「お、俺のヘソを…売る?」
エニルの言っている意味が分からないガロード。
どういう意味か問いかけるより先にエニルはオーディエンスに向かって叫んだ。
「この子のおヘソがどこまで"伸びる"か…ベットしてちょうだい!」
「はぁ!?」
「1mm単位で3000、この子のヘソの限界に一番近い数字を当てたモノが全金額とガロードを独占できる…どうかしら?」
「面白いッ!!ならば私は20mm…いや25mmだ!!」
「30mmよ!!」
「40mm!!」
一体皆何を口走っているのか理解できないガロード。
「な、なんだよコレ…い、一体コイツら何を…はぐゥッッ!!??」
突然臍に冷たい感触が奔り、声を上げてしまうガロード。
咄嗟に目を降ろした彼が見たのは自分の臍に張り付くように取り付けられた謎の器具であった。
「な、なんだよコレ…!?」
ちょうど彼の臍にスッポリとハマるように取り付けられた円筒形の器具…
さらに臍の反対側にあたる先端からはチューブが伸び袖脇へと続いていっている。
「お、俺のヘソに何を…!?」
「フフフ…」
スーツの男たちに為すがまま、ヘソに謎のシリンダーを装着され困惑するガロードを見てほくそ笑むエニル。
そうこうしてる内に"コール"は進み、やがてその数値は80まで達しようとしていた。
「…さすがに80mm以上は無理ではないのか?」
「あぁ、あの器具がいくら強力な性能でもな…」
それまで活発にコールが繰り返されていた会場であったが、今は完全に静まり返っている。
「…どうやら"声"は出尽くしたようね」
満を持したと言わんばかりに、ソファーから立ち上がるエニル。
そして宣言するかのようにコールの声を上げた。
「100mm!!」
「えッ!?」
「なんだとッ!?」
途端にざわめく会場。
「さ、さすがに100mm…10cmなどと…」
「人間に可能なのか、そんなことが…」
「ミス・エニル、よろしいのですか?」
「えぇ」
事も無げに返事するエニル。
「…それでは、もうこれ以上の声はないようなので…『ガロード・ラン』の臍部強制吸引開始する」
アナウンスに一斉に皆の視線がステージ上のガロードの臍へと注がれる。
「な、なんだよッ!?お、俺のヘソをどうするつも…」
キュィィィィィィィンン!!!!!!!!!!
「なッ!?ぐわああああアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!????????」
会場に響き渡るガロードの叫び。
まるで見えない力にヘソを引き千切られんような激痛。
それは彼のヘソに取り付けられた器具が作動した証であった。
「ガアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!お、俺のヘソがァッ!!ヘソがァああああッッッッ!!!??????」
MSの整備に使われるほどの強力な吸引機によって、容赦なく穴から引き釣り出されていくガロードの臍。
脆弱な臍乳頭がシリンダー内へと独りでに浸入するかのように、その内部の容積を徐々に満たしていく。
「…30mm……35mm……40mm…」
臍の侵入に合わせて淡々と読み上げられる、シリンダー内に刻まれた目盛り…
やがてそのペースが徐々に落ち始めていく。
「…75mm…………80mm………………85mm…………………………」
「さすがにこれ以上は伸びんか」
「それでもあれだけ臍穴から飛び出すとはな…」
限界以上に中身を引きづり出されたガロードの臍に驚嘆の眼を向けるオーディエンスたち。
その当の方人は息も絶え絶えで、一方的に引き出されていく己の臍を為す総べなく見つめていた。
「あ……がっ………、お、俺のォ……へそぉ……………」
もはや臍と呼ぶにも異形な物体…
もともと底がハッキリ見えるほどであったX字の皺が刻まれたガロードの浅臍。
それをエニルに目を付けられたことで、強制的にデベソにされ皆にその醜態を晒すという仕打ちを受けてしまっている…
あまりにも不条理な展開に、ガロードの心はもはや張り裂けんばかりであった。
(…な、なんでだよ…何で俺が……俺のヘソがこんな目に会わなきゃいけねぇんだよ……)
沸々と彼の心に沸き起こる怒り…
(…そうだ。エニル…アイツのせいで、俺のヘソがこんな……)
(お、俺は絶対にアイツを…許さないッ!!)
このまま臍を引きづり出されたまま終わるわけにはいかない。
なんとかこの戒めを脱して彼女に一矢報いなくては…
そう心に決めたガロードが、まずは臍に取り付けられた器具を外さんと、腹にグッと力を込めたその瞬間であった。
一際甲高い作動音が響き渡ったった。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
大きく体を仰け反らせながら、苦悶の絶叫を放つガロード。
同時に一瞬にして臍穴から突き出したシリンダー内部を全て埋め尽くしまう臍。
「ひゃ、120mm!!」
なんと大方の予想を覆すほどに、10cmも引き釣り出されたガロードの臍にオーディエンスたちは口々に感嘆の声を上げていく。
「す、凄い…」
「なんという"デベソ"だ…いや、もはや"デベソ"というレベルではない!!」
オーディエンスが注目する中、白目を剥き腹から巨大デベソを飛び出させながら苦悶に打ち震えるガロード。
そんな彼をエニルは紅潮した顔で見つめていた。
「フフフ、これでまた私のモノね、ガロード……フフ」
【続】