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田原摩耶
田原摩耶

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【総集編版】好感度カンスト村人と誠実でありたいナイトの攻防戦※【↑100/13,500文字/騎士×村人/甘々/誘い受け/結腸責め】

 朝、身動ぎをしようとして体が思うように動かないことに気付いた。  背中から腰までに回された腕にがっしりと体を抱きしめられていたのだ。  頭上から小さな寝息が聞こえてきて、くっつくように密着した背中越しに伝わってくる心臓の音とその熱に不思議と緊張は緩んだ。  それから、そっと回された自分よりも一回り程大きなその手にそっと触れる。自分の身丈の半分以上ある大剣を握るその指の皮は固く、分厚い。俺の胼胝とは比べ物にならない。そんな手でこの男は――ナイトは俺を優しく抱きしめてくれる。頭を撫でてくれる。  そう考えると途端に言葉にしがたい感情が込み上げてくるのだ。  ――それにしても、なぜ俺はここにいるのだろうか。  確か、ナイトに晩飯に誘われたところまでは覚えているのだが。  思いながら、ナイトの指を握ったりしてその感触を確かめていると、背後から聞こえていた寝息が止んでいることに気付いた。  首を動かしてちらりと背後を振り返れば、こちらを見ていたナイトと視線がぶつかった。 「……おはよう、起きてたんだな」 「スレイヴ殿、……ああ、おはよう」  そう言ってナイトは気まずそうに視線を外す。  なんだからしくない反応だった。気になって、「ナイト?」とその手の甲に触れる。瞬間、筋張ったナイトの手はピクリと反応するのだ。 「す、スレイヴ殿……」 「今日のあんた、なんか変だ。……具合でも悪いのか」  そうナイトの腕の中、もぞりと体の向きを変えてナイトの顔を覗き込む。顔色は悪くない、と思う。心なしか赤い気もするが。 「大丈夫か」と、熱をちゃんと確かめようとナイトの頬にそっと手を伸ばそうとした時だった。伸ばしかけたその腕、手首ごとナイトに掴まれる。 「む……」 「自分は大丈夫だ、問題ない。しかし……」 「……でも、さっきからあんたの様子がおかしい。なにかあったんじゃないか」 「そ、それは……」 「なにかあったのか」  あまりにも歯切れが悪いナイトが心配になり思い切って尋ねれば、ナイトはようやく観念したようだ。改めてこちらに視線を向ける。 「スレイヴ殿、つかぬ事をお伺いする」 「ああ、なんだ」 「……何故、貴殿がここにいる?」 「知らん、俺もさっき気付いて驚いた」  嘘ではない。  ありのままに伝えれば、今度こそナイトは言葉を失っていた。  先ほどから様子がおかしいと思えば、まさかそんなことを聞かれるとは思わなかった。 「か、体に異変はないか? もしや自分は貴殿に無体を働いたのでは……」  見るからに狼狽えだすナイトに「問題ない」とだけ答えれば、ナイトはそこでようやくほっとした。 「なんだ、そんなことを気にしていたのか」 「スレイヴ殿……そんなことではない、大事なことだ」 「……あんたは嫌だったのか? 俺がここにいたのが」 「そんなわけがないだろう」  珍しくナイトが大きな声出すので少し驚いた。目を丸くすれば、ナイトも自分でも驚いたようだ。「すまない、大きな声を出して」とばつが悪そうに俯くのだ。 「昨晩、貴殿を食事に誘ったことも覚えている。けれどそのあとの記憶が朧げになっている。……恐らく、飲んだ酒のせいだろう」  言われて、曖昧だった記憶が蘇ってきた。  たまたま隣にいた冒険者がナイトに絡んで、そこで気に入られていたナイトが酒を飲まされていたのだ。それを断ればいいのに人がいいナイトはその場で口にしていたのを思い出す。  そして、俺もついでに奢ってもらったのだ。 