あの地獄のような学園を抜け出してどれくらい経ったのだろうか。 実家に戻っても尚、あの日の悪夢はまるで昨日のことのように夜毎俺を苛め続けていた。 何をしていても、あそこで出来た『友達』のことを忘れることはなかった。 ずっと俺の味方を名乗り側に居てくれた志摩。 そして、ぶっきらぼうで不器用なあの男。 俺が友達なんて言ったらきっと嫌な顔をしていつものように嫌ごとを言ってくるだろう。 それでも、今はそれすらも恋しく思う日が来るなんて……当時あの学園にいた俺は思わなかっただろう。 【 迷妄 】 県外の大学へ進学するにあたって一人暮らしを始めることになった。慣れない環境に身を置くのは毎度のことながら緊張する。 一人暮らしするためにマンションの一角を借りる。 こんなにいるのかと思うほどのベランダに出て、外を見下ろす。たくさんのビルが墓石のように並ぶ町並み。その中心部に、あの頃の地獄を見つけた。 ――私立矢追ヵ丘学園。 俺が転校することになったあと、あの学園がどうなったかなんて何も聞かされていなかった。 けれど、インターネットで調べたことがある。詳しいことは書かれていなかったが、それでも理事長が変わったということだけはわかった。 あれから二年、きっとあの頃何があったのか知ってる人間はほぼいなくなってるはずだ。 そう思うと、なんだか笑えてきた。 あの頃俺がどんな思いであの場所を生きていたのか、それも全部なかったことになるのだろう。 通う予定の大学から近いわけでもない学園が見えるこのマンションを選んだのは、ここにいなければ全部が夢になってしまいそうな気がしたからだ。 皆卒業してそれぞれの道を進んでるとわかってても、還ってきてしまったのが俺の性分なのだろう。 ずっと地獄の内側から見てきた街中は、普通に生活する分には何にも困らない。都心部にあるお陰で交通機関は充実してるし、店だってマンションから出れば山ほどある。ここにこんな店があったのか、なんて思いながら町中を散策するのも楽しかった。 ……けれど、本当に探してるのは隠れ家的名店でもなければ観光名所でもない。 あのときちゃんとさよならもできなかった友人に、会いたかった。ただそれだけだ。その後悔に苛まれて俺は数年生きてきた。 一人暮らしというのは自由だが、だからこそ慣れない家事に悪戦苦闘する日々だった。 ろくに料理などしたことない、してもらうことが当たり前だった俺が自炊できるはずもなく、毎日どこかに外食したりデリバリーサービスを頼むようになるまでそうかからなかった。 一週間経った頃だった。 講義を終え、自宅マンションへと帰るために駅で電車を待っていた。 今日は何を食べようか。帰ってからどこを行こうか。そんなことを考えながら駅のホームに突っ立っている。 電車というのも一人暮らしをすることになって初めて乗った。満員電車を経験したときはカルチャーショックだったが、今は人間はここまで詰め込まれることができるものなのだなと感心するくらいだ。……まあ無傷では済まないが。 待ってる時間、手持ち無沙汰になりながらもキョロキョロと辺りを見る。乗りそこねないように自分が乗る電車の時間と現在時刻を何度も確認する。ホームに流れる音声も、人の声に掻き消される。今日は土曜日だからこの時間帯は帰る人と遊びに行く人がごった返してるようだ。 ……この調子じゃ、座れそうにないな。 なんて思いながら、溜息をついたとき。隣に並ぶ長身の陰に視線を奪われる。 俺よりも身長が高い人間がいると、つい目を向けてしまうのだ。……それはもうあの日の幻影に囚われてる証拠だろう、あいつじゃないかと思って探してしまう。癖のようなものだった。