XaiJu
葉一
葉一

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リクエスト/谷口君(水泳部)の続き(6)

コメント:ごめんもう1話くらい続く どろどろに汚れたユニフォームと下着を脱ぐのは名残惜しかったが、玩具で遊ぶには仕方がない。一度真っ裸になって姿見の前に立つ。むっちりと脂の乗っていた身体は、サプリと筋トレの相乗効果で筋肉が育ち、ハリが良くなっていた。胸や二の腕など、柔らかな部分も力を入れれば筋が盛り上がり、がっちりと硬くなる。俺は肉体の仕上がりに満足しつつあった──だが、俺のカラダの変化はそれだけにとどまらなかった。 「これが……伊藤さんの言ってた『改造』って意味、なのか……?」  自分の胸を触ると、ぐしゃり、と汗で湿った体毛が手に絡み付いてくる。サプリを飲み始める前までは、一本たりとも胸毛など生えていなかった。それが今や、短く、硬い毛が放射状に胸を一面覆っていた。それだけでなく、陰毛も腋毛もみっしりと密度が濃くなり、おかげで蒸れやすくなってしまった。腕やすねといった比較的目立つ部分にも黒々とした剛毛が生え始め、いよいよ人の目を誤魔化せなくなる。 「んっ♡……俺、また毛深くなっちまったみてえだな♡…………伊藤さんに、報告しねえと♡」  副作用があれば、何でも伊藤さんに報告することになっている。そのための、モニターだった。姿見に映った毛深い俺を、スマホでかしゃりと撮影する。発情した犬のようにギンギンに勃起して、汁まで垂れていたが気にせずそのまま伊藤さんに送った。これで、性欲亢進の症状も伝わるだろう。最初は裸の写真を送るのは気が引けたが、伊藤さんがどうしても、と頼み込むので仕方なくやり始めた。悪用されるわけでもないので、今では特に抵抗感もない。  新しく買ったオナホのパッケージをぞんざいに開け、チンポに装着する。ひやりとした快感がぞくぞくと腰元から上がって来る。これを一日の楽しみにして生きてきたのだ。ユニでのオナニーは辛抱堪らない排泄であり、オナホや道具を使ったものが俺にとって本当のオナニーになっていた。ゆっくりと右手を動かし、チンポを扱き始める。 「うあ゛ッ♡すげえ♡絡み付いてくるッ♡」  耐え切れず、顔が天を見上げる形になる。ここでイッたら勿体ないと思い、手を緩めようとするが、俺のカラダは既に臨戦態勢に入っており、快楽を貪ろうとして腰が勝手に小刻みに動いてしまう。オナホが腹直筋に打ち付けられ、肌とシリコンがぶつかり小気味良い音を立てた。ローションと先走りがぐちゅぐちゅと筒の中で糸を引き、絡まり合うのが分かる。俺は抵抗を諦めて、そのまま一発オナホの中に射精した。ユニで抜いたのがウソのように、また尋常じゃない量がどろどろと溢れていく。 「んあ゛ッ♡ははっ、すっげえ射精る……種馬みてぇだ♡」  貫通式のオナホだったので、先端から精液が漏れ始める。俺の右手をべったり汚してもなお、チンポは萎えることがなかった。こんどはザーメンもまみれさせて、オナホを扱き始める。サプリを飲んで、俺が一番困っていると同時に恩恵を受けているのが、実はこの性欲だった。1日に8回は抜かないと、ムラムラして堪らない。体毛が濃くなったこともチンポがデカくなったのも、サプリの効能だけでなく、オナニーのし過ぎも影響していると思う。サプリを飲んでからも最初は、普段見ていたAV女優とかで抜いていた。「ムラムラする。女の裸でも見るか」。これくらいの動機だった。すぐに、それでは物足りなくなった。オナホを使っても、上手くいかないことがある。そんな時、本当に偶然のタイミングで伊藤さんから連絡が来た。 『サプリの効果はどうっすか?