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【肉畜証明書】屠畜の日☆お嬢様達は決闘死合を行った…【SS付き】

互いの優劣を決める為に、二人のお嬢様は致命的な《決闘死合》に向かった……

まに様が書いたSSもつきます。是非とも一見ください。


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~~以下はSSです~~

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作者:まに


 どの世界、どの時代においても、人は知性を持つ限り『競争心』に支配される。

 肉畜たる女性達とて、それは例外ではない。

 家系、容姿、学力、体育、恋愛、性技、その他諸々挙げ始めればキリのない様々な要素が、彼女達に自他を比較させる。細分化すれば、それは嫉妬心であったり対抗心であったりと様々だが、とにかくそれ等の感情を全く持たない女性は皆無と言っていいだろう。

 無論、悪いことではない。競争心は人を成長させるものだ。感情をうまく向上心へと昇華させることさえ出来れば、成熟に対しこれほどの近道はない。

 だが、それはあくまで『うまくやれば』である。

 こと肉畜においては、湧き上がる競争心を歪な方向に向けてしまう者も少なくなかった。


 ――《決闘死合》と人は呼ぶ。

 特に思春期の少女達の間に広がる、一種の慣習である。膨れ上がった競争心のまま、二人の少女が互いの優劣を決める為に命を懸けて決闘する。肉畜の特殊な死生観から成り立つ慣習といえるだろう。

 負けた方には紛れもない『死』が待っている。決闘の中で殺される場合は言うまでもなく、たとえ敗北を認めても、その場で自害しなければならない。

 非常に危険な行為であるには違いないのだが、にも関わらず、ライバルより自分のほうが優秀であることを証明しようとする者は多く――逆に敗れ、命を落とす者もまた絶えない。

 生死によって優劣を決する。正に生物としては完璧な決着と言えるだろう。


 ――だが、一部の者は言う。

 普通の《決闘死合》など、所詮動物の喧嘩となんら変わりない。

 我々は人間なのだ。人間としての優劣を決するのであれば、《決闘死合》のスペシャルルールである《DIE理決闘》を置いて他にないだろう、と。


   *   *   *


「これは…んっ♡…あぁ、そろそろっ、決まりそうですねぇ…♡」

「ふっ、ん…んっ…どう、かしら」


 ――《決闘死合》専用の決闘場。

 目下で剣戟を重ねる二人の女性を、彼女達はガラス張りの特別鑑賞室から見下ろしていた。

 机を隔てて椅子に座り、決闘を鑑賞する彼女達は双方共に美しく気品がある。


 かたや、艶やかな黒髪を背中にまで流す、優しげながら品格のある面持ち。

 かたや、対照的に煌めく金髪をなびかせる、凛とした目がクールな美少女。


 ――どちらもが、決闘場での死合を見ながら己の秘部を弄りたてている。


「はぁ、もう、もう…堪りませんっ…♡」


 黒髪を揺らしながら快感に酔いしれる、明道院藤華(みょうどういん・ふじか)のなんと淫靡なことか。舞踏会に現れるプリンセスと見紛う、優雅な紫色ドレス姿であるというのに、胸元の半透明な生地越しに透けて見えるIカップ媚乳は格好と不釣合いに実った。その乳首を慎ましく弄り倒しつつ控えめながら一心不乱に秘部を擦りたてているくせに、どこか声色や所作に気品があり、とにかく上品と下品の混在する様が堪らない。


「そうね…早く決着をっ…♡」


 一方、金髪ツインテールの月橋羽都音(つきはし・はつね)もまた、クールな顔こそしているものの、赤いボンテージに淫靡を強調されたスレンダースポーツ体型をしきりにビクつかせている。ボンテージから溢れた、藤華ほどではないにせよ豊満なHカップ淫乳を鷲掴みに揉みしだいて、その美しく柔らかな塊は白魚のような指によって形を変えている。股を大開きにさせて陰核を弄り、パイパンな秘部にはバイブまで鳴っている。



