取る。


「ふう、まったく。仕方ないですね」


ラフィがため息をひとつ吐くと、その右手が赤く燐光を放ち始めた。

魔力を手に集中させているのを悟って、アサヒは警戒を強める。


(なにかされる前に……!)


渾身の力を籠め、退魔刀を袈裟懸けに振り下ろす。

ラフィは一歩も動くことなく、その刃を正面から受け止めた。


「なっ……!」


ラフィは退魔刀を人差し指と親指で摘まんでいた。

力の弱い妖魔であれば触ることすらできないはずの退魔刀を容易く受け止めて、しかも微動だにしない。

どれほど力を入れようと、押すことも引くこともできない退魔刀に、アサヒは愕然とした。


「ちょっと大人しくしてくださいね♡」


ラフィの瞳が赤く光った。

その瞬間、アサヒはくらりとめまいを覚えた。


「しまっ……た……」


アサヒの身体から力が抜け、刀が手から離れる。

膝を突き、そのまま地面に倒れ伏してしまう。


「はあ、こうなっては仕方ありません……見たところ『素質』もありそうですし――」


薄れゆく意識の中、アサヒはラフィが近づいてくるのをぼんやりと見ていた。


******


(ん……?きもち、いい……?)


まどろみの中、アサヒの意識はゆっくりと浮上した。


(気持ちいい……♡身体が蕩けてしまいそうだ……♡♡♡)


朧げな意識が、身体を包み込む快感を掴み始める。

身体の芯を炙る快楽の熱が全身に満ちて、甘く、切なく、アサヒの心を蕩かす。


(なんでこんなに気持ちいいんだろう? 私は、なにをしてたんだっけ?)


快感が強くなるにつれ、アサヒの意識は少しずつ覚醒していった。

意識を失う前の記憶が蘇る。


(そう、そうだ! 淫魔を追いかけて……私は淫魔に負けて……!)


記憶を取り戻したことで、アサヒの意識が急浮上する。

目を開けると、アサヒの視界に自分の姿が飛び込んで来た。


(これは、鏡……?)