そして全然知らない人であることが十割なのですぐに目を逸らすのだけれど、今回は、違った。 癖っ毛気味な長めの髪。黒のダッフルコートに覆われた猫背気味な背中。真っ白く細い手。革のブックカバーに覆われた文庫本を手にしたその男を見た瞬間、息を飲む。 「っ、……」 隣に並ぶその男は周りのことなんか知らない顔してイヤホンで耳栓して本を読んでいた。 その冷めた横顔には、見覚えがあった。 栫井、と喉先まで出掛けて、息を飲む。 もしかしたら似てるだけのそっくりさんかもしれない、違う人かもしれない、もし違ったらどうしよう。そんな心配がぐるぐる回る。けれど、それらを考えるよりも先に体が動いていた。 「……っ栫井……?」 何も考えられなかった。とにかく、引き止めなきゃ。そんな思考に追われ、俺は男の腕を掴む。見開かれる目がこちらを向いた。そして。 「……っ、なんで、お前……」 久し振りの挨拶もない。 ただ、幽霊を見たかのような顔をしたその男は、苦々しそうに続けた。 「なんで――」 予期せぬ再会なんてドラマだけの世界だと思っていた。 けれど、まさかこんな場所で、おまけに同じ電車を待っていたなんてことあるだろうか。 嬉しくて、だってずっと会いたかった相手の一人だ。そんな相手を見つけることができて喜ばないはずがない。そう思っていたのだけれど……男は、栫井はそうではなかった。 「……なんで、帰ってきたんだよ」 □ □ □ 栫井と再会した日、このまま別れたくなくて俺は栫井を食事に誘った。 断られる前提で誘ったのだが、やけに素直に栫井は「別にいいけど」と首を縦に振ったのだ。 多分、栫井も俺に山ほど言いたい文句はあったはずだ。けれど、今まで何してたんだと怒鳴るわけでもなくただ「場所は俺が選んでいいか」なんて言い出すのだ。 あれから数年経ってるのだからお互い変わっているところがあってもおかしくはないはずだ。けれど栫井は丸くなったというか、優しくなったというか……とにかく、そんないい意味で変わった栫井に調子狂わされていた。 電車を乗り換え、栫井が指定した駅で降りる。 「……栫井、ここに住んでるの?」 「……別に、お前には関係ないだろ」 「そ、そうだけど……」 こういうところは変わってないな。 思いながらも、見慣れない駅で降りた俺は栫井に誘導される。連れて行かれた場所は駅前通りにあるダイニングバーだ。 間接照明のみの薄暗い店内に流れる静かな音楽。店内は若い男女が多い。普通に美味しそうな料理の匂いもするのだが、肩を触れさせ合ってるカップルが目につくたびになんとなく居心地の悪さを感じた。 そして俺たちは当たり前のように奥の個室に通され、そして当たり前のようにそこはカップルシートで。 「か、栫井……は、ここによく来るの?」 「……たまに。飯が美味いから」 「……へぇ〜」 ……あの草しか食べないような偏食の栫井が。 誰と、なんて聞けなかった。上着を脱ぎ、壁のハンガーに掛ける栫井はこちらを振り返った。 「ん」と手を差し出してくる栫井。お前も脱げ、と言われてるようで緊張したが、確かに室内は外よりも暖かい。俺は少しぎこちない動きで上着を脱いで自分でハンガーに掛けた。 まただ。栫井が優しい。本当は根っからの冷血漢ではないと知っていたけど、ここまで気遣われると逆に戸惑う。それとも俺が意識しすぎなのだろうか。 「……それで、なんで帰ってきたんだよ」 ソファーに腰を下ろして、注文して、一息ついたとき。先に運ばれてきた酒に口をつけ、栫井は横目でこちらをジトリと睨む。 思いの外近いところにある栫井の顔に少しぎくりとしながらも、俺は慌てて視線を伏せた。 