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ホゾヒカル
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スター・ネーブル・ストーリー~フェイトの臍の秘密~その4

謎の異星人の襲撃から辛くも逃れ、ヴァンガード三番星に降り立ったフェイト・ラインゴッド。


彼は未開惑星保護条約の庇護化でありジャングルのごとき森に覆われた大地を一人、人里目指して歩んでいた。


途中、原生生物と思われるゼリー状の生物に襲われるもなんとかこれを振り切り、ようやくクォッドスキャナーの示す人里と思わしき地点へと辿り着いたが…




「…遺跡?」


フェイトが目にしたのは森に開けた平地に佇む古代遺跡のような建造郡…


「ど、どういうことだ…?こんなところに人なんて…」


「おい!とっとと歩け!」


「!?」


突如聞こえてきた声にビクッと体を震わせるフェイト。


どうやら自分のいる地点からそう離れていないところから聞こえてきたようであった。


(誰かこの遺跡に住んでいるのか…?)


フェイトは遺跡の影に身を隠しながら、声のした方へと向かっていった…




「おら!とっとと運べ!」


(!?)


フェイトが見たのは3人の若い男と2人の兄妹らしき幼い人間だった。


見た目はフェイト達地球人とそう変わらないが、尖った耳がこの星の原住民だということを示している。


「日が暮れるまでにコレを運んじまわねぇとメシ抜きだぞテメエら!」


「う、うぅ…」


3人のチンピラの如き男達が重い機材を運ぶ幼い兄妹をけしかけるように煽る。


その様子を物陰から見ていたフェイト。


(あの子たちはアイツらの奴隷なのか…?ヒドイことを…)


それでもこの星の人間達に迂闊に接触していいものか逡巡するフェイト。


その時兄妹が持っている重そうな荷物が目に留まり、ふと声を上げそうになる。


(あ、あれは…!?ぼ、僕の乗って来たポッドの!?)


それは紛れもなくフェイトがこの星まで乗ってきた脱出ポッドのコンソールと同一のパーツであった。


この星にあのような機材が存在しているはずがない…頭が混乱するフェイト。


「あッ!」


重い機材を持たされていた女の子が躓き、その場に倒れ込む。


地面に散らばる部品。


「テメエ!ノートン様の大事な代物をッ!」


チンピラの一人が激昂し、女の子の頭を踏みつけようとする。


「や、やめろぉッ!」


咄嗟に荷物を投げ捨て妹を庇う幼い兄。


「ア"ァッ!?だったらテメエも一緒に仕置きだぁッ!」


妹を庇う兄を容赦なく踏みつけるチンピラ達。


「お、お前達ッ!!」


「あ!?」


突如聞こえてきた声に一斉に全員が振り向く。


そこには剣を構えながらチンピラ達を睨み据えるフェイトの姿があった。


「その子達から離れろっ!!」


兄妹がいたぶられる様にいても立ってもいられず飛び出してしまったフェイト。


「な、なんだお前…うッ!?」


すぐさまチンピラの一人へと駆け寄り、間髪入れずスタンガンモードにした剣を振るう。


ビリッ!