アサヒが周りの状況を認識するのに、数秒かかった。

そこは高級ホテルの一室のようだった。

豪奢な部屋の中央には円形の巨大なベッドがあり、アサヒはその中央に仰向けに寝かされている。

鏡の中のアサヒ自身は、服を何も身に着けておらず全裸だった。


アサヒの股間には見覚えのある女が顔を埋めている。

女もまたアサヒと同じように一糸まとわぬ姿だった。

女の背中にはコウモリのような羽根や、先端がハート型になった尻尾が生えており、色素の薄い金髪をかき分けるように、白く滑らかな角が二本、側頭部から飛び出していた。

自分の身に何が起きているのか理解した瞬間、快感は鮮明になってアサヒを貫いた。


「んひぃっ♡これ、は♡んんっ♡♡♡」


「ちゅっ……♡んれるっ……んっ♡あはっ♡目が覚めました?」


淫魔の女――ラフィはアサヒの秘所をれろれろと舐めながら、顔を上げる。

ラフィの舌は異様に長く、蛇のように自在にのたくって、アサヒの秘裂を責め立てていた。

媚薬唾液の滴る軟体が花びらをくすぐるたび、アサヒは腰を跳ね上げた。


「あっ、あひっ♡やめ、やめろぉ♡んひぃっ♡」


アサヒは力づくでラフィの頭を押しのけようとするが、身体に力が入らず、びくともしない。

知らぬ間に熱く火照った身体は、ラフィの舌技に為す術なく翻弄される。


「貴様、私の身体になにをっ……くふぅぅぅっ♡♡♡」


「んっ♡れろぉ……、ふふっ、あなたが寝ている間に淫紋を刻ませていただきました。ほら、ここです」


ラフィはアサヒの下腹部を撫でた。

そこには子宮とハートマークを思わせる淫猥な紋様が、妖しく光っていた。


「この淫紋は宿主の欲望を増幅し、その欲望のままにカラダを作り変えるものです。あなたが満足に動けないのは……それをあなた自身が望んでいるからですよ♡♡♡」


「くはっ♡な、なにを馬鹿なことをっ♡あ、淫魔の手先なんかに……っ、んくぅっ♡なるわけがっ……!んひぃっ♡」


「言葉でどう言おうと、あなたは本心で快楽を望んでいるんですよ♡魔の快楽をね……♡」


そういうと、ラフィはアサヒのクリトリスを軽く唇で挟んだ。


「んぅっ!?♡♡♡」


「ちゅっ♡ちゅううぅぅ……♡♡♡んん、れろぉっ♡」


淫液で濡れたピンク色の真珠を唇に咥え、ゆっくりと、優しくしごくように頭を揺らす。

媚薬唾液をすり込むように、丁寧に、優しく。

敏感な肉芽を唇で挟みながら、舌でチロチロと転がしたり、ちゅっちゅと吸い上げたりする。


「あっ♡あっ♡そんな、はずはっ♡うあっ♡くうぅっ♡」


最も敏感な箇所をねちねちと責められて、アサヒは腰をがくがくと震わせた。

自分から腰を浮かせて、更なる快感を求めているかのように、いやらしくくねってしまう。

理性で反応を抑えようとしても、アサヒの身体は主を裏切って勝手に動く。

ラフィの言葉通りに自分の身体が快楽を求めているように思えて、アサヒはカッと顔を赤らめた。


「ふふふっ♡普段このような強硬手段は取らないのですが……急に襲ってきたあなたのせいですよ♡せっかく退魔協会とも繋がりが強くなってきたというのに……コトを荒立てたくありませんから、あなたにはわたしたちの仲間になって貰います♡♡♡」


嗜虐的な笑みを浮かべたラフィが言う。

淫魔が他種族を同胞に転生させる能力を持つことは、アサヒも知っていた。

しかし、まさかそれが自分に降りかかってくるとは。

アサヒの心に、恐怖がにじむ。


「ふ、ふざけるなっ! だれが淫魔の手先なんかにっ! んああっ♡♡♡」


快楽に意識を持っていかれそうになりながらも、アサヒは気丈に言い返す。

しかし、ラフィは意にも介さずくすっと笑った。


「退魔ハンターの人たちはみんなそう言うんですよね♡でも、最後には悦んで仲間に加わってくれるんですよ♡きっとあなたも、淫魔の快楽を知れば考えをかえるでしょう。たっぷりと、教えて差し上げます……♡♡♡んぅっ♡♡♡じゅずっ♡じゅるるるっ♡♡♡」


ラフィがまたアサヒの股間に吸い付き、一際強くクリトリスを吸い上げた。

その瞬間、アサヒは仰け反って達した。


「……~~~ッ!!!♡♡♡……はあっ♡♡♡あああっ♡♡♡」


閃光が弾け、視界が真っ白に染まる。

あまりの快感に一瞬息が詰まり、呼吸ができなくなる。


「はあ……♡はっ……♡」


絶頂の余韻に涙までも浮かべ、アサヒは陶然とする。

退魔ハンターの敵である淫魔にイカされてしまった屈辱すらも、圧倒的な快感の前には霞んでしまうほどだった。


(なんだこれ♡こんなの、しらないっ♡きもち、いい♡もっと――)


そう思ったのは、ほんの一瞬のことだった。


(な、なにを私は馬鹿なことを!相手は淫魔だぞ!)