「……自分が情けない」 「酒だけは鍛えてもどうにでもならないらしいからな。あまり自分を責めなくていいだろ」 「スレイヴ殿……」 「真面目だな。……シーフたちに爪の垢を煎じてやりたいくらいだ」  そう、ナイトの顔に触れる。今度は止められなかった。擽ったそうにしながらも、目を細めたナイトがこちらを見る。  その目に見つめられると、なんだか胸の奥の辺りがぞわぞわとよだつようだった。 「……俺は別に、あんたになら何をされても構わない」 「スレイヴ殿、あまり滅多なことを口にするものでは――」 「これは俺の本心だ。俺はあんたのことは信用しているからな」  先程、触れようとした手を止められたときの方がよっぽどショックを感じたほどだ。  この感情も、ナイトから教えてもらったのだ。  だからそんなに気に病まないでほしい。その気持ちで、ナイトの頬に触れる。 「……貴殿は、時たま恐ろしいことを言うな」 「そうか?」  ナイトは目を閉じ、「ああ」と俺の背中に手を回すのだ。抱き締められ、そのままナイトの腕の中に閉じ込められる。  心地の良い陽気の中、二人分の体温で温もった布団の中で俺はその心地よさに目を瞑った。 「あんたにこうされるのは、好きだ。安心する」 「……そうか、俺もだ」 「あんたもなのか?」  ならば見様見真似で抱き締め返そうかと体を動かすが、逆に更に抱き締められ、つむじに鼻先を埋められるのだ。くすぐったさに思わず、「ふ、」と声が漏れてしまう。 「……ナイト」 「手の届くところに貴殿がいると、安心する」 「俺が側にいないと不安になるのか?」 「い、痛いところを突かないでくれ……。情けない男と思うか?」 「……いや、あんたみたいな立派な男でもそんなことを思うのかと驚いただけだ」 「自分は立派な人間ではない」  謙遜してるつもりなのか、と布団から顔を出してナイトの顔を見ようとしたとき。大きな手に頬を撫でられる。唇をなぞられ、息を飲んだ。 「な……」  ナイト、と呼ぶよりも先に、ナイトの影に覆われる。唇に触れる熱に驚いて、それから小さく口を開いてそれを受け入れようとした。 「っ、ん、……ぅ……ッ」  休日の午前。身動ぐ体を抱き締められたまま、何度も唇を吸われ、頬を撫でられる。乱れる前髪を撫でられる動作すらもくすぐったくて、思わずナイトの手を掴めば、ナイトは唇を離した。 「は……っ、」 「……すまない」 「ん、なんで謝るんだ……」 「……貴殿の好意に甘えてばかりいる自分が嫌になる」 「あんたは……本当に真面目だな」  だからこそ、この男にならと思えるのかもしれない。上手く慰める言葉も、駆け引きなどという器用な真似もできないししようも思えなかった。  だから俺は自分の思ったまま行動する。ちゅ、とその唇に自分の唇を押し付ければ、ナイトの目が大きく見開かれた。 「す……ッ、スレイヴ殿……っ」 「あんたの真似……難しいな、これ」  その接吻は技巧とは無縁の稚拙なものだと思う。それでも、より近くナイトを感じることができて……悪くはない。  そう思ったとき、ナイトに顎を掴まれた。口を開かれ、先程よりもより深く口付けをされる。  長い間、ナイトは俺を離さなかった。シーツの上に押し倒されたまま、ナイトは俺にキスをした。息すらもままならないまま、執拗に舌を愛撫され、混じり合う。  こういう行為は本来ならば人が寝静まった頃にやるものだと思っていただけに余計、してはいけないことをしているのではないかという感情がこみ上げてくる。  けれど、それは障壁にもならなかった。 「っ、ん、ぅ……っナイト……ッもっと……」 「あまり、煽らないでくれ……限界だ」 「……っ、言っただろ、俺は、別にあんたなら何されてもいいって」 「……それに、あんたの手に触れられるのは嫌いじゃない」この感情も、感覚も、あんたが教えてくれたんだから責任をとってくれ。  そう熱くなる顔を隠すことも忘れ、俺はナイトの両頬を手で挟む。