「……なんでだろう、……けどずっと決めてたことだったから」 「お前、お前んちの親が出てきて無理矢理転校させられたって聞いたけど」 「そうだね、そうだけど……誰に聞いたの?」 何気なく聞いたとき、息を吐くように栫井は目を伏せた。 「…………志摩亮太」 その口から出てきた名前に、全身が粟立つのを感じた。 忘れかけていた体温が一気に込み上げてくるようなその感覚に堪えられず、俺は気付けば栫井の腕を掴んでた。 「志摩と、連絡取ってるの?」 「……あのときは、あいつがテンパって俺のところまで来たんだよ。……今は取ってねえ。……お前は、まだあいつと会ってないのか?」 「……うん、ずっと探してるんだけど居場所すらわからなくて……あの、連絡先とかわかるんだったら教えてほしいんだけど……」 「…………あいつに会って、どうすんだよ」 え、と口からアホみたいな声が出た。対する栫井はくすりとも笑わずにただこちらを冷めた目で見ていた。 「こんなこと言ってやる義理もねえけど、あいつ、お前が勝手にいなくなったって聞いたときすげえうざかったんだからな。……お前がまた逃げたって、裏切ったって、殺してやるって喚いてた。そんな恨み辛みをこっちにまで吹っ掛けてきやがって……」 何かを思い出したのか、苛ついたように栫井はぐっと酒を煽る。頼んでいた俺のカクテルも届く。料理が美味いと言っておきながらつまみはない。 本当はお互いに分かってたのだろう、本当にただ食事するだけのつもりはないと。 「それは……ごめん、本当に……ごめん」 「そういうのはもういいんだよ。……それに、謝る相手は俺じゃねーだろ」 「……っ栫井……」 「お前が自己満だかなんだかであいつに会いに行ったところで志摩亮太は本当に喜ぶのかって話だろ」 「最悪、お前死ぬぞ」と一言。 忠告なのか、未来予知なのかわからない言葉を口にする栫井に俺は返す言葉もなかった。 ……考えなかった、わけでもない。 裏切るな、逃げるなと言っていた志摩から形はどうであれ志摩が最も嫌がることをしてしまった。 一度や二度ではない、仏ではない志摩に三度目は通用しないだろう。 だから、最悪志摩の気が済むのなら……それでもいいと思った。そんなこと、栫井に言ったら呆れられるのだろうから言わないけれども。 「……栫井は、俺の心配してくれるんだね」 「今はそんな話してんじゃねーだろ」 「再会してからも思ったけど、栫井、なんか……優しくなったね」 「…………はあ?」 大きな溜息混じりのその声に、つい苦笑する。 やはり、この手のお世辞は栫井に一切通用しないな。栫井はうんざりしたような顔して舌打ちをし、そして俺のグラスを指す。 「それ、早く飲めよ」そういうかのような栫井の目に、俺はわかったよ、と答える代わりにグラスの中の色鮮やかなアルコール飲料に口をつけた。 フルーティな甘みが鼻から突き抜ける。喉から全身へと広がる心地よい熱。……酒は、強い方ではない。 けれど付き合いで飲まされることがしばしばあり、大分慣れてきた、というところか。それでも栫井のようにグイグイ飲むことはできないだろう。 「……お前、俺が優しいとかよっぽど酷い扱い受けてんのか」 「そう……じゃないよ。栫井が、前の栫井に比べると……こうして俺と一緒にお酒飲んで……色んな話してくれるのが不思議で……嬉しいんだ」 「もう酔ってんのか」 「違う、酔ってない。……本音だよ」 「…………へえ」 栫井が優しいから、ちゃんと話を聞いてくれるから……ついいろんなことまで言ってしまう。こちらを見ていたやつの目が細められる。その視線に含まれた意図まではわからないが、それでも、懐かしいという気持ちの方が強かった。 「栫井は……その、どうしてるの、今。……あれから、ここにいるってことは……」 「別に。