コミケの合同誌だけどメロンブックスで委託開始したよ!
コミケに行けなかった人はそっちで見てくれると嬉しいな!
(https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2759378)
↑↑メロンブックスの委託ページはこちら↑↑
(https://www.dlsite.com/maniax/announce/=/product_id/RJ01327025.html)
春節の大晦日、28日に公開予定です。
初の中国語簡体字版ということで、どういう感じになるか結構心配です。
イラストはたすろくずはさん
[Twitter](https://x.com/Lu_Zhangye) [Pixiv](https://www.pixiv.net/users/8194034) [Bluesky](https://bsky.app/profile/luzhangye.bsky.social)
第零話:プロローグ
タタタタタタタ
射撃音がする。埃っぽいストリート、黒い布で顔を覆ったサングラスの男達が窓越しにこちらに向けて撃ってきている。精度が良くないのか、正確なこちらの位置がバレていないのか着弾位置は不正確だ。だがそれでも私達は動けない。
ガソリンの匂いがして、そしてそのまま装甲車の駆動音が近づいてくる。次の瞬間ズダダダッズダダダっと重いマシンガンの射撃音が聞こえ、私達の前にいたサングラスの男たちが窓ごと沈黙する。
「Go! Go! Go! Go!」
私が叫び、ストリートを横断し、破壊された窓から建物に突入する。飛び散った破片と肉片、まだ舞い上がったままの埃をものともせずに一気に廊下への扉を蹴破る。
次の瞬間、別の部屋からパンパンパンっと射撃音が聞こえてきて、身を引く。私の背後の仲間がスタングレネードを見せる。そしてピンを抜くと廊下の向こう側へ投げ込んだ。次の瞬間全員が目と耳を抑える。響き渡る衝撃。
即座に私は仲間とともに突入する。
数人のギャングたちがうずくまっていた。
「Drop down! Drop down! Drop down!」
スタングレネードで耳をやられていることなどお構いなしに吠え、そいつらに武器を捨てさせ、武装解除し、手錠をかける。
まだ二部屋目だ。
後続の人員に武装解除させたギャングどもを任せて私達は再び廊下へ出る。廊下の両側にはもう二部屋見え、突き当りには階段がある。ハンドサインで私のチームが右側、後続のチームが左側をクリアすると示す。
ドアの脇に立って仲間たちにカウントを出す。そしてタイミングを合わせてドアをサブマシンガンの銃床でぶち破る。その瞬間嫌な予感がする。突入しようとした仲間たちを静止する。ほんの一瞬の差、あとゼロコンマ一秒遅れていたら危なかった。
耳をつんざく轟音、吹き飛ばされる壁。
ひどい化学薬品の匂いに鼻が潰れそうになる。
もしあのまま勢いに任せて突入していたら間違いなく私達は最初の部屋のギャングたちのようにミンチになっていただろ。
ブービートラップを兼ねた証拠隠滅。あたりに漂う薬品の匂いやガラス片、強烈なケミカルの臭気が間違いなくここで行われていたこと、ドラッグの製造を示している。ただ、それがどれほどの規模で、どのように製造され、そしてどれほどの量がストックされていたのかは今や闇の中になってしまった。
私達が背中をあずけていた壁は吹き飛び、それどころか二階の床も吹き飛んで上の階があらわになってしまっている。それほどまでに破壊的な爆発だったのだ。
「クソっ!」
思わず日本語で呟く。完全に情報が漏れていたとしか思えない。
何より、実態を調査するべくわざわざ無理して国外での作戦にまで秘密裏に参加したというのに、この分だとほとんど全ての貴重な情報は消されてしまっているだろう。
わかったのは相手がまともな神経をしていないほど荒っぽく、豊富な武器と情報源をもっていて、場合によっては警察組織と癒着している可能性さえもあるということだけだ。
爆風に巻き上げられた布切れが目の前を舞っている。黒地に赤い薬瓶に巻き付いた毒蛇、麻薬カルテル『ヴァイパー』のシンボルだ。私はその布切れを掴むと怒りのままに踏みつけた。
第一話:SOCRT
数週間後、日本、空港で私、古泉ミカゼは迎えに来た懐かしい男と抱き合っていた。
「ミカゼ、本当に心配したんだからな」
キミヤ、私の夫だ。私よりもやや慎重でおとなしい男。代わりにうまく根回ししてくれる器用なやつでもある。
「キミヤ、大丈夫だ。私がたかがギャングごときでビビると思うか?それよりこれからしなければならないデスクワークのほうが頭が痛いんだからな」
そんな私の軽口にぎゅっと抱きしめることで応えてくれる。じんわりと帰国した安心感が彼から伝わってくる。この安全な母国を守りたいと心のなかで誓わざるにはいられない。
「もう、そんな事を言って!毎日のレポートを僕が見ていないとでも思っているの?ミカゼがどんな死線をくぐり抜けてきたか読みながら心配で眠れなかったんだから」
「それはこっちのセリフだぞ。ちゃんと例の計画を進めているんだろうな」
