被虐願望に溺れた少女が監獄最下層で永久懲罰を受けるまで
Added 2025-06-13 15:14:33 +0000 UTC旧市街。 ネオンが溢れ、眠れぬ人々が集まっていたこの街も、今や見る影もない。 政治家の都合で建てられたひときわ大きなビル達は光を失い、崩れ、沈黙している。 立て壊されることもなく放置された結果、ホームレス達の隠れ家に成り果てていた。 「おうい。こっちだ、こっち」 「なあ、本当にヤれんのかよ」 「その手に持っている唐揚げ弁当をくれたらな」 「はん……べっぴんじゃなかったら帰るからな」 「ああ、若いのは好きか?」 「あ? まあ、いけるぜ」 「よし、ついてこい」 二人の男が廃墟ビルに入っていく。 彼らはおよそ服と呼べるものを身に着けてはいない、いうなれば小汚い布を被っているような恰好だった。 「おめえら、こんなところを住処にしてんのか? 崩れたらどうすんだよ」 「どうするって、それまでよ」 「潔いことで」 「おい見ろ、あの子だ」 案内役の男が指さした方向を、唐揚げ弁当を持った男が確認する。 手枷、首輪、足枷が壁や天井から伸びており、それらに拘束されて裸体を大の字にして晒している少女がいた。天井から伸びている首輪は高さがぎりぎりで、首を吊らないようにつま先立ち強制させられているようだった。 がっちりと固定された目隠しと口枷が、少女の小顔を強調している。 「おいおい……上物じゃねえかよ」 弁当が案内役の男に手渡される。 「へへっ、まいど。あとは好きにしてくんろ」 「何をしてもいいのか?」 「あぁ、殺すなよ? その子は時間になったら元の場所に返さなきゃならないんだ。弁当を食って昼寝したら戻ってくる」 「わかったよ」 *** 「んおぉ……」 壁が崩れて鉄筋が見えている廃ビルの一室に、少女の艶やかな声が響いている。 股間には凶悪な責め具が突き刺さっており、少女はいつまでこうしているのか、足元には水溜まりが出来ていた。 「せめてその首輪は外してやるから、悪く思わないでくれよ、お嬢ちゃん」 男の言葉に、少女は首を振った。 「あ? 外してほしくないのか?」 少女は頷く、それで首が締まったのか苦しそうにうめき声を上げた。 「ほお……なるほど、そういうクチね。どこで攫ってきたんだと思ったら、とんだ変態が飛び込んで来たってわけか」 『変態』という言葉に反応して、少女の身体が跳ねた。 「痛いのが好きか?」 少女は頷く。 「苦しいのも?」 少女は頷く。 「辱められるのも好きなんだな?」 少女は頷く。 「いいだろう。遊んでやる」 *** 「おい、そろそろ時間だぞ」 「あぁ、もう十分だ」 「随分と激しくやったな」 「この娘が望んだことだ。別に趣味じゃねえ」 だらんと力の抜けた人形のようになっていた少女の身体は赤く腫れ、精液にまみれている。 「後片付けはするから、もう行っていいぞ。また取引ができそうなら呼んでやる。唐揚げ弁当が最高にうまかったからな」 「あぁ……次は、この娘以外を頼む」 「ん? どうして」 「負けた気分になる」 「はぁ?」 「こいつ……どれだけ責めても悦んでやがったんだ。壊すつもりでやったんだがな」 *** 少女は目覚めると、まず初めに痛みを思い出した。 「うぁあ……」 拘束は全て外れている。 「起きたか」 「あ……」 ホームレスの男が、少し離れたところに座っていた。 「もう夕方になる。いつものトイレで身体を洗ったら、早く帰りなさい」 「はい……ありがとうございます」 「感謝なんてするな。おかげで弁当にありつけた」 「はい……」 「難儀なもんだな。どこで覚えたのが知らんが、痛みと苦しみの快楽を求めて辿り着いたのが、こんな場所だとは」 「ここの人は、私を物扱いしてくれるので……そんな場所、他にありません」 「そうかい……嬢ちゃん、名前は?」 「鏡花です」 「いい名前だ。もうここへは来るなよ、鏡花」 「……努力してみます」 *** 「鏡花! また旧市街に行ったわね! あそこには近づいちゃだめって先生言ったよね!? なんで聞けないの!?」 「ごめんなさい」 「ねえ……旧市街で一体何をしてるの? あそこは危険な人がたくさんいるのよ……?」 