そのまま唇を寄せ、強請るように恐る恐るちろりと舌を伸ばせば、そのまま噛み付くようにキスをされた。 「……っ、は、んむ……ッ」 「っ、スレイヴ殿……」 「っ、ん、ぅ……ッ! ぅ、……ッ」  溺れるほどのキスに飲まれ、酩酊状態になる意識の底。込み上げてくる暖かさに全身が包み込まれる。伸びてきた手に腹を撫でられ、腰がびくりと震えた。それに気付いたのだろう、ナイトは優しく俺の体に触れるのだ。 「っ、んぅ……っ」 「……本当に、いいのか?」 「い、やなら……っ、こんなことしな、ぁ……ッ」  胸に触れた指に、堪らず声が漏れる。  薄いシャツ越し、浮き上がった突起を柔らかく摘まれ呼吸が乱れた。 「……っ、は……っ、ん、ぅ……ッ」  唇を重ねられながら、胸を触れられる。心音が伝わってるかもしれないと思うと変な気持ちだった。優しく触れる手が余計こそばゆくて、身動ぐ。  ナイトの大きな手は、片手だけで両胸に触れることができるらしい。広げた人差し指と親指に胸を穿られ、思わず呼吸が乱れる。 「っ、ナイト……っん、ぅ……」 「心臓の音がすごいな」 「……っ、ん……」 「緊張しているのか?」 「ぁ……当たり前だ」  ナイトに身を預け、その指先を見つめたまま俺はナイトの手に手を重ねる。指を絡めながらちらりとナイトを見上げれば、「そうか」とナイトは笑った。 「……なんで笑う?」 「いや、すまない。あまりにも貴殿が堂々としているものだから、もしや自分だけなのかと思ったんだ」 「こんなに心臓がおかしくなりそうになっているのは」と、ナイトの指を弄んでいた手を取られ、そのままナイトの胸元に持っていかれる。  分厚い筋肉に覆われた筋肉越し、熱とともにどくんどくんと流れ込んでくるその心音に息を飲む。 「……っ、……」 「聞こえるか?」 「……これ、俺でドキドキしてるのか?」 「ああ。……あまりにも貴殿が積極的だから」 「……そ、うか」  嬉しい、と思うのはおかしなことなのだろうか。わからなかったが、それでもナイトの心音を聞いていると落ち着くのだ。ぴとりとその腕に収まり、もっと心音を聞こうと布団の中でナイトへとくっつく。呼吸を飲む音が聞こえ、僅かな沈黙が流れた。 「な、いと……っ、ん……ッ」  ナイトの腕の中、背後から抱きすくめられるように胸を弄られる。先程よりもナイトの熱が近くなり、背後、くっついた背中から流れ込んでくるナイトの鼓動が早くなるのを感じる。  最初はむずむずしてなんだか落ち着かない、そんな違和感とナイトの指が気持ちいいという感覚だけだったのに、重点的に乳頭を指先で柔らかく刺激される内に呼吸が浅くなる。 「ん、……っ、は……く……っ」  ナイトの顔を見たい、と首を動かして背後のナイトを見上げようとすれば、ナイトと目が合う。  ナイトは何も言わずに俺の唇を撫で、そのまま唇を重ねるのだ。  こんな風に余裕のないナイトを見るのは初めてかもしれない。そんなことを思いながら、ナイトの舌を受け入れる。 「……っ、ん、う……っ!」  気持ちいいという感覚が未だによく分からない。ふわふわとした意識が宙に浮くような、自分が自分でなくなってしまうような浮ついた感覚が少し変な感覚だった。  けれど、ナイトが一緒にいてくれるから。そう思うとそんな感覚すらも心地よく広がるのだ。  触れられている内に硬く、凝り固まった乳首の側面をつう、と指先でなぞられ、びくりと身体が震えた。 「っ、ん、う……ッ」 「スレイヴ殿」 「な、んでもない……っ、ひ、ぅ……ッ」 「……っ、……」 「っ、待っ……ッ、そ、こ……ばっか……く、ひ……ッ!」  ナイトの手は優しく、身体に傷をつかないように細心の注意を払ってくれているのだろうとわかった。わかったからこそもどかしく、それ以上に高められる神経に息を飲む。  すりすりと両胸の乳首を撫でられ、少しだけ先端部を指が掠めただけで恐ろしいほど脳の奥がびりびりと震えるのだ。 「……っ、嫌だったら言ってくれ。