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クチバシ
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快楽実験体になるために自ら囮になった女性警察官の末路

「ん゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙ッ゙ッ゙♡」 四肢をきつく拘束された裸の女が、全身を痙攣させながらよがり狂っている。 ボールギャグの奥から、艶めかしい絶叫を上げていた。 「い゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ゙い゙ゔゔゔゔゔゔゔゔっ゙っ゙♡」 白目を剥いて快楽に打ち震えるその姿に、理性は感じられない。 頭をぶんぶんと振り、折りたたまれた状態で固定された肘と膝を床に叩きつけて、致死レベルの絶頂に抵抗しているように見えるのが痛々しかった。 そんなハードな拷問系のAVにも見える映像に、私は見入ってしまっていた。 ここは警察署で、捜査一課の刑事のみが入室できる資料室である。 最近、巷を騒がせている『少女連続失踪事件』の対策本部が設置されることになり、その事件資料の事前確認をしようとしていたところだったのだが、既に先客がいた。 後輩の川口くんがPCでなにやら熱心に映像を見ていたのだ。 彼のPC画面を覗き込んでみたところ、裸の女の子があられもない姿をさらしている動画を見ているようだった。 最初は隠れてAVでも見ているのかと思い、説教をかましてやろうと考えたのだが、川口くんにそんな度胸があるとは思えない。すぐに、そのAVとも形容できる映像が事件の重要資料であることに考え着くことができた。 そばにいる私に気が付かないぐらい真剣に視ている様子だったので、私も彼の肩越しからその映像を確認することにしたのだ。 映像の内容は、拘束された女の子が快楽拷問を受けて、連続して絶頂し続けるというものだった。20分ほどで女の子が失神し、最後に媚薬のCMのようなものが挿入されていた。 私は映像が終了したことを確認して、川口くんに声をかけた。 「なにこれ?」 「うわぁっ!?」 川口くんはコメディ漫画さながらに飛び上がり、座っていた椅子が倒れるぐらいに驚いてみせてくれた。 「ごめんね、私も途中から一緒に見ていたの。これもしかして、誘拐された女の子?」 「高鶴先輩……声をかけてくださいよ……」 「だから、ごめんって。真剣に見てたからさ」 川口くんは不満そうに顔をしかめながら、椅子を立て直している。 「これは最近、裏ルートで出回っている薬の広告映像です。特別な会員でないと観られないそうです。映像に映っているのは……はい、行方不明になった女性のひとりと特徴が一致しているので……」 「薬の広告ね……つまり、製薬会社が女の子を攫ってるわけ?」 「十中八九、そうなるかと。会社という実態があるのかは不明ですが……」 「ふーん……違法薬物よね?」 「はい、認可されていない薬物ですね。詳しい成分は解析中ですが、覚せい剤の……アンフェタミン? でしたっけ? それに近いものが検出されたらしいですよ」 「なんだ、薬はもう手に入ってるのね」 「ええ、薬物中毒で入院中の被害者の自宅から発見されました」 「じゃあ、購入ルートを洗えば解決じゃない」 「それが難航してまして……被害者はもう廃人になっちゃってて意思疎通が取れませんし、入手ルートも上手いこと隠蔽されていて、追えないんですよ。ヤクザも関与してるっぽいですし」 「ああ、だからマル暴も招集されているのね」 「そういうことです。高鶴先輩も今日から参加ですか?」 「いや、分かんない。今日のミーティングは捜査一課全員が呼ばれてるはずだよ」 「はぁ……そうですか、面目ないです……俺たち初動班が解決できていれば、こんな大事にはならなかったんですけど……」 「川口くんが謝ることじゃないでしょ。