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倍々世界17


8月20日


 2000mを超えた育人でも、流石に8000km先の海の向こうの国は遠かった。しばらく泳いでも何も見つからず、戻ろうかと思った先に小さな島を発見。今の育人にとって小さな島は本当に小さく、畳二畳ほどの大きさにしか感じない。遠慮なくその島に腰を下ろし、島ごと半壊させながら休憩する。島が連なる諸島間は水深が浅く、プールを歩くようにして距離を稼いだ。夜になったら適当な島を押し潰しながら寝転がる。星空は満天だった。


「綺麗だな~……」


 と感動したところに核ミサイルが雨のように降ってきて全部が台無しである。あたりが薄明るくなるとまた海に潜る。深いところにも慣れてきて、クジラ――今やクジラより何百倍も大きいが――のように潜水しながら泳いでいく。そうして、太陽がもうすぐ登りきるというところで。


「おーーー」


 もう水深はずいぶんと浅くなり、育人はざばざばと脚でエメラルドの海をかき分けながら進んでいた。そんな育人の眼前に、島がいくつか見えてくる。昨日寝床にしていた島よりもずっと大きい島だ。


「あれだよな?」


 野球漬けだった育人は海外旅行などしたことないが、それでもその常夏の楽園ぐらいは知っている。それが太平洋のどこにあるかも。


「ようやく半分か~」


 そして育人から島が見えているということは島側からも育人が見えているということだ。もちろん育人が人間のサイズなら目視など不可能だが、今の育人はもう4000mを超える大巨人なのだ。そもそもレーダーや衛星で育人が近づいてきていることを知っており、育人が歩き始めてからは地響きもずっと聞こえていた。だがその巨大な身体を肉眼で見て、島の人間たちは一気に恐怖のどん底に陥る。育人が海に入った昨日の今日だ。政府による避難が間に合っているわけもなく、空港や船着き場は人が殺到してパニック状態だった。


「へへ……」


 育人は島々を見渡して、まずは一番左に見える島に目を付けた。縦に30km程度の細長い島は緑に覆われていて大きな町などはなく、現地民の村落がいくつかあるくらいだ。育人が、その島に近づいていく。島の標高は高くて300mと少し。育人の膝にも及ばない。島民たちは近づいてくる育人に当然のごとく気づいていたが、育人が起こす地鳴りや海をかき分ける大波で動くどころではなかった。あっという間に育人が島にたどり着き、島にその大きな一歩を踏み出す。600m近い育人の足は自然豊かな森を踏み潰し、島全体に大地震を引き起こす。隕石が落ちたような衝撃で周囲の木々が数キロにわたって消滅する。


「人はあんまいねーのか……」


 そのまま育人は南端から北端まで、下を見ながら巨足で島を蹂躙していく。30kmの距離など育人からすればホームベースからマウンドまでの距離とそう変わらない。じっくり下を見ながら歩いたが、たった20歩。10分もせずに育人は島をぐちゃぐちゃにしてしまった。


「次の島は~……」


 育人が次に目を向けたのは、隣にある直径50kmほどの島。街も空港もあり、育人が今踏み潰した島よりずっと栄えている。その島までは30km程の距離があったが育人はそんなのもものともせず、その島の一番近い岸へと近づいていく。


「お?」


 突如その島から、飛翔物が育人へと飛んでくる。それは育人の脛に当たって小さな爆発を起こしたが、もちろん、育人にとっては痛くもかゆくもない。ちょうど育人が向かう先にあった軍の施設のなけなしの抵抗だったのだが、育人は笑いが隠せない。