すぐにやめる」 「っ、い、や、じゃな……っ、ん、そ、じゃなくて……ッ、くひ……ッ!」  なんでこんなにも過敏になってるのか自分でも分からなかった。相手がナイトだからか、自分でも戸惑うほど感じてしまっている事実が恥ずかしくなってくる。それでも、変な気を使わせたくない。「大丈夫だ」と返す声すらも震えてしまい、それでも中断してもらいたくなくてナイトの腕にしがみついたときだった。 「っ、ん゛、う……ッ!」  軽く胸を引っ張られた瞬間、堪えようとしていた声が溢れる。擦り合わせていた内股。「だいじょうぶだ」と繰り返せば、ナイトは少しだけ迷って「わかった」と口にした。 「っは、ぁ、……ッひ、っ、ぅ……ッ!」 「……痛くはないか? スレイヴ殿」 「っ、い、った、くな、……っ、ぁ、ッ、ひ……ッ! だ、いじょ、……っん、ぅ゛……ッ!」  じんじんと胸の先端に熱が集まっていく。くるりと周辺を撫でられただけで熱は増す。 「っ、はーっ、……ぁ、う……ッ」 「……スレイヴ殿」  少し身を攀じるだけで、下着の中を汚した体液が濡れた音を立てる。  じれったくて、くすぐったくて、気持ちいい。それでもそんな生殺しのような状態のまま、浅瀬の快感を継続的に与えられ続けるのは苦しかった。  もっと、強く触ってくれ。なんてことをナイトに言えるはずもなかった。俺にだってそれくらいの分別はある。  それでも、普段ならば意識しないはずの肛門の奥が甘く痺れるのだ。腰に当たる、衣類からでも分かるほど大きくなったナイトの性器の硬さを意識しては口の中に唾液が滲む。 「……っ、は、ん、ぅ……ッ!」 「スレイヴ殿……ッ、ん、……ッ」 「ふ、ぅ……ッ」  唇を重ね、乳首を弄られながら、無意識にナイトの性器に腰を押し付けていることに気付く。  割れ目の奥、先程よりも硬くなる性器に唾を飲んだ。  これを挿入されたら、そんな下品な思考が支配する。 「待っ、て、待て、スレイヴ殿……っ」 「……ど……した?」 「っ、その、この体勢は……ッ」  ほんの少しだけ、より近くナイトの熱を感じたかった。尻を押し付けるくらいならバレないだろうと思っていたが、顔を真っ赤にしたナイトに腰を掴まれ、ひくりと喉が震えた。 「……っ、……」 「スレイヴ殿……」 「……っ……い、……挿れ、ないのか?」  甘い誘い文句など考えたこともなかった。それでも、遠回しな言葉ではこの男には伝わらない。  これが俺の精一杯、最大限だった。恥ずかしくて、それでもこのまま生殺しにされる方が余程堪えたのだ。  腰を掴んでいたナイトの手が太腿に伸びる。するりと右腿を鷲掴みにされ、そのまま付け根まで撫でられるのだ。 「……っ、スレイヴ殿、勘弁してくれ」 「い、いや……嫌ならいい……っ」 「違う、嫌じゃない」  息を吐き出すナイト。項に吹き掛かる熱い熱。腿と腿の間、尻の谷間をなぞる太く骨っぽい指先に腰が揺れる。 「……ッ、嫌じゃないから、困っている」 「何を、……っ、ん、困るんだ……?」 「……っ俺は、自分は……貴殿に負担を強いたくはない」 「……っ、こんなに大きくなってるのにか?」 「スレイヴ殿……ッ」  自分の下着に手を掛け、そのままずらす。ナイトに比べたら貧相な身体だが、それでも丈夫さには自信があった……つもりだ。  喉が乾く。酩酊した空気に、どこまでも甘いこの男に恐らく酔っているのかも知れない。  寝台の上、ナイトの腕から抜け出した俺はそのまま腰を持ち上げ、頭を目の前の布団にうずめる。 「…………挿れてくれ」  ――あんたじゃないと、駄目なんだ。  背後を振り返ってナイトの反応を確かめることすらも恐ろしかった。ナイト、と呼びかけようとしたときだった。すぐ背後で、ナイトの呼吸が聞こえてきた。 「……っ、やめたくなったら、すぐに突き飛ばしてくれ」  ああ、という返答は声にはならなかった。  拡げられ、割り拡げられた肛門にびたりと乗せられる重みに腰がふるりと揺れる。 