 互いの瞳は同様に決闘の行く末を映しこんでいる。

 決闘場では、女武者装束を纏い薙刀を振る女性と、二振りのダガーを持ったメイド装束の女性が鎬を削っていた。

「「あっ」」

 不意に、二人は同時に声をあげた。

 女武者の振るった薙刀が、長い時間をかけてついに、メイドの首を一閃したのだ。

 首を失ったメイドの身体がその首から血しぶきをあげる。むっちり肉感的な太腿をがくがく痙攣させ、失禁し――そしてついに、崩れ落ちた。

 女武者は肩で息をしながら、討ち取った首をとり、丁重に倒れた胴体の前へと置く。

 同時に、決闘場に無機質なアナウンスが鳴り渡った。


〈月橋羽都音様の代理人は死亡。よって、勝者は明道院藤華様〉


「…どうやらこの《DIE理決闘》、私の負けね」

 羽都音は静かに肩を落とした。

 当然である。彼女は《DIE理決闘》に敗北したのだ。

 《DIE理決闘》とは、《決闘死合》の極と証される。

 その内容は、本人達が決闘するのではなく、自分達の代理人に決闘をさせて勝敗を競うというもの。

 代理人が死んだ場合は、無論、自分もその後を追わなければならない。

 しかし、羽都音の落胆は死に対するものでは、ない。

「これで死ぬのは私のほう…覚悟は出来ているけど、やはり悔しいものね。《DIE理決闘》で負けるというのは」

 ――呟く羽都音は、プライドを折られた事実にこそ傷心していた。

 それは、《DIE理決闘》ならではの非の打ち所がない敗北感であった。


   *   *   *


 《DIE理決闘》と普通の《決闘死合》は懸けるものの質が違う。重みが違う。

 決闘者同士が行う《決闘死合》は、所詮自己完結の武力比べ。それ以上の意味はない。

 しかし《DIE理決闘》で競う者は、人間として築いてきた全てを懸けるのである。

 何故ならばこの決闘、当然より強い代理人を得ることが勝利に繋がるのだが、その為にはまず当人の『忠誠心』を得なければならない。代理人にとって、《DIE理決闘》は命を落とす危険があるだけの無意味な行為でしかないのだ。

 だからこそ、忠誠心を得るには依頼者本人の『人間性』が試される。

 家柄や名声に留まらず、人望、魅力、求心力、カリスマ性……ありとあらゆる要素が揃っているかどうかが、より強い代理人を惹き寄せられるかを決定付けるのだ。

 従って、《DIE理決闘》での勝利は相手に対して『絶対的な優位』を持っているという証左に他ならない。

 逆に、敗北したものの気持ちときたら――


   *   *   *


「…思い返せばこの一年、私達も随分いがみ合ったものね」

 自分の代理人の死体が、立会人等に運ばれていく。羽都音はどこか遠い目でそれを見守りながら、感傷的に呟いた。

 二人は通っている学校こそ違うものの、美貌も才能も家系も殆ど互角のライバルであった。一年前、あるパーティ会場で出会って以来、競い合う仲が続いていた。険悪な関係と言っていい。出会い初めは口論程度で済んでいたが、二人の競争はいつしか激しくなり、ついに今日、この《DIE理決闘》に至ったのである。

「本当に…ねぇ、聞いてるの?」

 これから死ぬのである、人間らしく想いふけっていた羽都音は、ついに怪訝に眉を寄せて横を向いた。

 さっきから、藤華は一言も喋っていない。勝利の愉悦にでも浸っているのか。

「えっ、えぇ…ああ、私の、勝ちですね…こんなにも、嬉しいなんて……」

「…明道院さん?」

 ようやく返事をよこしてもらい、しかし羽都音は一層怪訝な顔をする。

 藤華の様子がおかしいのである。

 表情こそ勝者らしく喜ばしそうであるが、顔色が少し蒼白い。

 身体は小刻みに痙攣しており、まるで絶頂中のようだ。

「貴女、一体…?」

「…失礼致します、お二人様」

「っ!何を勝手に入って――って、貴女は」

 入り口から聞こえた声に一瞬激しい剣幕を見せた羽都音は、その姿を見て言葉を引っ込めた。

 つい今ばかり決闘をしていた、藤華の代理人がそこにいた。専属護衛侍女になる前に、若いながらも剣術道場で師範代を務めていた彼女は、女武者装束の似合うスラリと高い背に、凜とした銀髪と褐色の肌が相まって麗人の一言を想起させる外見だ。

