XaiJu
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幸せのかたち

「ん・・んく・・は・・あむ・・」 にちかは自分の手首ほどあろうかという夫の陰茎を、 自身の舌を以てして丁寧に奉仕していた。 夫は一日の努めが全て終わると、 帰ってからまず最初に必ずにちかに労いの奉仕を求めた。 最初は抵抗していたものの、今ではすっかり慣れたものである。 嫌悪を示していた陰茎の匂いも、 今のにちかには適度な興奮作用を齎していた。 この島に流れ着いてからというもの、 望まぬとはいえ部族の一員となり村の長達に夫を宛がわれてからはや一年以上が過ぎていた。 島での時は、にちかの身体を大きく変えてしまっていた。 島の陽で浅黒く灼けた肌、 全身に施術された刺青、 原因不明の肥大化した乳房。 こんな身体ではアイドルに復帰することはおろか、 元の世界で普通の人生を歩むことすら儘ならない。 この外界と隔絶された島で、 小娘一人が生きていく事なぞ到底不可能なのだ。 ここで生きていくためには島の部族に加えて貰う他無い。 その為には部族の掟に従わなければならない。 郷に入っては郷に従え。 島の住人は着衣という文化を酷く嫌う為、常時ほぼ裸の生活。 そして部族の民の証である全身への刺青施術。 当初、アイドルであるにちかは当然拒絶した。 裸の生活は我慢するとしても、 刺青だけはどうにも受け入れられない。 それも全身である。 万が一救助が来たとしても、 そんな体でどう日常に復帰するというのか。 回避策として長老たちに、何とか覚えた片言の部族語と身振り手振りで必死に交渉したりもした。 何とか助けが来るまでの間滯在だけさせて貰えないか。 裸の生活は兎も角、 刺青はせめて服を着たら見えない所にだけにして貰えないか。 救助された曉には必ず精一杯のお礼をする。 滯在中は何でもする。 にちかは思いつくありとあらゆる案を提示した。 結果は無情にも「否」だった。 仲間になるか、去るか、選べ。 長老たちはよそ者のにちかを気遣ってか、 はたまた単純に冷淡な意図からか、簡潔な単語を以て応えた。 その瞬間、にちかの未来と運命はいとも簡単に決まってしまった。 にちかは村の一員になる事を選んだ。 そしてその夜、宛がわれた寝床で声を殺して啜り泣いた。 (あの時の私の選択は間違ってなかった・・だって今までただの一度だって・・船の一隻、飛行機の影すら無かったし・・) にちかは夫に奉仕しながら過去を顧みていた。 あの日刺青を施されてから、過去の自分は死んだ。 それは過去との決別の儀式だった。 刺青の施術は終わってしまうと呆気ないモノだった。 呪術師の調合した痛みを感じなくなるという薬を飲まされ、 程なくして昏倒し、気が付くと全てが終わっていた。 実は全ては夢なのではと淡い期待を抱いたが、 自分の身体中に施されたシールや絵の具ではない本物の刺青と、 麻酔薬の切れた術後の鈍痛が全て現実だと物語っていた。 その日、にちかは二度目の眠れない夜を啜り泣いて過ごした。 (私の生きる道は・・もうここしかないんだ・・) そう自分に言い聞かせながら、ふと夫の顔を見上げる。 夫であるイディは大きく屈強な身体を小屋の柱に預け、 優しく見下ろしながらにちかの身体を太く厚い両手で抱いていた。 そしてにちかの見上げる視線に気が付くと、柄にもなくにっこりと笑いながらにちかの頭を優しく撫でた。 (!!) 不意なイディの攻撃に、にちかは一層顔が熱くなるのを感じた。 そして同時に不満が入り混じった複雑な感情が沸き起こる。 (なんなのもう・・なんでそんなに・・嬉しそうなの?) にちかは不貞たように顔を背け、奉仕へと専念する。 夫であるイディは、村の長達が定めたにちかの伴侶である。 村では成人した男女は皆、番になるのが決まりであった。 にちかは当然拒否したかったが、それが許されない事も十分承知していたので渋々婚姻という掟を受け入れた。 (好きな相手なんて、現れるとも思えないんだけど・・) にちかがまだ見ぬ伴侶の事に想いを巡らせていると、 長達は続けてとんでもない事を口にしたのだ。 その伴侶は長老たちが決定する。 その言葉ににちかは驚きのあまり大声を上げた。 「え?自由恋愛とかそいういうのナシ?いやいや、ありえないでしょー!」 