「……っ、はー……っ、ふ……ッ」  硬く膨張した性器で尻たぶの割れ目をなぞられる。手ごと握りしめるようにナイトの手が重ねられ、尻たぶを広げるのだ。  ぐに、と開くそこを指で撫でられただけで喉の奥から声が漏れそうになる。痛いほど性器と乳首に血液が集まっているのがわかった。獣のように呼吸が浅くなり、全神経でナイトの動きを探った。 「……っ、ナイト……っ、ぉ……ッ」 「すまない、貴殿にここまで言わせてしまうとは……」 「ん゛、う……ッ」  ぐぷ、と柔らかく肛門の入口に指が触れる。硬い指先はそのまま奥へと挿入され、中を念入りに解していくのだ。 「……っ、は、……ッ、ふ、う゛……ッ」 「スレイヴ殿、苦しくないか?」 「だ、ぃ、じょ……ッ、ぅ゛、ふ……ッ、く……ッ!」  早く、早く。括約筋、そして入り口あたりの筋肉をナイトの指に揉み解されていく。  大きな指が動き、出し入れされる度に空気が混ざり、淫猥な音が自分の腹から発せられ辺りに響いた。 「は、ぁ゛……っ、ん゛……ッ!」  長い指が前立腺を掠め、腰が震えた。最初は様子見ていたのだろう、心配していたナイトだったがその指の動きは次第に大胆になっていく。 「っ、ぁ、待っ、……う゛……ッ!」 「っ、どうした?」 「ゆ、……っ、ゆび、じゃなくて……あ、あんたので……いきたい……っ」  射精の予感がし、堪らず声をあげればナイトの手が止まる。そして、濡れた音を立て引き抜かれる指に小さく声が漏れた。 「……ッ、貴殿は、本当に……」  口を開いたまま、昂ぶったままのそこに押し当てられる熱の塊に息を飲んだ。  触れただけで糸を引くほど先走りを垂らしたナイトのものに、待ちに待っていたその感触に、無意識の内に自分の胸が躍っていることに気付いた。  こんなこと、したいと思ったことなかったのに。 「な、いと……ッ」  腰を動かし、その性器に寄せた瞬間だった。  開かれたそこに、子供の拳ほどあるのではないかと思うほどの亀頭が押し込まれるのだ。  自分でもこの行為にそろそろ慣れたのではないかと思ったが、それでもやはりナイトのものになると話は別だ。  奥歯を噛み締め、呼吸を繰り返す。まだ亀頭すら入りきれていないというのにも関わらず、既に限界まで拡げられた肛門への負荷は大きかった。 「っ、スレイヴ殿、苦しくないか……?」 「――……ッ、ぁ、ぐ……ッ!」 「……スレイヴ殿?」 「っ、へ、ッ、ぃ゛、きだ……」  喋る度に結合部からナイトの声が響くような感覚だった。気遣ってくれてるのだろう、ゆっくりと俺の様子を見ながら腰を進めてくるナイトだが、いっそのこと一思いにやってくれという気持ちもあった。  少しでもナイトが動くだけで、内壁の粘膜が引っ張られいく。ゆっくりと、体格に見合うその逞しい陰茎の形へと合わせるように腰を進められるのだ。 「っ、ふ、く、ぅ……ッ」 「……ッ辛かったら、言ってくれ」  息を吐きながら、ナイトの手が優しく腰を撫でる。  ここまで来てまだ言うのだからこの男は、と思う。辛くないと言えば嘘になるが、それでも自分に対してここまで反応していると思うと息苦しさすらも心地よく感じるのだ。応える代わりに、ナイトの腰に足を回す。そのまま足に力を入れて自分の方へと寄せれば、拍子に中のものを締め付けてしまったようだ。  ナイトの表情が一瞬歪んだ。 「スレイヴ殿」 「……っ、アンタの方が、辛そうだ」 「……それは、ぁ、……ッ、」 「も、っと……あんたの好きに動いてくれ、このままじゃ……っ、余計に辛い……」  心臓から送り出される血液は焼けるように熱く、全身へと回る。即効性の毒のようだと思った。  結合部、まだ半分すらも入っていない剥き身の性器に恐る恐る触れ、懇願する。自分が相当なことを言っている自覚はあったが、それでも言わなければきっとこの男に余計優しく追い詰められ、焦らされ、おかしくなってしまうと忌避した。  