「遊んでくれる人がいるの」 「はぁ……次、旧市街に行く時は先生と一緒に行くって約束して、お願いだから。先生は心配なの」 「うん……わかった」 「いい子ね。ほら、今日はもうお風呂に入ったら寝なさいね。明日はメンタルケアチェックの予定だから、しっかりね」 「はい、おやすみなさい」 *** 今日も先生に怒られました。 先生は、親に勘当され身寄りのなかった私を引き取ってくれた恩人なので、あまり悲しませたくありません。 でも、自分ではどうにも抑えられないのです。 いつも、ふと気が付けば私はあの旧市街にいて、裸にされ、拘束され、痛いことや気持ちいいことをたくさんされています。 その時間が、私にとっては至福の時間なのです。 自分が普通ではないことぐらい、私にもわかります。 私をこうさせてしまったのは、犯罪者として監獄で過ごしていたあの時間です。 私は重犯罪者として、監獄で様々な懲罰を受けました。 当時は、自分に何が起こっているのかよくわかっていませんでした。 よくわからないけれど、何か自分は悪いことをしてしまって、それでお仕置きをされているのだと思っていました。 監獄での生活に自由は一切なく、常に痛みと苦しみの中にいました。 泣いても、喚いても、懲罰が止まることはありませんでした。 そんな地獄のような毎日を過ごしていましたが、私は絶望していませんでした。 絶望するどころか、ここが私の居場所なのだとすら思い始めていたのです。 それがどういうことなのか、今なら分かります。 私はマゾだったのです。 マゾヒストという言葉を覚えたのは最近です。 痛み、苦しみ、不自由、恥ずかしさ、それらに幸せを感じるのが、私にとっては当たり前でした。 どうも世間では、そういった人間のことをマゾヒストと呼ぶようです。 元々マゾの素質があったのか、監獄での懲罰に耐えるための生存本能でマゾに目覚めたのか、どちらなのかはわかりません。 ただ、私は懲罰を望んでいました。 拘束されることを望んでいました。 それだけが楽しみになっていたのです。 遊ぶことも、学ぶこともろくにしてこなかったマゾがあの監獄で過ごせば、快楽を覚えることが唯一の救いになるということです。 私は一生ここで、お仕置きされ続けるのだと思っていました。 それが私の運命で、マゾの私に与えられたご褒美だと思っていました。 しかしながら、私の思い通りの運命にはなりませんでした。 ある日突然、私は釈放されました。 冤罪だったのです。 あっけなく、私の懲罰生活は終わりを迎えました。 数時間前まで、人ではないような扱いを受けていた女の子が、突然、社会に放り出されるのです。 何が起きているのか、理解できませんでした。 親には既に縁を切られているため、どこに行けばいいのか、何をして生きればいいのか、何一つ分かりません。 そんな私を哀れに思った人がいました。 先生が拾ってくれたのです。 それから私は養護施設で暮らし始めました。 先生は私に、たくさんの愛情を注いでくれました。 普通の子が味わえるであろう幸せを、先生は私に与えてくれました。 でも、私はもう普通ではありません。 普通になろうと努力はしました。 けれど、駄目だったのです。 思いのほか、マゾの烙印は私の中に根強く刻まれていたのです。 *** 「鏡花さん、最近は落ち着いているようですね」 「はい。ドクターのおかげです」 真っ白な髪をした年配の男が、鏡花の前に座っていた。年齢はおよそ70歳ぐらいだろうか。彼が着ているよれた白衣から発せられている清潔な洗剤の香りが、鏡花の部屋を包み込んでいた。 「施設の子とは、仲良くなりましたか?」 「それは……まだ、少し難しくて」 「大丈夫ですよ。無理せず、ゆっくりでいいんです」 「はい……」 「先日はまた旧市街に遊びに行ったと聞きましたが……怒られたでしょう?」 「はい、怒られました」 「旧市街で、友人が出来たのですか?」 「友人……ではありませんが……」 「ああ、いいんです。せっかく自由の身になったのですから、思い通りに、行きたいところに遊びに行くのもいいでしょう。