絶頂エネルギー埋葬処刑
Added 2024-07-14 20:31:21 +0000 UTCサイレンが聞こえる。 赤と青の光が瞬きながら、私のいるビルへと近づいてくる。 迎えが来た。 やっとだ。 この時を待っていた。 私は無意識に股間をまさぐっていた。 濡れているそこから、いやらしい音がする。 息が上がっている。 心臓の鼓動が速くなる。 きっと自らを慰めるのも最後になるだろう。 *** 私がこの部屋に拘束されてから、もう2週間は経つだろう。 殺風景な部屋だった。 広さは4畳ほどで、壁と床はコンクリート打ちっぱなし。 中央に大の字の形をした拘束台が置かれているだけ。 私はこの台の上で固定されている。 初日に、私を連行した警官から、食事や排泄の心配はしなくていいと言われ、首からナノマシンを注入された。 私はそれから食事どころか睡眠すら取らなくても良くなった。眠くならないのだ。 不老不死の研究で作られたナノマシンだと説明された。 こんなものが世に存在するとは思わなかった。 しかし欠陥も多いようで、大きな副作用の一つが、使用者の筋組織を著しく衰弱させてしまうことらしい。 歩けなくなり、物を持つことが困難になるレベルまで筋力が落ち込んでしまうため、実用化には至らなかったと説明を受けた。 不老不死になれたところで、生活ができなくなれば何の意味もない。 人類が完璧な不老不死を手に入れるまで、あと何年かかるのだろうか。もうすぐそこまで来ている気もする。 「う…くっ…はぁ、はぁ、はぁ…」 また始まった。 絶頂の波が来る。 「ぐぅ…! はぁ…んうぅ! はぁはぁはぁ…はぁ…ふぅ…」 身体を震わせることすら許されていないため、快感を全身で受けきる。 絶頂の寸前、脳が危険信号を出しているのがわかる。が、何をできるわけでもない。 何度目の絶頂なのか、100回を過ぎたぐらいから数えるのやめた。 どうやら、通常のナノマシンではなく、強力な媚薬入りの物を投与されたようだった。 私のような重罪人を抑え込む目的があるらしい。 ただでさえすみずみまで拘束されているのに、一体私の何がそれほど怖いのだろう。 私はただの人間なのに。 *** それから何度か絶頂に耐え続けていると、重い扉が開く音が聞こえた。 扉を開けた人間が、私が乗っている拘束台の横に歩いてくる。 私は顔の角度まで厳重に拘束されているため、どんな人が入ってきたのか分からなかった。 もう少し近づいてくれればいいのに、と思った。 「大崎澪」 明瞭で透き通った女性の声だった。 自分の名をフルネームで呼ばれるのはいつぶりだろう。 連続絶頂の余韻が残っており、返事をする余裕もなかったのだが、その女性は淡々と言葉を続ける。 「喋らなくても結構です。ナノマシンの浸透が済んだようですので、これよりあなたの処刑を執り行います」 どくん、と胸が高鳴る。 絶頂。 絶頂。 絶頂。 私は白目をむいて、絶頂する。 処刑を執り行う、という言葉が、私を押し上げていく。 ああ、これはもう戻れそうにない。 気持ちいい…。 気持ちいい…。 気持ちいい…。 「少量の鎮静剤を投与します」 10分ほど絶頂し続けた私を、無言で眺めていたのだろうか。 鎮静剤を打たれた私は、息継ぎをしながらやっとのことで現実へと戻ってくる。 女性が注射をするために近づいてきたので、顔を確認することができた。 不自然なほどに整った顔立ちの美人だった。20代後半ぐらいだろうか。 まるでひと昔前に流行ったAI美女のようなアンリアルさが少し不気味に思えた。 「趣味が悪いですね…それなら早く打ってくれてよかったのに。おかげでイキ死ぬところでしたよ」 鎮静剤のおかげでほんの少し余裕が出てきた私は、悪態をついてみせた。 「私が質問した時のみ、答えてください」 女性は私の目をまっすぐに見て、平坦なトーンでそう言った。 ああ、違った、こいつは人間じゃない、アンドロイドだ。 私は悟った。 考えてみれば当たり前のことだった。2100年代にもなって、犯罪者の処刑を人間が担当しているわけがない。 そういう仕事は全部、アンドロイドが行う時代だ。 「私はあなたの処刑を担当するアンドロイドです」 案の定だった。 それなら、あのまま絶頂させ続けて欲しかった。 アンドロイドと会話するのは退屈すぎる。 「罪状を読み上げます」 「いや、そういうのいいから、もう早くやってくれない?」 「規則ですので」 舌打ちをしたが、アンドロイドは私の様子を気にもせず、私の犯した罪を小難しい言葉に変換していく。 私は人を殺した。 最愛の彼女だった。 大きな瞳で、上目遣いに見られるのが大好きだった。 私と同じで、猫が好きだった。 私と同じで、甘い物が好きだった。 私と同じで、変態のマゾだった。 唯一違ったのは、服の趣味ぐらいだろうか。 