「うん。でも、本当に必要なの?」
そう問いかけるキミヤの視線をグッと捉える。
「ああ、絶対だ」
「そう…か。じゃぁ、仕方ないな…」
キミヤの若干臆病な視線が覚悟を決める。
「ミカゼの提案していた海外の麻薬カルテルに対する即応部隊は予定通り招集されることになるよ。人員はミカゼの要求よりも少なくなってしまったけど、装備については今までよりも遥かに高火力になるはずだ」
「そうか、キミヤ、ありがとう」
感情のまま、唇を重ねる。ああ、こいつだ、私の大切な人は。
かくして特別組織犯罪対策チーム、SOCRTが準備された。
ほとんど軍隊レベルの武装の麻薬カルテルの浸透と定着を阻止し、一般警察の被害を軽減させるための特殊作戦チームだ。私とキミヤが夫婦で青写真を描き、数年越しで実現したチームだ。いや、夫婦というのは正しくないかもしれない。計画が始まった段階では私とキミヤはただの女と男だったのだから。
新しく出現した武闘派マフィアの脅威への危機感が私とキミヤを結びつけた。もちろん最高レベルの高火力を持ち歩く特殊部隊の新規創設など簡単なことではない。ただ、この数年の凶悪化する犯罪、流入する重火器、薬物犯罪の拡大、そして何より一般警察官の人的被害の増加が後押しになってしまった。
私のような現場の女だけでは新組織の立ち上げはできなかっただろう。多少頼りない風貌だが気が利くキミヤの手助けがなければ…。そして結婚直後に海外での秘密作戦に参加することを認めてくれるような勇気のある男はキミヤ以外にいなかっただろう。
だから、私はキミヤを愛している、だれよりも。
「隊長とキミヤさんって男女逆転カップルみたいですよね。ベッドの上ではどうなんですぅ?」
そう缶コーヒーを私のデスクに置きながらふざけるのは前のチームからの後輩、犬吠埼シノだ。小柄でスレンダーだが、それゆえ俊敏で何度も一緒に九死に一生を得てきた仲だ。
「おい、プライベートのことは関係がないだろ」
「だってわたし、気になるんですよぉ~。ひょっとしてベッドの上では逆転しているのかな~、なんて、キャッ!」
まったく、男性中心の組織の中でさらに男性が多い部署にいたせいか恥じらいの欠片もない女だ。そういうノンデリ発言さえなければ女の私から見てもまぁかわいい部類ではあると思うのだが。
「ま、隊長が実はベッドの上でガンガン攻められちゃってててもわたしはいいんですけど、お二人はお似合いだと思いますよ」
ケラケラと笑う。まったく昼間っから困ったものだ。酔っ払っているのか、こいつは。
「どういう意味だ?」
「だって、隊長って猪突猛進型でしかも超攻撃型ですからだれか抑えられる人がいないと危なっかしくって危なっかしくて、わたしも心配でしょうがいないんですよ~、まったく」
「先輩に向かってずいぶんな物言いじゃないか」
「後輩っちゃ後輩ですけど一緒に過ごしてきた密度が違いますからね~」
そう言ってウィンクするシノ。
「ゴホン!ミカゼ君、シノ君、その会話は仕事に関係があるんだろうね」
ちょうどオフィスに入ってきたミウラ課長が厳しい目つきでこっちを見る。ミウラ課長は基本的に現場の武闘派で構成されたうちの課では異色の存在だ。どうやって警察の訓練をパスしたかわからないほどぶくぶく太って締まりの無い体。あからさまに清潔感のないハゲ頭にいやらしい視線をねっとりと押し付けてくる瓶底眼鏡。
「ミカゼ君、君の備品申請書だがいくつか聞いておきたいことがあってね」
のっしのっしと近づいてくる。『じゃぁまた後で~』小声でそういって尻尾を巻いて逃げていくシノ。
「なんですか。特別なことは書いていないと思いますが」
「ミカゼ君、ではこの備品申請書に書いてあるカール・グスタフM4とはなんだね」
「ああ、スウェーデン製の無反動砲ですよ。装甲車や掩体壕をぶち転がせるクールなやつです。自衛隊でも採用しているんで比較的調達しやすいんじゃないですか?」
「ミカゼ君、君は我々があくまでも警察だということを忘れているんじゃないかね。どうして装甲車や掩体壕を相手にする装備が通ると思ったのかね」
「どうしてもといわれても、実際ヴァイパーの構成員がRPG7を使っていたり、軽トラに対空砲を積んでいるのを見ましたので、対抗できる兵器をですね……、必要じゃないですか?」
さすがのミウラ課長でもこの理屈は通りそうにないか。現場組武闘派中心の特別組織犯罪課のトップとしてできる限り操りやすくて、そこそこ政治力のある人物をキミヤが探してきた結果がミウラ課長だった。キミヤ曰くゴマすりだけは一級品、保身のためにチームを私兵扱いしたいだろうから予算と影響力の拡大には余念がないだろうとのことだった。
「最初の備品購入でいきなりチヌークヘリコプターを申請して却下されたばかりじゃないかね」
「ええ、あの時は申請できる備品の範囲は個人で使用できるものに限定されると言われました。ですから今回は個人で使用可能な無反動砲を申請したんですが…、なにか問題でも?」
どうやら前回のこともあって判子を押す前に中身をチェックしたらしい。部隊の運用については考えないでほしいのに、まったく。
