脱出を果たすと同時に、彼女は扉の向こうから足音がゆっくりと迫ってくるのに気付いた。
『早速、チャンスってワケね・・・』
彼女は扉の真横―開けたときに資格になる場所―に潜み、入ってくる者を待った。
何かを認証したのか、ポーンという機械音と共に、ゆっくりと扉が左右へと開いた。そして中へやってきたのは・・・。
『こいつ・・・!』
彼女を憂き目に遭わせたあの女であった。
―その女が、倉庫内で起きた異変に気付いたのと、"彼女"の上段蹴りがその顎にクリーンヒットしたのとは、ほぼ同時の出来事であった。
一瞬で意識を失った女は、そのまま倉庫に崩れ落ちた。うつ伏せのまま動かない。完全に飛んでいるようだ。
『倒した今となっては感謝すべきなのかもね・・・。結構要塞の奥まで、私を運んできてくれたってことでしょ?ま、お疲れ様。』
彼女はそう吐き捨ててから、組織に気取られないよう、その女を拘束し、隠す準備を始めた。
『なーに、大人しくしてれば殺しまではしないわよ。大人しくしてれば、ね』
そういうと彼女は、倉庫に落ちていたダクトテープを、思い切り引き伸ばすのであった。
―続く