8月15日
育人は――いや、冴島育人と呼ばれた巨体は、黒焦げで焦土と化した大地に倒れ伏していた。
復活した育人に対し、人間……というか、当事国の外の国は、もうなりふり構わなかった。育人のことはすでに全世界に知れ渡っていた。そして世界は理解していた。空爆でも殺しきれない怪物。それと和解はできない。服従も支配されるのもあり得ない。何せ毎日倍々に巨大化していくのだ。数日で地球の食糧は食いつくされ、そのうち地球自体が押しつぶされる。ここで殺す以外、人類が生き残る道はない。だから――当事国を無視した、人類の存亡をかけた核による飽和攻撃。高熱と爆風は数十キロ圏内のすべてを吹き飛ばし、人間を含めたあらゆるものを焼き尽くした。次々と空を覆うキノコ雲。育人のいる爆心地は地形すら変わり、高濃度の放射線で数十年は何物も生存できない土地になる。爆炎と煙がおさまり、超高熱と放射線で近づけない人間達は、衛星画像で爆心地を観測する。もはや世界中の人々が祈っていた。――そうして映し出されたのが、黒焦げになった、育人の姿だ。衛星からの荒い映像だが、それでも真っ黒な巨体が動いていないことが判別できる。世界中は歓喜に沸いた。その喜びはたった10時間後に絶望に変わることとなるとは知らずに。
日をまたいだ8月15日の午前8時。その絶望が訪れる。いまだ熱と放射能で防護服越しでも人間が近づけない爆心地。その中心で仰向けに倒れていた黒焦げの物体が、小刻みに揺れ始める。地震ではなかった。その揺れは少しずつ大きくなり、ピシ、ピシ、と音を立てながら黒焦げの表面にひびが入り始める。それの一部が皮のように剥がれ落ちると、その中に見えるのは、傷一つないなめらかな肌。揺れとともにひびが大きくなり、黒い殻がまるで内側からの圧力に耐えきれないように、はじける様にはがれていく。その中から現れてくるのは――育人だ。真っ黒だった殻を破り、傷一つないつやつやと光る筋肉を携えて、まるで生まれ変わるかのようにさらに大きくなっていく。はがれた黒い皮膚は育人の体の下へと消えていき、焼けた大地が育人の重みで沈みゆく。映像を見ている世界中の人々は、悲鳴にならない悲鳴を上げた。耐えきれなくなって銃を自分に向ける者もあった。世界の終わりの、始まりである。
「ん~……これ……またか……」
起き上がった育人が頭をポリポリと掻きながら周りを周りを見渡す。突然すごい爆発に巻き込まれたところまでは覚えているものの、そのあとは全くだ。焼野原――というか周囲一帯何もなくなった地面を見て、またすげえ武器使ったんだなあ、と育人はため息をはく。人類の存亡をかけた、最後の攻撃だったのに。
「てか、なんか身体すごくなってね?」
育人が立ち上がって、腕をさする。上腕二頭筋は軽く曲げた状態でも山のような盛り上がりを見せ、前腕には血管がビキビキと浮き上がっている。大胸筋はもはや丘のように膨れ上がり、手で触る腹筋は岩礁のようにボコボコにせり上がっていた。軍の攻撃でついた傷やあざはいつの間にか消え失せており、育人自身もすこぶる体調がよいのを肌で感じていた。そしてもう一つ調子のいい部分に気づく。
「そーいや……昨日抜いてなかったか……」
熱を持ち始めた股間のブツに目をやる。重そうに鎌首を揺らす育人のチンコは、もはや膝の半分を超えるでかさ。その大きさはトラックよりもはるかにでかくて太い。人間が何百人集まろうが支えられず潰れてしまうだろう重さの逸物が、その血の巡りだけでぐぐっ、ぐぐっと空を切りながら持ち上がっていく。
「へへっ……」
育人はその肉棒を下からすくい上げるようにして持ち上げる。車がつかみ取れる育人の大きな手でも半分以上がはみ出てしまう長さ。ずっしりとしたそれを軽く握るも、太すぎて指も回らない。それをゆっくりと上下させていく。
「ふっ……くっ……」
巨大化する度精力が異様に増大していた育人のチンコは、その刺激だけであっという間にビキビキと硬くなり、育人の手を飛び出すほどの勢いで勃ち上がっていく。臍を軽く超えるそのサイズはもはや電車よりはるかにでかい。ぼたぼたと垂れて上下する手により飛び散る我慢汁が、焼けて渇いた大地にドシャドシャと落ちていく。ほぼ一日出さなかった育人の金玉はもうパンッパンで、せり上がる感覚はすぐに訪れた。育人のケツがぎゅっと締まる。
「っ……くっ……!!」
亀頭が一瞬膨らむと、次の瞬間ズドンッ!! という砲撃のような音とともに白い精液が上空に向けて放たれる。射精といえどぶち当たれば飛行機でも粉々になってしまいそうなそれはもはや砲弾だった。上空500メートル近くまで打ちあがった精液はやがて弧を描き地面に向けて落ちていく。大量の精液が隕石のようにドゴドゴと降り注ぎ、焼けた黒い大地に白い斑点を落としていく。
