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進捗日記37~つぐみひげの王様前編~


布団に入ってから無音だと考え事が捗って寝るどころじゃなくなる為、何かしらの声が内容は聞き取れない程の大きさで流れているのが一番眠りやすいです。音声であればなんでもいいので、サンドウィッチマンの漫才から野球の実況、ゆっくり解説動画までいろいろ適当に流すのですが、最近のトレンドは御伽噺の読み聞かせです。

ただこれには弊害があって、御伽噺を聞いてると絵を描きたくなってしまうんですよね……というわけでここ数日の寝る前落書き達。好きな御伽噺を紹介します。


つぐみひげの王様 -前編 -

ある王様にお姫様が一人おりました。このお姫様は並外れた美貌に恵まれていましたが、その性格は高慢で我儘、少しも言うことを聞かないので、王様は非常に手を焼いておりました。結婚すればこのお転婆も少しは落ち着くだろうと思った王様は、近い所から遠い所まで、年頃の男を全て集めて花婿探しの宴会を開きました。

しかしお姫様は結婚だなんて真っ平御免だったので、太り過ぎている者には「立派な酒樽さん」、顔が青白い者には「死神がいらしたのかと思ったわ」など、やってきた若者皆に難癖をつけるのでした。

その中でもいっとう立派な王子様には特にはしゃいで、「あの方のお髭、まるでつぐみの羽みたい」と笑いました。そのためこの日から、王子様は「つぐみひげの王様」と呼ばれるようになってしまいました。

お姫様が花婿候補をからかって遊んだだけだったと知ると、王様はたいそう腹を立て、その怒りのあまり「誰でも構わないから、次に戸口に来た乞食に娘を嫁にやる」と誓いました。

暫くすると、一人の歌うたいが襤褸の服を着てお城に入ってきて、王様とお姫様の前で歌を歌い、僅かな施しを求めました。

「お前の歌はたいそう気に入った。ここに居るわしの娘を褒美として嫁につかわそう」

王様は言いました。お姫様はぞっとして嫌がりましたが、怒った王様には何を言っても無駄。すぐに牧師さんが連れて来られ、その場で結婚させられてしまいました。

式が終わると王様が「乞食女のお前が宮殿に居座るなどおかしい」と言って娘を追い出すので、歌うたいはお姫様の手を取ってお城から連れ出しました。

暫く歩いて行くと大きな森に出ました。「この美しい森は誰のもの?」とお姫様が尋ねると、「つぐみひげの王様のものさ。お前があの人を選んだら、この森はお前のものだった」と歌うたいは答えました。

それから二人は広い牧場に出ました。「この素敵な牧場は誰のもの?」とお姫様が尋ねると、「つぐみひげの王様のものさ。お前があの人を選んだら、この牧場はお前のものだった」と歌うたいは答えました。

また暫く歩いて行くと、今度はとても栄えた大きな町に出ました。「この立派な町は誰のもの?」お姫様が尋ねると、「つぐみひげの王様のものさ。お前があの人を選んだら、この町はお前のものだった」と歌うたいは答えました。

とうとう二人は小さな小屋に辿り着きました。「まあ。なんて小さい家なの。このみすぼらしい小屋は誰のもの?」お姫様が尋ねると、「こここそが俺とお前の家さ。今日からここで一緒に暮らすんだよ」と歌うたいは答えました。

この小さい小屋は戸口もとても小さいので、お姫様は身を屈めて入らなければなりませんでした。「召使い達はどこにいますの?」とお姫様は問いましたが、歌うたいは呆れて「召使いだって?ここではしてもらいたい事は全部自分でやるしか無いんだよ」と言いました。「さあ、火を起こして夕飯の準備をしてくれ」

しかし、お姫様は火を起こしたりお料理をしたりする事をひとつも知らなかったので、歌うたいが手を貸して、殆どやってしまわねばなりませんでした。

ー続くー


(余談。今見たら姫のパパもこの髭だ……パパは良いのか……)

グリム童話の「つぐみひげの王様」が童話の中で三本指に入るくらい好きです。初めて読んだ時、最初は(ワガママでヤバいお姫様の話か……)と思っていたのに、読了後には(お姫様以外のやつ皆ヤバいな……)という結論に落ち着いたギャップを今も覚えています。このお姫様は育ちの影響で我儘だけど、森が綺麗とはしゃいだり、頑張って家事をしてみたりと、素直で可愛いんですよね。

また寝る前落書きが溜まったら日記の付録的に続きを載せます。


2月8日

昨日の映画の影響で壁の正面にカメラがある構図を描きたくなったので、2年弱放置されていたものを加筆します。この原稿2年近くやってるの…!?歳月。最近絵の上達を感じていませんでしたが、流石に2年前の絵は下手すぎて加筆し甲斐しか無い。

加筆前、放置されていた状態。緑が寂しい感じだし、線画が全然生きていないし、下塗りの時点で下手……二年間で「キャンバスサイズによって適切な線画ペンの太さがある」とか、「窓枠は何段か階段状になっていた方がそれっぽい」とか、「壁のタッチは筆圧で透明度が変わるペンでいろんな色をハッチングするといい感じ」とか、細々とした知識をたくさん得たんだなぁと分かって嬉しかったです。


2月9日

主に右半分を加筆してなんとなくそれっぽいところまでは持って来ました。遠景や仕上げは後回し……


2月10日

ちょっと前のラフを線画に起こしました。パースがだるくて放置されていたもので気が重かった、やっぱりこんな物が少なめで直線的な絵は線画がしんどい……小物が多いほど線画は適当でもそれっぽくなりやすく、楽な気がします。

一応ちゃんと線画をしたものの、この絵は壁や机の茶色が間延びしそうなので下塗りしてからトリミングかも。この引いたカメラも気に入ってるんですけどね……

(人で暖を取りつつ床暖が着くのを待つ猫)

東京は雪が積もっています、、、皆様風邪など引かれないよう、転ばないよう(私は良くやります)お気をつけてお過ごし下さい。

それでは!


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