野球にはピッチャーやショート、セカンドなど全部で9つのポジションがあり、それぞれ求められるスキルや適性は異なります。キャッチャーはこれらの中でもどのような役割を持っているポジションなのでしょうか。
キャッチャーは、ほかのポジションと異なりグランド全体を見渡せる唯一のポジションです。このことからキャッチャーは「扇の要」とも言われており、9つあるポジションの中でも特に責任ある役割を担っています。
キャッチャーは、ピッチャーの投げた球を捕ることだけが役割というわけではありません。例えば手元でサインを出し、ピッチャーに対して投球の指示を行うことはキャッチャーの役割のひとつです。この際、試合状況やピッチャーのコンディションなどさまざまなことを考慮したうえで、最適だと思う投球方法を判断します。
また、グランド全体を見渡せることから、バッターの特徴やコンディションなどを守備陣に伝えたり、相手チームの盗塁を成功させないように二塁や三塁へと送球したりもキャッチャーが行います。
このように多くの役割を担うキャッチャーは大変重要なポジションであり、強いチームには必ず名捕手がいると言っても過言ではありません。米野コーチも「チーム内に良いキャッチャーがいれば、チーム全体がどっしりと地に足がついた安定感のある野球ができる」と話しています。
少年野球でのキャッチャーのレベルアップを目指すにはどんな練習メニューやトレーニング方法がおすすめでしょうか。
キャッチャーにとってキャッチングは基本となります。しかし、その基本が実は奥が深く、「ミットから球がこぼれ落ちてしまうことがある」、「いい音が鳴らない」と悩む子どもたちも多いようです。
キャッチングの上手な選手が球を受けた場合、ミットに入った瞬間「パンッ」と大きな音がなり響きますが、これはミットの芯でしっかり捕球できているからです。
タイミングを合わせるためには、正しいキャッチングフォームを身に付けなければなりません。体が地面と垂直となる姿勢だと視線が高くなりボールを上から見る形となるため、タイミングを合わせづらくなってしまうでしょう。
さらに、フォームが崩れているとミットが動いてしまう原因にもなるため、審判の判定に影響が出てしまう場合もあります。やや前傾の姿勢となり、低い視線でしっかりボールを見られるよう意識しましょう。
初心者の子どもにおすすめの練習メニューは、壁当て練習です。キャッチャーとしての経験が浅いお子さんには、壁に向かって球を投げ、跳ね返ってきたものを捕球するというシンプルな作業を反復練習することがおすすめです。この練習を通じて、捕球する際のリズムやタイミングを体に覚えさせることができます。また、米野コーチは、「キャッチャーは捕球する場面が多いため、捕るときに力まずリラックスしながら体のバランスをとることが大切」と話しています。無駄な力を入れずに捕球できるようになれば、その後の球の握り替えもスムーズになり、スローイングしやすくなります。正確に、素早く、強くを意識しながら壁当て練習を行うようにしましょう。
実践で活躍するためには、高い技術を持つ選手は、常に自分の今の課題は何か、今より上達するためにはどうすればいいのか、といったことを自問自答を繰り返していると米野コーチは話しています。現状に満足することなく、自分へ課題を課し続け、他人の話やアドバイスにも謙虚に耳を傾けられる人が多いそうです。しかし、「そのうえで最後に取捨選択するのは自分ということも理解しておかなければならない」とも話します。また、高い技術を持つためには、その技術を体現するための体づくりも大切だとのことです。実践で活躍するためには、心も体もしなやかであることが求められます。体力面と精神面、そのどちらも短期間で身に付くものではありません。普段からしっかり意識して練習に取り組むことが大切です。
自宅で行えるおすすめの練習メニューとしては、上手な野球選手の動画を見てイメージしながらマネをすることがおすすめです。イメージトレーニングは、パフォーマンスの向上に効果的とされていて、トップアスリートの多くが取り入れている練習方法です。近頃ではYouTubeでさまざまな選手の動画をお手本にすることができます。どのようなフォームで、どんなタイミングで球を捕っているのか、また、捕球してから送球までの動作はどのようになっているかに注目して、いろいろなキャッチャーをお手本にして自分に置き換えてイメージトレーニングを繰り返すことで、実践に繋げやすくなるでしょう。
対人で行うおすすめの練習メニューとしては、2人で練習できる環境にある場合は、ノックを練習に取り入れることがおすすめです。ゴロやフライ、イレギュラーバウンドなど、さまざまな質の球を受けて体に覚えさせることで、試合中の予期せぬエラーを防ぐことにも繋がります。ノックを受ける際には、捕球や投球のリズム感や力の加減、ボールに対する入り方のタイミングなどをしっかり意識しながら行うことが効果的です。これらの練習は、キャッチャーとしての技術や体力を高めることにつながります。