俺はジムで筋トレしてまーす!』  能天気な文面と共に送られてきたのは、伊藤さんがDN社のアンダーシャツとロングスパッツのみを身に着け、ダンベルを持ち上げている姿だった。社内併設のジムらしく、周囲にも同じ格好の、それでいて体格の良い利用者がちらほら映っている──そして俺は、その伊藤さんの写真をオカズに抜いたのだ。普段スーツしか見ていなかった伊藤さんの、隠し切れないガチムチのガタイ。それがDN社のスポーツウェアによって、まるで全身タイツを着ているかのように、余すところなく強調されている。伊藤さんの巨根は上向きに収納され、まるで勃起しているかのようだった。金玉の膨らみまで一つ一つはっきりと分かる。それでいて、伊藤さんはカメラに向かって笑っており、自分が淫らな姿で写真に収まっていることも、俺がその姿に欲情していることも一切気付いていない。胸元と腋に汗染みを作り、ぷっくらと乳首が立っていることまで無防備に晒している。俺は──初めて男をエロいと思った。  生まれて一番気持ち良かったのではないか。そう思う程、伊藤さんをオカズにしたオナニーは気持ち良かった。何かが間違っている、という思いは頭の片隅にあったが、気持ち良いのだから仕方がない。俺は、渋々ながら自分がホモであることを──たった今からホモになったことを、受け入れた。それ以来、女では抜けなかったし、抜こうとも思わなくなった。筋肉はともかく、汗臭え匂いも、毛深い野郎も、元々の俺なら顔をしかめて拒否していた。しかし今では、その「雄らしさ」に堪らなく興奮するようになっている。自分自身がそう『改造』されていくことに、興奮し、無上の喜びを覚えている。  右腕を持ち上げ、一日の労働で蒸れまくった腋毛に鼻を押し当てる。思わず呻くような、酸っぱい汗の匂いがつんと香った。 「あー、くっせぇ……♡」  どくっどくっとまた射精が始まる。俺は、望もうと望むまいと、既にサプリによって雄に成り果てていた。ガタイが良く、チンポもデカい。それだけでなく、毛深く、体臭がきついのは勿論、絶倫で、オナニーのことばかり考えているホモ野郎にされてしまったのだ──もしかすると、伊藤さんや水泳部員達も、そうかもしれない。そう考えるとますます興奮した。俺と同じような変態になっている伊藤さんを想像し、その伊藤さんと同じような変態になっている俺を想像した。  夢で見た『俺』が何をオカズにしていたのか、今ならよく分かる。それは、雄として『完成』し、変わり果てた自分自身だった。俺はいつ『完成』するんだろうか。まだ満足いく大きさではないチンポを握って、そんなことを考える。イキ過ぎておかしくなったのか、精液が少し黒ずんでいることに気付いた。俺は意に介さず、再びオナホに向かって腰を振り始めた。  △  からん、と軽い音を立ててボトルからサプリの錠剤が転がった。使用し始めてからちょうど1か月と少しばかり経過した頃である。俺は、伊藤さんに電話して今度飲むときに新しいものを持ってきてもらうように依頼した。スマホを開いた流れで、最近入れたホモ専用の出会い系アプリを開く。オナニーだけでは物足りず、セックスしたいと思って導入したのだが、なかなか良い相手に巡り合えないでいる。俺のホームを眺めると、これまで投稿した写真が何枚か表示されていた。顔に薄いモザイクを掛けているが、サプリによってバルクアップされたガタイはアプリ内でもかなり目を引く。メッセージやお気に入り登録の数はおびただしい量になっていたが、俺が期待するような──俺と同じようなガタイを持つような相手は現れない。DMも一通り眺め、どれにも返信しないで電源を落とす。結局、いつものように一息でサプリを飲み干し、ムラつく身体をそのままベッドに押し込んだ。