にちかは反射的に日本語で激しく抗議したが、 当然どうにもならない事は分かっていた。 全ては村の掟。 にちかの思い描く常識が必ずしも当て嵌まる訳では無い。 結局は受け入れるしかないのだ。 にちかは自身を抑え込み大人しい態度に戻り、 「なんでもありません・・わかりました。」 と片言の部族語で意思表示するのみだった。 「ニチカ・・ヤサシイニチカ・・アイシテイル」 にちかの夫イディは、自身を奉仕し続けるにちかの頭を撫で続けながら愛の言葉を囁いた。 途端ににちかの秘所が熱くなった。 そしてたちまち潤滑液が溢れ出す。 (もう!そんなこと今言わなくても・・!) 無意識のうちに夫を迎え入れる準備がなされてしまい、 にちかの心に苛立ちと恥ずかしさが入り混じった。 毎夜毎夜繰り返される夫婦の営みと共に囁かれるその言葉に、 にちかの身体は条件反射としてしっかりと擦り込まれていたのだ。 返礼として、にちかはイディの亀頭を甘嚙みした。 「アウッ!ニチカ・・」 イディの撫でる手が止まり、屈強な男から情けない声が漏れた。 (へーん!) にちかは心の中でしてやったりとばかりに夫を笑った。 しかしイディは止まった両手を再びにちかに廻し、優しくその肩を抱いて微笑んだ。 (ちょ!!・・そんなの・・) イディの変わらぬ優しさと、 自身の悪戯に対する罪悪感がにちかを満たした。 そして今度は嚙んでしまった部分を優しく舐め回した。 (なんで・・なんでこんなおじさんを・・私は・・) にちかに宛がわれた夫は、レスラーの様に屈強な浅黒い肌の男だった。呪術師の占いと、長老たちの会議の結果で決まったらしい。 にちかの彼に対する第一印象は最悪だった。 村の男性の中でも大きい身長に肉厚の筋肉、 浅黒い肌に刻まれた全身の刺青、 そして刺青は剥き出しになった陰茎にも及んでいる。 年齡はにちかより少し上らしいが、 にちかの目からはどうみても中年の男性だった。 男のスキンヘッドという出で立ちが、 一層にちかに相手の年齡を読みにくくしていた。 (うそ・・なにこのおじさん・・これが、わ、私の旦那さまになるっていうわけ?いやいやいやないないないない!!) にちかは足を震わせながら拒絶したあの日の事を、 奉仕の合間に懐かしむように思い出していた。 (こんなおっさんが私の伴侶ですーとか。いきなり言われたら誰でもあんな反応になるっての。わたしの理想は色々な意味で美琴さんなんだから・・) ふとにちかに思い出深い人たちの事が過る。 お姉ちゃん、プロデューサーさん、美琴さん。 (美琴さんとプロデューサーさん、無事かな・・) あの事故以来、当然ながら報せは無い。 近隣の島で同じように助かっていればいいが、 外界と交流の無いこの島でそれを確かめる術は無い。 にちかの顔に僅かな憂いの色が帯びる。 するとイディの片手がのそりと動き、再びにちかの頭を撫で始めた。 「え?」 にちかは不意を突かれたような声を上げた。 するとイディはにちかを撫でながら口を開いた。 「ニチカ、カナシマナイデ。オレ、ココロガイタイ。ニチカノシアワセハ、オレノシアワセ。ナヤミガアルナラ、ナンデモイッテ。」 突然の告白に、にちかは豆鉄砲を喰らったような顔になった。 武骨な男の不器用な愛。 それは長い時間をかけて、にちかの心の奥底まで染み入っていた。 夫のぎこちない気遣いに、にちかの心はたちまち解れていった。 「っ!!ちょっ、もー!」 同時に目から溢れそうになった涙を言葉で隠し、 にちかは夫の陰茎を精一杯の大口で咥え込んだ。 「アウッ!」 にちかの照れ隠しに、夫は再び情けない声を上げた。 咥え込むとは言っても、イディの陰茎はにちかの手首程もある。 その行為はせいぜい亀頭を覆う程度であったが、イディへの効果は抜群だった。 にちかはイディの様子を窺う事無く夫への責めを加速させた。 亀頭を口全体で舐め回し、 漏れ出たイディの腺液を潤滑液代わりに細い指で根元から扱いた。 「んーんんーんんんん!んーん!?(もう終わらせるよ!いい!?)」 にちかはそのままの状態でイディに悪態を吐いた。 声にはならない声が振動としてイディの陰茎に伝わる。 「ングゥ!・・ンオ・・ニ、ニチカ・・アッ!」 イディの呻き声が激しくなると同時に、 にちかの頭を自身の方へ引き寄せるイディの力が強まる。 にちかは経験的にそろそろだと理解した。 そしてとどめとばかりにイディの陰茎をぎゅっと握りしめた。 「ングゥ!!」 