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死蛸都内
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淫魔の舌・前編

「くっ……ここは……?」


 聖騎士アンナが目を覚ました。額に垂れた金髪を手でかきあげ、辺りを見回す。そこは三方を肉壁に囲まれた牢獄だった。残りの一方は、肉々しい格子で塞がれている。どうやら、独房のようだった。アンナが身に着けていたはずの鎧はなく、一糸まとわぬ状態だ。アンナの白い肌と、引き締まった腹筋、そして双丘の谷間が剝き出しになっている。


「お目覚めのようね」


 牢の向こう側から声をかけられて振り向くと、そこには妖艶な美女がいた。露出の多いボンテージ衣装は、美女の起伏に富んだ肢体を扇情的に強調している。鮮やかなピンク色の髪に、豊満な肉体。ねじくれた角、コウモリのような飛膜付きの翼、先端がハート型の鏃状になった尻尾、艶めいた青い肌など、人外の器官と人間にはない肌色が美女のヒトを超えた美しさをさらに際立たせていた。


「お前は……!」


 寝起きで朦朧としていたアンナの記憶が蘇る。目の前の女は、淫魔ナナリア。リリアナは数々の聖職者や騎士を淫魔へと堕としてきた大淫魔だ。聖女神教会に指定魔人として認定され、討伐依頼が出されている。


 アンナはあるダンジョンにナナリアが潜伏しているという情報を聞きつけ、部下の聖騎士たちと共に捜索に向かった。そこで待ち構えていたナナリアの罠にかかり捕まってしまったのだ。そして、気を失っている間にこの牢獄へと運ばれてきたらしい。



「私の部下たちはどうした」


 アンナはナナリアを睨みつけた。ナナリアはクツクツと笑いながら答える。


「そんな怖い顔しないで♡ちゃんと無事よ、あなたと同じようにね♡」


「魔物の言うことなど信用できんな。特に淫魔のことなど」


「あら、それは心外ね。それに、淫魔が人間を殺す理由なんてひとつもないじゃない。精気を吸ったり、仲間に変えたりできるのに、わざわざ殺すなんて……人間じゃあるまいし。あなたも、あなたの部下も、みんな魔力が上質で欲望をため込んでる逸材よ♡ひとり残らず、私が淫魔に堕としてあげるわ♡♡♡」


 そういって、ナナリアは舌なめずりをした。その赤い瞳に宿る猛禽めいた捕食者の眼光に、アンナの本能が警告する。こいつは危険だと。噂以上の危険さを孕んだオーラに、背筋が凍るような恐怖がこみあげてくる。


(みな、すまん……!)


 自分が淫魔に堕ちるよりは……アンナは瞬時に決意を固め、自分の舌を噛み切ろうと口を大きく開いた。アンナの歯が舌に食い込む一瞬前に、パチンとナナリアが指を鳴らす。


「おっと、させないわ♡♡♡」


「んぐっ!!んほぉおおお~~~~ッ!?♡♡♡♡♡♡」


 アンナが自分の舌を噛んだ瞬間、凄まじい快感が全身を駆け巡る。アンナはわけもわからず身体を弓なりにのけ反らせ、腰を高く突き出した卑猥な体勢で絶頂を迎えた。腰をカクカクと震わせるアンナの股間から、勢いよく潮が噴き出す。


「ふあ゛っ♡ああっ♡な、なんら……!?」


 アンナは舌を突き出したまま、呂律の回らない口調で問う。ナナリアはくすくすと笑いながら答えた。


「あなたが舌を噛み切ろうなんてするから……あなたの舌だけを先に淫魔化させてあげたのよ♡淫魔の丈夫さなら、人間の咬合力じゃ文字通り歯が立たないし、思いっきり噛んでも気持ちいいだけよ♡♡♡」


「しょんな、バカな」


 驚愕と絶頂の余韻に震えながら、アンナは自分の舌に触れた。アンナの舌は蛇のように長く伸びており、青く変色していた。指先で触れるたび、甘い快感の電流が、舌から脳へと駆け巡る。