ごくり、とその喉仏が上下するのを見たとき、伸ばした手をナイトに取られる。手の甲へと覆い被さるように手首を掴まれ、そのままベッドのシーツへと縫い付けられた。 「――……っ、動くぞ」  浅く呼吸が繰り返される度にドクン、ドクンと性器から鼓動が伝わってくるようだった。ああ、と小さく頷いたとき、腿を掴んでいたナイトの指先にぐっと力が込められる。 「っ、ふ、ぅ゛……ッ!」  太い肉厚な笠が肉の襞を掻き分け、侵入してくる。文字通り犯されるような感覚に脳の奥まで開かれたようだった。  好きにしていいと言ったものの、あくまでもナイトは俺の体を気遣い、それでも先程よりも大胆になる動きに背筋がぴんと仰け反った。 「ぁ、う゛、ひ……ッ!」 「……ッ、は……ッ、スレイヴ殿……ッ」 「ッ、ぅ゛……ッ、ふーッ、ぅ゛、くひ……ッ!」  まずは浅いところから抜き差しを始め、そのままゆっくりと、それでいて確実に開きかけていたその孔を更に内側からこじ開けられていく。  太く嵩のあるそれで内壁を隈なく摩擦されるだけで前立腺は擦れ、優しく、それでいてこじ開けていくように抽挿される性器に声を抑えることもできなかった。  食いしばった歯の奥から空気が漏れ、嗚咽が漏れる。ナイトを心配させたくなくて必死に耐えようと思うが、ずるりと一気に引き抜かれた次の瞬間更に奥まで亀頭で押し上げられれば声を我慢することはできなかった。 「あ゛……ッ、ぉ゛……ッ! ぐ、ッ、う゛……ッ!」 「……ッ、は……ッ、く……ッ!」 「ん、ぉ゛……ッ! ひ、ん゛む……ッ!」  吐息が混ざり合う。躊躇しようとする度にナイトの腰に回した足に力を入れ、腰を寄せればナイトは俺の上に覆い被さってくるのだ。  何度目かのキスかもわからなかった。顎を捕らえられ、唇を塞がれる。 「……ふーッ、ぅ……ん゛ぅ……ッ!」  粘膜同士が触れ合い、生々しい水音が結合部から寝室内へと響き渡る。抽挿に次第に慣れてきたのか、ナイトを受け入れるために開き始めた内壁は付き立てられるソレの形に合わせて収縮しているのが自分でも分かった。  性器に浮かぶ筋の凹凸までもがより鮮明に伝わり、出し入れされる度により昂り、鋭利になる神経はぐずぐずになっていく。  無意識に浮きそうになる下半身をナイトの分厚い掌でしっかりと掴まれ、更に体重を加え奥までこじ開けられた。瞬間、その衝撃に堪らず顔をあげた。 「う、ぁ……――ッ!」  下腹部から脳天までを串刺しにされたような快感が突き抜け、声が、声帯が震える。女のような高い声が漏れ、恥ずかしくなって顔を覆い隠そうとするが、ナイトはそれを許さなかった。  片手で俺の両手首を束ねるように頭上で押さえつけられたまま、深く、内壁全体を性器で舐るように腰を動かすのだ。  無意識なのか、故意なのか判断つかない。それでもあまりにも普段のナイトからは想像つかない、しつこくて嫌らしい動きに耐えられず腰が小刻みに痙攣する。 「っは、ぁ……ッ、ん、ふ……ッ、ぅ……ッ!」 「……っ、ふ……っ、……く、スレイヴ殿」 「な、いと……ッん、ぁ……!」  ナイトのものが自分の中に入っている。  己の腹部が、ナイトの性器の形に合わせて薄い皮膚が盛り上がってるのを見て奇妙な感覚になった。恐怖はない、よく入ったなと我ながら驚くのも束の間、ナイトが更に奥へと腰を動かせば、ずん!と下から臓器ごと突き上げられるような衝撃に思わず仰け反る。 「は、ぁ……ッ、あ、ま、って、ナイト……ッ」 「っ、スレイヴ殿……ッ」 「そ、れ以上は……入らない……ッ」 「……っ、……」  ナイトがふーっ、ふーっ、と荒く獣のような呼吸を繰り返す度、その微かに汗ばじんだ体が、上半身を覆う筋肉が膨れるのを見て全身の血液が更に熱を帯びるのを覚えた。  こちらを見下ろす目は普段の優しいナイトとは違う、見たことのない男の目だった。 「……っ、ぁ……、な、いと……ッ」 「……すまない、スレイヴ殿」 「ちゃんと責任は取る」そうナイトの口が動く。  