ただ、旧市街は危険がいっぱいですから、十分気を付けてくださいね」 「はい、ありがとうございます」 「うん、経過は良好ですね。先生は怒るでしょうけれど、自分で外に出て、楽しいことを見つけているなんて、素晴らしいことです」 「はい……その、ドクター。ひとつ聞いてもよいでしょうか」 「どうぞ」 「自由というのは、良いものなのでしょうか」 「……そうですね、行きたいところに行く、遊びたい時に遊ぶ。鏡花さんと同じぐらいの年齢の子はみなそうやって過ごしています。もちろん、学校に行って学ぶ時間もありますが、それも含めての『自由』です。鏡花さんもこの先、自由を謳歌して、楽しい思い出を積み重ねていくんですよ」 「……」 「鏡花さん?」 「いえ……少し、あの頃を思い出していました……」 「そうですか……辛いことを聞くようですが、思い出した時に体調が悪くなるといったことはありますか? または、衝動的に何かをしてしまいそうになるとか……」 「どうでしょうか。特には……」 「ふむ……強いですね、鏡花さんは」 「強いですか?」 「ええ、鏡花さんにはPTSDの兆候があまり見られないようです。本来、ああいった経験をしてしまえば、何らかの症状が現れるのが普通なのですが……」 「私、普通じゃないんですね」 「ええと……良い意味でね。精神的な強さを持っていると言っていいでしょう。鏡花さん、よく立ち直りましたね」 「いいえドクター、私は立ち直ってなんていません」 「おや……心配事があるなら、話してください」 「……話したら、きっとドクターは私を軽蔑すると思います」 「しません。どうぞ、話せる範囲で結構ですよ」 「……身体の疼きが、治まらないのです」 「疼き、ですか?」 「あの日々の感覚が脳裏にこびりついているような感じなんです……放っておくと、身体が勝手に反応し出して、私を……その、最低な人間に堕とそうとしてくるのです」 ドクターは神妙な表情で、鏡花の次の言葉を待っていた。 「ドクター、私、変ですよね」 「いや、変ではありません」 ドクターは柔和な表情を作って答える。 「ドクターは、痛いのが好きですか?」 鏡花の表情が歪む。 笑っているのか、泣いているのか、ドクターには判別がつかなかった。 「ドクターは、苦しいのは好きですか?」 鏡花の息遣いが荒くなる。 「鏡花さん、落ち着いて。大丈夫ですから」 「ドクター、私はもう治らないんですよ。普通には生きられないんです! だって、自由なんて私、欲しくない!」 「わかりました、落ち着いて。さあ、座ってください」 「ご、ごめんなさい……私……」 「謝ることはないですよ。でも、そうか……珍しい症状だな……」 「……たまに発作みたいに、こう……こみ上げてくるんです」 「ええ、わかりました。治療方法を考えておきます」 「できるんですか……?」 「PTSDの一種でしょうから、治療できます」 「そう、ですか。よかった」 「一緒に頑張りましょう。鏡花さんなら、きっと大丈夫です」 *** それから、私の治療が本格的に始まりました。 精神療法の一環で、ドクターや看護師さんと一緒に散歩したり、音楽を聴いたり、運動をしたり、そういう時間が多くなりました。 そんな穏やかな毎日を1か月ほど過ごしたとある日、持続暴露療法と呼ばれる認知行動療法がルーティーンに取り入れられました。 これは、無意識に回避している事柄に向かい合い、トラウマに対する想像での暴露や、現実での暴露を繰り返していくことで、過去のトラウマの克服を促す治療法だそうです。 これが私にとって逆効果だったみたいです。 監獄での出来事を、強く思い出すきっかけになってしまいました。 懲罰のことを思い出すたびに、私はベッドのシーツを濡らしました。 そもそも、私のこの症状はトラウマによるものではありません。つまり、PTSDの治療を受けること自体が間違いだったんです。 でも、私はドクターを恨んだりなんてしません。 私はもともと、こういう人間だっただけということでしょうから。 養護施設で友達が出来なかったことに、落ち込んだ夜もありましたが、今となってはそれでよかったのだと思っています。 さようなら、先生。 さようなら、ドクター。 