「あのねぇ、こういう無駄な雑務で私を困らせないでくれたまえ。君たちは現場で武器を振り回していればいいんだよ。他のことは考えずに腕立て伏せでもしていたまえ」
「ですが、ミウラ課長は武装のことはご存知なさそうでしたので、申請したのです。この間課長は新品のための予算で中古の防弾ベストを調達されましたので。失礼ながら必要なものご存じないようですので、をきちんと訴えることにしたのです。あ、ところで中抜して行かれた料亭の味はいかがでしたか?」
「うっ……、まったくいらんことを…。私はね君たちのためにも政治家の先生方といい関係を築いておかにゃならんと思って働いているんだ。どこで聞いたか知らんが当て推量はやめたまえ」
あー、おそらくキミヤの推測はあたっていたらしい。青筋を立ててキレてきた。まぁ、どんなに怒ったところで私が軽くひねってやればすぐに無力化できる男だ。今は怒ったふぐみたいな顔を肴に次の備品申請のネタでも考えよう。あと二、三回無茶な要求をしておけば感覚がバグって多少危ないおもちゃでも買ってもらえるようになるんじゃないだろうか。
そんな風に私が延々と続く課長の話を無視して次の申請では機関砲にしようかグレネードランチャーにしようか考えているとキミヤがオフィスに駆け込んできた。
「あ、ミウラ課長、すいません。ミカゼがまたなんかやらかしたようで…」
「キミヤ君、君ねぇ、ミカゼ君にもう少しジョーシキを叩き込んでおきたまえ。君の妻なんだろ?」
「は、はぁ…。たしかにそうですが、プライベートの関係と仕事にどんな関係があるんでしょうか」
「そりゃぁ大有りだよ。君、亭主としてちゃんと妻を御すのは普通のことじゃないかね、まったく。最近の若いのはそんなこともわきまえていないのかね」
フォローしに来たキミヤが意図せずして油を注いでしまったようだ。このまま行くとこのハゲの説教だけで午後の暇つぶしになりそうだ。期待通りに無能だが、キミヤでもちょっと操作に苦労しているのは想定外というところか。
「はぁ、課長のお話はわかりました。ミカゼにも家でちゃんと言っておきますから。ところで課長にお客様がいらっしゃっていますよ。アメリカの企業の方だとか…」
「ああ、わかった。今行く。まったく君たちは…」
ぶつくさ言う課長を尻目にキミヤが私にウィンクする。ひょっとしてほしいおもちゃが手に入る見込みなのか…。さすがキミヤ、私の夫だ。思わず期待につばを飲み込む。
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ミカゼが期待に胸を膨らませている数時間後、ミウラ課長はとあるストリップバーにいた。両脇にブロンドの美人を侍らし、軍産複合体のセールスマンに高級な酒を勧められている。二十一世紀とは思えないようなあからさまで下劣な接待。それにいい気になになりながらぼそっと独り言を漏らす。
「本当の主導権を握っているのが誰かすぐに分からせてやるからな…」
仄暗い強欲の炎を瞳にともしながらマッカランのグラスを傾ける。その超高級な味などわからないくせに。
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第二話:混入させられた偽りの愛情
その数日後、とあるメキシコ料理屋の個室。
「さ~て、今日は無礼講だよ、君たち!ここの支払いは私がもつからね、チームの結束を高めるためにもじゃんじゃんやってくれたまえ」
飲みの席だからかそれ以外の理由があるのか珍しく満面の笑みを浮かべた課長がご機嫌で言い放ち、周りから歓声が上がる。課長の笑顔が豚そっくりだと腹の中で思っているミカゼでさえもタダ酒に歓声を上げている。
「じゃぁ、まずはテキーラで乾杯といこうかね。まずは敵を知らなきゃならんからね」
「ああ、まったくだ。課の創設以来始めてミウラ課長と意見があったな」
「いきなりテキーラで乾杯というのは…」
キミヤが苦言を呈そうとするが、大多数はライムと縁が塩で白くなったショットグラスを嬉しそうに受け取っている。もともと現場中心の人間が集まったため体育会系の集団であるがゆえに酒に強い者が多いのだ。
「キミヤだって飲めないほうじゃないだろ?ほら、グラスを持て」
そういいながらキミヤの口をふさぐようにミカゼがカットライムを口に押し込む。
「では、今後の特別組織犯罪対策課の性交を祈って、サルー!」
ミウラ課長の似合わないコールに全員がライムをかじって、ショットグラスで一気にテキーラを流し込む。そしてその後もワイワイ騒ぎながら競うように間断なく酒を注文し続ける。
一時間もするとキミヤは気分が悪くなってくる。彼とて決して弱い方ではないのだが、いかんせん出てくる酒が強すぎる。しかも周囲は酒に強いらしく、異様な勢いで飲み続けている。しかもその中で一番勢いがあるのがミカゼであり、付き合いきれないのだ。
そんな二人のところに赤い顔をしたミウラ課長が現れる。
「楽しんでいるかね」
二人の前にあった空のグラスにどこからかもってきたピスコを瓶からドボドボ注ぐ。
「まぁまぁっすね。でも、今日はごちそうさまです。どっかで中抜したお金の還元っすか?」
