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濁り丸
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【R18 FGO小説】貴方の剣をお傍に…前編

 これは"黒猫"に語った紛うこと無き"少女"の本心であり、これが後に英霊となった時の"願い"へと繋がっていったのだ。 『私は……私は、みんなと共に戦いたかったのです』 『あの旗の下でみんなと』 『……どんなに先の無い戦いであっても、たとえその果てに、無意味な死が横たわろうと私はそうありたかった』 『こんなふうに、のき先のあたたかな光に包まれ、天を仰ぎたくなどなかった』 『ただ最後まで――』  新選組の一番隊隊長――沖田 総司  幕末の京都を中心に活動した治安組織が"新選組"である。現代に於いても歴史小説や時代劇などで人気を博しており、日本人であれば知らない人間の方が極めて稀である筈だ。  剣客集団としても恐れられた新選組に於いても、彼女が隊長を務めた一番隊は剣豪が犇めく最新鋭の部隊であり、芹沢鴨暗殺、池田屋事件など常に新選組にとって重要な任務を実行したと言われ、その中でも最強の天才剣士と謳われた。  生まれた頃から病弱であった沖田は20代半ばという若さで早世したのだが、他の英霊と比較しても卓越した剣の才と技を持っている。  生前、初めて天然理心流の剣道場に行った際には、後に新選組の鬼の副長とまで呼ばれた土方 歳三を地面に転がしたという逸話がある程だ。その後も土方は彼女の剣閃は見えた試しが無いと、人理保障機関カルデアでマスターに語っている。  そんな卓越した剣の腕を持っている沖田であったが、新選組の中には同等かそれ以上の実力を持っているとされる長倉 新八や斎藤 一などの猛者が複数存在していた。因みに新選組の中で"誰が"一番強かったかについては、現代に於いても議論が交わされ続けている。  一般的には『沖田 総司』が最強であったという説が伝えられているのだが、それと同時に沖田と一、二を争う程と伝われている斎藤 一や同じ新選組隊士の"阿部 十郎"から後年『一に永倉、二に沖田、三に斎藤の順』と語っていたことから、永倉 新八の方が強かったのだという説もあり、誰が最強であったかという話は明確には判明していない。  比較的新しい時代に出来た組織や人物であるのにも関わらず、新選組に所属していた隊員達の中には、神話の英霊とも対等に戦える強者が幾人もいる。知名度による補正も多少は影響しているのかも知れないが、それでも彼らの強さは異常と言って差し支えないだろう。  そんな化け物と呼んでも差し支えない存在が、複数人で奇襲を掛けて袋叩きにしてくるのだ。当時の討幕派の攘夷志士達が、新選組という組織を恐れていた理由の一端が垣間見えるだろう。  そんな有り余る程の剣の才能を持っていた沖田であったが、生まれた頃から病弱な身体であったがために、病により床に伏し、局長や副長など新選組の仲間達と共に最後まで戦うことは叶わず、没したという過去があった。  英霊になった後も最期まで新選組の隊士として戦い抜けなかったことに、彼女は深い後悔の念を抱いており、自身が新選組の隊士として失格であったと思い込んでいる。他の隊士達は病に伏した沖田のことを全く責めてはいないのだが、本人の気持ちの問題であるのだろう。  ―――その結果、死後に英霊へと昇華された彼女は、生前に果たせなかった"悲願"――『最後まで……己の中の"誠"を掲げながら戦い抜くこと』を成そうと決めたのだ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 「――モヤモヤします……」  カルデアの中に設備の一つである職員のための食堂にて、食べ終わった自分の分の団子の竹串を咥えたままでいる沖田は、唇を軽く尖らせながら、食事用の机の上に形の良い顎を乗せている。彼女の眉間にはほんの少しだけ皺が寄っており、眉尻は悲し気に下げられていた。  