すぐにアサヒはすぐに邪な考えを振り払った。

だがしかし、その一瞬の欲望の発露を淫紋は見逃さなかった。


アサヒに刻まれた淫紋が、一層強く輝きだす。

宿主の欲望をカタチにするため、淫紋はその効力をいかんなく発揮する。


「んふっ♡良いイキっぷりでしたね♡♡♡」


ラフィはアサヒの秘所から口を離し、微笑んだ。

ちゅるんとクリトリスが解放される。


ラフィの唾液と自身の愛液でてらてらと光るそれは、赤く充血して勃起している。

驚くべきことに、アサヒのクリトリスはラフィにしゃぶられる前より遥かに大きくなっていた。

せいぜい小ぶりな大豆ほどの大きさしかなかった肉豆は、いつの間にか親指ほどの大きさに肥大化していた。


「う、噓だ……なにが、起きて……」


自分の身体に起きた変化に、アサヒは動揺を隠せない。


「言ったでしょう?あなたに刻んだ淫紋は、宿主の欲望のままにカラダを作り変える、と。クリトリスでもっと気持ちよくなりたいとあなたが願ったから、こんなに大きくなったのでしょうね♡♡♡」


「だ、誰がそんなこと思う――んぎぃっ♡♡♡」


アサヒが反論しようと声を荒げた瞬間、ラフィはクリトリスを摘まんだ。

肉厚に育ったクリトリスがぐにぃ♡と形を変えると、凄まじい快感がアサヒの脳天を貫いた。

アサヒは再び絶頂へ導かれ、ぐんっと背筋を仰け反らせて、潮を噴く。


「感度も抜群ですね♡ああ、この秘めた欲望の深さ……♡やはり、あなたには優れた淫魔になる素質があるようです♡この調子で、全身いやらしく改造していきましょう♡♡♡きっとすぐにえっちで素敵な淫魔に生まれ変われますよ♡♡♡」


「ま、まて……んぐぅっ♡♡♡あひぃっ♡♡♡ふぅん♡♡♡」


ラフィはニコニコと笑いながら、アサヒのクリトリスを優しく揉みしだく。

ラフィの愛撫は、決して強いものではない。

しかし、淫紋によって造り変えられたアサヒの肉豆は、感度が何倍にも膨れ上がっており、その程度の刺激でも、アサヒを悶絶させるには十分すぎるほどだった。

純粋に性感帯の体積が大きくなった効果も絶大で、感度抜群の肉豆が大きく歪むことで、たまらない快感がアサヒの脳を焼く。


「んぉおおっ♡やめっ♡♡♡ああっ♡こんなぁっ♡♡♡やめろっ♡♡♡」


アサヒは顔を真っ赤に染め、髪を振り乱して悶える。

子どもが駄々をこねるような、悲痛な懇願だった。


それは、ラフィに好きに弄られ、またさらにいやらしく自分の身体を改造されてしまうことへのおぞましさによるもの――だけではなかった。

肥大化したクリトリス――淫紋によって造り変えられた肉体で感じる至上の快感をこれ以上知ってしまえば、取り返しのつかないことになる。

そんな確信にも似た予感が、アサヒの危機感を煽った。


(このままでは、マズイ! これ以上は、本当に戻れなくなる!)