かなり難しい事件だと思うし、最初から全力で当たろうとしなかった上が悪いのよ」 「そうかもしれませんが……こうしている間にも被害者が増えていると考えると……」 「くよくよしないの。これ以上被害者を増やさないよう、対策本部が設置されるんだから、勝負はこれからよ。ほら、もう会議が始まるわ、行きましょ」 すっかり丸まった川口くんの背中を叩いてから、私は資料室を後にした。 *** 対策本部のキックオフミーティング会場には見知った顔が集まっていた。捜査一課の面々はもちろん、マル暴のエースや、科学捜査チームの顔見知り、普段はどこで何をしているか分からないお偉い方まで、みな神妙な顔つきで前方のホワイトボードを睨みつけている。 ホワイトボードには、行方不明者たちの顔写真と、これまでの捜査レポートが貼り付けられていた。 マスコミが喜ぶ類の事件だということもあり、日夜問わず事件についての報道がされていた。そのマスコミの扇動を受けて、SNSでは警察にヘイトが集まっているのだ。ここ数日、署内がやけにピリついているのはそのためだった。 まずは対策本部長である警視総監からの号令があり、それから事件の概要と経過説明、最後に各チームの分担が発表された。 組織図には、私、高鶴千穂の名前はどこにもなかった。よくよく確認してみると、他の女性捜査官たちの名前も見当たらなかった。 つまるところ「女性を狙った事件であるため、捜査チームは男性のみで構成する」という結論になっていたのだ。 私含め、そこにいた女性全員が抗議をしたが、決定は覆らなかった。被害者が多数出ているのに、警察である自分たちが我が身を案じている暇などない、と思うのだが、どうもそういう考えには至らないらしい。 万が一警察官からも被害者が出れば、マスコミはさらに警察の粗探しに躍起になるだろう。それを恐れているのだ。下らないが、公的な組織が保身を何より優先するのは世の常だ。 結局、私は裏方に回り、男たちが慌ただしく出ていくのをただ見ているだけの1週間を過ごすことになった。 *** 対策本部が設置されてから、1週間と2日が過ぎていた。その間に行方不明になった女性は3人、犯人の情報は一切なし、目撃者もいない。 居ても立ってもいられなくなった私は、対策本部にある提案をすることにした。 「本件の早期解決には囮捜査が必要です。私がやります」 「いや、しかし……囮捜査なんて、世間にバレでもしたら……」 「万が一の際には、私の独断で行ったものと処理していただければ」 「失敗すれば、君も無事ではすまないのだぞ」 「危険は承知の上です。やらせてください」 本部長の承認を得るまでに数日もの時間を要したが、要望通り囮捜査が行われることが決まった。最重要機密事項として扱われるため、囮捜査の実行は完全に隠蔽される。私が囮になることを知っているのは、警視庁内でもごくわずかだそうだ。失敗した際の偽装のために、様々な書類を用意させられた。 時折みせる、地位のある人間の軽薄さには頭が痛くなる思いだった。 世間体とやらが、それほどまでに大切なのか。 いや、ここまでにしておこう。 自分の欲望を優先しようとしている私に、正義を語る資格はないのだから。 *** 川口くんの肩越しに観たあの映像が脳裏にこびりついていた。 ふとした瞬間に、あの女の子の表情を思い出してしまう自分がいた。 犬のような恰好で拘束され、白目を剥きながら身体を震わせていたあの娘。 彼女は今も、地獄のような快楽の中にいるのだろうか。 薬を打たれ、強制的に絶頂させられるというのは、どれくらい苦しいものなのだろうか。 あの映像を観るために、夜遅く何度も資料室に行った。 自分がマゾであることは知っているつもりだったが、まさか、性被害の犯行映像で興奮するような人間だとは思わなかった。 警察を目指したのは、弱き人々に寄り添うためではなかったのか? と自問する夜もあったが、どうも私の本性は爛れた欲望に忠実な雌犬だったらしい。もはや、その事実に落ち込むことすらしなかった。それぐらい、あの映像の女の子に心を奪われていたのだ。 ――自分も壊されたい。 ――何も考えられなくなるまで、イカされたい。 その下劣極まりない飢えのようなものが、私を突き動かすようになっていた。 劣情からなる活力で調べ上げた情報を使い、誘拐のターゲットに私が選ばれるように行動を開始した。 結果、存外あっさりと囮捜査は成功した。被害者が続出していた街に赴き、人通りの少ない時間、場所を練り歩いていたところ、背後から薬品の匂いがするハンカチを鼻に押し当てられた。その瞬間は驚いたが、すぐに冷静になった。 (殺されたら、ま、その時はその時か) そんなことを考えながら、私は適当に抵抗するさまを見せたあと、淫獄に堕とされる自分の今後に期待して、意識を手放した。 薄型のマウスピースに埋め込まれたGPS発信機によって、私の現在地は警視庁内の情報部員に送信されている。私が誘拐されて、犯人たちの拠点を特定したのち、包囲網を敷く。手筈通りに事が進めば、私が目を覚ますころには大捕物が始まっているはずだ。 でも、そうはならないことを私は知っている。 なぜなら、私はGPS付きのマウスピースを着用していないからだ。意識を失う直前にマウスピースの入った小さなバッグをわざと放り投げておいた。財布やスマホも一緒に入っている一般の女性が持っているようなバッグだ。万が一、誘拐犯に回収されたとしても、発信機の存在のすぐに気づけるようにしているので、問題はない。 私からの連絡が途絶えたことを受けた情報部員は、慌てて現場に向かうだろう。でもそこに私はいない。 自ら囮捜査を買って出たバカな女刑事は、マウスピースの着用を拒んだせいで犠牲になった。と、そういうなんとも間抜けなシナリオの出来上がりである。情報部も、頭を抱えながら私の存在を抹消してくれることだろう。 *** 「むぉ……」 目を覚ますと、視界は真っ黒だった。 一瞬、死後の世界に来てしまったのかと錯覚したが、すぐ身体の感覚が戻ってきたので我に返ることができた。視界が真っ黒なのは目隠しをされているせいだ。 声が上手く出せないのは、口に詰め込まれたプラスチックの球体のせいだと、すぐに分かった。私はこの味を良く知っている。オナニーするときに、よく自分で咬ませていたからだ。私は舌で穴の開いたボールを舐めるだけで興奮できる女なのだ。 どうやら、ちゃんと誘拐されることには成功したらしい。 『自分は今、誘拐されて拘束されている』 そう心の中でつぶやくと、下腹部の奥が火照るのを感じた。 興奮を抑えながら、現在の状況を整理してみる。 恐らく、空中に浮いている。 腕は後ろ手に、足は折りたたまれて縄で縛られている。 逆海老縛りというやつだろう。きつい体勢を強制されるので、拘束感をより一層感じられる縛り方だ。 その格好のまま、天井から吊られているのだろう。 身体がくるくると回っている感覚がある。 服はすでに剥ぎ取られているようだ。 どうせ裸にするなら、なにかバイブでも挿れておいて欲しかったものだ。 「うむぅぁ……♡」 それでも、この浮遊感と拘束感はマゾを狂わせるのには最適なものだ。性感帯への直接的な刺激がなくとも感じることができるのが、マゾの嬉しいところだ。 とはいえ、いつまでもこの状態のままで焦らされたくはない。私はあの動画の女の子のような絶頂地獄を望んで誘拐されたのだ。私の身体はもう、あれぐらいの拷問でなければ満足してはくれない。拷問官様には、さっさと登場してもらなくてはならない。 「むがああ!! ふうううううううう!!!」 (おーい! 起きましたよ~! 煮るなり焼くなり好きにしろ~!) 身体をゆすりながら、自分の存在をアピールしてみる。 「あ、お目覚めですかね?」 扉の開く音と同時に、透き通った可愛らしい声が近づいてきた。 「う……!?」 「すみませんね、急に襲われて怖かったでしょう?」 誘拐犯とは到底思えない、優しい声色だった。 人を攫って、薬で廃人にしようというのだから、犯人の姿は粗暴で下品な男を想像していたところだ。裏路地で眠らされた時もかなりの力を感じたので、大男だと思い込んでいた。