 護衛侍女は、真っ直ぐに羽都音の横、つまり藤華の前に歩み寄って、一礼した。

「ち、ちょっと――」

「藤華様。この勝利を貴女に捧げます」

「ええ、よ、よくやりましたわね…」

「光栄の至りです」

 もはや脂汗を額に光らせている藤華に、護衛侍女は礼儀正しく頭を下げる。明らかな主人の異常に言及しない代理人、二人の光景は何やら不可解で、羽都音はつい声を飲んだ――が。

「では、予定通り」

 流石に、護衛侍女が刀を取り出したのには羽都音も声を出さずにはいられなかった。

「えっ、ちょっ――」

「感謝いたしますわ…」

 紛れもない白銀の刃が振りかぶられる。

「…月橋さん」

 藤華は一切慌てる事無く、一瞥、羽都音に視線をやって。

「…お先に逝っておりますわね」

 そっと、目を閉じる。

 羽都音が応える暇もない。

 ――次の瞬間、護衛侍女の一閃が藤華の首を宙に飛ばした。

 高貴と淫靡を詰め込んだ極上のドレス姿が、瞬間淫乱死体と相成った。



「な――なっ――」

 驚愕に見開かれる、羽都音の瞳に映るは淫靡。

 藤華であったものは、強い痙攣を不規則にもよおし知性の無い肉塊であることを強調していた。

 びくり、びくりとする度に、ドレスの薄い布の下にあるIカップがたわわに揺れる。

 あまねく雄を虜にする魅惑の痙攣ダンスは、その場に血しぶきと濃密なフェロモンを振りまいていく。不規則で異常な痙攣、だからこそいやらしい。

 何より、羽都音は魅入ってしまう。

 首なしの身体が痙攣する様が、何よりも気持ち良さそうに見えたから。

 普段は上品に着こなしているドレスのスカートに、潮と小水の交じり合ったものが滲んでいくのも、知性の欠片も感じさせずいやらしい。

 そんな染みに溶け込む、血の赤がまた――

「…ん…えっ?」

 つい我を忘れて見惚れていた羽都音は、不意に別の驚愕に目を細めた。

 藤華の腹部を凝視し――斬◯とは異なる、赤い血の線が、腹部に滲み出ていることに気付く。

「これって――」

 羽都音は藤華であったものに近づいて、

「――これって、陰腹じゃない!一体どうして…!?」

 間近で確認するなり、愕然とした声を上げた。

 陰腹。隠れての切腹。

 この様子だと、少なくともこの特別鑑賞室に入る前から切られている。

 つまり、藤華は勝敗に関係なく、既に自決を決めていたということになる。

 何故、どうして――

「…月橋様はご存知なかったでしょうが、藤華様の学校では、生徒の品格を重視している為、私闘は断固禁じられているのです」

「えっ…」

 その進言に羽都音は驚いた。まるで知らないことであった。

 護衛侍女は刀を収め、冷静に言う。

「校則を破った場合の罰は…死刑です」

「…なんでそんな」

 羽都音は愕然として、視線を落とす。

 藤華の首なし死体は、未だ僅かにビクついていた。既に命は無い、その様子から感情を読み取ることは叶わない。死体は何も語らず、ただ性欲を煽る肉塊であるばかりだ。

「…我が主はそれほどまでに、月橋様との決着を付けたかったのです」

 代わりに、護衛侍女は語る。羽都音は彼女を見やった。

「…死より大事なものがある。月橋様ほどのお方ならご理解頂けるかと」

「…そう、ね。確かに、分かるわ」

 羽都音は頷く。本心から。

 同時に、藤華に敗北した理由もよく分かった。

「私の覚悟は、藤華のそれに及ばなかった、ということね」

「…藤華様は全てをおかけになりました。通う学校に泥を塗るのです、余計に勝たなければならない。藤華様の陰腹は自他共に対する覚悟の証です。藤華様にそこまでの競争心を抱かせる月橋様に改めて敬服いたします」