責任ってなんの責任だ、そう問いかけようとした矢先だった。伸びてきた腕にそのまま体を抱きしめられる。向かい合って抱擁するような姿勢の中、抱き締められた拍子に更に性器が深く入ってくるのが分かった。 「っ、ない、と、待て、そこは……ぁ゛……――ッ?!」  逃げようと浮いた腰を掴まれ、性器を一気に奥まで挿入された瞬間声が、意識が飛んだ。白く塗り潰された視界の中、チカチカと無数の光が飛ぶ。開いたまま口を閉じることも忘れていた。  行き止まりであるはずのことを亀頭でこじ開けられた、そう理解したと同時に再びゆるく腰を動き出すナイトに「ぁ」と声が漏れる。 「ぁ、あ……ッ、あッ! 待っ、ぁ゛……ッ!」  閉じた口に出入りする亀頭の凹凸が引っかかる度に腰が震え、内腿の筋肉は攣ったように痙攣する。なにも考えることができなかった。入らないと思っていたそれを根本まで挿入され、全身の筋肉が強張る。その拍子にナイトのものを締め付けてしまったのだろう、ドクドクと流れ込んでくる鼓動とともに深々と刺さったそれが一回り大きくなるのを体で感じて震えた。  そして俺の体を抱き込んだまま、ナイトは奥を更に犯すのだ。 「……っ、は、ぁ゛、あ……ッ! ぅ、ん゛……ッ、ぉ゛、お゛、ぐ、……ッ!」  無言で歯を食いしばり、最早呼吸を繰り返すことしかしないナイトが知らない人のように映ったが、それもすぐに快感によってぐずぐずに溶かされていく。濡れた音と二人分の呼吸が混ざり合い、ナイトの性器から滴る先走りは抽挿によって更に腹の中でかき混ぜられ、動くのも精一杯だった抽挿が更にスムーズになっていく。  焼けただれるように熱くなる粘膜を擦りあげられ、思わず退け反る。拍子に腫れ上がった前立腺をナイトのものが擦りあげられ、堪らず震えた。 「っ、ひ、ぅ……ッ!」 「ッ、スレイヴ殿……!」 「は、ぅ゛……――〜〜ッ」  駄々を捏ねる子供のような声しか出すことができない。許容範囲外の快感になにも考えることができず、目の前の男にしがみつくことが精一杯だった。体内で泡立つほど中を執拗に嬲られ、犯される。結合部が溶けて混ざり合っているのではないかと錯覚するほどに熱く、ナイトのことしか考えることができなかった。  いつの間にイッたのか、自分でもわからなかった。どろりとした液体が自分の腹部を汚し、更に奥を突かれると、ぴゅっと色のついていない体液が性器からは迸る。 「っは、ぁ、……っぉ゛ぐッ、……ッ」  中が口を開き、慣れていくに連れて抽挿も早くなっていく。腰を打ち付けられる度に爪先、そして開かされた股の間で己の性器が振動に合わせて震えるのがひどく滑稽に見えた。  それでも今はもう恥ずかしいという気持ちよりも、気持ちいいという快感が勝っていたのだ。 「……っ、ぁ、は、ぁ……ッ、ナイト……ッ、ぉ゛……ッ!」 「っ、好きだ、……スレイヴ殿」 「……っ、ひ、ぅ゛……ッ」 「……っ、スレイヴ殿、すきだ、……っ」  抱き締められ、項に回された手にすり、と耳の裏を撫でられ、そのまま鼓膜で何度も囁きかけられる。夢現の譫言のようだった。実際、そうなのだろう。この男は普段軽々とそういう言葉を口にする男ではない、ましてや何度も。  そうと分かっていても、ナイトに好きだと囁かれる度に全身の体温がどんどん増していく感覚があった。胸の奥がきゅっと締め付けられるような、それでいて肩口に顔を埋めてくるこの男が堪らなく愛おしく思えたのだ。  恋だとか愛だとか、自分には関係のない話だと思っていた。それなのに、おかしなものだと思う。  ――心が喜んでいる。この男に必要とされ、求められ、貪り尽くされることを心地よく感じる自分が確かにいたのだ。 「お、れも……ッ」  は、とナイトの動きがほんの一瞬止まった。  覆い被さってくるナイトの背中にそっと手を回し、肌が触れるように自分の顔を寄せた。 