未だに顔色が変わっていないミカゼ。普段ならそんな彼女の空気の読めない発言に顔を青くするキミヤだが、今はそんな余裕はない。急に注がれた眼の前のグラスを恨めしそうに見てしまう。
「いやぁ、さすが現場の叩き上げだねぇ、これだけいい飲みっぷりだと私も奢り甲斐があるというものだよ」
「まだまだこれからってとこっすね、なぁ、キミヤ?」
ご機嫌でキミヤの肩をバンバン抱くミカゼ。
「いや、流石に僕はちょっともう……」
肩を叩かれて戻しそうになるのを抑えて、ギブアップしかけるキミヤに課長が笑いながら言い放つ。
「君ぃぃ、私の酒はのめないって言うんじゃないだろうね?第一、ピスコが飲めないようじゃペルーからの犯罪者に負けるじゃないか。ホラ、もうちょっと試してみたまえ」
そういってグイグイ押し付ける。典型的なアルハラだ。前世紀ならともかく、二十一世紀に許容される飲み方ではない。
見かねたミカゼがそのグラスを取り上げる。
「こいつの分まで、やっつけてやりますから課長はお構いなく!」
押し付けられたグラスを一気に空にする。ミウラ課長とは言えば、若干嫌そうな顔をしながらも了解したとばかりにミカゼの隣に座り、密着しながら彼女のグラスに更に注ぐ。
「私は酒を奢るのが趣味のようなものなんだよ。酒の席では無礼講が私のモットーでね」
そういいながらミカゼの肩にビクビクしながら手を回そうとする。
だが、伸ばされた太い指はミカゼの細い指でさっと払い、冷たく言い放つ。
「無礼講は結構ですけど、体には触らないでください。上司の酒は喜んで頂戴しますけど、他のものはいらないんで」
その言葉にさっと顔色が変わるミウラ課長。だがそれも一瞬だった。すぐにひきつりながらも笑顔を取り戻す。
「存分に楽しんでくれたまえ。普段、ミカゼ君と私は色々あるが、お酒に関しては一緒に楽しめそうじゃぁないか」
そう言って他の人のところへ酒を次に回る。どこか邪悪な笑みを浮かべながら。
そこから三十分ほどする。飲み会の熱気はどこか異様なものに変わっていた。普段酒に強いメンバーたちだが、今回出てきた酒が飲み慣れないものばかりだったためか、そもそも平均度数が強すぎるせいか泥酔状態で騒ぎ始めたのだ。そしてそんな彼らをミカゼも珍しくふわふわと良い心地で見ていた。
「おいおい、さっきからグラスが空じゃないかね。君たちのためにもってきてあげたんだよ」
そうご機嫌で話しかけるミウラ課長。さっき同様ミカゼの隣に密着するように座る。キミヤは酔いつぶれており、ミカゼもかなり顔を赤らめている。
「ほら、今までよりはだいぶ弱い酒だ。どうだね」
「なんなんですか~」
顔を赤く染めながらミカゼが聞く。酔って心臓の音がやたらとうるさい。考えるよりも早くコップを反射的に差し出してしまう。
「アグアルディエンテだよ、知っているかね」
「ああ、コロンビアのヤツっすね。もちろんっす。私に任せなてくださいっす!」
半分夢見心地で噛みながら宣言するミカゼ。彼女のよく鍛えられた肩に課長の指が回る。さっきとは違い今度は払われない。彼女は新しい酒を飲むことしか見えていない。そしてミウラはそんなミカゼの肩の感触を楽しみながらキミヤのグラスにもさらに注ぐ。
キミヤの方と言えばすでに酔いつぶれて頻繁にトイレと席を往復していた。ちょうどトイレから千鳥足で戻ってきたキミヤは課長がグラスに注ぐのを見て顔を青くしていた。もう気分が悪すぎて、ミカゼの肩に回された課長の手にすら意識が向かない。
「いや、もう僕はお酒は…」
いいかけたキミヤをミウラ課長が睨みつける。抵抗する気力もないキミヤはおずおずとそのグラスを受取る。そんな夫の様子を、隣のミカゼは酒に強すぎて全く気がついていない。あるいはひょっとして酔っ払って気が回っていないのかもしれない。
「なかなか美味いな、これ。キミヤも飲んで見ればわかるって」
注がれた酒にいい気分でなんの躊躇もなく口をつけて、泥酔状態のキミヤにまで勧め始める。
完全なるアウェー。気が進まないながらもグラスに口をつけるキミヤ。
それを確認して、ミウラ課長はニンマリと一瞬だけ邪悪な笑みを浮かべた。
「それじゃぁ、私は他の課員にさらなる南米からの刺客を試してくるとするかね」
そう言って名残惜しそうにミカゼの肩から手を離す。
さらに三十分後、課長を除くほとんどの職員が泥酔状態になってしまっていた。それもそのはず、やたらとアルコール度数の高い酒を課長自ら注いで回っていたわけであり、それをショットで飲まされ続けていたのだから。体育会系揃いの特組対といえどもほとんどが脱落してしまっていたのだ。
「おいおい、そろそろお開きの時間だよ」
そう飲ませまくったミウラが声を張り上げる。ふらふらと身支度を整え始める同僚たち。だが、みんな泥酔状態のためにやたらと時間がかかる。キミヤに至っては完全に寝てしまっておりミカゼがふらふらしながら揺すっても起きる気配がない。もちろん倒れているのはキミヤだけではない。ちらほら泥のように眠りこけた者たちがいる。
「もうだらしないんじゃないかい、君たち。仕方ないからタクシーを呼んであげようか。これも上司としての度量だからね」