「…少し嬉しい所が、余計に悔しいわね」

 完敗だ、と羽都音は思った。

 藤華は、己の尊厳を守る為には命さえ厭わない。勝ちさえすれば生き延びていただろう羽都音と比べればその差は雲泥と言えるだろう。

 流石は私のライバル。

 羽都音は藤華が死んだ今、初めて藤華に対して好意を抱いている自分がいることを自覚した。

「…勿論、私も我が主の後を追い殉死します」と護衛侍女。

「…そう」

「私だけではありません。既に二時間ほど前、藤華様に付いているメイド達は全員、首を吊って、あらかじめ殉死しました…私と藤華様の目の前に」

 そう言って、初めて護衛侍女は軽く頬を赤らめた。

「私はその時、藤華様と絡み合いました。あんなにも激しい藤華様は初めてでした。私は藤華様の全てに包まれ、貪られ…軽く五度は達したでしょう。

 …藤華様はそのお身体も完璧なお方です。柔らかな唇、芳醇な肢体、全てを効果的に使い、私を労い…あぁ、あまつさえ貝を合わせて下さった後には甘い恋人のような接吻まで。

 …接吻を何度もした後、再び熱い情交が始まるのです。今度は、藤華様は私を優しく蹂躙して下さっていながら、ついにお腹を切ったのです……。

 …思い出すだけで、この身が蕩けそうです…その白い脇腹に、刃を突き立てた時、藤華様は『あぁんっ…!』と、とても艶っぽい声を上げたのです。その時点で絶頂に達したのでしょう。

 …そして、手に力をこめると、藤華様を刃を右へ引き回します。冷たい刃は、藤華様の美しいお腹を横一筋に裂き、そこから鮮血が滝のように流れたのです…やがて、右下腹まで真一文字に切り裂いて、そこから藤華様の桃色の小腸がはみ出してきたのです……」

 固唾を呑んで聞いている羽都音の前に、護衛侍女は、女武者装束の上から股に手を滑り込ませ、乳肉を鷲掴みにする。

 謙遜してはいるものの、凛々しく彼女の身体は主である藤華に負けず劣らずのいやらしさ。女武者装束に女体の形を浮かせ、浸るように身体をくねらせているのだ、見るだけで最中の濃厚さが伝わってくるようだった。

 ……数秒経ち、護衛侍女は明らかに身体の疼きを抑え込みつつ礼儀正しい立ち振る舞いに戻った。

「…失礼いたしました。その後、私は藤華様の切腹の傷口を包帯で巻いて、藤華様はドレスを着たのです。見た目では普段と変わらない様に見えるのですが、数時間経つと、腹腔内出血で死に至るでしょう。

 …私達は早速、メイド達の首つり死体を通って、決闘場に来たのです。あれほどまでに愛してくださった藤華様の死が決定付けられたのです…同時に、私の死も」

 護衛侍女は、紅潮した顔を毅然と向ける。

「『この身は既に、藤華様の為に死んだのだ』。覚悟があるからこそ、決闘に勝つことが出来ました」

「…理由が分かったわ。どうして私が負けたのか」

 羽都音の代理人であるメイドは、月橋家の数多のメイドの中でも戦闘能力は最強と言われる一人で、かつて師範代を務めていた護衛侍女に逼迫する実力の持ち主。しかし主従共にここまでの覚悟を決められては勝てる筈もない。

