「つくづく思うけどよ、体育倉庫の中にコンセントって全然ないよなぁ?結構前にコレと似たようなことをやったが、カメラの電源確保が一番ネックだったもんだ」
誰に言うでもなく、ツナギ姿の男は、撮影機材を準備しつつ、そう呟いた。
「な、なによ、これ…!!」
怒りと焦りが入り混じった表情で、唯美(ユミ)はそう言い返した。首から下は完全にテープが巻かれており、そのまま倉庫の棚に固定されている。
男は立ち上がり、背伸びをして、腰を叩きながら答えた。
「・・その恰好が”釣れる”とわかってるから、そんな見た目優等生って感じなんだろ?誰が依頼したかしらねーけど、パパ活とやらに興じるお前を、懲らしめて足を洗わせてやってほしいってさ。なるほど、根はそこそこに悪い子ってのは、今の態度からもわかるっちゃわかるなぁ」
「ふ、ふざけないで!」唯美は強く体をゆすった。ギチィ!という強い音がしたが、ただそれだけだった。
肩をすくめながら、男はふと別のところに視線を移した。つられて唯美も目をやると、そこには、色々な"グッズ"が置かれていた。
「今回も、依頼料に加えて、この様子を売り物にさせてもらうんでよろしくな。こないだは割とすぐ【救出してヒーローになる権利】が売れたが、お前はどうだろうな?素敵なおじさまが来ることを祈っておくといいさ」
そういうと男は、グッズを手に取り、怒れる唯美に近づくのであった。
ー完