「気分はどう?」 彼女は私に尋ねたが、私は何も言わなかった。 何も言いたくなかったし、まだ口にはテープが何重にも巻かれているからだ。 身体に巻き付くテープを剥がしながら、このアルバイトのことを考えた。 半日以上放置されたときは死を覚悟したし、鼻口を塞がれたときはもうダメだと思った。 ミイラみたいにイスにくくりつけられたりもしたっけ・・。 理由は分からないが、その後に彼女は私を解放した。 それについて考えても分からないし、別に知りたくもなかった。 ただただ、早く帰りたかった。なかなか取れないテープがもどかしい。 もう二度とこんなアルバイトはするもんか! でも、報酬は結構良かったなぁ・・。 「私はいつでも待ってるからね。」 彼女は笑いながら私に言った。 その声は優しかったが、どこか不気味にも聞こえた。 ―おしまい―