今の沖田はどことなく捨てられた子犬のようであり、普段は明るい性格をしているため、そのギャップも大きく感じる。 「お団子……食べないと」  彼女の曇天のような灰色の瞳の先には、まだ手の付けられていない団子が二串載った丸皿が置かれている。  このお団子は本来ならば自分が契約しているマスター"藤丸 立香"と一緒に食べるために、事前に用意していた物だったのだが、彼女が一緒におやつを食べようと誘っている途中に、"いつものように"他のサーヴァントに連れられていなくなってしまったのだ。 「はぁ……」  竹串を咥えたままため息を吐くという器用な真似をしている沖田は、自分からマスターを奪っていった女性達の姿を思い出す。"奪う"という言葉には些か語弊があるかもしれないが、彼女からしてみれば目の前で彼を取られてしまったので、そう表現するのも仕方ないことである。 (今日は"スカサハ"さんでした……一昨日は"ナイチンゲール"さん、一昨々日は――)  普段から忙しそうにしているマスターだったが、"ある日"を境に輪にかけて忙しそうにしていた。そのある日とは、オルトリア・オルタが彼の部屋に同居する形で警備をするようになった時からであり、それ以降からマスターの周囲には女性が常に傍にいるのだ。  最近は沖田が彼と会話を続けていると、アルトリア・オルタやスカサハ、フローレンス・ナイチンゲールなどの女性サーヴァント達が用事や診察があると告げ、マスターを連れてどこかへと消えていってしまう。  行き先はまちまちであり彼のマイルームや診察室、素材保管庫など特定の場所では無い。  それに沖田が一緒に付いていこうとするのだが、少しだけ焦った様子のマスターが『直ぐに戻って来るから待ってて!』と、絶対に言葉で止められてしまう。結果的に、彼女は独りその場で取り残されてしまうのだ。  約束通りに十数分もすると頬を朱色に染めた彼"だけ"が戻ってくるのだが、その後に別の女性サーヴァントが用事があるとまた告げに来てしまう。そんなマスターのことを見ていると、沖田は"何故か"新選組の副長 土方 歳三のことを思い出してしまい、普段とは違う彼の"体臭"を感じて頬が紅潮してしまう。  その紅潮の意味に未だ気付けないままでいる彼女は、後に二人の共通点が"男性として魅力的"であったということに気が付くことになる。  歴史的にも色男であったと知られている土方 歳三と、この世で最も多くのサーヴァントと契約を結んだ藤丸 立香。男性として魅力的であると感じる部分に違いはあるだろうが、間違いなく"モテる"タイプであった。  それまでは沖田とマスターは仲良くおやつを食べたり、世間話に花を咲かせることも多かったのだが、最近は目に見えてその機会が減っている。彼のことは嫌いでは無く、寧ろ好意を持っている彼女にとって、この状況は本人が思っている以上にストレスとなっていた。  今回のおやつを一緒に食べられ無かったのが、ある意味で引き金となったのだろう。 「私にも少しくらい構って欲しいです……」  沖田は無意識の内に、本心を吐露していた。    自分の"居場所"はマスターの隣である筈なのにと、心にぽっかりと穴が空いてしまったかのような寂しさを感じてしまう。彼の隣に他の女性がいることが無性に悲しくなり、『そこは自分の場所です!』と、マスターの腕を自身の胸元に抱き寄せたい衝動に駆られている。  そして、それと同時に胸の奥から沸々と湧き上がってくる、まるでマグマのような悲しさとは別の感情があった。  それは―― 「あっ、何だかムカムカしてきました」  自分を蔑ろにしているマスターへの怒りであった。  一度自覚した怒りは風船のようなものであるため、次第に彼女の心の中で膨らんでいく。気付けば彼のために残していたお団子を口に運び、もきゅもきゅと口をリスのように膨らませていた。ストレス発散のために食べる人は意外と多いが、沖田の怒りがこの程度のことで収まる筈も無い。  傍にあった緑茶を一気に飲み干し、口の中に残っていたお団子を胃の中に流し込むと、沖田は勢い良く椅子から立ち上がる。 「こうなればマスターに直接、文句を言ってやります!」  