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Yanaponte
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【ショート・ストーリー】現実風の虚構 ーリメイクー

鬱蒼とした森の奥、開けた草原地帯に”それ”は聳え立っていた。

巨大なロケット花火のような異形の物に、銀色の帯が二本巻かれている。そしてその巨大な胴体からは一本の導火線が伸び、既に末端から火花が飛び散っている。

丑三つ時という時刻も相まって、その不気味な存在感は、際立って異質である。


「ーう・・・こ、ここは・・・?」

"それ"の上で目覚めたクレアは、独りでにそう呟いた。


ギチィ!


「ー!!??」

そしてすぐに気付いた。自分の身体が完全に拘束され、何かに固定されていることに。


「な、なによ、コレ!!」

抵抗を始めた彼女は、すぐに隣にいた存在へ気付いた。


「ぐ・・ぐぅぅぅ・・・!」

クレアと同じように拘束された黒髪の女性が、何かを必死に気にしつつ、全力で力を込めていた。その視線の先には、こちらに近付いてくる火花がハッキリと見えた。


「ね、ねぇ!これは一体、どういうこと!!??」

たまらず、クレアは声を掛けた。完全に焦燥した様子の女性が、バッと振り向いた。どこか誰かに似た面影を感じるが、咄嗟には閃かない。


「わ、わかりませんよ!」

その女性は必死に身体を揺すりながら、大声で返した。その間も、着実に火花は近付いてくる。


もう、何も考えている余裕はない。


「くぅうう・・!」「く、くっ!ふん!」

ギチギチという必死の抵抗が発する音も、漏れる声も、夜の闇に霧散して消えていった。



ーその姿を、少し離れたところから双眼鏡で眺める二人の男がいた。

片やツナギ姿、そして片や、高級なブルーのスーツに身を包んだ、どう考えてもやり手の実業家である。


「ー大金頂いたんであんなもんをこさえましたが、なかなかサイコな趣味ですなぁ」

ツナギ姿の男が、あごひげをなでながらねちっこく問うた。


「ふっ、10年以上も前の話だ。弱くて無知だった高校生の頃、俺はあいつらにプライドも信念も大事にしてきたものもズタズタにされたんだ。


衆人環視の状態で、告白してもいないのにフラれるという、あいつらの余興に巻き込まれてな。


あいつらは絶対に覚えていないだろうが、3年間ずっと周りから蔑まれて、孤独に身を置かされたよ。身に覚えのないことによってな。地獄のような日々だった。


・・・恨みってヤツは、複利がついて、増長し続ける。この10年間ずっと、俺はあいつ等が地球上にのうのうと生きていることに、それなりに社会的な成功をおさめていることに、我慢ができなかった。俺自身がこうして、金も権力も手にした後であっても、な。


今から俺の過去に一つケリがつく。文字通り、散って、咲いて、そして無くなる。あいつらも、10年分の苦しみと恐怖を一瞬で味わえば、廃人同然になるだろうよ。見ろよ、あと数秒でショーが始まるぜ」


スーツの男の目は爛々と輝いており、不気味な笑顔を浮かべている。


(なるほど、華々しい成功の裏には、同じくらい濃い闇がある、か。)


ツナギ姿の男は、そっと双眼鏡をおろし、そんなことを考えた。


ー完


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