一度この堕落の味を知ってしまえば、二度と戻れない。

本能がそう警鐘を鳴らしていた。


まともに力の入らない身体を必死にバタつかせて、アサヒは抵抗を試みる。

そんなアサヒの姿を見て、ラフィは嗜虐的な笑みを浮かべた。


「そうですね♡気持ち良くなれるのは、ここだけではありませんから♡♡♡」


そういって、ラフィは身体をずらし、アサヒの乳房へと顔を寄せた。

大きさはひかえめなものの形が良く、瑞々しい張りのある乳房だった。

白い丘陵の先端では、薄紅色の乳首がピンと立っている。


瑞々しい美乳を目の前にして、ラフィはぺろりと舌なめずりした。

蛇のように長い舌が、赤い唇を艶めかしく舐める。

その仕草は、獲物を前にした蛇を思わせた。


何が起きるのか察したアサヒは、顔を青ざめさせる。


「なにを、する気だ……。まさか……」


思わず、アサヒはラフィに乳房を責められる様を想像してしまった。

あの長い舌で乳首を舐られ、白い指先でクリクリと乳首を摘ままれたら。

想像するだけで、甘い痺れが背筋を伝い、小ぶりな乳首は嬉しそうに固くなっていく。


魔の快楽に恐怖する理性とは裏腹に、本能の部分ではすでにラフィの責めを期待し、受け入れてしまっている。

アサヒの昏い欲望に呼応して、淫紋が再び輝く。


ツンと尖った乳首がやにわに大きさを増し、さらに乳輪ごとぷっくらと膨らみ始めた。

ラフィに触って欲しいと言わんばかりに、淫らに変化し始めた自分の乳首に、アサヒは絶望する。


「やめっ、やめろ!これ以上私をおかしくしないでくれ!」


「あははっ♡変なことを言いますね♡この変化はあなたが望んだことでしょう?」


ラフィは楽し気に笑いながら、目の前の膨らみに手を添えるようにして、ゆっくりと揉み始めた。


「んんっ♡♡♡」


むにゅりと柔らかそうに乳房が歪み、甘やかな快感が胸から全身へと広がっていく。


(なんでっ、胸を揉まれただけでこんなに……♡♡♡)


強すぎず、弱すぎない絶妙な力加減。

繊細な手つきでラフィはアサヒの乳房を揉みしだいていく。


「んふぅ……っ♡はっ……♡くぅぅっ♡」


アサヒは力の入らない身体をよじらせながら、鼻にかかった吐息を漏らす。

これ以上情けない姿をさらすまいと、歯を食いしばり、声も押し殺そうとする。

しかし、ラフィの巧みな愛撫によって、身体の奥底から湧き上がる快感は抑えようがない。

胸を揉まれるたびに、身体の芯から甘い疼きが込み上げてくる。

乳房を愛撫されるだけで、乳首が切なく疼く。

悩まし気に眉を寄せ、熱い吐息を漏らすアサヒの姿は、ラフィの嗜虐心を煽った。


「可愛いですね♡もっと虐めたくなります♡」


ラフィは乳輪の際を愛撫するだけで、決して乳首には触れようとしなかった。

爪でカリカリと優しく擦ったり、焦らすように乳輪を撫でまわしたりする。

乳首に触れそうで触れない、その責めが延々と続く。


「ふあ……っ♡あ、ああっ……♡」


(うう♡なんて、じれったい……♡♡♡)