 まことに《DIE理決闘》は恐ろしい。全ての格をつけてしまう。…相手が藤華でなければ、今頃どれほどの絶望にいただろうか。今はむしろ心地良いくらいで。


「月橋様のメイドも、相当な猛者でした。忠誠心も」

「ありがとう…そう言ってもらえると嬉しいわ」

 羽都音は噛み締めるように言った。しばらく沈黙が続いた後、

「最後に一つ、尋ねるが…明道院さんの遺体は、これからどうなるのか」

「はい…ご遺言により、剥製にして、生前よく行ってた◯◯美術館に寄贈します」

「そうか…ありがとう」

 羽都音はぱんぱんと二度手を叩く。

 即座に、ポーカーフェイスのメイドが特別鑑賞室に入ってきた。羽都音付きのメイド長だ。

「失礼致します、お嬢様」

「遺体回収業者の手配をして頂戴。…私は今からここで切腹する」

 羽都音はメイド長に毅然と伝える。

「私の遺体は展示用剥製にして、◯◯美術館に寄贈してほしい。必ず明道院さんの遺体の側に置くように、という条件付きね」

「はい、かしこまりました」

 メイド長のポーカーフェイスは少しも変化を見せない。

「あと、この勝負、私の完敗だとお父様に伝えて頂戴。…屠畜されたら、この体をお父様にあげる予定だったのに、ちょっと気が変わってしまいごめんね、とも」

「かしこまりました。気持ちよく逝って下さいませ。…お慕い申し上げています、お嬢様」

「ありがとう」

「では、失礼致しました」

 一礼し、メイド長は部屋を出て行く。

 羽都音は二人っきりの部屋で護衛侍女へと振り返った。

「…介錯をお願い出来るかしら」

「はい、光栄です…切腹とは、余計に喜ばしく思います」

「…敗者として、明道院さんに敬意を表するのは当然のことよ」

 羽都音はやんわりと笑む。そして、上品に椅子へと座った。

「…さ、短刀をくれる?」

「はい…こちらです」

「ありがとう」

 話が決まってから、二人の動きはスムーズであった。


   *   *   *


 上流階級の令嬢である羽都音は、当然切腹の作法も習得している。躊躇いもない。護衛侍女が刀を持って構える中、羽都音は淀みなく短刀を腹へと突き立てた。

 刃の切っ先が柔らかな腹部に触れると、羽都音は途端に身体が火照るのを感じた。

 本来、《DIE理決闘》の死とは無残なものである。

 しかし、尊敬出来る相手の全てを受けて負けたという満足感が、羽都音に肉畜としての本能を湧き上がらせていた。

 死ぬ。今から自分も、あの藤華のように性欲を煽り立てるだけの肉と成り下がる。日頃格式高く己を律してきた羽都音だからこそ誘惑は余計に強い。万人の憧れる彼女の蠱惑的な肉体は疼く。

 その色気は、面前の護衛侍女が色情に喉を鳴らす程であった。

「…んっ――」

 羽都音は刃を腹へと入れた。

 ボンテージに強調された淫乱ボディが前に折れ、乳肉が柔く震える。

 引き締まった腹部が鮮血を浮かせ、力む様は艶やかであった。他人を誘惑するように、きゅっ、きゅっ、と引き締まる柔腹。擦り合わされる太腿の煽情的な肉感も欲情を煽る。あの羽都音お嬢様が、あの女王のように誇り高く美しく月橋羽都音が切腹しているのだ、今の彼女を見て欲情するものは数知れぬだろう。

 羽都音は絶頂に似た快感と、鮮烈な痛みを表情に同居させながら、より、つき入れる。

 薄皮を裂いた刃はねっとりと肉に沈み、羽都音はぴくりと痙攣した。

 気持ち良い。まさしく、死ぬほどに。

 そこまではある程度上品にことを成していた羽都音だったが、既に感じる至福の快楽に、抗えず一気に刃を横へと滑らせた。

「――ああっ♡♡」

 びくんと、令嬢の身体は下品に跳ねる。

 羽都音の表情を、その瞬間愉悦が大きく支配した。至上の痛み、柔腹から内臓のどす黒さが覗く。閉じられた太腿から潮が溢れ、彼女の絶頂を知らしめた。

 切腹し、喘ぐ金髪の美少女。

 どこまでも凄艶で、どこまでも淫靡。特別理性的に過ごしてきたお嬢様だからこそその姿はより映える。死に際の痙攣は首を切られた藤華とは違い理性を残した快楽と苦悶の入り混じる踊りだ。男が見たらサオを握るだろう、女が見たなら後を追うものがどれほど出ようか。それくらいの蠱惑的な姿だった。

