まに様が書いたSSもつきます。是非とも一見ください。
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~~以下はSSです~~
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作者:まに
(イラスト:内子おにぎり)
三件目の屠畜は、俺からすればある種休憩のような内容であった。
ホテルの部屋を模した屠畜部屋で待っていた女性は、俺に手を下されることは望んでいない様子であった。
「……どうか全てが終わるその時まで、私を一人にしては頂けないでしょうか」
この女性とは電話や文章のみで手続きを進めていた為、顔を合わせるのは今が初めてのことである。
先の二人ですら霞むほどのクールな美貌を持つ彼女に、俺は思わず見惚れてしまった。
現役スチュワーデスの日南知空(ひなみ・ちあき)。スチュワーデスだから、なんて枠組みでは到底及ばないほどに美しい、まるで彫刻のようだ。街で見かけたら間違いなく目を奪われるだろう。
だが、そんな彼女の疲れた表情と、手に持つ拳銃が、容姿に見惚れている場合ではないと俺の心中を引き締めさせる。
この屠畜に関して俺は屠畜の方法しか知らされていないが、どうやら先の二人とは明確に異なる種類の死を彼女は望んでいるらしい。
「……ありがとうございます。私が逝ったことを確認してから、遺体を回収して頂ければ幸いです」
俺は彼女の心にこれ以上の負担をかけないよう、最低限の要項だけ確認してから屠畜部屋を後にした。
最後の屠畜の時間が来るまで、休憩室で待機していることにしよう。
彼女の最後は、後の映像確認で存分に味わえることだろうから。
* * *
「……◇◇さん、本当にごめんなさい」
回されているカメラに向けて、私は深々と土下座をしました。
スチュワーデスの制服姿のまま、地面に額を擦り付けるようにして謝罪をします。
「私の軽率な行動で貴方の誇り高い職を奪ってしまったことを……心よりお詫び申し上げます……」
――機内でのセックスは、当然、許されることです。
しかし、私が彼を職務中に求めてしまったことにより、最愛の彼は職を失ってしまいました。
飛行機の副操縦士であった、彼。
あの日、私は恋人である彼を運行中の旅客機の中で求めました。……いいえ、求めてしまったのです。取り繕う気はありません、私は彼を前に、欲情を抑えきれないはしたない女でしたから。私の利己的な欲求により、彼に愛し合うことを強要してしまいました。
そして、それとは全く別の原因で、旅客機は事故を起こしてしまいました。
彼は何も悪くないのに、私とのまぐわいという付け入る隙があったせいで、責任追及され懲戒解雇処分となってしまったのです。
「今から、私の全てを貴方に捧げます……尊厳も、命も……遺体ですら……」
彼は、私のことを責めてはいません。
しかし私自身が、自分の出来る最大の謝罪と愛情表現として彼に身を捧げなければ、どうしても気が済まないのです。
「……◇◇さん、大好きですよ。◇◇さんの愛に値しない女ですが、どうか、私の遺体を好きなだけ使って下さい」
もう一度、深々と土下座をした後、立ち上がって椅子に座りました。
――ここまでの映像は、ルルイチの企画する映像作品には収録しないようにお願いしてあります。
そしてここからが、言わば本番、なのでしょう。
「……ふっ」
私は自ら己のこめかみに拳銃の銃口を押し付けました。
硬く冷たい塊が、ゴリッと音を立てて皮膚越しに骨に当てられる心地は緊迫感を高めます。
肉畜として、心が躍らずにはいられない感覚。
私は気付けばカメラに向けて、脚を開いておりました。
「……ん、あっ♡……」
空いていた片方の手を使い、秘部をまさぐると背筋に電流が走りました。
「あっ♡♡んっっ♡♡!!」
――脳の髄が、痺れて蕩ける危険な感覚。
ふと間違えて引き金を引けば脳漿を床にまき散らしてしまうという確かな現実が、快楽を最大限に引き上げているのです。
指が勝手に動いて秘部を刺激します。
指二つ、押し付けるようにして陰核を練り、擦る。
中へと指を入れ、思うままに穿り回す。
静かな屠畜部屋に水音は響きます。
その音が激しくなればなっていくほど――理性など容易に消し飛ぶ快感が、私の脳天から爪先までをも快楽の電流で満たしていく心地がしていきます。
嗚呼、なんとはしたない。