もしかしたら、攫ったのはヤクザかそこらのチンピラで、いまここにいる女はまた別なのかもしれない。 「ちょうど、この間仕入れたモルモットが廃人なったところですから、あなたの出番もすぐに来ますよ」 「うぅぅぅっ!!」 「口枷、外して欲しいのですか?」 いや、別に外して欲しいわけじゃない。なんとなく抗議っぽい声を上げてみただけだ。 ボールギャグは好きなので、むしろ外さないで欲しい。 どちらかというと目隠しの方を外して欲しいのだが、ここは誘拐されたかわいそうな女を演じるために、首を縦に振っておく。 「すみませんが、モルモットと喋る趣味はありませんので、口枷はそのままです。あなたは私の話をただ聞いていてください。これからあなたの身に起きることを教えてあげます」 「むが……!?」 「まず、あなたには私が開発している薬のモルモットになっていただきます。計画しているのは、人間の脳における快楽物質の分泌促進薬、俗称をいうなれば、即時絶頂薬、連続絶頂薬の実験体になっていただきます。あとは、絶頂抑制薬も開発も進んでいるので、そちらもあなたに試せると良いですね。期待していてください」 「ふぉぉ……♡」 『大当たりだ』と思った。 どうやら私はこれから、文字通り絶頂漬けにされるらしい。 縛られて吊られているだけで軽くイっているのに、そんな話を聞かされたらもう、期待と幸福感でいっぱいになってしまう。 「ふむ……」 「いぁっ……♡」 突然、乳首の先から鋭い快感が全身に走った。 黒一色の視界に、雷が落ちたような錯覚に襲われた。 つねられた? 「はあ、なるほどなるほど……」 膣内をまさぐられている。 細い指の感触が、ひだひだをかき分けて私の奥へと進んでいく。 ぐちゅぐちゅぐちゅ。と下品な音が部屋に響いていた。 「おあああぁぁ……♡」 「あなたは、そういう人なんですね」 「うぅ……?」 「いいですね、耐久力もありそうですし、壊れるまで使ってあげますよ。もともと私の薬は、あなたのようなどうしようもない変態のためにありますから、うん、ちょうど良かった」 バレた、一瞬で。 まあ、誰でも分かることだ。この状況で、乳首を固くして、下の口から涎をだらだらと垂れ流している女を見れば、10人中10人が『こいつはマゾだ、それも超がつくほどの』と言ってのけるだろう。 「気が変わりました」 「……?」 私の後頭部で、金具が外れる音がした。 目隠しが外され、私の網膜が光の処理を思い出し始めた。 6畳ほどの狭い部屋、壁はコンクリートで、打ちっぱなしだった。 そこの中央に私は吊られている。目の前には、よれた白衣を着た美少女がいた。乱雑に切られたショートの黒髪が特徴的だった。おそらく、セルフカットだろう。 彼女は無表情で、冷たい瞳を私に向けていた。 数秒、彼女は私と目を合わせた後、口枷をも外してくれた。 なるほど、気が変わったというのは、モルモットと話す気になったのだと、そういうことか。 顎に違和感の残る私は、目の前の女の第一声を待った。 「何か言いたいことは?」 黒髪の美少女は、平坦なトーンでそう聞いてきた。 私は少し考えてから、口を開いた。 「あなたの売っている薬、全然効かなかったわよ」 「……は?」 「動画の女の子みたいにイキ狂えるって聞いたから買ったのに、期待外れだったって言ったの。で、何? 壊れるまで使ってあげる? そう、じゃあ、やってみたら? ケチな媚薬しか作れない、出来損ないの薬剤師に出来るもんならね」 半笑いで言ってやった。 煽っている途中、クールを貫いていた女の表情にわずかな怒りが現れたことを私は見逃さなかった。思った通り、自分の薬に対するプライドは高いようだ。 手っ取り早く壊してもらうためには、拷問官の怒りの買うのが一番だ。 女からの返答が無かったので、更に煽ってやろうと思い口を開いた瞬間、ボールギャグを押し込まれた。先ほどよりもきつくベルトを絞められて、頬が痛かった。 別に薬などは使ってもいないし、買ってもいなかったのだが、どうやら私の嘘はかなり効いたらしい。 