望まない自由を与えられた私を、保護してくれてありがとうございました。 でも、監獄の外に私の居場所はありませんでした。 私を満たしてくれる場所へ、帰ろうと思います。 馬鹿だと思います。 最低だと思います。 恩を仇で返すようなことになってしまい、申し訳ございません。 手に入れた自由を使って、私は私の本当に行きたいところに行こうと思います。 *** 「立花鏡花さんですね、志願囚制度の申し込みは取り消せません。よろしいですか?」 「はい、大丈夫です」 「ではこちら、あちらのテーブルで内容をよく読んで、記入してきてください」 かつて鏡花が収監されていた監獄『新東京地下収容所』のエントランスに、彼女は戻ってきていた。 今頃、先生たちは大慌てで私を探していることだろう。 (まさか、監獄に戻って志願囚になってるだなんて思いもしないんだろうなぁ……) 鏡花は辺りを見回す。この小綺麗なエントランスに思い入れはない。地下の薄暗くて、高温多湿で、うめき声だけが鳴り響く監獄フロアが鏡花の求める場所だ。 志願囚の申込書を見る。 文字が多すぎて、全てを読んでいたら日が暮れてしまうだろう。 (先生に見つかったら、また自由の身になっちゃう……はやく人権を手放さなきゃ……) 鏡花は迷いなく、チェックボックスにレ点を記入した。 人権:永久放棄 期限:無期限 仮釈放:無 囚人レベル:最重犯罪者 懲罰レベル:最大 拘束レベル:最大 「ふぅっ……ふぅーっ……」 呼吸を整える鏡花。 (あともう少ししたら、いっぱいイケるから……頑張れ私の身体……っ!) 「あ、あの……書きました」 「はい、受理します。少々お待ちください」 受付のアンドロイドに書類を渡すと、彼の目が光り出した。記入内容をデータ化し、中枢機関に確認を取っているのだろう。 「有人確認に移行します。少々お待ちください」 「あ、はい……」 「あー、聞こえますか。立花鏡花さん」 急にアンドロイドの発声が人間らしいものに変わる。 「はい、聞こえます」 「無期限、人権の永久放棄にチェックがついてるけど、これ、意味分かってる?」 「知っています」 「ふうん……君、冤罪で懲罰を受けてた子でしょ。どうして戻ってきた?」 「……外の世界で、自分が本当に求めているものに気づいたからです」 「あ、そう。ま、いいけどね。でも、囚人レベル、懲罰レベル、拘束レベル最大はおすすめしないよ。たまーにいるんだけどね、破滅願望にまみれた変態でも、後悔して逃げるように帰っていくもんさ」 「後悔しても、無期限の場合は逃がしてもらえませんよね?」 「うん、そう。だからさぁ、悪いことは言わんから、やめておきなさい。期限は1カ月とかにしておいた方が良い。それでも、死にたいと思うほどの苦しみを味わうことになるだろうけどね」 「……いつか解放される責め苦なんて、私にはぬるすぎます」 「もったいないな、人生を棒に振るつもりなのか?」 「いいえ、違います。最高の人生を送りたいから、ここに来たのです」 「あっそ。じゃあ、承諾してあげるけど。もう取り消せないからね。自分で死亡届を出すのと同じだよ、これは」 「はい、承諾をお願いします」 鏡花の膝は震えていた。 欲望と期待を内包した少女の蜜が、真っ白な太ももを伝い、地面に落ちた。 「志願囚契約が完了しました」 アンドロイドは元の無機質な喋り方に戻っていた。 「あ……」 (終わった……また、あの場所に閉じ込められるんだ) 「最重囚人を確認、ナンバーS4833、拘束を開始します」 「ふぅっ……ふ……あ……イク……あああああああああああああああああっ!」 破滅の快楽に呑み込まれた少女の絶叫がエントランスに響き渡る。 白目を剥いて、座り込む鏡花。 今まで抑えていた全てが放出された。 「イクっ……イキますうぅぅぅぅぅぅっっ!」 受付のアンドロイドは絶頂に叫ぶ少女を目の前にしていながら、まったくの無反応だった。 「死ぬぅっ……イキ死ぬっ! 自分の人生終わらせて、イキ死ぬぅぅぅっ♡」 少女の身体が激しく痙攣する。 座り込んだ少女の周りに、潮が広がっていく。 「あがっ……♡」 耳を劈くような嬌声が支配していたエントランスが、突然静まり返る。 