お前には関係ないだろ」 「……はは、そうだね。……ごめん、立ち入ったこと聞きすぎたね」 あのとき、栫井がどんな立場にいたのかを俺は今思い出した。そして自分のあまりにも不躾な言葉に悔い、恥じた。 栫井は事実上あの地獄から抜け出すことはできていた。けれど、それは俺とは違う退学という形だ。それも、その退学の理由も理由だ。あのときの妊娠させた子と赤ちゃんはどうしてますか、なんて聞けるわけがない。 「……少なくとも、お前の想像してる方のがマシだろうけどな」 「……栫井」 「俺の話はいいだろ、酒が不味くなる。……それよりも、お前の話聞かせろよ。……何してんだよ、今」 なんとなく、声が甘く聞こえるのはアルコールのせいなのか。それとも栫井も栫井で酔いが回ってきてるのか?薄暗い照明では栫井の顔色まではわからない。けれど、向けられるその目にじっと見られると顔が焼けるように熱くなる。 「俺は……大学に通うために一人暮らし始めたんだ」 「お前が?一人暮らし?……できんの?」 「全然慣れないけど、なんとかやってるよ」 「自炊とかしてんのか?」 「しないよ。外食メインかな」 「……そうだな」 「もしかして栫井も一人暮らししてるの?」 「…………いや、違う」 栫井の表情が陰る。声のトーンが一つ落ちる。なんとなく、その間から色んなことを想像してしまった。 実家に帰ってるのかとか、多分そう思うのが普通なんだろうけど、自嘲的な笑みを浮かべる栫井に俺は他人の影を見た。 「……同棲してるの?」 余計なことを聞くな、と頭の中で理性的な俺が叫ぶ。けれど、アルコールに浸し始めた脳に理性など意味をなさない。 栫井は答える代わりにグラスの底をぐっと持ち上げ、中を一気に飲み干した。 そしてもう一杯、今度は俺と同じ酒を頼む。 「……同棲っていうと、変な感じだな」 「……違うの?じゃあ、えと……シェアハウスっていうやつ?」 「ちげーよ、バカか?……つか俺がそんなことするように見えるのかよ」 「……見えない」 栫井は呆れたように笑った。それは俺を笑ってるというよりも、自分を笑ってるような、そんな力ない笑い方だ。 栫井は、よく笑うようになったと思う。けれど、その笑顔はどれも冷めたもので。 「……まあいいや、勝手に妄想でもしてろ」 「妄想って……」 「好きだろ、お前。……そうやって余計なことばっか考えて自分で青くなったり赤くなったりしてんの、よくやってただろ」 そんなこと覚えてるのか。それこそ忘れてていいものを……。 言い返すに言い返せず、俺は恥ずかしくなるのを紛らすようにグラスに口をつける。 「お前ちまちま飲みすぎだろ」 「……だって、一気に飲むとアルコールが回りやすくなるから気をつけろって言われたから」 「……弱いのか?」 「弱い……のかもしれない」 流石に一口飲んで意識飛ばすようなことはないけれど、こういう雰囲気のある店だと余計酒が回りやすく感じる。 けれど、意識はまだはっきりしてる。ただ全身が火照ってきて、少し……口が軽くなってるのがわかった。 「……変わらないな、お前」 栫井が動いたとき、肩同士がぶつかる。 けれど、体が当たっても栫井は俺から離れることはなかった。 店員が飲み物を置いていく。栫井だけが注文したはずなのに何故か二人分ある。目を丸くしてたら、「お前の分」と俺のグラスの横にまた新しく追加するのだ。 ……俺を酔わせようとしてるのだろうか、だとしたら無駄なことだ。もう大分酔いが回り始めてるのだから。 「……俺は、結構自分で変わったと思ってたんだけどな……」 「例えば」 「……例えば?……どうだろ、言われてみれば……すぐ出てこないな……えと……お酒飲めるようになったとか……?」 