カリッ、くにぃ……♡

乳輪を這うラフィの指先がもどかしい。

ラフィの焦らし責めに、アサヒの獣欲がぐつぐつと煮え立っていく。

煽り立てられた欲望に呼応して、淫紋がまた輝き出す。

揉まれ心地の良いように、乳房がずくん、ずくんと体積を増し、成長していく。

乳輪がさらに大きく、ぷっくりと膨れ上がり、乳頭も一回り大きくなる。

硬いつぼみを思わせたアサヒの小ぶりな乳首は、見るからにいやらしいパフィーニップルと化してしまった。


わずかな刺激からも快感を貪れるように大きさと感度を増した、アサヒの乳房と乳首を見て、ラフィは嬉しそうに笑う。


「なんていやらしいんでしょう♡♡♡♡ほら、見てください♡こんなに乳首も大きくなって……ビンビンに勃起してますよ♡♡♡」


「ううっ……♡み、みるなぁっ♡」


アサヒは顔を真っ赤に染める。

いやらしく変わっていく肉体は、自身の欲望を目の当たりにしているようで、見るに堪えない。

自分がどれだけ浅ましい欲望を抱いているのか思い知らされ、アサヒは羞恥でどうにかなりそうだった。


しかし、その悔恨とは裏腹に、アサヒは無意識の内に大きく肥大した乳首を突き出すよう身体を反らせてしまっていた。

欲望に屈し始めてるアサヒの様子をみて、ラフィは笑みを深める。


「なぜ恥ずかしがるんです?気持ち良くなりたいと思うのは、当然の感情ですよ♡受け入れてしまえばいいのです♡♡♡」


ラフィはいたずらっぽい笑みを浮かべながら、ふーっと乳首に息を吹きかけた。

催淫フェロモンを含んだ吐息が、ビンビンに勃起した乳首に吹き付けられる。


「あうっ……♡くぅぅっ……♡♡♡」


アサヒは身体をびくんと跳ねさせ、鼻にかかった声を漏らす。

ラフィの吐息が吹きかかるだけで、乳首から快感が湧き上がり、脳髄を灼く。


「くぁ……っ♡はぁっ……♡」


余りにもどかしい刺激。

足りない。

もっと、欲しい。

余りにももどかしい刺激にアサヒは一瞬我を忘れた。


「ひぅっ♡く、くそっ♡いい加減にっ、しろっ♡な、なんでっ♡触らないんだっ♡」


「ふふっ♡触って欲しいんですか?」


嗜虐的な上目遣いでラフィに問われ、アサヒはハッと我に返り、顔を背ける。


「だ、誰がっ!んふぅ……♡はっ♡あっ♡ああっ♡」


しかし、ラフィはアサヒの言葉を無視して、再び指先で乳輪の縁をなぞり始めた。

焦らしに焦らされ敏感になった乳首は、そのわずかな刺激もしっかりと拾い上げる。

思わず甘い吐息が漏れる。


「んふぅっ♡あっ、ああっ♡」


(くそぉっ♡こんな、こんなことで……っ♡♡♡)


「ほら♡素直になってください♡♡乳首が切なくて仕方ないのでしょう?♡♡♡素直になりましょうよ♡ほら、どうして欲しいか言ってください♡」


「い、いや……だ……♡」


アサヒは快楽に蕩けそうになる理性を総動員して、拒絶の言葉を絞り出す。

しかし、その抵抗もラフィの指先一つで簡単に崩されてしまう。


「強情ですね♡でも、いつまで我慢できますかね?♡♡♡」


ラフィは乳輪の縁をなぞるだけだった指先を徐々に中心へと近づけていく。

焦らされ続けた乳首が近づいてくるのを見て、アサヒは思わずごくりと生唾を飲み込んだ。


「あ、ああっ……♡♡♡」


あと1ミリで乳首に触れる、というところでラフィは手を止めた。

そして、そのまま指先を下乳へと滑らせていく。


「あっ……♡はぁっ♡くぅぅっ♡」


アサヒの口から切なげな吐息が漏れた。

焦らされきった身体はさらなる快楽を求めて疼いているのに、肝心の刺激が与えられないもどかしさに気が狂いそうだった。


「ふむ、なかなか粘りますね♡でもいいんですか?こんなに我慢して♡♡♡」


指先を乳房に滑らせながら、ラフィはアサヒに問いかける。


「押さえつければ押さえつけるほど、欲望は大きくなるもの♡我慢するほどに、身体の変化も激しくなりますよ?」


振れるか触れないかのタッチで、ラフィの指がアサヒの乳房をなぞっていく。

くすぐったいような、切なく疼くような快感がじんわりと広がる。


「ふあっ♡ああ……♡」


アサヒの淫紋が明滅する。

ぐぐぐ……と、さらにアサヒの乳房が肥大化していく。

元は手に納まるほどのサイズだった胸の丘陵は、すでにその高さを倍近くにまで成長させていた。


「一度発散しておいた方が良いのではありませんか?我慢は身体に毒ですよ♡♡♡」


乳房への愛撫を続けながら、ラフィは甘く囁く。

耳元で甘く囁かれる悪魔の囁きに、アサヒはごくりと生唾を飲んだ。

淫魔の誘惑が鼓膜を震わすたび、快感への渇望が沸き上がる。

堕落へ誘う甘言と、膨れ上がった欲求が、アサヒの自制心をドロドロと溶かし、崩していく。


「あ……う……♡」


「乳首イキ♡しちゃいましょうよ♡♡♡」


ラフィの指先が乳輪をくるくるとなぞる。

じれったい刺激に、アサヒは切なげに身体をよじる。


(そうかも、しれない。確かに、このまま身体を変えられるのはマズイ。い、一度だけ♡一度だけイケれば、きっと……♡)


