XaiJu
葉一
葉一

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ダークノア・恋人編(2)

〇今回は合間合間に甘々が挟まるスタイルを志しています。


 A


 大学生になったらやりたいことがいくつかあった。親の目を逃れ、マンションタイプの学生寮に入寮した俺は早々に羽を伸ばし、出会い系アプリをスマホに入れる。地方住みのホモはアプリじゃないと出会えない、というのは言い過ぎだとは思うけれど、まさか親にカムアウトする前から野郎を連れ込むわけにはいかない。アイコン用の写真を撮る。目線を入れ、ボートで鍛えた肉体がさりげなく映えるようにアングルを調整した。我ながらよく盛れている。近くに住んでいるアプリユーザーが一覧で表示された。距離10Mに1人、これは学生寮内だろう。こんなに身近に同士がいるとは思わず、焦った。興味本位でそいつ──『0.5馬力』氏のアカウントを覗いてみる。顔は映っていなかったものの、副斜筋がコンプレッションウェアに浮かぶほどの細マッチョで、実に好みだった。できれば知り合いになりたいと目論んでいると、突然、玄関のチャイムが鳴らされた。俺は裏返った声を出し、スマホをがっつり床に叩きつけてしまう。

「隣に引っ越してきた坂崎です!」

 元気よくそう挨拶したお隣さんは、珍しく俺よりも身長が高かった。紺色のジャージをすらっと着こなす肉体の美しさとは裏腹に、優しげな垂れ目と困ったような形がデフォルトの少々太い眉。そのギャップが可愛らしかった。口は大きいが、いつも口角が上がっているので微笑んでいるように見える。

「ども、白浜っす……」

 可愛すぎるお隣さんに興奮している様子を見せまいと、不愛想な表情と声を出してしまう。俺はいつもこうだ。自分の本性に触れられたくなくて──一生懸命隠そうとして、つっけんどんになってしまう。犬飼くらいになるとそういう俺の気質が分かってくれるのだが、そもそも、そんなに人との付き合いが長続きしない。犬飼だけが特例なのだ。目の前の可愛い坂崎君に、ごめん、と心の中で謝る。

「あ~っ!」

 そんな坂崎君は全然気を悪くした様子もなく、嬉しそうな声を上げた。見慣れないリアクションに俺は少したじろぐ。

「もしかしてセイウチさんですか?」

 10数分前に登録したアカウント名をずばりと言い当てられ、俺は声を失った。喉の奥がからからに乾く。そのくせ、脇や背中にたっぷりと汗をかく。

「僕もお仲間なんですよ。ほら!」

 坂崎君はスマホの画面を見せる。薄々もう分かっていたが、『0.5馬力』氏のアカウントだった。

「あっ、えっ、うん」

 返事にならない返事をする。坂崎君は嬉しそうに、本当に嬉しそうにガッツポーズをした。

「友達になりましょう!こっちの界隈のリアルの知り合いは初めてなんです!」

 坂崎君は俺の返事を待たず、ずかずかと俺の人生に参入してきた。犬飼もそうだが、こういう図々しい奴がいないと俺の人生は好転しないのかもしれない。

 これが馴れ初め。俺と坂崎君──大輔との最初の出会いだった。


 2


 残りの合宿期間は、日中はボートの練習、夜はダークノアの戦闘員としての訓練が中心となった。改造された戦闘員の肉体は疲れることを知らない。不眠不休でも動き続けられるが、それもダーク様からお力が供給される限りの話である。つまり、俺達が起きて活動し続けると、ダーク様のエネルギーが枯渇する。だから寝るときは寝る。

「やっぱり万能じゃねえんだよなあ、この身体。すっげームラムラするし。このダークスウツってやつも偽装しねえといけねえし。」

「……文句言うな。失礼だろ」

 同衾している犬飼が俺の失跡に口を尖らせる。俺達は今、交代で睡眠時間が割り当てられている。同衾しているのは犬飼の趣味だ。ダークスウツに覆われた肉体を擦り合わせながら、犬飼と俺の性感帯をお互いに刺激し続ける。風呂には入ったが、すぐに精液と汗でどろどろに身体が汚れてしまう。布団には雄臭さと熱がたっぷりと籠っていた。周りの布団でも2~3人の部員達が乳繰り合っている。

