XaiJu
葉一
葉一

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発展クラス1

メモ:書きかけてやめたやつ。イントロで力尽きた。最初から堕ちてる体育教師っぽいものを書きたくなってきちゃったのもある。 1 着任  その男は大柄だった。校長が革張りの柔らかな椅子に沈み込み、見上げていることを差し引いても、大きすぎる。ダークグレイのスーツは腕や胸がはち切れそうに膨らみ、スラックスは太ましい腿で張り詰めている。脂肪と筋肉が程良いバランスで男を構成している。表情は肉体の厳つさに似つかわしくなく、柔和だった。真顔でいても口角が少し上がっているので、微笑んでいるように見える。体育科専門と聞いていたので予想通り、それに野球部顧問の歴が長いこともあって、髪は運動に適した坊主頭だった。『大柄な犬みたいな男ですよ』。転勤元の校長がそんな風に話していたことを、校長はぼんやりと思い出す。 「真柴広治、32歳。前任はR学園高校で体育を担当していました」  落ち着いた声だが、年齢を聞いて随分童顔だと校長は思った。 「ああ、資料はもらっているよ。よろしく、真柴先生」 「はい、一生懸命頑張ります」  真柴はにっこりと破顔した。人懐っこく魅力的で、体育教師らしい爽やかさ。知らなければ、真柴はそんな風にしか映らない。しかし、校長はその正体をよく知っている。この男は、そのような生易しいものではないのだ。すん、と真柴は鼻を鳴らす。校長室に仄かに漂う異臭を正確に嗅ぎ分けていた。動物の匂い。自分のものではない、発情の香り。 「先生には身体技能開発クラスを専従で担当してもらおうかと思っています」 「そのように聞き及んでおります」 「そうですか。話が早くて助かります。……そういえば、真柴先生はこの身体技能開発クラスの第1期生だとか」  真柴の巨体に緊張が走ったようだった。期待に視線が揺れる。『大柄な犬みたいな男ですよ』。 「ええ、そうです」 「ではパスワードは……『おすわり』でしたかな?」  劇的な変化は起こらなかったが、その奇妙な言葉に真柴が反論することもなかった。しかし程なくすると真柴の目は爛々と輝き、徐々に呼吸が荒くなっていく。最初に目に見えて訪れた変化は、汗だった。身動きもしないのに、だらだらと額から汗をかいている。激しい運動をしているような、浅く激しい呼吸。徐々にスラックスの股間が盛り上がり、今やはっきりと勃起を見て取ることができた。パスワード一つで脳のセーフティを外し、常時発情状態にさせることができる。身体技能開発クラス──通称『発展クラス』卒業者の証だった。ドーパミンをはじめとする快楽物質が脳から洪水のように溢れ出し、真柴の全身を循環する。口の端から涎が垂れ、数分前は好青年そのものだった顔が好色で野卑に彩られていく。 「……やはり計画の初期の方が実績を上げているんでしょうかね。先生、ご立派ですよ。十数年経過してもこのように、素晴らしい身体技能開発の成果を目にすることができるとは。先生のお身体の方も実際に確認したいのですが、よろしいですね?」 「もちろんです」  照れも衒いもなく真柴は頷いた。人差し指をネクタイの結び目に掛け、しゅるりと勢い良く解く。荒々しい、一刻も早く着ているものを脱ぎたくてたまらない、といったニュアンスがくみ取れる。これが真柴の本心なのか、それとも相手を喜ばせるために習熟した技能なのか、校長でも判別は難しかった。ジャケットをぞんざいに畳むと、「失礼します」と一声かけて校長の広いデスクに置いた。仄かにブルーを帯びたワイシャツはストレッチタイプで、肉体のシルエットを強調している。厚い胸板にぽちりと浮いた突起、胸の中央や脇には発情してじっとりと汗をかいている形跡。校長は真柴が引継通り、優秀な逸材であることを改めて実感した。  かちゃっと手早くベルトを外し、あれだけ張り詰めていたスラックスも存外するりと脱ぎ降ろした。革靴は足首だけを器用に使って脱ぐと、蒸れた足先が絨毯に沈み込む。