「………ふー……」
たっぷり一分ほど射精した育人は、竿を扱いて残った精液を絞り出し、ぴっぴと手を振った。そうして周りを見渡す。周囲一帯は黒焦げだが、霞むほど遠くには海も見えるし、違う方向には街も見える。
「ここにいても何にもなんねえし……最後まで楽しむか!」
育人はにっ、と笑いながら、ズシン、と一歩を踏み出した。
8月16日
終末というものは突然訪れる。隕石だったり太陽フレアだったり地殻変動だったり。映画やアニメでさんざん知っていた光景が、まさか現実に起こるとは誰もが思っていなかった。核による飽和攻撃はもちろん世界中を大混乱に陥れたが、その後また巨大化して復活した育人のことが報道されると世界はそれ以上の大パニックに陥った。できるだけ遠くに逃げようとする者、パニックに乗じて犯罪を犯す者、ただただ泣き叫び絶望する者。もはや警察や政府でどうにかできるレベルではなかった。特に核の影響を免れながらもその近くにある街はすさまじかった。街の外に出る車道はすべてが大渋滞。クラクションや人の怒号が響き続ける。目的は皆同じ。育人から少しでも遠くに逃げることだった。
ズシン……
大パニックの喧騒の中でも人々はその地鳴りを感じ取った。一瞬にして静まり返る街。そしてもう一度大地が揺れる。
ズシン……ズシン……
だんだんと大きくなる地鳴りに、喧騒が戻ってくる。そして、誰かが空をさし、全員がそちらの方を向いた。そうして街の外まで響くような悲鳴が上がる。
「お~、この辺はまだ無事なんだな……」
現れたのは、今まさに人々が逃れようとしていた元凶、育人だ。身長は既に250mを超え、街のどのビルでも育人の身体を遮ることなどできず、むしろ腰より低いものがほとんどだった。育人はそれらのビルを脚でなぎ倒しながら、街の中に足を踏み入れる。
「ははっ……弱すぎ……」
筋肉のみっしりついた脚がコンクリのビルをやすやすと破壊し、道路に踏み下ろした足が車ごとアスファルトを陥没させる。当然人間も無事ではないが、育人からすればもう1cmにも満たない小さな生き物など目に映らない。そのまま道路もビルも関係なく、すべてを破壊しながら街を進む。まるでおもちゃのように崩れていく街を見ると、自分のでかさとパワーを知らしめているようで、あっという間に興奮が股間に押し寄せてくる。歩きながら電車以上のサイズで揺れていた育人の巨根が、ムクムクムクッ、と勃ち上がってくる。育人はそれを見下ろしながら小さく笑う。
「ったく、しょうがねえなあ……」
せっかくだから、と周りを見渡す。ひと際大きなビルを見つけると、道も関係なくビルを踏み潰して近づいて行った。育人の見つけたビルは街で一番大きなビルだったが、それでも育人の胸元までの高さしかない。ビルの中にはまだ逃げられていない人間がたくさん残っていた。育人はそそり立つ巨根を軽く扱きながらそのビルの前に立つ。
「へへ……ちょうどよさそうじゃん?」
育人は片手でビルの屋上を抑えると、もう片方で竿を握り、迷う様子も見せずに一気にビルへと突き刺していく。直径数フロアを超える育人の亀頭が、ガラスもコンクリも関係なくぶち抜きながらビル内に侵入する。机やコピー機、人をあっけなくひき潰していく肉の塊。育人は両手でビルをつかみなおすと、欲望そのままに腰を振る。育人の鋼鉄のチンコ相手ではコンクリや鉄骨でも大した刺激にはならないが常に精力満タンで、またこのシチュエーション自体にそそられていた育人はあっという間に我慢の限界が来た。
「おっ…らっ……っくぞ!!」
ビルが内側から破裂し、その中から白い砲弾が勢いよく突き抜けてくる。街に着弾した精液の塊は人間や車はおろか、建物すらぐちゃりと押しつぶしていく。そのとんでもない量の精液で街は真っ白になっていく。数分吐き出してようやく射精は収まったものの、育人のチンコはまだ臨戦態勢を保ったままだ。この街もまだ半分以上残っているし、ほかの街もまだまだ残っている。
「はは……おい……楽しいじゃねえか……!!!」
世界は確実に終わりに近づいていた。
ichiya
2025-02-08 03:02:55 +0000 UTCあかいろ
2025-02-07 14:36:11 +0000 UTCichiya
2025-02-01 15:26:26 +0000 UTC曹達(ソーダ)
2025-02-01 09:23:12 +0000 UTC