微かに残った理性を説き伏せる言いわけを与えられ、欲求を押しとどめていた自制心が崩れていく。

アサヒは唇を震わせながら、つぶやいた。


「……て、くれ」


「はい?なんですか?」


「さ、触って……くれ……♡乳首思いっきり押しつぶして、イカせてくれっ♡♡♡」


アサヒは顔を真っ赤に染め、涙ながらに懇願した。

ラフィは、そんなアサヒの様子をみて、満足そうに微笑む。


「よく言えました♡ご褒美にいっぱいイカせてあげますね♡♡♡」


ラフィは、アサヒの乳首に指を押し当てた。

そしてそのまま、乳輪ごと乳首を押しつぶすようにして、ぐりゅっと強く刺激する。


「あ゛っ♡♡♡んお゛ぉぉぉっ♡♡♡」


その瞬間、アサヒは獣のような野太い嬌声を上げながら絶頂に達した。

全身を弧に仰け反らせ、勢いよく潮を噴き上げながら、ガクガクと痙攣する。


「んひぃっ♡♡♡あ゛ぁっ♡♡♡いぐっ♡イグぅ♡♡♡」


絶頂の最中もラフィは乳首を責め続けた。

肉厚に育った乳頭を指先でコリコリと転がし、押しつぶし、引っ張り上げる。

そのたびにアサヒは獣のように喘ぎながら絶頂を繰り返した。


「お゛ぉっ♡♡♡あ゛っ♡んお゛ぉぉっ♡♡♡」


絶頂に次ぐ絶頂。

絶え間なく襲い来る快楽の嵐に飲まれ、アサヒはあられもなく絶叫し、乱れ狂った。


「焦らした分、気持ちいいでしょう? しっかり可愛がってあげますからね♡♡♡」


ラフィはアサヒの右胸に顔をうずめ、大きく勃起した乳首を咥えた。

そして、ちゅる、ちゅっとわざと音を立ててしゃぶっていく。


「んお゛ぉっ♡♡♡あ゛っ♡あ゛ぁぁっ♡♡♡」


乳輪をねっとりとなぞり、舌先で乳頭をチロチロとくすぐるように刺激する。

同時にもう片方の胸にも手を這わせ、こちらも丹念に愛撫していく。


快楽によって塗りつぶされていく思考の片隅で、それでもまだ僅かに残った理性が警告を発する。


(こ、これヤバいぃっ♡♡♡気持ち良すぎてバカになるぅっ♡♡♡乳首でイクの癖になるぅう♡♡♡)