女は私の髪を掴み、その手を乱暴に振り払った。逆海老の状態で固定された私の身体は回転し、女に尻を向けたぐらいのところで止まった。 突如、膣内が満たされる感覚があって、それに押し上げられるようにして私は絶頂した。 「お゙お゙っ……♡」 息が詰まるぐらいに極太のバイブが、私の下腹部を貫いていたのだった。 「む゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙♡」 起動したバイブに秘所をかき回され、嬌声を上げる私に背を向けた女は、何も言わずに部屋から出て行った。 幸せの絶頂生活が始まった瞬間だった。 *** それから私は、快楽実験のモルモットとなった。 薬の影響により、ラバースーツを着用していなければ空気に触れるだけで絶頂する身体に改造された。 「ふーっ♡ ふーっ……♡」 「良かったですね。これでもうあなたは、そのラバースーツなしでは生きられない身体になりましたよ。マゾはみな、ラバースーツが好きでしょう?」 「うぁあ゙あ゙あ゙あ゙ぁ♡」 「あなたがそう毎日絶頂し続けられるのも、私の薬のおかげですよ。感謝してくださいね」 白衣の女はことあるたびに、自分の薬の効果を誇示してくるようなっていた。 「はぁ……♡ はぁ……♡ ショボい、薬ばかり作って……恥ずかしく、ないの……っ? 私ひとりぐらい、さっさと壊してみなさいよ……!」 なんて煽りをしてやれば、明日の実験がより厳しくなる。 「黙りなさい、マゾ豚。言っておきますが、手加減しているだけですからね。簡単に壊れてもらっては、こっちが困るんです」 ほら見たことか、分かりやすい女だ。 女はブツブツと呟きながら、ウィンチのレバーを引いた。すると、鉄のフレームによって腕は降参のポーズ、脚は情けないガニ股で固定されている私の身体が浮き上がった。 適当な高さに吊られた私の身体に、鞭が振り下ろされる。 「くひぃぃぃぃ♡」 ラバースーツ越しの鞭の味は、甘美だった。 「普通なら、こんなので気持ち良くならないんです、よっ!」 ラバースーツと鞭が弾け合う音が、部屋に響き渡る。 「うああ゙っ♡ イグっ♡」 「モルモット風情が! 私の薬を馬鹿に、するなっ!」 女は力任せに何度も鞭を振るった。 そのたびに私は、マゾらしく情けない声を上げて絶頂した。 もはや私は、この女の薬の虜になっていた。 『馬鹿にするな?』だなんてとんでもない、むしろ賞賛したいぐらいだ。私はただ、もっとキツい責めをして欲しいだけ。 もっと私を、被虐のヒロインとして扱って欲しい。 そんな私の浅はかな願い事に呼応するように、女はまた鞭を持つ手を振り上げては、叩き下ろす。 「あなたはもう、逃げられないんですよ!」 「あっ♡」 痛みを快楽に変換する薬でも打たれたのか、元々私がそういう体質なのか、あるいはそのどちらもであるのか。鞭で打たれ、非人道的な扱いを受けている自分が愛おしくて、心地よく感じた。 「ここで!」 「ううううっ♡」 「ずっと!」 「はあぁっ♡」 「死ぬまで!」 「ぐあああっ♡」 「私の実験のモルモットになるんですっ!」 「ぐううっ♡」 「さっさと!」 「っ♡」 「堕ちろっ!」 「あ゙あ゙あ゙あ゙ッ……イっ……っく♡」 白目を剥いて、快楽への敗北を認めるこの瞬間が最高に気持ちが良い。 毎日毎日、飽きずに私を悦ばせてくれるこの科学者のコスプレのような恰好をした女は、まだ気が付かないのだろうか。 ――とっくに堕ちてるよ。 『あんたの薬は最高だ』なんて言ったら、どんな顔をするのだろうか。もしかしたら満足して、家に帰してくれるかもしれない。 「どうですか。私の作ったこの新薬。認める気になりましたか? これは、すべての人に快楽をもたらす薬です。人々の性生活を、新たな段階へと押し上げる素晴らしい発明なんですよ。あなたはそれを、一足先に体験できているの――」 「まったく……ぜんぜんっ……たり、ないわ! こんなものなら、童貞とセックスした方がマシ……っ!」 「あなたという人はっ……!」 