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葉一
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ダークノア・K工業高校潜入編(2)

〇ブリテンに行ってる場合ではない。 1 ルームメイト  K工業高校は某県立高校である。別に男子校という訳ではないが、女子の入学は久しくないようで、正味男子校となっていた。偏差値はお察しのとおりだが(別に俺の頭がS高相当でなかったという訳ではない。断じて)、通えば遠征となる生徒も少なくないので、古い学生寮が付いている。俺は、家から通えないというほどの距離でもなかったが、潜入工作のしやすさという面で学生寮に入寮した。  学生寮の管理人から古い鍵を受け取り、指示された部屋にスーツケースを運ぶ。外観はいかにも昭和の建物という感じで、年季が入って見えたが、定期的にリフォームされているようで、内装は綺麗だった。俺は密かに安心する。どんなところでもダークノアからの命令とあらば行く覚悟だが、住みやすいに越したことはない。部屋は12畳くらいの広さで、床はフローリング敷だった。線対称にベッドと勉強机が置かれており、部屋の真ん中にカーテンを引いてパーソナルスペースを確保できるようになっている。二人部屋であることはあらかじめ聞かされていたが、もしルームメイトが気の合わない奴だったとしたら、3年間は地獄だろうと思った。まだ同室者は手続きの最中らしく、俺は早々にスーツケースを開いて自分の持ち物の整理を始めた。  10分もすると、ドアを開けてルームメイトが入ってきた。色黒──というよりはよく日に焼けた肌に、スポーティーな黒髪短髪。いかにも運動部員といった様子の男である。唯一、太めの黒縁メガネが彼の全体の雰囲気からほんのちょっと浮いていた。かけ慣れていないのだろう。 「一緒の部屋になった菱川雄っす、よろしく~」  気さくに手を挙げてにへらと菱川は笑った。意外と背が高く、立ち上がった俺は少し見上げる形になる。 「間宮勇牙。よろしくな」 「おっ、俺達、名前の響きが似てるね」  『ゆう』と『ゆうが』か~、なんて言いながら菱川もスーツケースを開けてごそごそと自室を整えていく。俺はスマホを弄り、菱川雄の名前をダークノアのデータベースに入れて検索をかける。K工業高校はダークノアに多少関心を持たれている施設の一つに過ぎないので、データがない場合ももちろんある。俺の審美眼を信じるなら、菱川は勿論、適性ありなのだが。 『菱川雄 1件該当あり』  データが開示される。中学の頃は水泳で活躍していたようだ。暫定値で素体評価はB。潜入任務に当たって、素体のランクがD以上であれば、俺の一存で戦闘員に洗脳・改造して良いと許可されている。俺は舌なめずりをして、夜を待つことにした。  菱川の背中は広く、じっとりと汗ばんだ肌は燃えるように熱かった。 「うおおッ♡あっ♡ああっ♡」  俺達は菱川のベッドの上で熱烈にまぐわっていた。初対面の夜にしては、あまりにも親しい距離感すぎると思うと笑えてくる。菱川も既に満更ではなく、犬のようにリズミカルに腰を振って自ら快感を貪るようになっている。俺はバッグの体位で菱川の分厚い身体を抱き締め、腰の動きを合わせた。太腿がぶつかり合い、ぱんっと小気味良い音を立てた。菱川のケツがとろとろになっていくのが分かる。最初はあんなに抵抗していたのに、紅潮した頬が、締まりのない口元が、そしてベッドに激しく擦り付けられている勃起したチンポが、菱川の変貌を物語っている。 「おら、もう一回中に出してやるからなっ!おおっ、あ~すげえ、種付け最高……やっぱお前才能あるわ。数時間でこんな名器になっちまうなんてな」 「あ゛あ゛ッ♡?!やめっ、ナカにまた入ってくるッ♡おッ♡も、漏れるッ♡また俺変わっちまうッ♡」  菱川のケツが俺のチンポを締め付け、何度も脈動する。シーツにじわりと熱い液体が染み込んでいく。精液が尽き、潮を噴いたようだった。 