ドスドスと足音を立てながら彼女は、マスターの元へと向かうべく食堂から足早に出て行った。  沖田の去った食堂は、まるで嵐が去った後のような静寂に包まれている。調理担当をしていた赤い弓兵や意外と健啖家な聖女は、未だに彼女が居た席の方を見たまま固まっていた。  そんな中、遠巻きに沖田の奇行を眺めていた彼女とも因縁浅からぬ"黒髪の少女"は、胡乱気な視線を彼女が出て行った方に向けながら独り呟く。   「えぇ……沖田の奴、思い詰めた顔をしておると思ったら、いきなり団子を貪り食ってマスターに怒り始めたんじゃけど…………わしでもちと引くぞ」     後世で第六天魔王とまで呼ばれた少女は、腐れ縁にも近しい相手の行動にドン引きしながら、彼女は大好きな"洋風"の菓子を自身の口へと運ぶのだった。  ――因みに暫くしてから、今度は第六天魔王がマスターの"お嫁さん"となってしまうのだが、それはまた次回としよう。 ――――――――――――――――――――――――――――― 「――ここも違いましたか。次ですっ!」  沖田は持ち前の俊足を活かしながら、マスターが居そうな場所を手当たり次第に探していた。  最初に彼の私室やスカサハの部屋へと行ったのだが、二人の姿は無かったため、虱潰しで探す必要性が出たのだ。マスターを探し続ける中で、池田屋襲撃の時のような高揚感が出てきてしまい、一種のゲーム感覚に近い状態となりつつあった。  カルデア中を走り続けた彼女であったが、遂にナイチンゲールが診察室として使用している部屋の前へと辿り着く。他のめぼしい所は全て確認済みのため、間違いなくここに居る。因みに沖田がこの場所を後回しにしたのは、自身が病弱であるため、診察室といった治療目的の部屋には少しだけ苦手意識が働いてしまったからであった。 「うっ……少しだけ気分が滅入りますが、マスターを探すためです。こっそり……こっそりと覗いて見ましょう」  ほんの少しだけ尻込みしてしまった彼女は、自分の天敵と言っても良いナイチンゲールが居ないかを"コッソリ"と確認しようとする。  普段から喀血しながら戦う沖田に対して、『あぁ……あぁっ! 喀血なんて……そんなっ! 緊急治療が必要ですっ!!』と、躊躇無しに銃火器を向けて来る婦長に対して、診察室以上に苦手意識を持ってしまうのは仕方が無いことだろう。  彼女は肉体を一時的に霊体化することで扉を透過し、中の様子を窺おうとするのだが―― 「――はへっ?!」  素っ頓狂な声を沖田が上げてしまったのも、仕方が無いことだろう。  ――彼女の灰色の瞳に映り込んだのは、艶めかしい”女の肌色”ばかりであったのだから。  スカサハやナイチンゲール、アルトリア・オルタは一糸纏わぬ全裸を晒しており、汗だくとなっている彼女達の肌は艶めかしい光沢を放っている。しとどに濡れそぼった秘所からは、煮詰まったお粥のような白濁液が、ゴプゴプと卑猥な水音を立てながら大量に溢れさせていた。  そんな美少女や美女達の中心には、沖田が探していたマスターの姿がある。  診察室という清潔であることを大切している部屋には、女の甘酸っぱい汗の匂いや栗の花にも似た精液の臭い、磯臭い潮の匂いがしている。総じて淫臭と呼べるものであり、そのニオイが鼻腔に入るだけでムラムラとした性的欲求が高まっていく。まだ沖田は気が付いていないが、秘所に湿り気が帯び始めていた。  ムワッとした熱気が部屋全体に籠っており、それはここでの"行為"の長さを伝えているようである。  そんな診察室からヤリ部屋と化した場所では、『パンッ♡♡ パンッ♡♡』と、肉同士のぶつかり合う子気味の良い音が響いている。他には四つ分の荒い息や女達の甘ったるい嬌声、『くちゅくちゅ……♡♡』と、秘所を指先でかき混ぜられるイヤらしい水音がしていた。  多くの音が鳴り響いている状態では、沖田の驚いた声に気が付かなかったのも無理はない。  診察台にスカサハ達は仲良く並んで両手を突き、マスターに向かってお尻を突き出しているような状態である。俗に言う立ちバックの体勢であった。  三人の中で真ん中にいたスカサハの割れ目には、彼の完全に怒張し切った肉槍が深々と突き刺さっており、力強い腰の動きによってピストンが行われている。