「…………考えて出てきたのがそれかよ」 「…………うん」 自分で言って悲しくなってきた。落ち込む俺をじっと見ていた栫井は、「やっぱ変わんねえだろ」と吐き捨てる。そして。 「つうか、まず見た目が変わってねえ」 「……そりゃ、言っても二年くらいだし……」 「それでも大抵は変化してるだろ。……なのにお前、髪短くなっただけだろ」 「そ、そんなことないって!」 「あるだろ。……体も薄いままだし」 「肩も細えままだな」いきなり肩を抱かれ、ぎょっとする。自然な動作で肩を撫でられ、咄嗟に栫井を見た。すぐ側には眠たそうなやつの顔があって。 「っ、栫井……酔ってるだろ」 「……そりゃ、酒飲んでるんだし?」 「……っ」 栫井は大人っぽくなった。高校生のときから周りの同級生に比べると一際落ち着いて大人っぽく見えたけど……年を重ねて雰囲気が一層洗練された。なんて思っていた一時間前の自分を殴ってやりたい。 意地の悪い笑い方も同じだ。そして、手の早さも変わらない。 栫井に会いたかったのも本当だし、お礼も、謝罪もしたかった。なのに、こんな形で有耶無耶になるのは嫌だった。酒を飲んでてもその意志だけはちゃんと働いてたらしい。 「栫井、あの……同棲、してるんだよね」 「……ああ」 「……そういう相手がいるのに、こういうことするのは……どうかと思うんだけど……」 言ってて、恥ずかしかった。自意識過剰野郎と言われても仕方ない、けれどこれは俺にとって大切なことだった。 いくら俺が今まで流されてきたとはいえ、今はもうお互い子供のままじゃないはずだ。 ……なのに、真剣な俺の想いを聞いたはずの栫井は呆れたように目を丸くして、そして笑う。 「……お前さぁ、なに、同棲はあれかよ。婚前のカップルしかしてねえって思ってんのか?」 「……え……ち、違う……の……?」 「違うっつーか……そーか、ま、別にいいけど。勝手にそう思ってれば?」 恋人でもない、家族でもない。なら誰と暮らしてるんだ、と聞き返そうとした矢先、栫井の手が背筋に伸ばされる。 俺の上半身を抱き寄せた栫井は、唇がぶつかりそうになるその直前で動きを止めた。 「っ、栫井、待って」 「……なんだよ、まだなにかあんのか」 「……近いっていうか、なに、これ」 「何って……まだ分かんねえの?……ノコノコついてきておいて今更ぶってんじゃねえよ」 「何、言って……」 言い掛けて、唇を塞がれる。軽く触れ合わせるだけのキスに、十分熱を帯び始めていた体が一瞬にして沸騰しそうになるのが分かった。 誰かの体温をこんなに近くに感じたのはあの学園にいた頃以来だった。いくら栫井があのとき何度か体を重ねた相手だとしてもだ、あまりにも当たり前のようにキスしてくる栫井に混乱する。 「か、こい……やめろって……!」 いくら酒の場だとはいえ、ここで流されてはいけない。 そう必死にブレーキを掛けながら、俺は栫井の胸を押し返し、引き離そうとする。出口から奥に座ってしまってるお陰で、栫井を押し退けない限り逃げられない。 俺が拒否すると、先程まで機嫌がよさそうだった栫井の表情が一瞬にして冷めたものになり、息を飲んだ。 「……っ栫井……」 「……じゃあ、なんで俺についてきたんだよ」 「っ、それは、ただ、栫井と話したくて……」 「ただ話したくて?……よくそんなこと言えるな」 そう、冷たく吐き捨てるその無表情はあの頃俺に見せていたものと同じで、ゾッとする。 ほろ酔いしてた頭も一気に冴え渡るのが分かった。 「やっぱお前、変わってねえわ」 「……俺も、お前も、全然変わってねえ」胸ぐらを掴まれ、強引に体を引き寄せられる。 二度目、重ねられる唇は今度はすぐに離れなかった。 【next to continue...】