もはや、怒りを隠そうともしなくなっていた。 顔面を紅潮させて、肩で息をしている。 彼女は数秒間、私を睨みつけた後、ロングディルドの付いた口枷を私の口内に差し込んできた。途中、異物を吐き出そうとえずく私の頬を何度もビンタして、罵ってきた。 私が苦しんでいるとでも思っているのだろう。 マゾにとっては苦しいのも痛いのも、全てご褒美でしかないのに。 私の食道がロングディルドでいっぱいになったのを確認して、横にあったタブレットを操作した後、部屋から出て行った。 「ぅ……っっっっっっ♡♡♡」 私に着せられているラバースーツには、様々な機能が備わっている。全身をマッサージする機能。膣内、子宮、腸内、尿道や乳首といった性感帯から、腹や首筋、脇、足裏といった、通常であれば性感帯にはなりえない部分にまで、くすぐり機能や性感電極が取り付けられていた。 先ほどのスパンキングのような彼女の手による実験時以外は、このラバースーツが私の調教師になってくれる。 「ゔゔゔゔゔ♡」 ――身体のどこがイっているのか分からないのが辛い、けど、気持ちいい♡ ロングディルドは今までになかった責め苦なので、喉奥を支配された感覚が新鮮で、最高だった。 鉄に固定された全身が小刻みに震えている。股間から噴き出す潮は全て、ラバースーツに繋がっている管によって回収されていった。 新しい薬が出来たか、または新たな実験を思いついた時に、彼女は戻ってくる。それまで、私はメスの匂いで満たされたこの狭い部屋の中央に無様な恰好でぶら下げられたまま、イキ続ける。 壊れさえしなければ、この幸せの時間はまだまだ続いていくだろう。 同僚のみんなは、もう私のことを諦めてくれただろうか。 私が囚われてからは、誘拐事件は起こっていないはずだ。彼女の興味が私に向いている限り、他に新たなモルモットはいらないだろうから。 出来れば、この事件は迷宮入りになって欲しい。 頼むから、誰も助けに来ないで欲しい。 せっかく快楽実験のモルモットになることができたのだから、長く、長く、楽しまなくては損だというものだろう。 *** 捕らえられてから何カ月も経ったある日のこと、私はよくわからない機械に両手両足を飲み込まれたまま、連続絶頂させられていた。重厚なアイマスクも、長いディルドギャグも、私の通常装備になっていた。 「今日は、新しい実験を行います。イってばかりでも疲れるでしょう」 いつものように白衣の彼女がやってきて、平坦なトーンで言った。 首元から注入される薬剤が変えられる音がしたと思ったら、すぐに身体に異変が現れた。いつものように、鋭い絶頂に押し上げられる媚薬ではない。 「ぉ……?」 私は疑問を伝えようと喉奥を鳴らしたが、ディルドギャグのせいで音らしい音は鳴らなかった。 「数日、私は旅行に出かけます。その間、どうぞ楽しんで」 彼女はそれだけ言って、部屋から出て行ったようだった。 当然、全身の責め具はフル回転したままだ。 流石の私も少し恐ろしくなったのだが、それが杞憂であることに考え着いたのは、もう少しに後になってからだった。 責め具の気持ち良さは変わらない。 数秒の間に、絶頂寸前まで押し上げられる。 快楽に慣れさせてはもらえない。 毎日毎日、絶頂に飽きが来ないように様々な部位が、様々な種類の責めに晒されている。 そして、短いスパンでイキまくる。 それが私の毎日だった。 なのに、今は絶頂することができない。 絶頂寸前まではイケるのに、解放することが出来ない。 ――ああ、これは本当に壊れてしまうかもしれない。 と、そう思った。 絶頂抑制の薬を投薬されたのだ。 『イケない』というのは、私のようにひたすら快楽を求めるマゾにとっては地獄になる。 「ぉぉぉぉッ……♡ ぅぉぉぉッ……♡」 ものの数時間で、私は狂った。 完全に拘束された身体を震えさせ、出来る範囲で暴れた。 片方の手だけでも自由になれば、オナニーが出来る。 辛い、気持ちいい、辛い、気持ち良い、辛い、辛い、辛い、イキたい。 早く帰ってきて、お願い、お願い、お願い。 