乳首から伝わる快楽は、脳髄を焼き切らんばかりに強烈で、堪らなく甘美だった。

チカチカと視界に火花が散り、意識が何度も吹き飛びかける。

意識が薄れると、強い快感に引き戻される。

その繰り返しの快楽地獄の中で、アサヒは自分が取り返しのつかないことをしてしまったのだと悟った。


******


「はへっ♡あへぁ……♡♡♡」


たっぷり30分、乳首で絶頂を味わわされ続けた後、アサヒはようやく解放された。

半開きになった口からはだらしなく舌が突き出でて、焦点の定まらない瞳がゆらゆらと虚空を彷徨っている。

凛々しい顔はすっかり快楽に蕩け、だらしなく緩み切っていた。


絶頂の余韻にヒクリ、ヒクリと身体を震わせるたびに、たわわに実った胸の果実が震える。

その先端に鎮座する乳首は、ラフィの媚薬唾液に濡れて、淫らに光っている。


「素晴らしいイキっぷりでしたね♡」


だらしない顔で絶頂の余韻に浸るあられもない姿にラフィは慈愛の籠った微笑みを向け、放心するアサヒの上にのしかかった。

たわわな4つの乳房がむりゅりと潰れて、形を歪める。


「あ……っ♡」


ラフィの体重を感じ、アサヒは蕩けた顔で小さく喘ぐ。


「こんな顔をして……♡本当に可愛いですね♡♡♡」


ラフィはふふっと笑い、アサヒにキスをした。

ぽってりとしたラフィの深紅の唇が、アサヒのそれを柔らかく押し潰す。

そのまま舌を伸ばし、にゅるりと口内に侵入させる。


「んむっ!?」


いきなりの口づけに、一瞬アサヒは目を白黒させたものの、すぐにうっとりと目を細めた。


「ふぶっ♡はぁ……んむぅ……♡♡♡」


ざらついた舌の表面で歯茎を撫でられるたび、ぞくりとした快感が背筋を走る。

甘美な乳首イキ直後の茹った脳では、快楽に抗うことなどできるはずもなかった。

ラフィにされるがまま、口内を蹂躙される。


「んんっ♡はぁっ……♡んむぅっ♡」


ちゅぷ……ちゅぱっ……れろっ♡にゅるぅっ♡♡


(すごい……♡♡♡口の中ぁ、気持ち良すぎる……♡蕩けて……頭が真っ白になってく♡♡♡)


口内を舌で愛撫されるたび、頭の中がじんわりと麻痺していく。

アサヒはとろんとした表情で、自らラフィの舌に自分の舌を絡めた。

ラフィはクスリと笑い、さらにアサヒを責め立てる。


熱烈なディープキスをしながら、胸をぐいぐいと押し当て、勃起乳首を擦る。

コリッ♡コリッ♡と固くなっった乳首同士が擦れるたびに、アサヒの脳裏に甘い痺れが走り、思考が蕩けていく。

口から伝わる甘い快楽と、乳房から感じる焼け付くような快感に翻弄されながら、アサヒは陶酔しきった表情を浮かべた。


「んっ♡ふぁっ……♡んんっ♡♡♡」


ラフィがアサヒの手に手を重ね、指を絡めると、アサヒもそれに応じた。

恋人繋ぎで手を繋ぎながら、情熱的な口づけを交わし、胸を押し付け合う二人。

二人の脚は、いつの間にか互いの股座に割り込んでいた。

ラフィのムッチリとした太ももが、アサヒの肥大化したクリトリスを押しつぶし、さらなる快感を産む。


「~~~っ♡ちゅむ♡はむ……♡♡♡くちゅ……♡んぷっ♡♡♡」


アサヒは穏やかな絶頂を何度も迎えながら、キスに没頭した。

その間に淫紋も幾度も輝いて、ラフィの腹を照らした。


「んちゅ……♡じゅるるっ♡ぷはぁ♡♡♡」


長く続いた口づけはラフィが顔を上げたことで終わりを迎えた。

二人の唇に、ねっとりとした唾液の橋が架かる。


「はぁ……♡あ……ん♡」


アサヒは熱に浮かされたどこか物足りなさそうな瞳で、ラフィのことを見上げた。

伸びた舌がラフィの唇を追って、ちろちろと動く。

その瞳の奥に燻ぶる淫欲の炎を見て、ラフィは嬉しそうに笑う。


「すっかり蕩けてしまいましたね♡心も、身体も……こんなに変わって♡ほら、見てください♡♡♡」


ラフィはアサヒの上から退き、天井の鏡を指さした。

アサヒはぼんやりとした意識のまま、鏡を見上げた。

そこには変わり果てた自分の姿が写し出されていた。

退魔ハンターアサヒの堕落・前編

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