 羽都音は、がばりと股を開いた。より開放的に快感を味わうだろうか。

 そのまま、刃を今度は縦に突き入れ、十字に腹を切っていく。

 名状しがたい喘ぎが特別鑑賞室を満たす。

 羽都音の感じる恍惚は尋常ではなく、軽く数十回分の絶頂を味わいながら、彼女の頭は快楽物質で真っ白に焼き爛れていく。

 何より、股を開いて十字に切られた腹からどろりと内臓を零す、彼女の姿は健気であった。

 全てを曝け出し、主張している。

 藤華の陰腹は一文字。これは、彼女に負けないよう。

 或いは――彼女への、敬意を表して――

 十文字腹を切った、淫靡な姿で――

 これからずっと――彼女の、明道院さんの――

 藤華の傍に――

「…失礼致します」

 藤華を想って絶頂にビクつく、羽都音に護衛侍女は熱っぽく言った。

 寸分の狂い無く、羽都音の滑らかなうなじに刃を落とす。



 羽都音の金髪が宙を舞う。

 一瞬にして、麗しい令嬢は首から血しぶきを上げる雌肉に成り下がった。

 藤華と同じく、異常な痙攣。

 机を挟み、かたや動かず、かたや暴れ、対を成す首なし死体があるこの部屋は、どれほど淫靡なものだろう。護衛侍女は己の秘部が熱くなるのを抑えられない。

 ………………

 …………

 ……

 やがて、全ては終わった。

 残された護衛侍女は、椅子に崩れるように座る二人の首なし死体を丁重に直し、生首を机に置いた。



「…とても素敵です。あの世で仲良くお過ごしください」

 彼女は静かに語りかける。

 護衛侍女は誰より二人の関係性を分かっているつもりだった。

 二人ほどいがみ合い――そして、二人ほど互いを認めあっている存在はいないのだ。

 この世でのしがらみから解放された二人はきっと、蕩けるような愛に溺れるだろう。



   *   *   *


 護衛侍女は尊敬の念で二人を見守っていると、再び羽都音付きのメイド長が訪れた。

 彼女はポーカーフェイスをしたまま、しばらく二つの生首の顔を見つめていた。

「…介錯、お疲れ様でした。素晴らしい腕前です。お二人ともとても穏やかな顔をしています」

「ありがとうございます」

 護衛侍女は頭を下げる。

「これから貴女は、どうするおつもりですか?」

「全てを終えることが出来ました。これでもう、思い残すことはありません…後は潔く自害して、二人の後を追わせていただきます」

「かしこまりました。一時間後に遺体回収業者が訪れますので」

 メイド長はそう告げると、踵を返してドアへと向かう。

 ドアを開けると、外の廊下には数人のメイドが並んで立っていた。

 メイド達の表情はメイド長と同じく、皆一様にいつもの平静を保っている。 

「…私達も羽都音お嬢様に仕える者。既に覚悟は出来ています。今からお嬢様の後を追って、この廊下にて逝きます。ではこれで失礼致します」

 メイド長は一礼し、そうして部屋を出ていった。

 一人残された護衛侍女は感嘆する他なかった。

 これから逝くというのに、彼女達はあくまでメイドとしての矜持を崩していなかった。

 彼女達は羽都音という主人に恵まれただろうが、羽都音もまた彼女達という従者に恵まれて幸せだろう――羽都音であったものを見つめながら、護衛侍女は主従関係の理想系を見たような気分に浸った。