「あーあ、とうとう空っぽになったな。あとは身も心も真っ黒に染まるだけだ」  思ったよりも時間が掛かった。これを全校生徒にやっていくのかと考えると楽しみでもあり、うんざりもする。とにかく頭数を揃えれば良いという命令なので、素体の質を問われないことが救いだった。菱川も、本当ならば丁寧に洗脳・改造していくのがベストであるが、スピード重視でいきたい。最悪壊れても、まあ良いだろうという判断だ。 「……定着」 「あっ…………」  菱川が呆けた声を出す。見た目以上に頑丈だから、多分大丈夫だろう。全身に飛び散った黒い精液が蠢き、みるみると菱川の肉体をコーティングしていく。 「うわああああああああああああああッ♡」  それは悲鳴ではなく、嬌声だった。俺と同じように、爪先から顎先までをダークスウツに拘禁され、身も心もダークノアの支配下に置かれた菱川。人間の身では味わうことのできない暴力的な快楽に浸されるとともに、戦闘員としての本能や知識、ダーク様への忠誠心が刷り込まれていく。肉体も改造が進んだ。逞しい筋肉、雄を誘引する体臭、意識すればすぐに潤滑する粘膜。水泳をやってるからそれっぽいカスタムがされていると分かった。泳ぎは菱川の遺伝子にマッチした天職なのだろう。  同時に俺の全身も快感に冒され始めた。これは戦闘員としての本能。人間を堕落させ、ダーク様の手駒に作り替えた恩賞。脳みその奥から熱い汁がじゅわっと漏れ出す。親父を戦闘員に堕とした時も同じだった。俺は我慢できず、目の前に差し出されている菱川の肉体にがっついてしまう。  俺が改造した戦闘員。  俺が洗脳した男。  菱川が身体を動かし、仰向けになって俺を抱き締める。塩素では誤魔化せない、蒸れた汗の、菱川の匂いがした。菱川が無理矢理俺にキスをする。俺は抵抗することも考えず、がむしゃらに菱川を味わった。水を掻き分けるための太い脚が、しなやかに俺の脚に巻き付く。互いのチンポがゴリゴリと擦れ合い、すぐに暴発した。菱川も俺と同じ、真っ黒の精液を垂れ流す。汗とザーメンでべたべたになったダークスウツを、愛おしそうに菱川は撫でて回る。 「ははっ、すっげ~気持ち良い♡最っ高だ♡……これが新しい俺……これが戦闘員……ダーク様のお力♡……」 「名前通り、雄くせぇ身体になったじゃねえか」 「ああ♡感謝してるぜ、勇牙。ダーク様に忠誠を♡」  菱川が俺の頬にキスをする。柄にもなく照れくさくなった俺は菱川を押し倒し、交尾を再開した。  入学式から全身が気怠いという困った事態になったが、出だしは順調だろう。菱川は一応の部下ということで、水泳部の攻略を命じた。廊下や何かで菱川とすれ違うと、報告代わりなのか、にっこり笑ってピースをしてくる。もしかしたら、天然なのかもしれない。  その日の午後、手筈通り菱川が獲物を連れてきた。 「おっ、君が菱川の言ってたマッサージの上手いルームメイト?」 「そうっすよ笠居先輩!勇牙のマッサージは天才的なんすから」  菱川が口八丁手八丁で『良い頃合い』の素体を寮室に連れ込み、一人ずつ着実に改造していく。それが水泳部向けの作戦だった。俺や菱川といった極上の雄に囲まれ、スウェットの中で発情している某先輩。既にダーク様のお力に触れ、感化されかけている者だと一目でわかった。 「試してみます?じゃあ、菱川の汚いベッドに寝てください」 「うわ、ひどくね?」  軽口を叩く菱川と素早くアイコンタクトを交わす。某先輩が部屋を出たのは3時間後、スウェットの下に見慣れない漆黒のアンダーシャツやロングスパッツを忍ばせた姿だった。 2 部長 「今日の練習終わり!」  柏崎部長の号令を聞き、ボクシング部の面々は気合の入った返事をした。汗だく(戦闘員なので汗だくにはならない運動量だが、そこは上手く発汗している。)の身体をタオルで拭い、俺は大きく伸びをする。ボクシング部に入って1か月、ちらちらと俺を意識する視線が部内で増えてきたことを感じる。ダークパワーを垂れ流しにし、部活内やクラスで汚染が進むのを観察しているのだ(一応、これも命令に含まれている。)