やがて、看守の制服を着たアンドロイドがどこからともなく現れ、失神した少女の細い腕に手錠をかけた。 気絶しながら身体を痙攣させている少女は台車に乗せられ、監獄へと運ばれていった。 *** 「ん……」 「S4833の起床を確認」 「あぁ……帰って来たんだ」 あの頃過ごしていた、狭くて暗い独房の中に、鏡花はいた。 「私語は慎みなさい」 アンドロイドが鏡花に向かって鞭を振り下ろした。 「っ……!」 鏡花の裸体が赤く腫れる。 「これを着用しなさい」 鏡花は手渡されたものを広げた。 蛍光色に近いオレンジと黒色で構成された全身ラバースーツだった。胸元にS4833と印字されており、下腹部にはバーコードが刻まれていた。およそ股間に当たる部分には、2つの突起が生えており、鏡花の小さな体には似合わない太さをしている。 (これ……懐かしいなぁ。暑いんだよね) 愛おしそうにラバースーツをさする鏡花。 「命令には速やかに従ってください」 鏡花は無表情のアンドロイドに向かって微笑み、ラバースーツに脚を通した。 意を決して、膣内と肛門に異物を招き入れる。 (案外、すんなり入るもんだなぁ。ホームレスのおじさん達のおかげかな) 腕まで通して看守に頷くと、背中のジッパーが自動的に引き上げられた。 着用して間もないのに、鏡花の身体中から汗が噴き出してきていた。監獄内は高温多湿である。看守はすべてアンドロイドであるため、快適にする必要はない。このフロアの囚人は人間とは見なされないのだ。 (へへ……♡ もうべちゃべちゃだ……) 「待機姿勢の説明をします」 鏡花はアンドロイドの説明を聞くまでもなく、肩幅より少し広めに両足を開き、腕を背中側で合わせた。 「……説明の必要はないものと判断されました。首輪を装着します」 重厚な金属音がして、少女の細い首が極厚の鉄の輪に隠された。 「その首輪は二度と外せません。人権を永久放棄した囚人に装着されるものです」 (あはっ……♡ もう本当に、逃げられないんだぁ♡) 「ラバースーツは、我々の管理スタッフの手によってのみ着脱が可能です。違反行為等が確認された場合には、貴女に挿入されている懲罰棒が振動します」 鏡花が頷く。 瞬間、懲罰棒が動き始め、少女の膣内と肛門が激しく揺さぶられた。加えて、全身に電流が流れる。普通の人間であれば痛みを感じるレベルの電圧であるが、鏡花にとっては慣れたもので、むしろご褒美になっていた。 「ひああああああああああっ♡」 「待機姿勢中は、視線を前方から逸らさないようにしてください」 「はいぃっ♡ ごめんなさいっっ♡」 慌てて姿勢を正す鏡花。 「その姿勢のまま、『良い』というまで待機するように」 アンドロイドが出ていき、独房の扉が閉じられると、かすかな光を発していた照明が消えた。 一辺5メートルほどの正方形の部屋。無機質なコンクリートに囲まれた独房の中央には、決められたポーズのまま、微動だに出来ない少女が独り。 ラバースーツの中には少女から染み出た汗と愛液が溜まっていた。 「ただいま……♡」 少女が呟いた瞬間、彼女の性感帯の中からモーター音が鳴りだし、華奢なその身体を焼き焦がすかのごとき電流が流れた。 少女は歓喜とともに絶頂し、その快楽に身を打ち震わせた。 *** **** ***** 鏡花が人でなくなって早1年、管制室で二人の男がコーヒーを片手に駄弁っていた。 「彼女、なかなか更生の様子が見られませんねぇ。もうこれで、何度目の指導懲罰か、数えるのも面倒なくらいですよ」 「S4833のことか? あれ、犯罪者じゃねえよ」 「え? でも、人権は永久放棄ですよね? 懲罰レベルも最大だし」 「志願囚だよ。囚人レベルが最重なのも、本人の希望ってわけ」 「マジですかぁ?」 「マジ。ありえんだろ?」 「いやぁ……信じらんないですよ」 「もっとあるぞ。数年前、冤罪なのに最重囚人として懲罰を受けてた女の子いたろ? 覚えてるか?」 「ああ、覚えてますよ。名前は……なんでしたっけ?」 「立花鏡花」 「ああ、それだ」 「S4833がその子だよ」 「は……はぁ? どういうことです?」 「なんだよ、察しが悪いな。戻ってきたってことだろ。