恩着せがましくそう言いながらいそいそとタクシーを手配する課長。こういった雑務を普段は死ぬほど嫌うくせに今日に限ってはどこか嬉しそうだ。
そしてすぐにタクシーがきて、近くの駅まで分乗することになる。ほとんどのメンバーが真っ直ぐ歩くことさえできず、キミヤに至っては起きる気配すらない。そんなキミヤを他の泥酔メンバーとともにタクシーに押し込み、運転手に行き先を告げるミウラ。端から見れば親分肌の上司に見えなくもない。
だが、一通り課員達を送り出すと、最後に残ったミカゼの肩に手を回す。アルコール漬けのミカゼの鈍った脳みそはほとんど反応しない。そのまま課長の手が彼女の腰に回ってさえも、彼女はフラフラついていくのが限界といった有り様だった。
そんな彼女をタクシー最後の一台に乗せると自分自身も乗り込む。朦朧とした彼女の意識では上司がタクシー運転手に伝えた行先が他のタクシーとは違うことにも気がつけない。
「ミカゼ君、これを飲みたまえ」
そう言って飲みかけのミネラルウォーターのペットボトルをミカゼにおしつける。
「あ、ありがとうございます…」
彼女らしくない敬語。どこかポーっと普段軽蔑している上司に普段とは違う魅力を感じて、なんとなく見つめてしまう。
そしてミネラルウォーターに口をつける。体育会系の彼女はいまさら間接キスを気にするような質ではなかったが、水を飲みながらミウラと目があうとどこか恥ずかしそうに恥じらってしまう。
心臓がドキドキする。今までどんなに飲んでもこんな風になったことなどなかったというのに。そして隣の課長をいつの間にか無能な上司ではなく異性として意識し始めてしまい始めていた。あれほどみんな酒に飲まれていったのに最後まで潰れないどころか気つかって水まで渡してくれる男…。
だが、真実は違う。彼女の認識とは違い、実際にはミウラは他人に飲ませることに徹しており、本人はほとんど飲んでいない。そしてもう一つ、ミカゼが気がついていないことがあった。飲ませて回っている酒や、今まさにミカゼが持っている水のボトルにミウラが仕込んだもののことだ。
『シルバー・ゴールド』、ミカゼたちの最大の敵とも言える薬物。それをごく少量ずつ強い酒に混ぜて飲ませて回っていたのだ。
もしミカゼがシラフであったならば今飲んでいる水の味が多少変なことを疑っただろう。もしミカゼがシラフであったならば水を飲む彼女を見る上司の視線に含まれるねちっこい欲望に気がつけたかもしれない。
だが、彼女はいまだかつてないほど泥酔していた。そしてそんな弱った彼女の脳を薬物がさらに侵食する。
うちのボスってこんなに格好良かったっけ。酒に強いし、ちゃんと全員分タクシー呼んだし…、水もくれるし…。こんなに気が使えるやつだったなんて知らなかった…。
『近くの異性に無条件の好意を感じる』というのはシルバー・ゴールドの典型的な効果である。そしてその結果、ミカゼはトロンとしたまるで溶けそうな瞳で隣の男を見つめていた。普段の侮蔑的な視線とは全く違う甘い感情的な視線だ。
「ほら、おりたまえ」
ミウラが当然のようにミカゼの肩を抱く。言われるがままにタクシーを降りる。そこがホテルだと言うのに抵抗らしい抵抗もない。ついさっき飲み会で抱きしめたれた時のように無遠慮に上司の手を払いさったりしない。
夢見心地で体を預け、誘導されるがまま、ホテルの中へ入ってしまう。バクバクうるさい心音とミウラの声以外なんの情報も受け付けていないようだ。薬物の影響下ですでにバグりつつある心と頭…。体も心も夢見心地で熱くなりつつあった。
そしてあっという間にラブホテルのベッドの上に横たわる。そこでやっとアルコールとシルバー・ゴールドでボコボコにされた彼女の理性が微かに抵抗を始める。
「いや、さすがにこれは。私にはキミヤがいるから…」
歯切れの悪いミカゼ。そうはいっても、彼女の目は相変わらずトロンとしたままだ。理性は現状を受け入れてはいけないことをわかっている。だが、上司の欲望に満ちた視線とぶつかる。ひどく下品な中年男の視線が今の彼女をキュンとさせる。
「こんなの…ダメだ…ろ…」
いいかけたミカゼの口をミウラの唇が塞いだ。
「ひぃ…んん…、んっむっ……んっ…、んむむむむむ」
彼女らしくないか弱い抵抗。シーツにしがみつくような弱々しい仕草。その上に覆いかぶさる中年上司。始めて会ったときから軽蔑しかなかったはずなのに…。なぜかその姿にドキドキしてしまっている。理性とは反対に感情が抑えられない。
「んっふ…、っっくぅ……んんっちゅっっちゅぷっ、ちゅむっちゅぅぅっふうぅふぅぅぅ…、だ、だめだぁっ…」
ダメだと言うのに強引に唇を重ねられると、あまりにもドキドキしてしまって流されてしまっていた。ねっとりと入ってくるタバコ臭い舌。それが口内をぬめぬめと這い回ると今まで感じたことのないなんとも言えない快感が背筋をゾワゾワさせてくる。
「ひいぃ……、っくっふぅぅ……、んんん…」
シャツの上から遠慮のかけらもなく這い回る蛇のような男の手に体が普段とは違う反応を見せる。まるで待っていたかのように瑞々しく反応し、服の上からだと言うのに快感に切なくなってしまう。潤んだ瞳がまるで受け入れるように普段見下している上司を甘く見上げる。