。菱川のように手っ取り早く改造したい気持ちは山々だが、密室で、誰にも悟られないようにという条件を付けると難しいのもまた事実だ。菱川が簡単すぎたという結論に落ち着く。 「俺はそんなに単純ですか。そうですか。」  ふて腐れる菱川が目に浮かぶ。実際そうじゃん、という言葉を脳内で飲み込み、しばらく俺にまとわりついている視線の元を辿っていく。割れた腹筋と胸板、いかにも腕力がありそうな力瘤を作る両腕、逞しいが軽快なステップを踏むことに長けた両脚。我らが柏崎部長だった。工業高校にいるのが勿体ないくらい柏崎部長はボクシングが上手かった。強いという訳ではなく、上手い。本当は強くなれるのだろうが、試合や勝負にはさほど興味がないようだった(だからこそ、工業高校にいるのかもしれない)。熱血、そして地道。俺も敬愛している。  柏崎部長は、はっとしたように目を逸らす。『俺が気になること』にどれだけ自覚的なのかはまだ分からない。水泳部ばかり手駒にするのも面白くないので、そろそろ自陣でも行動しても良いだろう。そう決めた。  ※  今年の新入生は粒ぞろいだぞ、というのは定型句のようなものだった。本当に実力がある奴は、ウチの高校になんて来ない。だが、間宮だけは違った。きちんとしたボクシングジムに通い、試合で勝った経験も少なくない。俺は喜んだ。ちゃんとした部員が来てくれたぞ、と。 「部長、今日メシ食いに行きませんか?」  間宮にそうせがまれ、俺は快く応じた。もしかしたら思い違いかもしれないが、間宮は俺を慕ってくれているようだった。経験者だからとそれを鼻にかけることもなく、みんなと同じメニューでも不平を言わず、淡々と練習に勤しんでいる。大した奴だと思う。 「柏崎部長はどうしてウチに進学したんですか?」  ラーメンを啜りながら、間宮が尋ねる。 「本当はボクシングの強いところに行きたかったんだがな。家が工場だし、そんなに金もないし……それに、あまり勝ち負けに執着がないんだ。自分が頑張りたいから、頑張る。それにボクシングがぴったり当てはまったというだけで」  訊かれてもいないのに、饒舌になってしまった。こんな話は退屈だろうかと間宮を見る。間宮は素直な瞳で俺の話を聞いていた。  ※  少しずつ、ダークパワーの使い方が分かってきた。まあ、対象者の耐性や俺との相性なんかも勿論あるのだが。クラスを見渡す。例えば、野球部の原重は俺との相性が良いようだ。授業中、俺を盗み見していることが度々あるし、俺が話し掛けると露骨に嬉しそうにする。これが第一段階。次の段階に進むと、俺だけでなく野郎に関心・好意が向けられるようになる。野球部という環境ではもう極楽のように感じているのかも。そして第3段階では、肉体の改造や精神の変化が徐々に始まっていく。肉体が戦闘員になりたがり始める、と言った方が分かりやすいかもしれない。この状態まで進むと、俺は言葉一つで相手を操ることができるようになる。 「じゃあ服脱いで」  こんな風に。 「おう!」  俺の部屋に呼ばれた原重はにこにこ笑って、意味が分からないままユニフォームを脱ぎ、全裸になっていた。当然のように勃起し、先走りが流れている。 「これちょっと着てみてくれないか」  ダークノアが開発した、スポーツウェアに擬態しているダークスウツを手渡す。 「サイズ合ってんのかこれ。すげぇきついけど……」  それでも原重は躊躇いなく袖を通す。肉厚な身体がいやらしく強調される。 「定着」  悲鳴。嬌声。射精。原重はあっという間に全身をダークスウツで覆われ、戦闘員に改造されてしまった。容易すぎて、こっちが戸惑うくらいだった。原重のデータを編集する。備考欄に「即堕ち」と書き込んだ。  原重には野球部や他の部活の友人にこのスポーツウェアを着るよう勧めることを命じた。何の良心の呵責もなく、奴はこれを実行するだろう。


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