「それで、大輔のことどうすんだよ?」

「一応、部長に頼んでみた…………戦闘員に堕とせるかって……」

 自分の口で言うだけで、勃起が激しくなるのが分かった。大輔が戦闘員に改造され、同じダークスウツ姿になるところを想像する。犬飼の脂肪の載った硬くも柔らかい太腿に、ごりごりと亀頭が擦れる。犬飼の太い指が俺のチンポを乱暴に掴んで扱いた。

「おいおい、想像だけでくっせえチンポおっ勃たせてんのか?どんだけ変態になっちまったんだよ……ったく、羨ましいぜ」

「んおっ♡我慢できねっ♡あーイクっ♡イクイクイクッ♡」

 布団の中で俺は何度もイキ狂う。互いの吐息が顔に掛かる。犬飼は俺のイキ顔を何度も見て、「その顔が堪らねえんだよな」と言った。俺も犬飼が果てるときの表情に、堪らなく興奮する。互いに何度も間近で見合い、戦闘員としての力を性的な交歓によって高め合っていく。今度は犬飼のチンポを俺が逆手で扱いてやる。動物のそれのように金玉がせり上がり、犬飼の表情が一気に余裕のないものに変わる。

「もう出しちまうのか。もっと楽しめよ」

「ふざけんな、くっそ♡手コキ上手すぎだろ♡やめ、いや、もう出す♡おー、すっげ♡出るぜ♡おっ♡おおーッ♡すげえ出る♡種汁止まんねえ♡ははっ、あー♡俺達ザーメンでぐっちょぐちょじゃねえか♡どんどん淫乱になっちまう♡」

 俺の両手をオナホ代わりに使い、犬飼は腰を振ってザーメンを一滴残らず絞り出す。布団の中はどろどろのぐちゃぐちゃだが、コテージそのものがダークノアの所有物なので俺達は気にしない。俺はさらに犬飼の亀頭を責め立てる。

「もう出ねえって♡やめろや♡」

 犬飼が俺の手を止めようと触れるが、俺は執拗に指先をこねくり回す。犬飼の金玉と竿が、空撃ちのようにびくびくと痙攣している。

「あっ♡やめろって♡おいふざけんなよ、おい、あっ♡何だこれ♡何か出るっ♡やめろ、漏れるって♡あー漏れる漏れる漏れるっ♡うおおっ♡ああああああああああっ♡」

 犬飼が獣のように喘ぎ、全身をびくんびくんと大きく震わせた。チンポからは身体の痙攣に合わせてびゅくびゅくと噴き上がるように熱い汁が溢れ出している。

「お前才能あるな。もう潮吹きできてるし」

「あー、すげえ♡いまのすげえよ♡気持ち良さの底抜けたわ♡」

「俺にもやってくれよ」

「おう、任せとけ。こうか?」

 犬飼の指が何度も俺の亀頭を触る。ぞくぞくとした快感が腰から上がって来る。そろそろお楽しみだという時に、俺達の枕元に大きな影が現れた。

「お楽しみのところ悪いな」

 部長だった。夜な夜な組織への報告と連絡を行っており、部長の仕事は大変である。俺達は汚れた布団を跳ね除け、部長と向かい合った。布団の中に籠っていた異臭が部屋に立ち込める。汚れを吸ったダークスウツがぎらぎらと光沢る。

「白浜、お前の申し出だが、今日正式に組織から許可が下りた。戦闘員・白浜誠一郎に命ずる。恋人関係にある坂崎大輔をダークノアの尖兵として洗脳・改造しろ──とのことだ。良かったな!」

「はい!ありがとうございます!」

 俺は小さくガッツポーズをした。今すぐ家に帰り、大輔に会いたい。俺の生まれ変わった姿を見せ、同じ戦闘員に作り替えてやりたい。それこそが、俺の生まれてきた意味に違いなかった。



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