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【コラム】漫画を描く人・読む人を増やすには

お世話になっております。若林です。


こないだ漫画関係のお仕事をされてる方とお話しする機会がありまして……

「漫画を描いてく上で『世の中がもっとこうだったらいいな』と思うことはありませんか?」

みたいなことを訊かれました。


なんにも思いつきませんでしたね。

というのも僕は、今の漫画家の創作環境って、めちゃめちゃやりやすい状況だと思ってるんです。


まず「漫画家になりやすい」ですよね。

出版社を通さないと世に発信できなかったのが、SNSでいつでも誰でも発信できるようになりました。

ちょっと前までは二次創作じゃないと読まれにくい環境だったのも、今は一次創作にも目を向けてもらえるようになってます。


次に「漫画を描きやすい」です。

漫画を描くのって、それなりに難しい技術が必要です。

でも今はペイントソフトの発達で、漫画を描くことの敷居が下がっています。

さらに、漫画自体の幅が広がって、特別絵が上手くなくてもよくなりました。


一方で「漫画の売れ方が変わっている」といのもありますね。

漫画全体の売り上げは年々減ってます。

電子書籍が売上を伸ばしてはいますが、それでも全体の数字を上げるほどではありません。

書店の数も減っていますし。

そんな中で、個人で小さく商売する方法が増えてきました。

大きくは利益を上げませんが、漫画家個人が暮らしてくには十分です。


こういう現状に、僕はけっこう満足しちゃってるんですよね。

今の状況って、才能無い人にめちゃめちゃやさしいんですよ。

だから僕みたいなのでも生活できるんだと思うんです。


だから僕……

「漫画を描いてく上で『世の中がもっとこうだったらいいな』と思うことはありませんか?」

という質問に対して、

「逆に何か問題ってあります??」

って訊いちゃったんですよね。


そしたらですよ。その人の持ってる危機感は……

「今の若い子はYouTubeやTik Tokなどの動画を見てる時間の方が多い」

「なんなら漫画もその動画で見る」

「動画はスタートの敷居も低く表現の幅も広く収入にも夢がある」

「このままだと潜在的な漫画志望者がユーチューバーなどの動画系の仕事に行ってしまうのではないか」

ってことだったんですよね。


なるほどー!!と。


若林ってなんてボンクラなんだろう!!と。


そこから一緒に「漫画を描く人・読む人を増やすには」って話で盛り上がったんですよね。


僕から話したのは……

「SNSで読まれやすいのはダントツでラブコメ」

「でもラブコメを描けない人・描きたくない人もいる」

「読者側にもラブコメに興味無い人・今のよくあるラブコメに飽きてる人がいる」

「もっと別ジャンルの漫画も読まれて人気が出るようになれば漫画人口は広がる」

「そのためにはみんなが真似したくなるスター作家が必要」

「でもスターが生まれるにはそのための環境がないといけない」

「そこでラブコメ以外のジャンルに特化した賞や媒体を作ってはどうだろうか」

みたいなことでした。


僕もね、今はまだ「WEB漫画家といえば若林先生」みたいな感じで認識してもらえてるのでね。

「ああ……若林さんは現状に満足してて未来を見れてないんだな……」とか思われたくないわけです!!

だからこの時はね!!精一杯考えましたよ!!

でも言った後で「すごい普通なことを言った気がする……」って思って恥ずかしくなりましたね。


でもこういう、「危機感を話して反応を試されるポジション」ってとてもありがたいことです。

それだけ認めてもらえてるんだなと。

その度に「えー考えたことなかったですー」みたいな反応をしてしまって本当に申し訳ないです。


ちなみに僕がラブコメ以外のジャンルで僕が読みたいのは、純ファンタジーとミステリーとカートゥーンですね。


純ファンタジーについては、以前「もう誰も読まない」みたいな言説がTwitterで話題になりましたよね。

でも「なろう系」以外の純ファンタジーを描きたい人・読みたい人はいるはずなので、この手の話題にはフラストレーションがたまってるだろうと。

そういう時こそ純ファンタジーオンリーの漫画賞とか作れば、そういう潜在的な層を丸ごと集められるんじゃないかなって思います。

ついでにファンタジーとSFは似たようなジャンルだと思うので、両方同時に二大賞として作ったら面白かったりしないかしら。どうかしら。


ミステリーって、小説とかでは常に人気ジャンルじゃないですか。

でも漫画ではごく一部ですし、SNSではほとんど見られません。

単純に小ページで描くのが難しいんだろうなと思いますが、そこを打開する表現が見つかれば一気に流行るだろうなと。

「4ページミステリー漫画賞」みたいなのを作れば、そういう潜在層が集まるんじゃないかと思うんですけど、どうでしょう。


カートゥーンは、独特の面白さがあるんですけど、日本人には微妙に浸透してないんですよね。

とにかく数が少ないので、慣れようにも難しいですし。

数を増やして、目につく機会を増やせば、そのうちカートゥーンも注目されるのではないでしょうか。

ただこれに関しては、賞だけ作っても潜在層が少ないと思うので、先に現状のカートゥーン作家を認知させて盛り上げる土台作りが必要なのかなって思います。


……と、ここまでマイナージャンルに目を向ける話をしてきましたけど、ジャンプが4Pラブコメの漫画賞をやってるのを見てると、あれが正しいよなとも思います。

流行ってるところの勢いをさらに盛り上げてくほうがいいし、実力による競合が始まるから天才も現れやすいよねーと。


ただ僕は、そういう流行りの中では目立てず、常に横道を探してきた人間なので、どうしたらマイナーで他人と競合せず目立てるかを考えちゃいますね。


漫画人口、増やしていきたいですね。


※追伸

おまけに、ホラーについてももう少し流行るんじゃないかと思いますね。

「見える子ちゃん」の泉先生がこのジャンルのパイオニアではないでしょうか。

ホラーって、どうしてもネタ重視になって、キャラが使い捨てになりやすいんですよね。

その問題を上手く解決したのが「見える子ちゃん」だと思います。

今後、これに影響された作品が増えるのではないかと思いますが、そのためにはもう一つ起爆剤が欲しいです。

【コラム】漫画を描く人・読む人を増やすには

Comments

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先生の考察、大変面白いです。ホラーに関しては「幽霊や怪物などを怖く描くこと」って結構難しいかもなので、なかなか描く人が増えないかも‥(ファンタジーも背景とか画力必要で難しいかも)その点、ラブコメはとりあえず「かわいい女の子」さえ描ければなんとか漫画作れるので、裾野広いのかもと思いました。その難しいハードル(幽霊やモンスターを描くなど)を技術(ディープランニング?)により自動化できれば、もっと市場が広がるかもですね。

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