泥酔し、薬物の影響で通常の判断能力を奪われているミカゼは当然気づかない。
シルバー・ゴールドは無条件に近くの異性への好感度を上昇させるだけではなく、『使用者の感度を上昇させる』ことによって通常よりも激しい性感を可能にする。だからこそパーティードラッグとして使い勝手がよく、急激に広がってしまっていたのだ。少量とは言えその薬物を酒や水にとかして飲まされ続けていたミカゼの体はもはやミウラにとってどうにでも料理できるイージーターゲットそのものに成り果てていた。
「ぁぁぁっや、やめって…、っくださぃ…」
ミウラに首筋を舐められながら彼女らしくない弱々しい抵抗を試みるミカゼ。普段の憎らしい部下がこんなにも弱々しくメスを見せている。嬉々としてシャツをはだけさせながら、か弱い拒絶をBGMにプレイを続行する。
「っ…、っふぁぁぁ…。んんっっきゃっふぅぅ……」
男の太い指がはだけられたミカゼの双乳を生で鷲掴みにする。すでに固くなった頂点は押しつぶされて、せつなそうに体をビクつかせる。普段の強面で男勝りな彼女とは違う桜色の可愛らしい乳首。それをグロテスクなほど厚ぼったい課長の唇が咥え、下品なほど音を立ててぢゅぷぷぷぷぷぷぷぷっと吸い上げ、しゃぶって見せる。
「っひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ………」
今まで感じたことのない快感に視界をチカチカさせながらミカゼの体がビクつく。無意識に痙攣した彼女の筋肉質な下半身が覆いかぶさっている課長の下半身に絡みつく。
「もうずいぶん濡れているじゃないかね」
乱暴に彼女のパンツスーツの前をはだけさせて勝ち誇ったように言い放つ。実際、すでに感度が上がりきっており、何度となくイッてしまっていた彼女の秘部はあからさまに濡れていた。普段着ているパンツスーツに染みができるほどに。
そしてすでにそれほどまでに感じてしまっている彼女をさらに追い詰めるようにミウラは彼女の股の間に顔を突っ込み、ザラザラした舌で愛液をねちっこく舐め取る。
「っひっ……ぁぁあっ…、っひあぁぁぁんん…、っくぅぅぅぅぅ」
ぢゅるぢゅると愛液を吸い上げられるたびに彼女の腰がピクつく。筋肉質だが白くて女性らしさも兼ね備えた引き締まった腰。それが中年男の舌が割れ目をなぞるたびにせつなそうに揺れ、震える。
「ちゅぷぷぷぷ…、甘露、甘露!んんっふっ…、ちゅっぢゅぷっちゅぱぱっふぅ…、なかなかかわいらしい反応をするじゃぁないかね、ミカゼ君」
舌の腹でクリトリスをいじめながらそういう禿頭の中年男。
普段から仕事のできないお飾り上司としかみなしていない相手であるにもかかわらずミカゼは驚くほどトキメイてしまっている。本人すら自覚していないことだが、いつの間にか彼女の口から拒絶の言葉は消えてしまっていた。
「あっふっぅぅぅ…、そ、そんなことぉ……ぁっ、あっっくぅぅ…、言わないで…、くださいっすぅ…んん……」
若いエキスを啜るとばかりにぢゅぷぷぷっと大きな音を立てて啜り上げるミウラ。ぴっちりと閉じた割れ目からは染み出すように吸えば吸うだけ愛液がメスの匂いを漂わせながらこぼれ続ける。濃厚な女のフェロモンを舌で味わい、鼻で吸い込む中年上司。
「ふふふ、ではそろそろいいんじゃないかね」
そういってミカゼとは対照的な締まりの無いぶくぶく太った豚のような課長がズボンを下ろす。
「……っ」
思わず彼女の視線があらわになった上司のグロテスクなほど勃起した下半身に吸い付き、思わず息を呑む。ドキドキドキドキと今まで以上に心臓の音が早くなり、ますます眼の前の禿げた男にオスを感じてしまう。ガチガチに勃起した赤黒い肉魔羅。まるで鎌首をもたげた毒蛇のようですらある。そのオスの象徴から視線を外せない。見ているだけで変な気分になり、濡れてしまうのを感じてしまう。今までソコをそんなふうに魅力的だと感じたことなどなかったというのに。
抵抗することもなく、身を委ねてしまう。彼女なら肥満体の上司等軽く組み伏せられるが、それをする気にならない。ほとんど無気力なままぽーっとしてされるがままに快感を受け入れてしまっていた。
「あっくぅぅ……んんんっ…」
あてがわれた肉棒はひどく窮屈に感じた。ゴリゴリと力ずくで押し込まれてくる感覚。自分の中に侵入してくる異物。だと言うのに全く拒絶感が起こらない。その強引さに交換さえ抱いてしまう。そして無意識にその侵入者を膣肉で抱きしめ、愛液で磨き上げるように反応してしまう。
「ははは、さすがミカゼくん。なかなかキツイじゃないか。人妻なんだからもっと使い込まれているものと思っていたよ」
そんな風に上から目線でひどく下品に言い放つ醜い中年肥満体。それとは対象的にスッキリとした体を押しつぶされるように上から乗っかられ、ぐりぐりと挿入されてくる肉棒を受け入れる山泉ミカゼ。エリート武闘派若手捜査官は卑劣にも腐った上司の奸計にハマり、その魅力的な肢体を汗ばませながらベッドの上で悶えてしまっていた。
「んんっっふぅ……っっ、っふぅぅ……ぅぅっきゅぅぅぅぅ、ふぅぅぅんん」