「ふあっ♡ほおっ!?♡♡♡」


 アンナは自ら舌を摘まんだだけで、再び軽く絶頂してしまった。


「フフフッ♡気に入ったかしら?」


「しょ、そんなわけ、あるか!んくぅっ♡♡♡」


 アンナはなんとか膝立ちになって体勢を立て直し、怒鳴った。喋る際に舌が口内で擦れる刺激だけでも感じてしまって、アンナの口から艶めかしい声が上がる。


(こ、こんなことが可能だとは!見くびっていた……)


 身体の一部とは言え、直接触れることすらなく、瞬時に人間を淫魔に変えられるナナリアの力を体験して、アンナは戦慄した。しかし、その慄きすら、ナナリアの次の行動にかき消される。


「人間には淫魔のカラダは敏感過ぎるかしら?でもね、それだけじゃないのよ♡♡♡」


 ナナリアがもう一度パチンと指を鳴らすと、彼女自身の股間を覆っていた衣装の一部が消えた。ぼろん、と巨大なふたなりペニスがまろび出て、ムクムクと起き上がる。強烈な性臭を放つそれは、ナナリアの肌と同じく人間のイチモツとはかけ離れた青色をしており、もはや凶器と言った方がふさわしい代物だった。亀頭はパンパンに膨れ上がっており、エラもよく張って、ビキビキと血管を浮かせたグロテスクな幹との段差も凄まじい。


 ナナリアは肉格子の隙間から、己の肉棒を牢の中に突き入れた。アンナの目の前に、太く長大な肉凶器が突き付けられる。むわりとした熱気と強烈な精臭を発するそれを見て、思わずアンナの喉がゴクリと鳴った。


「ば、バカッ!そんなものを私に近づけるな!」


 アンナは必死に顔を背けようとするが、できなかった。アンナの意志に反して、淫魔化した彼女の舌が、ふたなりペニスへと伸びていく。


「くしょぉ、こんなぁ……はぅううッ!?♡♡♡」


 舌の先端が鈴口に溜まる先走りに触れた瞬間、アンナの脳天まで痺れるような快感が突き抜けた。


(な、なんだこれっ!?お、美味しい……?)


 ナナリアの先走りは、アンナの舌に甘く蕩けるような味わいに感じられた。明らかに異様な感覚に、アンナは混乱する。


「ウフフッ♡♡♡淫魔の味覚はどうかしら?もっと、チンポを味わってみて♡」


 ナナリアは妖しく微笑みながら、腰をさらに突き出した。アンナの舌は、それに応えるように、ペニスへと伸びていく。


 アンナの舌先は、ナナリアの逸物のカタチを確かめるかのように、その表面を這った。パツパツに張った亀頭、深い亀頭冠の段差、幹に幾重にも浮いた血管の隆起、淫猥で逞しい凹凸のひとつひとつをじっくりと味わっていく。


「お゛っ♡おおっ!?♡♡♡」


 人間の何十倍も敏感な舌で、淫魔のふたなりペニスを舐めさせられているアンナは、もう堪らなかった。性器を超えた性感帯となった舌を摩擦されているだけでも、気が狂いそうなほど気持ちいいのに、快楽のためだけに特化した淫魔の性器官の造形と味を感じさせられているのだ。


(おいしいっ♡きもちいいっ♡♡♡舌が蕩けそうだっ♡♡♡しあわせすぎてっ、あたまがおかしくなるぅ♡♡♡)


 人の身に淫魔の触覚と味覚は過ぎたもの。いままでの人生で感じたことのない快感と滋味を舌から脳へ叩き込まれ、アンナはまた絶頂を迎えた。


「くふぅううぅ~ッ♡♡♡♡」


 意識が吹き飛びそうなほどの多幸感に晒されながら、アンナは全身を震わせた。アンナの秘所からは蜜がとめどなく溢れ、腰がガクガクと空腰を打った。過ぎた快楽にアンナの青い瞳は涙に濡れ、口元から垂れる涎をぬぐうこともできないまま。それでも舌奉仕を止められない。


「ね♡美味しいでしょ?チンポしゃぶるの最高なんだから♡♡♡」


 そういって、ナナリアは緩く腰を振り始めた。それに合わせて、アンナの舌の動きも変化する。アンナの舌は、ふたなりペニスにらせん状に巻き付き、締め上げ、その状態で前後に扱き上げ始めた。まるで舌で作ったオナホールだ。接触面積と摩擦が増し、アンナの性感はいよいよ極まった。