「ガッ!?」


一瞬の電撃に即座に気を失い倒れる男。


「な、何をしたテメエ!?」


「…ちょっと大人しくしてもらっただけだよ」


「ぐっ、こ、このッ!!」


ナイフを振るって向かってくるチンピラ。


フェイトはそれを剣で受け止め、思いきり男の腹を蹴り倒した。


「ぐぅッ!!」


そのまま地面に尻餅をついて倒れる男。


「こ、この野ろ…うッ!?」


すぐさま起き上がろうとする男の顔に剣先を突きつけるフェイト。


「ぐっ…」


「僕も弱い者イジメは好きじゃない…これ以上やられたくなかったら、そこの男も連れてこの場から立ち去るんだ」


そう言いながら、ナイフを構えながらも怯えた表情で突っ立ったままのもう一人の男の方を一瞥する。


「う…」


「さあ、早くここから…、ッんファ!?」


「!?」


突如鳴り渡る素っ頓狂な叫び声。


いきなりフェイトの口から発せられた奇声に驚く一同。


「フ、フアアァァッッ!!!????な、なんでェッ!?」


思わず握っていた剣を落とし、両手でお腹を押さえながらその場に屈み込んでしまうフェイト。


「な、なんだコイツ…?」


突然妙な動きを見せたフェイトに地面に倒れた男が訝しむ。


周囲から自身に向けられる奇異な視線…だがフェイトは突然自分の身に起きた異変に完全に気を取られていた。


(お、ヘソがぁ…おヘソがぁあ…)


フェイトの体に突如起きた異変…それは他ならぬ彼の臍から生じていた。


まるで臍の中に何かが蠢くような感触…


性感帯同然の敏感な臍の持ち主であるフェイトにとって、それはまともに立っていられないほどのものであった。


(い、いったい僕の臍に…何が…起きてッ!?)


すぐさま自分の臍に起きている異変を確かめようと、シャツのボタンを外そうとするフェイト。


だが突如その行為が阻まれた。


ガシッ!


「なッ!?」


突如何者かが背後から覆い被さってくる。


それは怯えた顔で突っ立っていたチンピラの一人であった。


「い、今の内にッ!」


「…お、おうッ!!」


仲間が敵を抑え込んでいる内に、立ち上がった男が気絶したもう一人の仲間に駆け寄りその体を揺さぶりながら声をかける。


「おい!起きろッ!!」


「…ん、うぅ…?」


「ヤツを仕留めるチャンスだ!!起きろッ!!」


「う、うるせぇな…ってお前ッ!?」


「いいからアイツを抑えるぞ!」


目を覚ました仲間と共にフェイトに向かってくる男。


一方フェイトは背後から抑え込んでくる男を払い除けようとしていたが、臍から生じる感触に力が入らず思うようにいかない。


苦闘する彼の元にさらに二人の男が襲い掛かり、ついにフェイトは完全にその体を抑え込まれてしまった。



「く、くそぉ…」


両サイドから左右の腕をそれぞれ掴まれる形で拘束されてしまったフェイト。


何とか拘束から逃れようと藻掻くが、二人がかりで抑えられてしまってはさすがに力も敵わない。


そんな彼の前に立つチンピラの一人。


それは先ほどフェイトに腹を蹴られた男だった。


「よぉ、さっきはよくもやってくれたな…これはお返しだ…っぜ!!」


ボゴォッ!!


「ヴッ!!」


フェイトの腹部に勢いよく叩き込まれる拳。


「ゲホッ!ゲホッ!!」


「まだ終わりじゃねぇぜ!たっぷりとその腹に叩き込んでやるッ!!」


先ほど腹をやられた仕返しと云わんばかりに、両腕で庇うことが出来ない無防備な腹に拳を次々と打ち込んでいく男。


「ごフッ!!がはッッ!!ぐアァッッ!!!!」


一方的に腹を殴られ続けられるフェイト。


臍の異変で腹筋に力を込めることが出来ないこともあり、着実にダメージが腹部に蓄積されていく。


ボゴォッ!!