彼女はファンシーでかわいらしい服が好きだったが、私はシンプルで飾り気のない服が好きだった。 彼女のマゾ性癖に応えていくにつれ、私たちのセックスはエスカレートした。 「殺して、お願い」 それが口癖だった彼女の首を絞めたのが2週間前。 彼女の亡骸で3度オナニーした後、自分で通報した。 死に際はとても苦しそうだったけど、きっと最上の幸せを感じてくれていたことだろう。 そして次は、私が殺される番だ。 私はこの日を待ち望んでいた。 「以上が大崎澪、あなたの罪状です。何か言いたいことは?」 「ない」 「では、処刑を開始します」 あっさりだった。 昔は罰の執行までにかなりの時間をかけていたらしいが、今はすべてAIが判定する。 罪状が決まればすぐに執行になる。 殺人となれば一発で死刑になる。 人口減少が著しい現代、殺人は絶対に許されることではないらしい。 といいながら、私という人間を処刑しようというのだ。 どんなに人口が減ろうが、凶悪犯罪者はこの世に要らないらしい。 まあ、至極当然のことだと思う。 「処刑方法ですが、あなたには『埋葬処刑』が適応されます」 ああ、だめだ。 鎮静剤の効果がもう切れてきた。あとはまた昇っていくだけ。 気持ちいいのが止まらなくなる。 埋葬処刑、私が最も望んでいた結末だ。 生きたまま埋められる。死ぬことも出来ずに絶頂し続ける処刑法だ。 絶頂の際に身体から発せられるエネルギーを変換して電気に変える方法が確立されてから出来た処刑法だった。 処刑と言っておきながら死ねないとは、世知辛い世の中になったものだ。 人口もエネルギーも枯渇しているということだ。 現在この国にの地面には、いったいどれほどの罪人が埋まっているのだろう。 国も本当は、もっともっと埋葬処刑を実行したいのではないだろうか。 電気代もつい先月上がったばかりだった。 「一度、拘束を外します」 カチャン、カチャン、カチャン、と何度も何度も鉄の音が部屋にこだまする。 拘束具が外れていくのに、私の身体は1ミリも動かなかった。 きっと筋肉の機能がマヒしているのだろう。 全ての拘束が解かれたのに、台の上に全裸で仰向けになったまま動けないでいる自分が少し恥ずかしかった。 アンドロイドが何やら道具を準備しながら、埋葬処刑についての説明をしてくれた。 「埋葬処刑というのは、あなたの命をエネルギーへと変換する処刑法です」 それを聞いて、軽く絶頂した。 もういいから、さっさとしてほしい。 「先日あなたの体内にいれたナノマシンのおかげで、あなたは不老不死になりました。副作用として正常に歩いたり、物を持ったりすることができなくなっていますが、あなたは既に死亡している扱いのため、倫理的には問題ありません」 「はぁ…はぁ…わか…ったから、早くして」 私はもう我慢できなかった。 もっともっと絶頂したかった。 物みたいに扱われて、イキたかった。 「わかりました。では…」 アンドロイドが説明モードから執行モードに移行する。 床の箱から道具を取り出したと思うと、私の股間に何かを塗りだした。 「うっ…んっ…」 思わず声が漏れる。 「挿れます」 アンドロイドが宣言すると同時に、それは行われた。 「んうぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!!!!!!」 私の膣内に、極太の何かが一気に挿入された。 声にならない叫びを声をあげて、首をぶんぶんと振り回す。 イク。イク。イク。イク。イクイクイクイクイクイク!!!! 2週間媚薬漬けのままおあずけだった私の膣に、どうやったらそんな仕打ちができるのか。 アンドロイドは手を止めなかった。 私のアナルと尿道にも、とてつもなく太い何かが挿入される。おそらくバイブとか、そういう類の物だ。 そのたびに私は暴れるが、身体は一切動かない。 唯一、首から上が多少動かせるので、うー、あー、とか言いながら首を振り回す。 「次に永久貞操帯を装着します。中のバイブ等と共に無期限の耐用年数を誇る、埋葬処刑用の物を使っておりますので、あなたはもう永久にその異物感と快楽を感じ続けなくてはいけません。あなたへの罰です」 「あー…あー…あぁ…」 私は興奮で、我を失っていた。 やっとだ…。 やっとこの姿になれる。 「次に乳首にピアスを装着します」 アンドロイドがそう言った瞬間、乳首に鈍い快楽を感じた。 また絶頂する。 「がああああああああああああああ!!!!!!!!!」 私は獣のように叫んでいた。 「はぁぁ…はぁぁ…」 快楽を受け続けるのに精いっぱいだった私を横目に、アンドロイドは私の股間の突起に触ろうとしていた。 そこはちょっと待って、と言いかけたが間に合わなかった。 「ああああああああああああああああっ!!!!」 クリトリスから脳まで、快楽の電流が流れたような気がする。 