放課後、とある学校の会議室にて。
11月も終わりに差し掛かり、寒さが次第に厳しくなってきた。
美しい夕日が会議室に差し込み、二人の女子生徒を照らしている。
「で、要件は?」
端的で鋭い物言いに、美晴は思わずたじろいだ。
ー目の前にいるのは、涼川絢(すずかわ・あや)。
新任の生徒会長であり、その喋り方と見た目から【厳格な人】と勘違いされるタイプである。
その実はどちらかと言えば、抜けていることも多い親しみやすい性格なのだが。
「ほら、修学旅行のイベントを事前に話し合いたくてさ。絢ちゃんも、いきなり会議で言われるより、手間じゃないでしょ?」
「確かに。じゃあ、手短に頼む」
・・・単に頭が良いだけだと思うのだが、少ない文字数で、しかも即答する辺り、やっぱりコワイな・・と美晴は思った。
「ありがと!でもちょっと肌寒いから、お茶を用意するね」
そういって美晴は、”計画のために”さりげなく席を離れるのであった。
十数分後。
「えぇと・・何だ?そういうイベントが・・予算・・えと・・」
絢の言葉が支離滅裂になり始める。
そしてゆっくりと机に突っ伏し、すぅすぅと寝息を立て始めた。
その姿を確認すると、美晴は携帯を取り出し、辺りの様子を憚るように身をかがめつつ、そっと電話口に喋りかけた。
「もしもし、絢ちゃん寝たよ。うん、じゃあ、あとは計画通り!!」
ー窓の外の夕日は、山の向こうに消えようとしている。もうじき、夜が来る。
「ごめんね、でも私たち、どうしても・・・」
美晴は、目の前で眠る絢に語りかけた。
ーつづく