「きかね~のにさ……」


 あっという間に島に近づき、ほぼ真下にある軍事施設を見下ろす。2000mの滑走路に付随する基地施設。育人からは小さすぎて見えないが、島からの避難のため住人達も大勢この基地に集まっていたところだった。ヘリが次々と飛び立ち、至近距離にかかわらずミサイル攻撃はやまない。しかし育人はそれらを意にも介さず、ゆっくりと右足を上げる。おびただしい量の海水が巻き上げられ、揺れで離陸できなかった飛行機、慌てて飛行機から逃げ出していた人間たちがまとめて押し流されていく。人間たちが溺れる中で見上げたのは、大きな大きな影を作る、育人の600mもの巨大な足。空気を押し潰しながら落ちてきたそれからは何も逃げられない。滑走路を両断するように踏み下ろされた足は通常より頑丈なアスファルトをたやすく粉砕し、滑走路だけではなく周囲の施設もまとめて押しつぶす。それにとどまらず、育人の足は大地を割りながらめり込んでいき、傾いた大地から滑り落ちるように人間や飛行機や建物が地割れに向かって滑り落ちてなだれ込んだ海水とごちゃ混ぜになる。衝撃波で周囲の施設も吹っ飛び、たった一歩で基地施設が半壊する。


「こっちも」


 育人はそのまま反対の足を持ち上げ、同じようにして基地の残り半分を壊滅させた。それで終わり。育人は島の外周に添うようにして歩いていく。木々も家も、道路も車も、逃げ惑う人々も一緒くたにして大地にうずめ、足から逃れたものは風圧と衝撃波で吹っ飛んでいく。もはや破壊でも何でもない、ただの天災。さっきの島より大きかったがそれでも蹂躙しつくすのに2時間かからない。

 そのまま島々を渡りながら踏み荒らしていき、最後に残った島に上陸して育人は周囲を見渡す。


「へ~……結構デカいんだな……」


 今まで育人は島に上陸すれば大体その真反対まで見渡すことができたが、この島に至ってはそれができなかった。それは育人の身長4000mに匹敵する何かがあるということで、この島でのそれは火山だった。ほぼ育人と同じ高さの活火山。さらさらとした溶岩が吹きあがりできたため全体的に平べったいが、その分すそ野は広大だ。もちろん今の育人にとっては自分と同じくらいの身長の土の山とさして変わらないが、そんなものすら今の巨大な育人にとっては珍しい。

 足元の豪奢なリゾートホテルになど目もくれず育人が山に近づくため足を上げる。ホテルはたったひと踏みで地盤にうずまるまで踏み潰された。歩くだけで暴風を巻き起こし、足が着地する度周囲はその衝撃波で崩壊していく。山に近づくにつれ建物は減っていったが、代わりに木々を押しつぶし、山肌を砕き足跡を穿いていく。山肌の割れ目から溶岩が噴出して育人の足にもかかったが、育人にとってはちょっと温かいゼリーのようにしか感じない。


「……なんか本当山って感じしねえな」


 山を登る、といっても本当にゆるい坂を歩いているようなもので、少し登ってしまえば育人の目線からは山頂が見えてしまう。山頂は巨大なカルデラ――くぼみとなっており、育人が横になってもすっぽりおさまりそうな大きさだった。その底の真ん中あたりでは育人が歩き回った振動で活性化しているのか、マグマはゴポゴポと泡を吹きながら噴き出している。育人は山頂からカルデラに降りる。広さはあっても深くはなく、せいぜい育人の脛程度だった。育人は膝をついて、マグマが噴き出す両手で覆えそうなくらいの小さな火口を覗き込む。そしてそこにそっと指を入れてみる。


「……あったけえ……」


 その温かさをトリガーにして、育人のチンコにどくどくと血液が集まってくる。そういえばしばらく抜いていないことを思い出し、あっという間に育人のチンコはギンギンに勃ち上がってしまう。今の育人のチンコは高層リゾートホテルよりはるかに巨大な400m級。太さだけでも100m近くある超々巨大な逸物だ。もはや人間の作ったあらゆる構造物よりでかいブツが、目の前の火山を前にだらだらと涎を垂らしている。


