こんにちは。今回は少し趣向を変えて、お絵描き講座の記事になります。
自分の垂れる講釈が役に立つかは分かりませんが、一助になれば幸いです!
みんな室内背景描いて……私の目が潤うので……
先日こんなメッセージを頂きました。室内を描いた絵が大好きなので、同志が増えてとても嬉しいです…!
塗りがのっぺりしてしまう件について、解決策はいくつかあるので2、3回の記事に分けて順を追って説明いたします。長くなりますのでお暇な時にお読みください。
構図がのっぺりしている場合、どんな塗りをしても絵ののっぺり感は拭えないと思います。例を挙げてご説明いたします。
例えば、窓際に置いてある机という構図を描くとします。三点透視図法(消失点が3つある)のパースを取って、それに沿って描いてみます。
なんだかのっぺりして、現実感に欠けて見えますね。
それを解消するために、家具や額、張り紙で全体の凹凸や情報量を増やしてみました。
パースに沿った線が増えた事で、画面に立体感を演出できます。これだけで写真のようにリアルな感じがして、のっぺり感を回避出来ます。
🦚CHIPS🦚
・ベッドが机の一部を隠しているように、手前にあるもので奥のものの一部を隠すと説得力が増します。
・何か意図がない限り、別の奥行きにある線を重ねたり、同一線上に置いたりしない方が良いです。パッと見で分かりにくい構図になってしまいます。角にも同じ事が言えます。
・画面端に見切れているものを設置すると広がりのある絵になります。
・例えば部屋の主がだらしない性格であれば、額が傾いていたり家具の配置が雑になっていても良いかもしれない。真面目な子なら、引き出しをきちんと閉めていたり本棚の本の高さを揃えて並べているかもしれない。そういう一つ一つの思い入れが絵の説得力を裏付けすると思っています。
今度は机と窓自体に凹凸をつけて、形を複雑にしてみます。
たくさん資料を集めて、気に入った部分をコラージュするようにのっぺりした面に棚を置いたり装飾したりします。
🦢CHIPS🦢
・家具の資料探しは輸入家具通販サイトなども楽しいけど、やっぱり関連画像が芋づる式に見つかるPinterestがおすすめです。
・奥行きが異なる場所はクロスするように線を置けると気持ちが良いです。具体的には、窓枠が右側を手前とするX軸のパースに沿っているので、窓の奥は左側を手前とするZ軸のパースに沿って描いています。
🐌ダメな例🐌
これは5年前の絵……笑 パースも取れていない上に、椅子や窓が単純な形すぎてのっぺりしている。
この構図なら、単に書き込みを増やす事、上から見ている事を生かして上下に強めのパースをかける事で見映えを良くしてのっぺり感を回避できる……気がする。
ソファの奥に棚を置いて、右奥に抜けてしまいそうな流れを抑えて構図をまとめました。
人物が二人とも小さくまとまりすぎている気もするので、赤毛の子にはリラックスしてもらいました。
今の自分だったら絶対描かない構図なのでめちゃくちゃ難しかった。難しい構図にチャレンジしてて偉いな、昔の自分。
これも5年前かな?パースを意識し始めた頃。ドアの枠や窓の立体感に欠けるし、物が少なすぎて廊下なのか家の外なのかわからない。
…ダメな例と紹介したけれど、私は自分の絵が大好きなのでこれはこれで静かな雰囲気の中で人物が目立つので良いような気もします。
個人的に構図感が良いと思っているのはこの絵かな。三点透視のそれぞれの奥行きがいろんなラインで描かれていて、とても立体的でスタイリッシュに見える。
明暗設計、場面設定がない絵はのっぺりして見えがちかもしれない。
ありがちなのっぺりした下塗りの例。
光や明暗の設計が無く、一番明るい場所が主役ではない布団や張り紙の白い部分になってしまっています。どういう時間帯、どういう気温、どういう天気なのかも伝わって来ません。
最初から細かく決める必要はないけれど、一番目立たせたい光(逆光の絵などでは影)、悪目立ちしてはいけない場所位は決めておくと良い絵になりやすいです。
光の当たる面を色面で分けました。
構図を決めた時点で、時間帯、天気、温度など大まかな場面設定を決めます。表現したいものに明確にエイムを定めることが大事だと思います。
今回は昼下がり、ぼんやりした暗い部屋に午後の明るい日ざしが入ってくる場面を想定します。
個人的に明暗設計は暗い場所を描く時の方が簡単だと思っています。ことデジタルで絵を描く場合、明るい色から始めて影を描き足していくよりも、暗い場所に光を当てるように描いていく方がドラマチックに仕上がりがちです。
ベッドには机の影が落ちるはずなので多分こんな光の入り方になる気がするけれど、自分の絵は物が多くそれぞれの輪郭線を目立たせないとごちゃごちゃしすぎる傾向があるので、このような場合は嘘をついて光の境界線を輪郭線に持ってきたりします。この程度の書き込みのシンプルな仕上げにする場合ならどちらでも良いと思います。
嘘のつき方は加減が難しいので、ある程度背景を描くのに慣れてきてからでも良いと思う。
リニアライトレイヤー(ソフトライト、オーバーレイなどでも代用可能)で、全体の空気感を増しました。
ライティングのレイヤーだけ表示した状態。
ぼんやりしたエアブラシで空気の色を考えながら大まかにライティングします。
目立たせたいのは窓からの光を直接受けて輝く机なので、その他の明るい部分を乗算レイヤーなどで削り、机の天板に加算発光レイヤーをかけました。
こうして光の強さの順番を整理します。目を細めて薄目で見た時に、目立たせたい場所が強く見えたら勝ち。
窓から指す光を追加しました。
光の筋が目に見えるということは、空気中に細かい粒子が存在して光を反射しているという事なので、これだけでここの空気が少し埃っぽく、懐かしく感じられます。
子供の頃暮らした古い家、午後に勉強をさぼってうたた寝していた暖かい春の日を思い出しているような絵に見える。
こちらが今回のライティングのレイヤー構造。
普段は簡単に物の固有色、ある程度の質感や陰影を描いた下塗りの後にこのような演出の作業をします。

そのあと細かい描き込み、最終調整でもう一度演出をまとめるという流れになります。詳しい流れはメイキング記事を見てください。

こちらはYouTubeに限定公開している録画and解説字幕によるメイキング動画。
長くなりすぎるので今回はここまで。私がこういった事を勉強したのは自主制作と高校生の頃通っていた予備校からでしたが、絵作りの教本はたくさん出版されていると思うので、一度本屋さんに行ってみるのも良いと思います。
次回からは本題の塗りについての話をします。今月中には載せられるはず……。多分会員限定記事にさせてもらうと思うので、もし良ければ見ていただけると励みになります🙏
それでは!
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