「ッ……♡ ッ……♡」 絶頂寸前の快楽と、解放できない苦しみに耐えるマゾはひとり、ディルドギャグの奥から泣き叫び続けた。 *** 何日放置されていたかは分からない。 帰ってきた彼女は「お土産です」と言って、私にぴったりのサイズの貞操帯を持ってきた。 それから、手や足の拘束が解かれ、何か月か振りの自由を手に入れた。自由と言っても、檻の中に入れられて、更には鎖付きの首輪で移動範囲は制限されている。アイマスクは取ってもらえたが、ディルドギャグはそのままだった。 「ぉ……♡ ぉぉぉ……♡」 何日も絶頂させてもらえずにいたのだ、お願いだから貞操帯を外して欲しいと懇願してみたが、当然ながら無視された。 久しぶりに自分の手でオナニーがしたかった。 私は自分の股を覆い隠している鎧をさすったり、叩いてみたりして、意思表示を続けた。白衣の彼女はそんな私を見下ろして、満足そうに片方の口元を上げただけだった。 それから3日ほどだろうか、檻の中で貞操帯に泣かされる日々が続いた。 その間、私は何度か絶頂を迎えることができていた。 性感帯はラバースーツや貞操帯に封じられている、そんな状態なのに、絶頂していたのだ。 今、自分の置かれている被虐的なシチュエーションに思いを馳せると、自然と身体が震えてくる時があった。 研究施設に捕らえられ、強制的に絶頂させられたり、絶頂抑制剤を投与され、寸止め繰り返されたり、まるで夢のようなシチュエーションが現実にあるのだ。 いじめられている自分が可愛かった。 苦しんでいる自分を想うと、ゾクゾクと快感が湧き上がってきて、そのままイクことができた。便利な身体である。 絶頂抑制の苦しみも、マゾにかかればこの通り、快楽の元になっていく。 性感帯への刺激なしでイクのは、天使の羽で愛撫されているような心地よさがあった。 その夢心地のまま眠りにつく。 そんな数日間を過ごした。 *** 私が誘拐されてから、もう1年ほどになるだろうか。 その間、私への調教が休まることは無かった。 性感耐久実験をする、と言われて絶頂状態から降りてこられないようにされて、何日も放置されたり、「神経の修復薬を試す」と言われて、更に長期間連続絶頂させられたりと、私というモルモットを使って、彼女は様々な実験を行っていた。 私という高耐久のモルモットを手に入れて、人を攫ってくる必要がなくなった。と、いつだったか彼女は言っていたので、誘拐事件の収束に一応は寄与できたということになる。 おとり捜査で殉職した女刑事の存在も、誘拐事件の真実と共に闇に葬られているだろう。 自分自身の欲望を満たすために行動した結果だったが、完璧に近い筋書きで事は進んだ。 連続絶頂の余韻に浸っていた私は、ふとそんなことを考えていた。 「先日あなたで実験をした、ドーパミン分泌薬が飛ぶように売れています。投与した瞬間に叫び散らかしながら絶頂して、そのまま失神した時の、あの薬です」 この1年間聞き続けた、透き通った女の声がしたので、意識そちらに向けた。内容は至極どうでもいいものだった。別に薬の売れ行きになんて興味はない。さっさと新しい快楽地獄に落として欲しいのだけど、口も目も封じられた私には、意思表示する手段はない。 「あなたには、これからもモルモットとして生きていただきます。イキ狂っても、イキ死んでも、絶対に逃がしてはあげません。私の新薬を一番に堪能して、その素晴らしさを全身で示していただきます。よかったですね、嬉しいですか?」 「むぉぉ……♡ ぉぉ……♡」 「ふん、いいでしょう。その強がりがどこまで続くか見ものですね。今日にでも、私の薬のすばらしさを思い知らせてみせますよ」 「ぉ……♡」 『はい、嬉しいです』と答えたつもりだったが、全く伝わっていないらしい。 まあ、向こう10年ぐらいは私を使ってくれそうな感じがするし、別にいいのだけど。 今日はどんな快楽実験を味わわせてくれるのだろう。 楽しみで仕方がない。


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