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宇宙🚀メイキング



寿なし子先生の絵本へ寄稿するイラストを描いていきます。


使用アプリ:procreate・調整や色調加工にReLens、snow・資料整理にVizref

作業環境:iPad Pro(第二世代) 12.9inch 512GB・Apple Pencil

作業時間:48時間


🐇ラフ🐇


一番最初のメモラフはこんな感じ。私に宇宙は描けないので、話の内容に絡めつつ室内を描きます。

主人公の顔をあまり映せない制限があったため、後ろ姿で魅せる構図を考えました。



少しマシにした大ラフの状態。だいたいのモチーフの置き方を決めたものの、構図に流れが無い気がしたのでバランスを練ります。



ラフ。構図を取る時に、置きたいものを適当に置くだけでなく、その大まかな形に意味を持たせるといい絵に……なるような??(知らんけど)



この絵は「ヤバい人外が自分に会いにきちゃった」怖い絵なので、構図にはどこか不安定な要素が欲しい。

ライティングが当たるであろうラインを逆三角形状に配置する事でどこか安定感に欠ける絵にします。



大ラフと比較するとこうした全体の流れが分かりやすくなったかな?(プチ視線誘導)

一番見せたい流れは主人公を見つけた宇宙ちゃんの視線の流れなので、ここは宇宙ちゃんの指や奥の腕で補助します。

主人公のポージングはその大きな流れを受け止めるように90°に配置。

ごちゃごちゃ小物は描きますが、宇宙ちゃんの顔と主人公の頭に真っ先に目が行くこうずになるように気をつけます。



🔭線画🔭


ラフの時点では細かいシルエットまでは取っていなかったので、一度下書きをかましました。



資料ボードはこんな感じ。着手前に雰囲気のインプットとして1~2時間Pinterestを眺めたものと、大ラフの後~下書きの段階で具体的なモチーフ探しに集めたもの。大抵この二段階で集めています。

現代日本を描いても良かったのだけど、それではつまらないと感じて90~00年代のNYを描くことに。資料もその時代に使われていたものの写真中心に集めます。ホーム・アローンとかレオンあたりの、少し古い映画のあの雰囲気を描きたい。



線画。濃度30%くらいのスタジオペンで描いています。強弱の少ない無機質な線が好き。



⏰色置き⏰


こうしたごちゃごちゃした背景の色置きを始める時は、人物の明暗から始めることが多いです。他のものの明暗の置き方の指標になる。



色置き……苦しんでいるのがよく分かりますね。どちらかというと緑系統の色でまとめたいのだけど、宇宙ちゃんのブルーは紫寄りなので迷っています。


☎️下塗り☎️


下塗りにあたって、普段は通常レイヤーで描いていますが今回は苦手な色味な事もあって加工レイヤーに頼ってみました。

素の状態にソフトライトレイヤーで影を落とし、加算レイヤーで光の当たる面を浮き彫りにします。



宇宙ちゃんの口の中の色についてなし子先生に確認したかったので、ここだけ早めに進めてお伺いを立てました。

下塗りの時点で彼女だけはある程度形にしておいた方が楽な予感がしていたのもある。



ソフトライトと加算を多用して下塗り完了。ビルの窓は一部写真素材を使いましたが、若干浮くので手描きで良かったかもな~



加工。下塗りの際に適宜加工レイヤーを使用していたためあまり大きく動かしてはいませんが、全体の色味と明暗を整えています。



Relensのカラーグレーディング機能とトーンカーブを使用して、影色パターン(左)と照明ピカピカパターン(右)を作成し、大まかに


影色→机の下、画面の4隅

照明→机の上、主人公、宇宙ちゃん


とレイヤーマスクで分けて反映させます。



比較するとこう。大まかなまとまりが生まれたのがお分かりいただけるでしょうか……?

正直私も苦手な色味に挑戦しているのでこれが合っているかはわからない……。



明暗に応じて色味を分ける試みはこの絵が顕著。この絵は描いた当時は混乱していたけど今見るとすごく綺麗だ。

同じようにカラーグレーディングでなんとかしたんだっけな……?(もう忘れた)


🍔塗り🍔


塗っていきます。使用ブラシはデフォルトで入っているブラシペンとスタジオペンです。それ以外を使う場合は随時紹介いたします。


構図にもよりますが、最近の絵は3~5枚くらいのレイヤーに分けている事もある。今回は近景から遠景まで描写範囲が広いので5~6枚に分かれています。



暗めの絵や強いライティングがかかった絵のお供におすすめなのがスポットライトくん。卒展の際に購入したものを一台部屋に置きっぱなしにしていて、ライティングが分からない時の参考にします。



別の絵になりますが、活用例はこんな感じ。



試しにコカコーラを撮って参考にしてみました。ある程度絵を描き慣れているのでリファレンスが無くても塗れるのだけど、あると迷いが無くなって気が楽。



テーブルヤシについては自宅マンションの共用部にちょうどよく似たものがあったのでそれを観察。あくまでイラストなのでそのまま描くわけではないのだけど、観た上でつくウソの方が信憑性がありそう。



テーブルライトはアトリエの絵で描いたものをすごく気に入っているのでほぼ同じものを置きました。光沢はあるけど少しボコボコしたなめらかじゃない金属。


Procreateで使える花のペン画スタンプブラシ [無料配布]

ペンで描いたスケッチ画のような雰囲気のプロクリエイト(Procerate)向けの花のスタンプブラシです。手書きのメモやデザインの飾りとして花のスケッチ画を添えて華やかに演出してみましょう。Procreate5.0以降に対応。Apple Pencilのペン先の向きに合わせて角度を調整できます。 花のスタンプ画像をキャンバスに並べてデ...