私は今上げられる最大の声量で叫んだ。 気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい。気持ちいいいいいい!! え? これ永久に続くの? これが? 「責め具は次で最後です」 ピアス付きになった乳首とクリトリスにブラシの付いたカップが被せられる。 吸引機能がある性感具だろうか? 「一度、動作をチェックします」 「ま、待っ…ふぐぅっっ!!」 早くして、と言ったことを後悔した。 アンドロイドはまったくこちらの言う事を聞き入れない。というか、作業速度が速すぎて割って入れない。 容赦なく膣内、アナル、尿道、クリトリス、乳首、すべての責め具が動き出した。 「あ…」 声が出なかった。 目を見開いて、抵抗する。それぐらいしかできることがない。 黒目がぐりん、と上に回る。 無理だ、これは。 死ぬ。 気持ちよすぎて、死ぬ! 「はぁっ! はぁっ! はぁっ! はぁっ!」 過呼吸になっている私を見て、アンドロイドは頷いた。 「問題ないようですね。では次に全身拘束を行います」 責め具がオフになるが、私の身体は絶頂から戻ってこれていない。 息を荒げながらイキ続ける私を、アンドロイドが手早く拘束していく。 脚はぴったりと閉じられ、足の指、足首、ふくらはぎ、太ももに枷を着けて連結していく。 足はピンと伸ばした状態で固定され、まったく動かせなくなった。 腕も腰の横に揃えられ、枷で連結されていく。 私は気を付けの姿勢で固められていった。 数ミリの余裕もなく枷が連結されているため、仮に筋肉が元に戻っても全く動けないだろう。 お腹や胸には電極パッドのようなものが付けられ、そこから細いコードが伸びている。 「生体管理とエネルギー抽出を行う首輪を装着します」 私の首にぴったりと合うサイズの鉄の輪が付けられる。 「ああっ…! ああ…」 イきっぱなしで言葉が出ない。 ついに完全に拘束されてしまった。 待ち望んでいた状況に、私は絶頂で応えていく。 「顔の拘束を行います」 ああ、そうだ、まだあった。 私の自慢の顔面が、あっけなく終わっていく。 処刑されていく。 最高の気分だった。 「舌の位置は自分で調整してください」 口枷はペニスギャグのような形をしていた。 だらしなく開いていた私の口内いっぱいに男性器を模した物体が挿入される。 のどの奥にまでそれが到達すると、激しい嘔吐感が私を襲ったが、それすらも快感に感じてしまう。 これでもう、喋ることはできない。 私のひとつが処刑された。 鼻と耳の穴には、ゲル状の液体が注入された。 最初は水中にいるような感覚だったが、やがてゲル状の液体が固まり、世界から音が消えた。 鼻と喉が封鎖され、一瞬パニックに陥りそうになったが、空気が途絶えることはなかった。いつのまにか鼻から呼吸用のチューブを入れられていたようだ。 今まで味わったことのない閉塞感から絶頂し続けている私に、アンドロイドは全く興味を示していないようだった。 たった今、もう誰の声も聴くことができない、話すこともできなくなった人間が目の前にいるのに、拘束の手を一切緩めない様子である。 次にアンドロイドが手に取ったのは、厚手のラバーでできた全頭マスクのような代物だった。 流石に少し怖くなった私は、アンドロイドに語り掛けようとした。 「…! …!」 しかし、言葉が出なかった。口枷を挿れられているので当然である。私はパニックに陥っていたのだ。 お願いだからちょっと待ってほしいと言いたかったのだが、空気の音すら漏れなかった。いや、漏れていたかもしれないが、私には聞こえなかった。 アンドロイドが私の頭の上からラバーマスクをかぶせた。 彼女は無表情で、躊躇するそぶりもなかった。 暗闇。 何も聞こえない、動けない。 瞬間、私は今まででもっとも深い絶頂を迎えた。 *** 正直、それ以降はよく覚えていない。 さらに固められて、棺桶のような箱に入れられた気もするが、そんなことを気にしている余裕はなかった。 イきっぱなしだったし、感覚ももうほとんどなかったから。 ただ、気持ちいいのがずっと続いているだけ、それ以外には何もない世界。 深い絶頂の中にいて、心臓もずっとバクバク鳴ってる。普通ならきっと死んでいるんだろう。 呼吸も苦しいけど、苦しいのが気持ちいい。 もう何年もイキ続けている気がするけど、どれくらい経ったのだろう。 これが、変態マゾの私に相応しい末路。 完全拘束されて、生きたまま埋葬されて、暗闇の中でずっと気持ちよくなれて…最愛の彼女を殺した私が、こんなにも幸せになってもよいのだろうか。 あとはただ、永久に、二度と掘り出されることのないようにと願いながら、より深い絶頂へと堕ちていくだけ… ああでも、いつか、もし、何らかの事故で死ねる時が来るのなら、その時は向こうでまた、逢いたいな…