「ごォエ"ッッッ!!!!!!!」


渾身のパンチが打ち込まれ、一際大きな呻き声を上げた後ガクンと項垂れるフェイトの頭。


「ど、どうだ…大分痛ぇだろ…」


ハアハアと肩で息を吐く男。


一心不乱にフェイトの腹を殴り続けていたことで、大分疲労しているようであった。


「う、ぐ…、ぐぅ…」


腹の中に渦巻くダメージに苦しみながらも、何とかしてこの窮地から逃れるための術を必死に考えるフェイト。


だがそんなフェイトの望みを阻むものが新たに現れる。


「よぅ、何か面白いことになってんじゃねぇか」


「ッ!?」


「ノートン様!!」


新たに遺跡に現れた一人の男…


『ノートン』と呼ばれた人物はチンピラとは明らかに違う種族であった。


黒の衣装を纏ったその男は先のチンピラと入れ違うようにフェイトの前に立った。


「アジトに戻ってきてみりゃお前は………そうか、お前があのポッドに乗ってきた奴だな?」


「ッ!?お、お前は…この星の人間じゃないのか!?」


「そうだ。俺はレゼルブ星出身だ」


「レゼルブ星…き、聞いたことがある…快楽主義者ばかりが住む星で…銀河連邦に属するのをずっと拒否して…だけど何でお前のような奴がこの星に…」


「そいつは簡単だ。俺もこの星に流れ着いたってクチだ」


「な…」


「オレ様はちょっとは名の知れた宇宙海賊の親玉でな。手当たり次第に金目の船を襲ってたら、目ぇつけられちまってお縄になっちまったんだが…『永久流罪』で監獄惑星に送られるはずだったわけよ」

「だが、なんとオレ様が乗せられていた護送線がエンジントラブル起こしちまってよぉ、この星に墜落しちまったってわけさ。オレ様はただ機関室に潜り込んでラインを滅茶苦茶につなぎ合わせただけだってのによぉ、馬鹿なパイロットが対処法誤ってエンジンをお釈迦にしちまったのさ」


「ご、護送団の人達はどうしたんだ…?」


「あぁ、他の船団に助け求めようとしてやがったから俺が……な?それでここに落ちちまったんだが、それはそれでしょうがねぇから、ここにオレ様の国をつくることにしたってわけよ!ここの未開人共なら手なずけるのも簡単だしな!ハハハッ!!」