もしかすると、あの淫夢を再び見られるかもしれない。そんな期待があった。  果たして、それは現実となった。夢だから、現実ではないのだが。  大学野球部の部室で、俺は『俺』と向かい合う。俺はDN社のユニフォーム一式を着込んでいた。今度は最初から『俺』とばっちり目が合う。言葉は要らなかった。俺は『俺』と身体を密着させ、抱き合うようにキスをし始めた。お互いの口内を犯し合うように、舌が捻じ込まれる。幾筋も涎が糸を引いて離れ合う。俺も『俺』も、ユニフォームの中で既にたっぷり吐精していた。 「すっかりホモ野郎の変態に出来上がっちまったみてぇだな♡先公なのに恥ずかしくねぇのかよ♡」  『俺』が好色を隠さずに揶揄する。 「仕方ねえだろ♡チンポ気持ち良すぎて、もう何も考えられねえんだ♡『俺』とヤれることなんてそうそう無ぇんだから、もっと盛ろうぜ♡」 「しょうがねえ変態だな♡まあ、俺だから仕方ねえか♡」  そこからは、夢の中であることを良いことに、互いに淫行の限りを尽くした。見事に同じサイズになった巨根を互いに扱き上げ、ユニフォームにぶっ掛け合う。股座に顔を押し付け、熟成した雄の匂いを堪能する。毛深い足を舐め合い、乳首で同時にイく。片方がオナニーをしているところを、もう片方がオカズにする。タチとウケを交替して代わる代わる犯し合う。絶倫となった俺達は、萎えることなく精液を放ち続けた。全身を精液まみれにして、肩で息をし、ごりごりと肉体を押し付け合う。 「「最ッ高だ♡」」  俺達が同時にそう言うと、今度は真っ黒な精液が二筋噴き上がった。それは生き物のように全身を膜のように覆っていき、ついには首から下の皮膚全てをぴっちりとパッキングしてしまう。それは、DN社のスポーツウェアをフル装備した伊藤さんのあの姿によく似ていた。むっちりとしたガタイの雄二匹が、悪の手下のように淫らな、情けない格好で向かい合う。 「んお゛お゛お゛ッ♡」  『俺』が情けない声を上げて突然射精した。真っ黒な精液は、強烈な匂いと量である。呆気に取られていると、ぞくぞくと全身の膜が蠢き始めた。意志を持っているかのようにそれは、俺の性感帯を素早く、最大限に刺激する。 「んお゛お゛お゛ッ♡」  今度は俺が全く同じ声を上げて射精する番だった。脳が溶けるほどの快楽が、全身を襲う。真っ黒な精液がびゅるるっと勢いよく放たれ、『俺』の顔面に掛かった。『俺』は恍惚とした表情で蕩けているだけだった。 「はっ♡狂うッ♡あ、頭おかしくなっちまうっ♡脱がねえと、これ♡脱がせてくれッ♡んおおおっ♡ん、やべえッ♡また、イクッ♡」  膜を掴んでも伸びるだけで、どこにも継ぎ目がない。唯一の境目である首元を何度も触るが、そこはぴったりと皮膚に張り付いている。 「ははっ♡無駄だよ。抵抗なんかすんじゃねえ♡雄ならみんなスウツの虜になっちまうんだぜ♡安心しろ、これはこの前とおんなじ、予告だからな♡スウツに支配される快感と、服従する悦びを脳味噌に刻み込んでから帰してやるよ♡」  『俺』はそう言うと、黒い膜が──スウツという物が、首筋からせり上がって顔や頭までも覆っていく。目鼻や口の凹凸は残されているものの、まるで一体の黒いマネキンのようになった『俺』がそこに佇んでいた。人間でも獣でもなく、物となったそれは、ゆっくりとした動作で右手を握り、左胸に強く押し当てた。 「─────ッ♡」  何の前触れもなく、『俺』の勃起したチンポからまた黒い精液がだくだくと溢れていく。言葉も、表情もなかったが、『俺』が絶頂の中にいることだけは理解できた。スウツによって無限に快楽が与えられるのか、チンポからはいつまでも精液が流れている。すると、俺のスウツも責め立てるようにびくびくと蠕動し始めた。