「んお゛ッ♡♡♡ほぉ゛ーッ♡♡♡おお゛~ッ♡♡♡」


 よだれを垂れ流す口から、獣の咆哮のような嬌声があがる。アンナの瞳はぐるりと上を向いてまぶたの裏に潜り込み、腰を震わせながらプシッ、プシッと断続的に潮を噴き出した。


「いいわっ♡♡♡その顔エロすぎ♡♡♡チンポに響くわぁ♡♡♡」


 ナナリアは快感に陶酔した表情で、腰を振りたくり続ける。ずちゅっ、ずちゅっ、と粘着質な水音が牢獄にこだまする。


「あ゛ッ♡あ゛お゛~~~ッ♡♡♡お゛~~っ♡♡♡♡♡」


 脳が焼き切れそうな快感を叩き込まれ、チカチカと明滅する視界の中、アンナは舌をさらに動かし、ナナリアの性感帯をねぶっていく。


「ああ~ッ♡♡♡いいわっ♡♡♡いいわっ♡♡♡淫魔ザーメン、その可愛いおクチにいっぱいぶっかけてあげる♡♡♡ぜんぶ飲み干してっ♡♡♡」


 ナナリアはひときわ大きく腰を突き出し、ぶるりと震えた。マグマのように熱い精液が、アンナの舌を打ち、口の中を満たしていく。


(ああっ、美味しい……こんなの、こんなおいしいもの初めて……♡♡♡)


 連続絶頂に茹った脳で、アンナは淫魔の精の味に酔いしれた。淫魔化したアンナの舌は、精液を極上の甘露として認識していた。いままで口にしてきたどんな美酒や菓子など比較にもならない、至上の味わい。朦朧とした意識の中、アンナは舌に絡みつく濃厚なザーメンをごくり、ごくりと飲み下していった。


(なんだこれぇ……♡舌が蕩ける……♡♡♡脳みそまで溶けるぅ……♡♡♡♡)


 粘ついた熱さが喉を通るだけで、身体が悦びに震え、心が満たされる。アンナは精飲しながら、さらに潮を噴いた。


「フウ……♡なかなか良かったわ♡♡♡」


 長い射精を終え、ナナリアが腰を引く。アンナの舌は最後まで名残惜し気にふたなりペニスへ縋り付いていたが、やがて離れた。唯一の支えを失ったアンナは、前のめりに倒れ込んだ。


「おふっ♡おおっ……♡♡♡」


 完全に気をやってしまったアンナは、青く長い舌をだらんと垂らしたまま、理性の欠片も感じられないアヘ顔で肉床に突っ伏す。股間からは大量の潮と愛液が垂れ流されて、肉床に水たまりをつくっていた。


「ウフフッ♡♡♡ザーメン飲んでここまで乱れてくれるなんて、やっぱりあなたには淫魔になる素質がありそうね♡あなたの部下ともすこし『遊んで』来るわ♡そうしたら、また相手してアゲル♡楽しみに待っててね♡♡♡」


 ビクビクと痙攣しているアンナを後に残し、ナナリアはどこかへ去っていった。


 ******


「く、くそっ。私が、あんな……」


 しばらくして、正気を取り戻したアンナは、先ほどまでの自分の痴態を思い返して屈辱に唇を噛んだ。


(いや、あれは舌のせいだ。自分の意志じゃない)


 アンナは頭を振って、自分に言い聞かせた。だが、ナナリアのふたなりペニスを口に含んだ時の舌から脳へ駆け上る凄まじい快感と幸福感は、とても忘れられそうになかった。そして何より、淫魔の味覚を知ってしまった身体が、あの味を求めて疼いてしまうのだ。


「……私は聖騎士だぞ!堕落してなるものか!」


 アンナは自分を鼓舞する意味を込めて叫んだ。しかし、ナナリアへの舌奉仕を忘れようとすればするほど、あのとき感じた快楽を思い出してしまう。舌全体で逞しいふたなりペニスに奉仕したときの充足感。そして、精液を飲み干した瞬間の幸福感……。