「そ、そんな勝手な理屈で…あんな小さな子供まで…」


「あぁ、何ならテメエも奴隷にしてやってもいいぜ。ただしその態度のままだと死んでもらうしかねぇけどなぁ!?」


手にしたフェイズガンをフェイトの顔に突きつけるノートン。


「お前の脱出ポッドのパーツはオレ様が有効活用してやるよ、あばよ地球人」


「ぐぅ…!ッんふアッ!?」


「あ?」


このタイミングでまたも突然奇声を上げるフェイト。


一旦落ち着いていた臍から発せられていた謎の感触が今突然ぶり返し、彼の臍奥に刺激を与えていた。


「アッが…!あ、アへぇッ!!」


「な、なんだァ…!?」


「さ、さっきもコイツ、突然こんな感じで震え出して…」


ビクッビクッと震える体を抑えつけながらノートンに報告するチンピラ。


「へ、へソ…ッ!ヘソッ!!アヘソぉッ!!!」


「"へそ"だぁ?」


ふとフェイトの腹部に目を向けるノートン。


その時信じられないものをそこに見た。


「な、なんだこりゃあ!?」


フェイトのお腹の中央…ちょうど集中的に殴られシャツが陥没していた辺りがなんとゆっくりと盛り上がってくる。


それにつれてシャツのボタンも移動していくのが見て取れた。


「お、俺のォ…!ヘソォ…ヘソぉッ!!」


「気色わりぃな、一体どうなってやがるッ!」


お腹で盛り上がっているあたりのボタンを乱暴に外すノートン。


すると勢いよくシャツの合間から奇怪な物体が飛び出す。


「な、なんだぁッ!?」


思わずノートンも声を上げてしまうほど奇妙なモノ…


それはフェイトが見られて最も羞恥心を覚える"渦巻き臍"であったが、なんとそこに妙な緑色のゼリーのような物体が付着していた。


フェイトの渦巻きベソの中央の孔から皺に沿うようにこびりつき、そして僅かに蠢いている。


「な、何だよコレはああアアアアアアアッッッッッッ!!!???????」


フェイト自身、今初めて自身の臍の惨状を知って気が動転していた。


自分の臍に付着した得体の知れないゼリー状の物体…これが先ほどから臍に刺激を与えフェイトの力を削いでいた元凶であった。


「お、お前…一体何なんだこの臍は……ん?」


初めこそあまりもの気味の悪さに引いていたノートンであったが、その臍を凝視してる内にその正体に気づく。


「これは…あの森の中にいるこの星の原生生物か…?」


「ッ!?」


そこでフェイトもハッと気づいた。


ここに辿りつくまでに遭遇したあのゼリー状の生命体…


この星の環境の暑さからシャツを裾結びにして腹出し状態でいたフェイトの臍にいきなり飛びついてきたあの物体…


自力で何とか腹から引き剥がし逃れたと思っていたが、あの時僅かに一部が臍の穴や皺の隙間に潜り込みそのまま残留していた…


そして今こうしてノートン達と対峙している時にフェイトの臍の中で"たまたま"生命活動を再開し、彼の戦闘力を著しく低下させてしまった…


全てを知ったフェイトは原生生物から逃れたあの時、すぐさまボタンを締めないで、ちゃんと己の臍を確認しなかったことを激しく後悔した。


(まさかボタンの下でこんな…)


そんなフェイトの臍の惨状を見て笑い出すノートン。


「何だお前は?自分の臍にあの原生生物を引っ付けて遊んでたってのか?コイツはとんだ変態だぜ!!ハハハハハッッッッ!!!!!」


「う…ぐ…ち、ちが、ハぁうンッ!!」


またも蠢くゼリーに臍の内部を刺激され嬌声を上げてしまうフェイト。


「とんだ臍オナニー野郎だぜ!…だがこのままだとお前死んじまうかもな!」


「えッ!?」


「そいつらは取りついた生物の組織をゆっくり溶かし養分にしちまう…このまま放置してると臍穴からそのまま腹ん中に入り込んじまうぜ」


「ヒッ!?」


突然告げられた悍ましい事実に思わず青ざめるフェイト。


今すぐにでもこの臍にこびりついた忌まわしき物体を取り除きたい…だが彼の体は未だチンピラ達に拘束されたままであった。


「た、助けてくれぇッ!!」


目の前にいるのが、札付きの悪人と分かっていながら懇願の声を上げる。


「お、俺の臍からコイツを取り除いてくれぇえッ!!」


「…」


その様子を静かに不気味に見据えていたノートン。


そして突然その場にフェイトが落としていた剣を拾い上げた。


「いいぜ。俺の『奴隷』になるってんなら助けてやる」


「な、なる!!奴隷になるからぁッ!!早くッ!!」


なりふり構わず懇願するフェイト。


ノートンはゆっくりと剣の先をフェイトの臍へと向けた。


「な、何をッ!?」


「この剣…レプリケーターで作り出した代物だな。ということは護身用のスタン機能が付いてるってこった」


「ッ!?」


それは先ほどフェイトがチンピラの一人を沈黙させるためにも使用した機能だった。


「ソイツ等は物理的な攻撃はほとんど効かねぇが、電撃にはとにかく弱いんだぜぇ?」


「ま、まさか…!?ハぐぅッ!!」


これからノートンがしようとしていることにフェイトが気づくよりか早くヘソ中央の穴に捻じ込まれる剣先。



「ここに最大電圧流し込んでやるよ」


「や、やめッ!!」

バチィッ!!!!

「イギャアッッッッッッ!!!!!!!」


臍を中心に迸る閃光。


同時に響く一際大きな悲鳴。


フェイトの頭が大きく仰け反り、そのままピクリとも動かなくなる。


「原生生物は取り除いてやったぜ…臍は丸焦げだけどな、ハハハハハッッッ!!!!!!」


フェイトの臍から剣先を引き抜き、狂笑するノートン。


「コイツを中に連れてけ」


凄まじい電撃を臍に喰らい完全に気を失ってしまったフェイトの体を、手下達は遺跡内のアジトへと運び込んでいった…


【続】

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