また快感で声が漏れる。『俺』と同じようになることを、スウツが求めている──そう分かった。 「んひッ♡」  スウツに従い、直立するだけで喘ぐほど快楽の報酬を与えられる。立つ位置も、するべき仕草も、全てスウツが必要な部位を刺激することで、俺を導いていく。『俺』の真正面に立ち、勃起したチンポを触れ合わせる。そして──右手で拳を作り、左胸に当てるのだ。それは分かっていた。分かっていたが、それをやると完全に俺は変質してしまうという予感があった。後戻りできない。何かが決定的に変わって──そして終わってしまう、そんな気がする。『俺』は顔を覆われ、ポーズを取ったまま、ずっと射精し続けている。俺も、ああなるのだ。  スウツは身体から離れない。いや、例え脱ぐことができたとしても、俺は二度と脱がないんだろう。いつの間にか右手が拳を作っている。『俺』が味わっているような快楽を、俺も味わってみたい。その欲望を促すように、スウツが蠢いた。ゆっくりと──本当にゆっくりと、俺は右手を左胸に押し当てた。身体はそれ以外、微動だにしない。ずるり、と膜が顎先から先に移動を始める。  足裏から頭のてっぺんまで、俺の全てが覆われる。むせ返るような、俺自身の、雄の匂いに包まれる。俺の全てが支配される。それを、俺自身が選択した。性欲に、スウツに屈従した。その証拠が、今の俺の姿であり、俺のポーズだった。スウツに促されるまま、俺は何に向かってかは分からないが、終生の忠誠を誓う。絶対の服従を誓う。 「─────ッ♡」  叫んだつもりだったが、それは実際、全く声になっていなかった。タガが外れたかのような快楽が、全身を貫いている。射精の快感が毎秒続いている。チンポからびゅくびゅくと無限に精液が放たれている。物となった俺を、スウツが祝福している──俺はこうした情報全てを理解しながら、ただただ射精する悦びとスウツへの感謝で恍惚に浸っていた。俺の『完成』はこの姿だったんだ。目の前にいたはずの『俺』はもうどこにもいない。姿見が立てかけられ、俺自身の卑猥な姿がスウツ越しに見えるだけだった。黒い精液が、姿見をどろどろに汚していく。俺の姿が、一面の闇に染まっていく。こうして俺は『俺』になったのだ──。  目が覚めて、最初に感じたことは失望だった。スウツに身を捧げ、快楽の下僕になったのは、やはり夢だったのだ。例によって、夢精した下着を無造作に洗濯機に放り込む。ぼんやりと目に留まったのは、昨日洗濯し忘れたDN社のアンダーシャツやスライディングパンツだった。びくん、と心の奥底に引っ掛かるものを感じる。自分の体臭に興奮する変態となった俺は、前日着たスポーツウェアを着ることに全く抵抗がない。汗臭さを堪能しながら、きつい寸法の袖を通す。スライディングパンツも、着衣したままオナニーした痕跡が残っているが、どうせ下履きなのだから問題ない。問題はそら豆のような匂いを漂わせているソックスだったが、関係なかった。伊藤さんからサンプルを貰った初日のように、アンダーシャツ、スライディングパンツ、ソックスの三点を身に着け、両手と頭以外の全身をぴっちりと黒に包んだ変態体育教師の姿になった。  スウツに限りになく近いその恰好で、俺は右手拳を左胸に当てる。 「─────ん゛お゛ッ♡漏れるっ♡」  手も触れずに、俺はスラパンの中でイッた。スウツには敵わない快感だったが、それでも俺には十分だった。俺がスウツに服従した証として、現実ではDN社のアンダーウェアを着続けることを誓う──心なしか、アンダーシャツがきつく俺を締め付けたように感じた。


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