それでも、この恍惚を前には、理性なんて気にしている余裕はありません。
思い出させられるのです。
私はスチュワーデスである前に、一匹の肉畜に他ならないのだと。
一心不乱に秘部を擦る内に、思考はとうに、飛んでいきました。
後は、絶頂と共に、引き金にかけた指を引くだけ。
ああ、イクッ……♡ イクイクッイクッイクッ♡
屠畜される♡ ◇◇さんだけのものになる♡
イクイクイクイクイクイクイクイクッ♡
ンンンッ――♡♡♡
あっ、イッ
* * *
――極限の絶頂が訪れた瞬間、最高の状態で、彼女の意識は断たれたことだろう。
俺は彼女の聡明な頭脳の飛び散った屠畜部屋から回収した映像をループ再生しながら溜息をついた。
自分の中で、最早どうしようもなく色欲が滾っているのが分かる。
これは素晴らしい映像だ。
クールなスチュワーデスが一心不乱に自慰に勤しみ、最後には引き金を引いて自害する。
理性の象徴とも言える職業の女性が理性を物理的にぶちまけるのには一種のカタルシスがあり、同時に無様ささえ感じさせ、雄の嗜虐を刺激する。
――最後の屠畜は、夜になる。
後に控えた屠畜の内容を考えると、琴のように綺麗な声で喘ぐ彼女のこの映像で性欲を発散出来ないというのが、なんとも残酷というほかになかった。
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いよいよ、最後となる、四人目。
「……歪んだお願いだとは、思うのですが」
鈴の音のような声がして、俺に深々と頭を下げる女性は、純白のナース服を身に纏っている。
楚々とした桜色の唇に、陶器のように白く滑らかな肌。頬には薄っすらと赤みが差していて、背中までの緑色の髪は艶々と輝き、清楚ながらも色気が溢れだしている美女だ。
俺は彼女――山蔭優希子(やまかげ・ゆきこ)の頭を、まず一心に上げさせた。
これは俺にとっては仕事であるし……それ以前に、人としても間違っているとは思えない。
そんな想いを伝えたうえで、改めて彼女に『確認』をする。
「……はい、勿論、使用して頂いて構いません。いいえ、私が望んだ通り、どうか使用をして下さい」
俺は頷き、病室を模した屠畜部屋へ彼女を案内した。
今は夜。この暗い病室で、優希子はまず、カメラに向かって端的に『最後の告白』を済ませる。
「……では、よろしくお願いします」
俺は彼女の元へ寄り、承諾と共に、彼女の手にあるものを渡した。
それは一粒の、カプセル状の薬。
優希子はほんのり微笑むと、病室の外へ出る。
俺は彼女の退室に合わせ、病人の衣装に着替え、ベッドの中へと潜り込んだ。
* * *
彼女に渡した薬は、一部の危険物取扱資格を持つ屠畜場しか保有・使用できない危険な代物だ。資格を持つ屠畜場が使用する際ですら、地元にある大図書館分館の承認が必要となる。
それほどに、使い方を間違えれば危ない劇薬。
――何故ならあの薬は、飲んだ者に強い催眠効果を及ぼす。
「……※※君、ちょっと……いい……?」
扉の開く音と共に、入ってきた優希子は俺に向けて問いかける。
※※とは、俺の名前ではない。
優希子は薬によって、ベッドに横になった俺を※※だと思い込んでいるのだ。
「私、ね……あのね……もう、ね……我慢、出来ないの……
※※君……お願い……私の屠畜に、付き合って……?」
* * *
――※※君とは、山蔭優希子の恋人の名前なのだという。
※※は元々、ナースである優希子が担当した不治の病を持つ男性患者であったらしい。二人は瞬く間に恋に落ちたのだという。そして優希子は、愛する※※が生きている内に殉死をしようと心に決めていた。死とその先まで互いに歩もうと彼女は心の奥底から願っていたのだと。
だが、予定よりずっと早く、※※の容態は悪化し、この世から去ってしまった。
残された優希子はこの企画に応募し、強力な催眠薬を使って、疑似的に「※※が生きている内に殉死」を体験しようと願っているのだ――
「※※君……大好きだよ……本当に……大好き……」
ナース服で四つん這いにベッドに上る、優希子の顔が俺へと迫る。
山蔭優希子は、その柔和で女性的な顔立ちと同じく、立ち振る舞いも声色も、恐らくは性格も母性的な癒し系の女性だ。
そんな彼女に、疑似的とはいえ恋慕の顔を近づけられて、俺としても高揚しない訳にはいかなかった。
普段であれば、彼女達の不憫な境遇に、恐らくは遠慮の心を抱くに違いない。
しかし今の俺は、今日一日散々淫靡な屠畜を見せつけられている。