おかしい、なんでこんなに感じてしまっているんだ!?こんな、こんな…のキミヤとのプレイでも感じたことがない。それなのに、こ、こんな課長なんかに…、ドキドキしておかしいぃ…のにぃぃぃ。
「ひゃっっはぁぁぁぁぁんん」
働かない頭の中で葛藤しながらも声は漏れてしまう。
そして理性とは裏腹に感覚は、感情は容易く流されてしまう。
拒絶の意志よりも遥かに強い情欲が体の内から湧き上がってくる。
だめ、だめだぁ。密着すると声が出てしまい、ますます本能が刺激されてしまう。
せつなくて、気持ちよくて全部わからなくなってしまう。ミウラ課長のくせにぃぃぃぃ…、す、好きになっちゃってる。変になっちゃうぅぅぅぅぅ。
悔しさに涙が滲む。だがその悔しささえもどこか清々しく心地いい。
「んんっ……っくっふぅぅ……、んんっぅぅぅ………」
だと言うのにどうしようもないほど体の奥が熱くたぎり、せつなくて、堪えられない感情が暴走する。
上から暴力的に押しつぶしてくるだらしないビール腹。正常位で激しい挿入を繰り返す。そのたびにミカゼの脳みそはかき乱され、普段ではありえない感情に目を白黒させてしまう。腰をふるたびに近づいてくる中年の禿頭。それが今は限りなく愛おしい。普段軽蔑して愚かだと見下しているはずなのに……。
何より、今まで受け入れたことがないほど巨大な肉棒。それが無理やり突っ込まれるたびに体が割り開かれる感覚があり、全身くまなく快感の電流が駆け巡る。まるで今入っている巨根が彼女の体の快感スイッチを押しているかのようで、抵抗できない。ずっぷりと押し込まれると潰されたカエルのような体勢で受け入れることしかできない。
普段の凛々しい山泉ミカゼの顔は誰も見たことがないほどだらしなく蕩け、まるで別人のようだ。ニヤニヤとその顔を見ながら顔を近づけ、唇を重ねてくる無能上司。普段あれほど嫌っているにも関わらず、受け入れてしまう彼女はまるで淫売なソープ嬢のようだ。
ほんの少量だと言うのに違法薬物で堕ちてしまった捜査官。
自分の現状を理解さえできずに感情のままに性感を貪ってしまう。
ドラッグのまやかしによってただ眼の前の男が魅力的に見え、体が求めてしまう。
いつの間にかキミヤのことさえ忘れてしまっていた。あれほど大切で愛おしい相手だと言うのに、与えられる快感に飲み込まれ、他のことを考えられなくなってしまう。
「ひゃっ…、んんんっふ……っくふぅぅ」
ビクンビクンと体が震える。体だけではない。心さえも震えてしまっていた。自分の中に入っている太い肉棒。それを愛おしく感じてしまい、抗えないほどにキュンキュン心が震えてしまっているのだ。禿げた中年男に心も身体も惹かれていく。
「んんっちゅっ、っはぁぁぁんっふぅぅ……っちゅ、っちゅぅぅぅ……ちゅぷぷぷっふぅぅっふぅぅ」
アルコールとドラッグ漬けの脳みそが朦朧としたまま与えられる快感を受け入れ、押し付けられるがままにキスを続けてしまう。整ったミカゼ捜査官の顔と醜いミウラ課長の顔が何度も密着し、お互いの舌を絡め合い、唾液を絡め合いながら幾度もキスをする。
リズムを刻むようにホテルに響き渡る水音。
忘我的にキスを重ね合うミカゼを見て浮気中の人妻だなどと想像できる人はもはやいないだろう。それほどまでに積極的に受け入れていた。いや、それだけではない。ドラッグによって歪められた好感度が彼女の表情をメスのものへと変えてしまい、まるで好き会う男女のような雰囲気を作り出してしまっているのだから。
そして彼女が感じたことがないほど奥深くで与えられる快感。生理的な反応として受け入れた肉勃起をせつなそうに受け入れ、絡みついてしまうミカゼのメスの部分。それに気を良くしてさらに硬さを増す課長の肉魔羅。アルハラからのセクハラレイプ。そんな事実を快感で塗りつぶそうとするような激しいプレイ。
「んんっ…は、っはぁぁ…、あっくぅぅ…❤」
声が漏れ続ける。ますます艶っぽく、ますます甘く媚びるように。普段の彼女からは想像できないような甘ったるい嬌声。恥じらうようにピンク色に火照った身体。情けないほどにオスに喘がされるメス。抵抗しようと発した叫びさえも甘くくぐもってしまっていた。
「あぁぁぁ、っくそぉぉぉ、んあぁぁっ、なんでぇぇ、いい、イイ❤んだぁぁぁぁぁ!!!」
ずっぷずっぷと奥の方で普段見下している無能上司のチンポを感じ、それに喘がされながら思わず声が漏れてしまう。激しいピストンがラブホのベッドの上に引き締まった体を叩きつけ、そのたびにますます気持ちよく、ますます目の前の男にうっとりしてしまう。
「っひゃっはぁぁ!んあぁっ❤っくっふぁぁぁぁぁぁんん!!!」
普段の彼女とは全く違うメスの鳴き声。普通の感覚だったら鳥肌が立つような醜い男に抱かれて夢見心地になって蕩けてしまっている。現に本命であり旦那であるキミヤとの情事で一度も感じたことのないほどの快感に全人格が溺れてしまっている。
ドチュッんっとチンポが押し込まれるたびに迷いが消えていく気がする。ずちゅんっと抱かれるたびに切なくなり、眼の前のオスに媚びてしまう。