「っと……」


 育人は膝をついたまま火口へとにじり寄る。天文学的な重量を受けて膝をついた部分が沈み込む。育人は四つ這いになり、片手でチンコを掴んで照準を火口に合わせる。マグマで亀頭が赤く照らされ、ぼたぼた落ちる先走りが高熱で蒸発する。育人はそのままゆっくりと腰を突き出し、先っぽが溶岩に触れる。


「っあ……!!!!!」


 育人から漏れた声は苦悶ではなく快感によるものだった。人間が飛び込めば一瞬で燃え尽きる1200度の溶岩だが、育人にとってはちょっと温かい程度。どろどろの粘り気も手伝ってまるで温感ゼリーに突っ込んだような快感が育人の身体を電流のように駆け巡る。


「まっじで……最っ……こうじゃん……!!!!」


 育人はたまらずぐぐっと腰を押し付ける。400m級のチンコが火口をメリメリと押し広げながら侵入し、巨大な質量に溶岩が溢れて育人を下から照らす。


「あっ……すげ……!!」


 育人は本能のままに火口に腰を打ち付ける。そのたびに溢れた溶岩が飛び散り、周囲の岩盤が砕けてめり込む。ズドン、ズドン、という振動が山そのものを揺るがし、山の裂け目からも溶岩が噴き出す。振動で山から転がり落ちた岩は周囲の街の建物や人々を押しつぶし、溢れた溶岩が炎となって逃げ道を塞いでいく。育人の打ち付けはさらに激しくなり、周囲の火山まで巻き込まれて活性化していく。そして育人がひと際強く地面に腰を押しつけた。溶岩の中で育人の竿がビキビキビキと一層膨らみ、あふれ出ることができない溶岩がギュゥとチンコを絞めつけた。


「あっ、あっ………いっく……!!!」


 島の人々は育人の腰振りによる揺れが止まり、恐る恐る山を見上げていたが、真を開けずしてドゥン……ドゥン……という、大地深くに響くような振動を確かに感じた。まともに食らえばビルすら貫通する育人の射精は溶岩を突き抜け、マグマだまりの中心までたどり着く。高熱で精液が泡立ち、今までの振動や刺激もあってついに火山は限界に達してそのマグマを噴き出そうとするが、その先の火口は山並みの質量を持つ育人が塞いでいて出られない。行き場を失ったマグマは別の火口を作り出し、そこから盛大に噴火する。


「……おっ?」


 火口オナホに盛大にぶっ放し、余韻に酔いしれていた育人はどぉん! という爆発音に顔を上げる。山の側面から空に向けておびただしい量の溶岩が吹きあがっていた。それらは周囲の街にまで降り注ぎ、建物や人を直接押し潰し焼け焦がしていく。育人はズルルリと火口から肉棒を抜くと、その場に胡坐をかいて空を見上げる。


「きれーだな~……」


 まるで花火でも見ているかのような育人の、まだ芯に固さを持つチンコからは、溶岩と精液がぼとぼとと滴っていた。


倍々世界17

Comments

コメントありがとうございます! もう1か月なんですね……地球が終わるのにあと1か月持つかどうか…… 効かないのに必死に抵抗してるのがじゃれてるみたいで面白いんだと思います!600mの足裏はもう、ビルがそのまま降ってくるよりはるかに迫力ありますからね、絶景でしょう…… そしてもう自然相手じゃないと抜けない育人! まだまだでっかくなるのですぐに大自然でも足りなくなりそうです

ichiya

気付けば、今回は巨大化し始めて丁度一ヶ月なんですね~。 一ヶ月前までただの高校球児だった子が、世界を揺るがすほどの脅威に…^q^ ミサイル撃たれても笑みを浮かべながら「きかね~のにさ……」っていうところ、 強者の余裕感があって好きです(*´Д`) 海水で押し流され溺れる人々が最後に見た光景、 600mもの育人君の巨大な足裏…絶景だったんだろうなぁ…。 もはや人工物では満足できなくなってきた育人君にとっては、 火山のような大自然すら、温かいし粘り気もあるしで突っ込むのに程よいものになってきたんですね~。

曹達(ソーダ)


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