膣肉がめくれてしまうのではないかと思う程にカリ首が抉り、既に吐精された精液と愛蜜の混じった汁が膣穴とペニスの隙間から溢れていた。  マスターのペニスに子宮をイジメられているスカサハは、だらしない下品とすら感じてしまうメスの貌をしている。普段の凛々しい無表情がまるで嘘であったかのようであり、愛する男の前以外では絶対に出来ない表情であった。  半開きになった口から舌を突き出し、唾液を垂らしながら、娼婦でも上げないような嬌声や絶頂報告をしている。 「――イク゛っ♡♡ イ゛ってるぅ♡♡♡ イ゛ってお゛りゅぅぅ゛♡♡♡ イ゛――っっ゛♡♡ ぉ゛ッ♡♡ ぉ゛ひッ♡♡ し゛っ、しぎゅぅこわれるぅ゛っ♡♡♡ お゛っ♡♡ ぉ゛ッ♡♡ お゛ク゛っ♡♡ イ゛っク゛ぅ゛ぅ゛うう゛ぅぅ゛う゛うぅ゛ぅぅ゛う゛ぅう゛ぅぅ゛――っっ゛ッ゛♡♡♡♡」  正しく女としての幸せの絶頂にいるスカサハだが、その左右にいるアルトリア・オルタやナイチンゲールも同様であった。彼によって弱点になるまで開発され尽くしたG-スポットと呼ばれる場所を、人差し指と中指の爪先でカリカリと掻かれており、先程から潮吹きが止まっていない。  マスターの指先二本だけでどんな自慰行為よりも強い快感を送り込まれ、脳髄が焼き切れてしまいそうになっている。膝や桃尻をガクガク、プルプルと震わせているのに腰を必死に上げ続けているのは、彼の指にもっとイジメて貰いたいという本能の表れであり、代わりに潮や嬌声を漏らすことで耐えているのだろう。  潮吹きGスポアクメをしているアルトリア・オルタとナイチンゲールは、焦点の定まっていない瞳で目の前の壁を映しながら、仲良く甘ったるい雄に媚びるような嬌声を上げている。やはり女性の腕よりも更に長大なペニスで膣肉を抉られ、子宮をぺっちゃんこになるまで押し潰される快感よりは耐えられているのだろう。 「「あっ♡♡ んぁッ♡♡♡ ぃひっ゛♡♡ ぃ゛ッ♡ ィひっ♡♡♡ イ゛――っッ゛♡♡♡」」  マスターの睾丸がより精子を造り出すための、雄の煮え滾ったマグマのような情欲を刺激する嬌声であった。彼の指先が同時に動かしているためか、二人が嬌声を上げるタイミングも重なっている。何も状況を知らずに音だけを聞けば、エコーでも掛かっているかのように聞こえるだろう。 (わっ、あ……あんなに太いの。こっ、壊れちゃいそう……ッ♡♡♡)  獣のような交尾を間近で見ている沖田は、羞恥から耳の先端まで真っ赤にしながらも、目が離せなかった。男所帯な新選組という組織に所属し、襲撃した場所に"そういったお店"も有ったために、知識程度は身に着けているつもりであったが、間近で見る男女のまぐわいは相当な衝撃であった。  セックスとは子供を作るための神聖な行いだと思っていたところがあり、今の生々しい雄が雌の肉体を貪るような激しい交尾を目撃して、価値観のようなものが変化していく。そして何よりも全身を使ってマスターに奉仕しているスカサハ達の"表情"が、彼女に羨ましいという感情を抱かせた。 (凄い下品でだらしない顔をしているのに……幸せそうです)  彼の隣が自分の居場所であると思っていたのに、それよりも近くに彼女達は居たのだ。  剣だけを捧げて満足していた自分に比べて、スカサハ達は文字通り身も心も捧げていた。そして、それを心から幸せそうにしている。   「……ずっ、ズルいです」  咄嗟に出てしまった沖田の呟きは、嬌声や肉のぶつかり合う音によって掻き消される。    この空間では雄と雌の上下関係がハッキリと決まっており、マスターという屈強な雄のために、スカサハ達は全身を使って奉仕する孕み雌である。神すら殺せる半神や聖剣を担う騎士達の王、クリミアの天使であろうと、女であれば例外は存在していない。    その中に自分だけが入り込めていないことを痛い程に噛み締めながら、沖田はマスター達のまぐわいをジッと見続けるのだった。

【R18 FGO小説】貴方の剣をお傍に…前編

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