「おれも、すきだ」  ナイトの目が見開れ、口が数回動いた。けれどその先の言葉が出てくることはなかった。  言葉を返されるよりも先に唇を塞がれ、抱き締められる。そのまま潰されるのではないかと思うほどの強さだったが、皮膚越しに感じるナイトの体温が心地よかった。そしてその意識もすぐ、再び揺さぶられる下半身に奪われる。  ナイトの行為は結局日が暮れるまで続いた。  何度中に出され、何度射精したのかも分からない。睾丸の中に溜まっていたものも全てひり出されたはずだ。  何度も中を出し入れさせられた肛門は既に感覚がない。ひりひりとした痛みや主に下腹部の倦怠感が凄まじかったが、それ以上に満たされている自分がいた。  ナイトには無理せず寝てくれと言われたが、動けないほどのものでもない。……少し言い過ぎた、正直まだ安静にすべきとは思ったが、それでもナイトと一緒にいたかった。一人で寝てるのはつまらないからだ。  ナイトは先刻、俺の分の食事を取りに食堂へと降りていったばかりだった。待ってるのもなんだからと部屋を出て追いかけようとしたところ、ちょうど戻ってきたばかりのナイトと鉢合う。 「スレイヴ殿、まだ動かない方が……」 「別に平気だ」 「しかし、まだ熱が……ほら、先程よりもまた上がっている」 「無理をしないでくれ」と俺の頬に触れるナイト。そのひんやりとした手に思わずすり、と顔を寄せれば、ナイトは片腕に抱えていたトレイを落としそうになっていた。 「す、スレイヴ殿……」 「わかった、戻る。……けど、あんたも一緒がいい」 「う……」 「うってなんだ?」 「……貴殿には本当に敵わない」  そして諦めたようにナイトはそのままそっと髪を撫で、それから部屋の扉を開く。 「分かった。……元よりそのつもりだったからな。しかし、その、そのだな……あまりそういったことは」 「……なんだ?」  もしかして変なことを言ったのか。失礼なことを言うなとよくイロアスに怒られることはあったが、今のはいい意味でのつもりだったはずだ。  ごにょごにょとやけに歯切れの悪いナイトを見上げたときだった、視界が陰る。 「――あまり、可愛いことを言わないでくれ」  そして、鼻先が擦れ合うほどの至近距離。  吐息混じり、ナイトの口から吐き出された低い声に先程までの行為の熱が一気に蘇り、ぶわりと全身の毛穴が開く感覚がした。  全身が緊張し、そのまま固まれば「スレイヴ殿?」と小首傾げたナイトの手がこちらに伸びる。行為中ずっと全身を這い回る指の感触が読み返り、その指先が触れる前に咄嗟に一歩引いた。 「ど、どうした? スレイヴ殿――」 「……わ、わからない」 「わからない?」  けど、顔が熱くなる。急にナイトの顔を直視することができなくなった。こんなこと初めてで、自分でも戸惑った。かっと熱くなる顔。これも、先程の後遺症のようなものなのだろうか。  後退ったままちらりとナイトを見上げれば、目があったナイトもなんだか変な顔をしていた。 「……これは、まずいな」 「まずいってなんだ、なにかの魔法か?」 「違う、そうではないが……そのようなものだ」 「……?」  ナイトの耳もなんだか赤くなっているようだ。「ナイトも熱が出てきたのか」と尋ねれば、「そのようだな」とナイトは頷いた。 「…………じゃあ、もう少し寝るか?」  何故、こんなに言葉を選んでるのか。ナイトの反応がこんなに気になるのか。それは自分でも分からないが、今更止めることもできなかった。  ――ナイトと一緒にいたいという気持ちは。  目を細めたナイトは少しだけ迷ったように視線を泳がせたまま「そうだな」と答えた。別に、一緒にいるだけだ。それだけなのに、腰に回された腕に全神経が向いてしまい、体内の奥――散々めくれ上がるほど奥まで犯されたそこが甘く疼くのだった。  おしまい


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