「く、くそぉ……♡♡♡」


 一度意識してしまうと、もうダメだった。舌が疼く、口内が唾液でいっぱいになる。アンナは自分の身体がどんどん熱くなっていくのを感じた。淫魔と化した彼女の舌には、人間なら不快でしかないであろう精液の味が、とても甘く芳醇な甘露として感じ取れていた。それを思い出しただけでもうダメだった。


 じゅるりと、アンナは無意識の内に自らの口内で舌をうねらせた。舌奉仕を再現するかのような卑猥な舌の動きだ。


「んんっ♡♡♡」


 くぐもった喘ぎ声がアンナの鼻から抜ける。舌をこすり合わせるだけで、脳が蕩けそうになるほどの快感が走る。


「んりゅっ♡れるっ♡♡♡」


 無意識の動きが、徐々に意識的なものに変わっていく。淫魔化した舌を自ら口内で刺激する自慰行為、淫らな舌オナニーに、アンナはどんどんのめり込んでいく。


(ダメだ。こ、こんなことをしては、ダメなのに……♡舌が、舌が止められない……♡♡♡)


 アンナは清廉たるべき聖騎士ではあるが、少ないながらも自慰の経験がある。淫魔化した舌でするオナニーは、いつもの自慰とは比べ物にならないほどの快感をアンナに与えていた。淫魔の舌は、人間の性器よりも敏感で、繊細な触覚を持っている。本来、人間の肉体では味わえないはずの淫魔の快楽を知ってしまったアンナは、その魔性の法悦の虜となりつつあった。


「んっ♡ふーっ♡♡♡はーっ♡♡♡んじゅっ♡じゅるるっ♡」


 アンナの青い舌が、口内で自在に動き回る。アンナは半ば白目をむき、だらしなく顔を蕩けさせながら、舌での自慰行為に耽った。口の端からは涎が垂れ、顎を伝って、形の良い乳房の谷間へ落ちていく。


(たしか、こんな風に……♡♡♡)


 やがて、舌をこすり合わせるだけでは満足できなくなったアンナは、自分の指を口に突っ込んだ。指を舐めるだけで、舌の粘膜がぞわりと粟立つ。人差し指と中指をそろえたものをペニスに見立て、舌を巻き付かせる。


「んふっ♡♡♡ぶじゅっ♡んふーっ!?♡♡♡」


 指に舌をらせん状に絡ませて、思い切り吸い上げた瞬間、パチパチと視界が明滅した。


(ああっ、きもちいいっ♡♡♡)


「じゅぞっ♡じゅぽぉっ♡んじゅぅ~っ♡♡♡」


 アンナは夢中になって自分の指をしゃぶり続けた。指を芯にすることで、舌の摩擦は飛躍的に増した。さらに、指を口内へ突き入れたり、引き抜いたりすることで、ナナリアから受けたピストン運動を再現する。ナナリアのふたなりペニスに比べれば、アンナの指は遥かに細く、たくましさに欠けたが、それでも口淫の記憶を蘇らせるには十分だった。


(きもちいいっ♡きもちいいっ♡♡♡きもちいいっ♡♡♡イクッ♡イクッ♡♡♡舌でイっちゃうっ♡♡♡)

 ピストン指フェラによって、アンナの身体は高められていく。そして、ついにそのときが訪れた。


(くるっ♡♡♡イクッ♡♡♡イッくうううぅ~~~ッ♡♡♡♡♡)


「んふッ!?♡♡♡ん゛ぅ~~ッ!!♡♡♡♡」


 アンナは背筋を仰け反らせ、舌を突き出しながら絶頂した。秘所から潮と愛液が噴き出し、またも肉床に水たまりを作る。


「はあ゛~……♡♡♡ああ……♡♡♡」


 どちゃっと音を立てて、アンナは肉床に崩れ落ちた。恍惚の表情で、ぐったりと弛緩する。


「お゛っ♡お゛っ♡んおぉぉ……♡♡♡」


(なんて、ことだ。舌で自慰をしてイってしまった……騎士として、ありえない……だけど、きもちいい……♡♡♡)


 れろ、じゅるっ


 激しい絶頂の余韻の中、アンナは意識を失う寸前まで、舌をうねらせて、その快感に浸っていた。

淫魔の舌・前編

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