イディの一際大きい呻き声が響き渡ると同時に、 陰茎から激しく射出された大量の白濁液がにちかの顔を襲った。 「ぷふぁ!!」 熱いイディの想いを顔から頭から浴び、 にちかは溜まらず声を上げた。 そしていつもの不思議な達成感と高揚感に満たされ、 ふるふると身体を震わせた。 熱く独特の匂いを放つ粘液が糸を引き垂れてくる。 興奮状態のにちかは、それに気付きすぐ我に返った。 「あー!また髪に掛けた!これされると取るのタイヘンだって言ったよねー!」 にちかはイディの陰茎を握りしめたまま、眉を顰めて口を尖らせた。 にちかの樣子に、イディはしまったといわんばかりの顔をして余韻に浸る暇もなくにちかに謝罪した。 「ア、アウ・・ニチカ・・スマナイ・・」 にちかの言葉は本心ではあったが、正直今はどうでもよかった。 イディの困り果てた顔を見ると、すぐに気を取り直してイディの果てた陰茎の先端を口に含んだ。そして丁寧にそれを舌で掃除しはじめた。 ちゅるる・・びちゃ・・ 淫らに湿った音が辺りに響く。 舌を陰茎に這わせながら、自身の顔や髮、婚姻の証である鼻輪に付いた粘液を指でぬぐい取り口に運ぶ。 「はむ・・ん・・く・・」 にちかは集めたイディの想いを徐に飲み込んだ。 喉の奥をどろりとした精液がゆっくりと流れ落ちていく。 そしてふうと一息吐くと、イディを上目遣いで見つめた。 「次やったら、もうやってあげないからね。」 そう言うとにちかはゆっくり身体を起こし、 今度は四つん這いになりながら自分のお尻をイディの方に向けた。 そして片手の指で自身の秘所をぐいと開いた。 その秘所はもうかなりの愛液が流れ出ていた。 今でも止めどない泉のように、 ぬるぬると太腿をつたって流れ出ていた。 イディはその様子にごくりと唾液を嚥下した。 それを合図に再び陰茎が隆起し始める。 「なにしてんの・・はやく・・私も・・」 イディからは見えないが、にちかの顔は激しく紅潮していた。 いつもの憎まれ口はすっかり影を潜め、自身の性欲をもう抑えられずにいた。 「ニチカ・・」 イディは一言そういうと、のそりと起き上がった。 そしてすっかり勢いを取り戻した陰茎を、 にちかのひくついた秘所に滑り込ませた。 「あひっ♡・・!!」 にちかは挿入と同時に押し寄せたいつもの激しい快楽に声を上げた。 そしてそれに気付き慌てて口を片手でふさいだ。 しかしイディはそんな事などお構いなく、にちかを抱えて腰を振り続ける。 イディの大きさに最初は辛い思いをしたにちかの秘所だったが、今ではすっかり根元までイディの陰茎を受け入れるまでに馴染んでいた。 ひと突きふた突きされる度に押し寄せる快感。 にちかは次第に口や声を抑える余裕も無くなり、欲望に身を任せながらイディの動きを受け入れた。 「あ♡・・あひ・・いい・・い・・あ・・♡」 自身の口から洩れる情けない喘ぎ声を聞きながら、 にちかは次第に与えられる快楽へと身を任せていった。 (にちかは幸せになるんだ) ふと、にちかの脳裏に思い出深い顔が浮かぶ。 憎らしくも大切なあの人の顏。 どうして今更。 にちかは心の中で毒づいた。 今更現れてどういう事なのか。 幸せとはどういう事なのか。 快楽の合間に押し寄せる自問自答に、にちかの心は揺れていた。 もう元には戻れない。 アイドルの夢ももう届かない。 みんなとも会えない。 大切な人たちとも逢えない。 助けが訪れてもその手を取る事も出来ない。 (しあわせ・・って・・なんだろ・・) ぐちゃぐちゃに入り混じった感情と共に押し寄せる快楽。 にちかはもう頭がおかしくなりそうだった。 「イディ!」 たまらず逃げ込むように、にちかは夫の名を呼んだ。 「ニ゛!ニ゛チ゛ガァ!!」 夫はその声に応えるかのよう大きく声を上げ、 にちかの中に二度目の射精をした。 たちまちにちかの胎内を溶けた鉄が満たすような快感が迸る。 「あ゛ひぃ゛いいいいい!!!」 にちかはありったけの嬌声を上げ、 どさりと抜け殻のように床へと伏せ込んだ。 そして何も考えられなくなるほどの快感と共に、 暗い意識の淵へと滑り落ちていった。 (私・・いま・・すごく幸せ・・なの・・かな・・) にちかは誰に語り掛けるともなく心の中でそう呟きながら、 眠るように意識を失った。

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