懲罰の味が忘れらんなくなって、せっかくシャバに戻れたのに、人権も何もかも放棄して、いまや監獄最下層の問題児だ」 「うわぁ……ますます信じらんないですよ」 「ま、元々とんでもねえ変態だったのか、懲罰のせいでおかしくなっちまったのか知らねえが、気の毒だとは思うね。冤罪ふっかけられてなきゃ、ああはなってなかっただろうからな」 「なるほどなぁ……だから違反ばっかりしてるんですねぇ……懲罰室に入れられるのが目的だったってわけですか」 「そういうことだ。だからもう、あいつへの懲罰は遠慮しなくていいぞ。若いのに可哀そうだとか思ってただろう?」 「まあ、そうですね……最重囚人であんなに若い子、他にいませんから。なんか理由があるんだろうなぁって思ってましたよ」 「苦しいのが好きなんだろうからな、せめて願いをかなえてやれ。それが大人の優しさってもんだ」 「皮肉なもんですねえ」 「冤罪が全て悪い」 「まあ、そうですね。じゃあ、懲罰の設定は変えときますわ」 「おう」 *** 「ふぐああああああああああああああああああああああっっっっっ♡ はぁっ……はぁーっ……はぁ……はぁ……」 人間の体液が混じり合い、すえた匂いのする懲罰室の中に鏡花はいた。 手足は左右に置かれたボックス型の機械の中に飲み込まれ、首輪は天井と繋がれている。アイマスクと口枷が、少女の顔面を覆っていた。 膣、子宮、肛門、直腸、クリトリス、乳首、脇、耳、掌、足裏、鏡花の神経が通っている部位の全てに、凶悪な責め具が取り付けられていた。 問題を繰り返す最重囚人の更生を促すための懲罰も、鏡花にとっては性的快楽を得るためのものでしかない。 常人であれば、廃人なってしまう責め苦である。 連続する快楽の先は、底知れぬ苦しみなのだ。 苦しみを求めてよがる少女の人生は、悪意、憐憫、愛情に満ちたものだった。 最終的に手に入れた『愛』を捨てて、少女は人をあることを辞めた。 この懲罰室にいるのは、被虐を貪る獣である。 「ふぅっ……♡ ふぅっ……♡ むぐぅっ……♡ いふーっ……いぅっ♡」 ビープ音が鳴った。 少女に取り付けられていた責め具が活動を停止する。 「むおっ……」 (ああ……終わっちゃう、もっと懲罰して欲しいのに……) 『懲罰時間が延長されました』 「む!?」 『管制室より懲罰レベルの変更が行われました』 ビープ音。 『規定懲罰レベルを超えています。管理者は直ちに確認してください』 『懲罰レベルの限界突破が承認されました。人体実験レベルに移行します』 (どういうこと……? 流石に違反行為し過ぎた?) 『懲罰室内の酸素濃度を低下させます』 『懲罰鞭の電圧を上昇』 『懲罰快楽値:精神破壊』 『生命維持の投薬を開始』 全身の責め具が一斉に暴れ出す。 「むがああああああああああああああああああああああっ!!!!」 (あ、死ぬ……♡ これ、死ぬっ♡) 「っ……」 『対象の心肺停止を確認。蘇生します』 「ぎっ……が……! ふぅっ……! ふーっ……!」 (あぁ……そっかぁ……私のお願いごと、届いたんだ……) 『懲罰マスクを装着します』 少女のアイマスクと口枷が取り払われ、30cmほどの長さのペニスギャグが取り付けられた全頭マスクが即座に少女の顔を覆った。 「ぐええっ……ご……ふっ……」 小さな口に、黒いゴム状の張り型がするすると入り込んでいく。身動きの取れない少女はそれをただ受け入れるしかない。 全頭マスクの中で少女は笑っていた。 (もっともっと、苦しめてくれるんだね♡) 『懲罰時間が無期限に変更されました』 (あはは……♡ やっと、手に入れたぁ♡ ここが、私の居場所なんだ♡) *** *** *** 『懲罰期間が規定値を大幅に超えています。管理者は確認してください』 *** *** *** 『懲罰期間が規定値を大幅に超えています。管理者は確認してください』 *** *** *** 『懲罰期間が規定値を大幅に超えています。管理者は確認してください』 *** *** *** 『懲罰期間が規定値を大幅に超えています。管理者は確認……』 『懲罰中のS4833のアラートがOFFになりました』 『懲罰は無期限のまま継続されます』