正直もう、我慢の限界だ。
そんな頃合いに、身体を摺り寄せる優希子の柔らかな感触が身体に絡みつく。
甘い匂いが鼻腔をくすぐるのと同時に、一かけらの不純もない極甘の発情面が俺を真正面から射貫く。
「……チュー、しよ……?」
ベッドの上で、覆いかぶさってくるナース。
俺を見つめたまま、彼女の唇が俺のそれにむっちゅりと重なる。
そして、キス。
舌を絡める濃厚なキス。
粘膜を溶け合わせるような執拗な動きは、ねっとりと絡み、舌先をにゅらにゅら弾き、愛情のままに吸い付き――
「るれろ、にゅる、じゅるるるっ……ちゅっ、ぱっ♡」
――甘い音と共に、離れる。
「……※※君のこと、好きだよ、好き……病気なのに、優しくて……人のことばっかり気にしてくれて……本当に……好きなの……♡」
抱擁が強まり、再びの甘い接吻。
逐一『好き』に溢れた言葉に、疑似的な愛を感じている暇さえなかった。
「※※君はもう、明日まで持たないかもしれないと先生から聞いた……
だから、今夜のうちに……私は自殺しなければ……
※※君に、殉死しなければならないと思う……んっ♡」
舌を螺旋に絡め倒した後は、囁くように言いながら、優希子は俺の下半身へと下り、丹念な口淫を施した。
口をすぼめ、こちらを見つめる上目遣いは決して外さず……その瞳にハートマークさえ空目出来るほどに、愛情を込めてストロークを施す。
上下に、ねっとり、先から、奥まで。
カリをズリ潰す唇の厚みが、サオの膨らみをなぞるように下り、根元まで扱き落として、ずるりと上がることを繰り返す。
「んっ、んっ、んっ、んっ……んんんんっ♡♡♡」
一日中我慢していたのもあって、達するのまではあっという間だった。
優希子による甲斐甲斐しい吸い付きに精を搾り取られながら、彼女に身を委ねる恍惚の中で、同時に俺は、高揚していた。
ここまでですら、前戯だ。
何故なら、これは単なる愛し合う交わりではなく――殉死――屠畜、なのだから。
「んっ?んんんっ……?……ちゅっぱっ……♡ すご、あっという間にまたおっきくなったね……嬉しいな……♡」
彼女がおもむろに立ち上がり――天井からぶら下げられていた首つり用の縄を両手で取ったのと見て、俺の股間は強烈に跳ね上がった。
「では、先に逝ってくる……
私の殉死……見ててね、※※君……♡」
そう言いながら、彼女が俺の脇にある小さな椅子の上に上って縄に首をかけた。
「※※君、大好きだよー……♡」
――俯瞰で見上げる彼女の、純白のストッキングに包まれた脚が、彼女らしく優しく、椅子をベッドから蹴落とした。
「ン、イッ……♡」
行き場を失った彼女の足は、椅子の代わりに、膨らんだ肉棒の裏筋を踏み潰した。
しかし、それでは命を保つには高さが足りない。
彼女が存在しない拠り所を求めて足を動かすほど、ストッキングの滑らかな心地と共に、彼女の足が肉棒をなぶる形に収まる。
「ンギッ♡ イッ♡ カヒッ……グッ……♡」
暴れる勃起の膨らんだ裏筋を足裏が甘く潰し、にゅりんと取り逃し、高さを求めて失敗して、肉棒を蹴る、しゅらりと擦る。
肉棒を刺激されながら俯瞰で見上げる、美人ナースの絞首に悶える様子はこの上ない絶好の肴だ。
首にすっかり食い込んだ縄に、青ざめた恍惚の表情で爪を立てようともがく無意味な行動が雄のどこかを駆り立てる。
ナース服に浮いた女性らしいS字ラインの凹凸をくねくねさせながら踊る、彼女の足に肉棒を扱かれて、俺の限界は瞬く間に訪れてしまった。
そして、それと殆ど同時に――
「ッ……ッッッ……♡♡♡」
――優希子は明らかな絶頂の痙攣をもよおすのと同時に、失禁混じりの潮を噴いた。
射精を足で受け止める、小さく痙攣して天井からぶら下がる、ナース。
俺は彼女の、生理的な反応をじっくり眺めて堪能した後に……彼女の死を確認してから、ベッドから抜け出したのだった。
* * *
受付嬢のOL……ファストフードの店員……スチュワーデス……ナース……
後に、この四件の屠畜を元に作られたビデオは宣伝に大いに役立ったらしい。
俺は彼女達に花を手向けつつ、それでも思うしかなかった。
彼女達のこれからが、どうか幸せでありますように。
そして一生彼女達の淫靡を忘れることは叶わないだろう……と。
<END>
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2022-03-18 20:38:38 +0000 UTC