自然物の描写によく使うこちらのフラワーラインブラシ(スタンプじゃない方)を、滑らかじゃない金属の塗りにも使っています。

これでパキパキと色を置くだけで一瞬で塗り終わる不思議。



先日京都精華大学でたくさん絵を添削して、塗りの際に光と影の影響を考えられていない人が割と多いなという印象を受けました(皆様お上手でしたが…!)

例としてこのスクショ内の光と影の解説をしてみます。


⚪︎光

・この絵ではテーブルの上を照らすようにスポットライト的な光が当たっています。(随所で嘘をついていますが)

・その影響で上を向いた面(ポテトの側面、モニターやポケベルの上部、本の表紙)に強い光が当たっています。

・それだけだと黒いモニターが沈みすぎるので、カメラの位置に仮のライトを置いて、モニターやポケベルの画面に謎のハイライトを置きます。

・モニター下部、蛍光色の付箋は薄い紙素材なので、重なっていない部分は光を少し透過して彩度が高く、紙同士またはモニターの枠と重なる部分は彩度が低くなります。


⚪︎影

・落ち影の描写は少ない手間で説得力をめちゃくちゃ上げる事ができます。このスクショではケーブルがレポート用紙やモニターなどの面に影を落としていますが、この影の位置をケーブルと面の距離に合わせて動かす事で奥行き感を演出しています。

→距離が近いほど影の位置も近く(そして濃く細くはっきりと)、遠いほど影の位置も遠く(薄く太くぼんやりと)なる……など。


私も光と影の影響を描くのはすごく苦手です。だからこそちゃんと考えて描く癖がつき始めているのかもしれない。



元々は晴れた星空をバックにする予定でしたが、情報量がスカスカで気になったので雲と彗星を加筆しました。

通常レイヤーでの描画がメインだけど、こういったエフェクトっぽい描写はソフトライトと加算も多用します。

というか私は通常・ソフトライト・加算さえあれば他のレイヤー効果は要らない位この3つが好き。


(frame embed)



グリッター系のブラシは割と色々ダウンロードしているのだけど、今回はこれを使うことが多かった気がします。


(frame embed)



雲の描写はプロクリデフォルトとこのブラシの併用だったかな……かなり適当に選んでます。



塗りの過程。下塗りである程度完成して見えるところに持っていくのに、ここから塗り終わりまで大抵の一枚絵では3日かかる。。。



💫仕上げ💫



ソフトライトレイヤー信者なので明暗や色味の調整は基本ソフトライト。

細かい部分を調整した後、下塗りの加工と同じようにReLensで影差分、光差分を作り、レイヤーマスクでそれぞれ反映させます。



色味がまとまりに欠けている気がしたので、snowのフィルターで少しレトロ感のあるくすみカラーに変換。カラーレイヤーにこの画像を置いて、明暗はそのまま色合いだけ反映させます。



先程の加工で宇宙ちゃんがくすんでしまったので、今度は宇宙ちゃんレイヤーをReLensに持っていき、HSL調整で青系の色の彩度を上げてこれもまたカラーレイヤーに置きます。



ReLensで大好きな機能が「Detail」タブ。「Sharpen」「 Clarity」を+15、「Structure」を+50した前後のGIF。



拡大するとこう。スマホサイズだと判別が難しいかもしれないけど、細部の死んでいた描き込みが生き返ります。

Detailでこのようにバキバキにしたレイヤーを用意して、不透明度を調整。グレーのノイズレイヤーをオーバーレイして字幕を追加したら完成。



「会いに来たの」


苦手(引き構図)×苦手(寒色)×苦手(遠景)×描いた事無いもの(90年代風背景)

ーの割にはまとめられたかな……マイナスの四乗だからか。

普通に考えると60点くらいの絵だけど、あの作風の自分がこれを描いたと考えれば80点。作者でなくいち鑑賞者として点をつけるなら3000点。


明暗設計を途中で動かしたのが敗因かも……目が散らばる絵になっちゃったし、構図の時に考えていた意図がいまいち活かせてない。そして遠景が下手。

でも細部の描き方は良い感じ。何より「現代を描くのつまんないな」と最初に思い描いた90年台の雰囲気が良く出ている。私は生きていなかった年代だからこそ、位相の違う異世界感があって惹かれます。



過程GIF。もっと迷走すると思っていたけど、意外と今までの絵の応用で描けたな~。



呆れるほど少ない冊数しか刷らないと言っていたなし子先生を説き伏せて冊子の通販をさせたのは私の手柄です。皆様本編がマジで良いので買いましょう。


(frame embed)



私の新刊にも掲載しています。よければおまけに買ってください。


(frame embed)





サムネ用VHS加工。

fanboxでは月に一度程度こうして一枚絵のメイキング、毎週日曜日に一週間の制作日記を載せているので、良ければご支援いただけると嬉しい❗️

それでは❗️


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