安物の黒いソックスは指先が軍足のように5本指に分かれ、脛の三分の二程度の丈までを覆っていた。スラックスもジャケットとおなじように丸めたのと畳んだのの中間のような塩梅で小さくまとめられ、デスクの上に置かれた。大学野球ではキャッチャーとして活躍していたというその下半身は触らずとも硬質さが伝わってくる。内腿や脛にびっしりと体毛が生えているのを見て、下半身だけ妙に毛深いということに校長は気付き、真柴の爽やかさの裏に隠された淫らさをまた一つ解き明かしたような得意な気持ちになった。もっとも、フォーマルな装いの下に隠されていたのはそれだけではなかった。 「おや、先生はいつもそのような下着を履いているんですね」  伸縮性に富んだ黒のブーメランパンツは、真柴の剛直によってほとんど股間を隠す役割を果たせていなかった。濃い腹毛から豊かな陰毛までぐっしょりと汗や先走りで湿っている様がありありと見える。少ない布はよじれ、尻に食い込み、勃起の先端に黒々と染みが浮き出ている。 「はい!学生の頃の担任からこれを履くよう言われて、ずっと履いてます。動きやすいですし、それに」  真柴は最初と同じ爽やかな笑みを浮かべて応える。勃起した陰茎は一定の感覚で脈打っている。校長まで汗と性の匂いが届き始める。 「自分が『発展者』だってことを、常に意識できますからね」  身体技能開発を受けた者を指すその俗語に自分のアイデンティティーを重ね合わせる真柴は、あまりにもその言葉通り『発展者』として完成していた。そして今度は新たな『発展者』を作り出す側に回る悦びを味わうことになる。 「…………ううっ」  校長でも真柴でもない、くぐもった男の呻き声が響いた。校長は足置きとして男を使ったままその存在をすっかり忘れていたのだった。 「ああ!すっかり忘れていました。紹介します。前任の新里先生です。新里先生、もう大丈夫ですよ。ほら、真柴先生にご挨拶してください」  新里、と呼ばれた男はゆっくりと身体を起き上がらせると、校長の隣に何でもない素振りで直立した。口に嵌められていたギャグボールは、校長が慣れた手つきで外す。新里は滴っていた涎を濃紺のジャージの袖で拭った。 「研修以来ですね、真柴先生」 恍惚の色はかなり残っていたが、口調や声のトーンはかなり日常的だった。二枚目と評しても差し支えない整った容姿、フレームなしの眼鏡で理知的な雰囲気を漂わせている彼もまた『発展者』だった。体操で鍛え上げ、引き締まった肉体がのっぺりとしたジャージの奥に隠されているのを真柴は知っている。研修で何度もまぐわった仲だ。真柴のフル勃起姿を見ても穏やかな調子で新里は股間を弄りながら話を続けた。 「真柴先生なら本当に安心です」 「いやあ、自分が後任だなんて、ハードルが上がっちゃいますね」 「ははは、ご謙遜を」  嫌味なところはなく、互いを知っているからこその信頼に溢れたやり取りを見て校長も安心した。 「では私はこれで。体育教官室で実務者同士、引継ぎをしておいてください」 「はい」 「よろしく頼みますよ、新里先生。ではパスワードを……『いましめ』でしたか。たっぷり真柴先生と楽しんでくださいね」  はい、という新里の返事は掠れている。長らく校長の足置きとして焦らされた果て、新里はジャージの中に精を吐き出していた。

Comments

ありがとうございます。褒められちゃった〜!わーい! この後は真柴先生の手解きを受けて少数精鋭の高校生たちがエッチになっていく話になるつもりです(いつになるかはわかりませんがそのときはどうぞご贔屓に〜)。 真柴先生が存外エッチに書けたなと思っていて、やったね!という気持ちです。

葉一

とても良いです。 葉一さんの描写力はすごいなあと読むといつも思います。 今作は設定も面白くて、ぜひ本編?続き?を読みたくなりました!よろしくお願いします!笑 最初から堕ちているというのもそれはそれでオツなものですね……。

ジン(浜沼盡)


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