 そう思うと、護衛侍女は自然と、彼女達の後を追っていた。


 メイド長率いるメイド達は、廊下の窓際で立ち止まった。

 そこには、護衛侍女に斬◯された代理人メイドの遺体と生首が置いてあった。

 メイド長は膝をついて、生首を持ち上げる。

 平静とした瞳と、虚ろな瞳が見つめ合う。

 ――そこで前者が、感慨深げに、潤む。

「よく頑張ってきました。今行きますね」

 彼女は囁くような低声で呟くと、生首の唇に自分の唇を重ねた。

 目を瞑り、啄ばむように甘い接吻を交わす。

 暫くそうした後、メイド長は唇を離すと、そっと生首をその場に置いた。

 彼女は立ち上がり、メイド服のポケットから紐を取り出す。

 まとめられたそれを解くと、向かい側の窓のハンドルにかけた。

 紐の先端には輪が出来ており、彼女は躊躇なくそこへ首を通した。

 縊死だと誰にでも分かる光景だが、普通の首つりにしては高さが足りない。

 座っての縊死、という死に方を選んだようだ。

「それでは皆さん、始めましょう」とメイド長。

「「「はい」」」

 メイド達は極めて平然たる態度で返事し、二人ずつ差し向かいになった。

 廊下の床に膝をついて座り、互いに身体を密着させる。

 規格外な爆乳から完璧な巨乳、美乳から微乳までそれぞれに魅力たっぷりの乳房が、2組で互いを押し潰し合って甘ったるく形を変える。

 その淫靡な光景にそぐわず、彼女達はそのまま片手で相手の秘部をいじり始めた。

 幾つもの甘い吐息が廊下に満ち渡る。

 その唇は自然とペアを求めて、互いの唇へと激しく吸いつきあう。

「んちゅ、んっ、はむっ――♡」

「れる、ちゅる、にゅれるれ……♡」

 生々しく濃厚なベロキス。

 色情を刺激する、乙女達の接吻音。

 ――そこに交わるは、冷たい金属の擦れる音であった。

 彼女達はキスに勤しみながら、腰間から拳銃を取り出していた。

 その銃口を、迷わず相手の左乳房の下に突き付ける。

 主を追って殉死。藤華に殉死したメイド達の覚悟と、同じくらいの覚悟を感じさせる行為である。

 羽都音に仕えるだけあってメイド達は皆、素晴らしく上玉であり、その淫らなレズ愛撫の姿は妖艶で美しい。

 メイド長は一人、その光景を眺めていた。

 ――すると、メイド達の向こう側にもう一人鑑賞する人物がいることに気付き、苦笑した。

「大変お見苦しい姿を晒してしまい、申し訳ございません」

 そう言うメイド長の瞳には――呼吸を荒げる、護衛侍女が映っていた。

「ご覧の通り、月橋のメイドは全員、恋人同士です。屠畜する時は必ず百合心中する、というのは月橋の掟です。私の恋人はもうすでに先に逝ったので、私は首を吊って死にます。貴女もどうぞごゆっくりと」

「……はい」

 護衛侍女の返事を聞くなり、メイド長は脚を崩して、その淡白な表情を途端快楽に染め上げた。

 白い首を絞められつつ、彼女は呻き、その白磁のように美しい手をミニスカートの中へと忍ばせて自慰を始める。

 自分の性感帯を知り尽くした巧みな自慰。美女が秘部を擦り上げる光景は、女性であろうと興奮をそそられるいやらしさだ。

 数分を経ずして、メイド長は股間から、ぷしゃーと、絶頂と共に失禁を撒き散らした。

 快感の強さをそのまま示したようなその音が、合図となった。

 後を追うように、何発もの銃声が廊下に響き渡った。

 銃弾の強烈な衝撃は、メイド達を最高のピークにまで押しやった。彼女達は一斉に嬌声を上げ、胸から血を吹き出しながら抱き合ったまま倒れて、強烈な快感の波の中で淫乱死体になった。

 やがてメイド長は顔を青くさせて、虚ろな目で恋人の生首の顔を見つめながら、静かに逝った。


 血の海の中、死の快感に痙攣する肉塊達。

 脳味噌を快楽物質でいっぱいに染め上げた、メイド長の逝き様。

 護衛侍女は全て、その目で見ていた。

 ……彼女はやがて、ゆっくりとドアを閉めた。

 静かになった特別鑑賞室で、護衛侍女はもう堪らなかった。

「…参ります」

 護衛侍女は諸肌脱いで、二人の前に正座した。褐色の豊乳が装束に映える。

 短刀を取り出し、腹を切る手に迷いはない。

 白刃を、柔らかな腹部へ――突き刺す。

「おっ……お゛お゛っ……♡」

 のめりこんでいく刃。

 ――後にはただ、一人の女のうめきが部屋に満ちるばかりであった。

 腹部から血が溢れ出て、滑らかな褐色の下腹を染め上げていく。

 護衛侍女のむっちりと肉感的な身体が踊る。

 二人のお嬢様の美しい生首と、淫靡な首なし死体を前に、彼女は刃を深く入れるほどに、散々くねり、幾度とない絶頂を繰り返した。

 汗ばむ手で握った刃を、より深い快感を求めて動かしていく。

 一文字――十文字。

 やがて十字にその腹を切ると、彼女の恍惚はいよいよ最大となった。

 傷口から、艶めかしい内臓がどろりと零れ出でる。

 護衛侍女はその瞬間に秘部をきつく締め上げて絶頂し、前のめりに、倒れこんだ。

 豊乳が地面に押し当てられて潰れ、女装束には粗相の染みが浮かばせて、彼女はつんのめりながら、格好どおりに滑稽な痙攣をする。

 それもやがては収める。

 後にはただ、三つの淫乱死体が静かに鑑賞室にあるばかり。

 まもなく訪れた遺体回収業者達が、間違って死体を襲ってしまわぬよう必死に自分を抑えたことは、もはや言うまでもないだろう――。


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