なんでこんなにぃぃ、ミウラ課長、格好いいんだ❤力強くてぇ❤、私のことを押し倒してくれて❤、キュン❤キュン❤してしまうぅぅ。こんなに課長が格好良かっただなんて…、なんでわからなかったんだ。変なのにぃ…。
「ひゃっふぅぅぅぅぅんんんんん!」
らめ、らめぇぇぇぇぇ❤そんなぁとこぉ、んんっほぉぉ、お、お゛お゛、ゴリゴリされたらぁぁぁ❤キミヤのこと忘れちゃうぅぅぅ❤。課長とけっこん❤、結婚❤したくなっちゃうぅぅぅぅ。変だけどぉぉ、ドキドキが止まらないんだぁぁぁ❤。
「あぁぁぁ、んんっっくっっふぅぅ❤んんっふぉぉぉぉ❤おおおお❤イイぃぃぃ❤イイのぉぉぉぉぉぉぉぉ❤」
気がつけばミカゼはシルバー・ゴールドの与える偽りの愛情に溺れきってしまっていた。自分から指を絡め、ミウラの望むがままに快感に顔を蕩けさせ、旦那ではない男の肉棒にアヘってしまっている。そんな彼女が、
「ミカゼ君、中に出すぞ!」
と言われたところで肯定以外に答えを絞り出せるはずがなかった。もはや快感以外何も考えられない有り様のミカゼは喘ぎ声とともに嬉しそうに声を上げる。
「ああぁぁぁ!出して❤出してくれぇぇ!」
このオスのザーメンをもらえる❤うれしい❤ミウラ課長の赤ちゃんのもと❤ほしい❤中に出してもらいたい❤。こんな大好きな人の精子❤。絶対、絶対、中にほしい❤。
正気になったあとでどれほど苦しむか想像できるはずもなく、彼女は短絡的に本能の赴くままに眼の前のオスに懇願してしまう。
そんなミカゼの顔を満足気に見下ろし、じっと視線をあわせながら更に激しくグリグリと奥深くに押し込まれる肉勃起。そしてその視線に愛おしさを感じながらせつなくオネダリしてしまう部下の特務捜査官。
そしてミカゼの上で男の体がビクンッと大きく跳ねる。その圧力でベッドの下に押し付けられた汗ばんだ肢体が更に深く肉棒を受け入れ、抱きしめる。
じわぁっと内側に広がる熱い感覚のような愛情。満足感。キミヤとの関係では一度も感じたことのない偽りのメスの喜び。それを本物だと誤認したまま多幸感に包まれる。
「あ…あぁぁ…❤」
出してもらえた❤。オスの種❤。私の中に出ているのを感じてしまう❤。嬉しい❤。課長みたいなオスに抱いてもらえて❤。こ、こんなにドキドキしてしまうなんて❤。
ぐちゃぐちゃの脳内で喜びだけが溶け残っていく。中出ししながらも硬さを保ったままのミウラはさらに一方的にミカゼを犯していく。だがその一方的な行為さえも歪められた彼女にとっては称賛されるべき男らしさに写ってしまう。
「っふぉぉぉおっっ❤…、っひゃぁぁぁん❤!!あっ、あっ❤あっ❤っくぅぅぅぅ」
おおお、まだ続けられるのか!?課長の性欲の強さはは素晴らしい❤最高のオスだ❤。こういう男と結ばれたかった❤。一緒にいるだけで溶けてしまう気がする❤。あぁぁ、もっと、もっと犯してくれ❤!好きだぁぁぁ!愛してしまうぅぅ❤。
抜かずの二開戦。泥酔していたにも関わらずさらにハードなセックスに耐えられるのはさすがに現場のエリート捜査官としてミカゼが鍛えてきた結果だろう。本人にとっては不本意なほどに快感を貪り合い、朝まで性感に溺れ続けてしまう。少なくともシルバー・ゴールドの魔法が消えるまでは。
そして魔法が終わったその後でミカゼは呆然とするのだ。見知らぬベッドで課長の横で朝日を感じている自分に。昨日の夜の感覚も記憶も鮮明に残っている。どれほどはしたなく隣のクズ男を求めたのか忘れたくても忘れられない。
「くっ、どうして…」
課長に感じた魅力や男らしさを思い出すことはできる。だがどうしてそんな風に感じたのかは全く理解できないのだが。脳裏によぎるキミヤの顔。胸が痛む。浮気を、しかもこんな最低の男としてしまうなんて信じられなかった。いっそ酒で全部記憶がないならばよかったのに。だが、実際は鬱陶しいほどに鮮明に昨夜の記憶は残ってしまっている。課長とホテルに入ったことも、ベッドの上で悶えたことも、さらには自分から中出しを望んだことも。
食いしばった唇の端から血が滲む。それほどまでに屈辱だったのだ。
そんなミカゼの気持ちを知ってか知らずか、シャワールームから出てきた課長がいつものあの粘っこい感じで声を掛ける。
「昨日はずいぶんと仲良くなれたんじゃないかい」
パーン!
考えるよりも早くミカゼの平手が飛んでいた。上司に手を上げるのはさすがのミカゼの基準でもアウトだったが我慢できなかったのだ。とはいえ、シルバー・ゴールドの存在を知らない彼女にとってミウラ課長側に叩かれるような確たる非があったわけではない。それが余計に釈然としない気持ちを作り出して彼女を追い詰める。
「ホテルのお金ここにおいておきます」
ピシャリと言い放って慌てて部屋をあとにする。
あんな男と流されたなんてキミヤに知られたらどう思われるだろうか。なにより拒絶できなかった自分の弱さが恨めしい。くそっ!!
そんな風に自分を責めるミカゼ、その背後でニヤニヤと意味ありげに汚い笑みを浮かべているクズ男。ミカゼと違いすべてを知ったうえでなお目の前の哀れな獲物をどう弄ぼうか考えているのだ。
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