ファンボは文がもりもり書けるので、絵を描き始めた頃の話と、絵の資料の話でもしようかなとつらつらやっていきます。
自分は元々は図工の時間が苦にならないタイプ。友達とドラゴンボールやジョジョのうろ覚絵なんかやってるような、放っておいたらそのまま絵は描き続けないにしてもオタクとしてやっていく事になる典型的なインドア少年でした。
運命的な転機が訪れたのは高1〜2の頃。友人がグラップラー刃牙の完全版を貸してくれた所に端を発します。板垣先生の描く絵がとにかく格好いい!ドラゴンボールとはまた趣の異なる肉体のぶつかり合いにすっかり痺れ上がってしまって、「こんな絵が描きたい、絵を上手く描きたい」と思ったのが絵を描くという事を強く意識したきっかけでした。
さて何から手をつけようかと思って最初に買った絵の資料は「やさしい美術解剖図」、これは練習し始めから長いこと愛用しておりました。
常道とは言えないルートだと思いますが、刃牙みたいな格好いい体を描きたいという個人的な憧れだけでなく、体の仕組みを知ることは人間を描く正解を知ることだと今は思っているので、興味がある人には解剖学をお勧めしております。
それこそ年単位で取り組まないと身にならないので大変ですが、なぜ体には大小様々な起伏があるのか、どういうバランスで体は構成されているのか、という所を理屈で描いていけると人を描く時にどんどん迷いがなくなっていくので明確な上達感があります。
でも解剖学は本当に大変な勉強で、「今日の苦しみが未来の自分が自由に絵を描ける礎になるのだから」と自分に言いきかせながら、上手くいかない辛い気分の時でも毎日ペンを走らせておりました。どんな分野でも共通する事ですが、できないことをできるようにする練習というのは難しいし惨めな気分になりやすいものです。でもそれは当然の過程と思って堪えるというのが大事だなと思いますね…(絵は精神修行的側面があるので)
さて上記の本で来る日も来る日も絵の練習を続け、なんとなく体の描き方が見えてきたら次に困ったのが「かわいい絵が描けない」という話。
オタク少年ポンケ君は硬派気取りだったので、刃牙みたいな絵をとゴリゴリ筋肉と骨の知識を蓄えてきましたが、東方にはまった時期なのもあり、女の子が描きたくなってしまったんです。しかしゴリゴリの絵になる練習ばかりしてきたのでどうやっても絵がごつい。そこで初めていわゆるオタク絵に目を向けてバランスを調整していく練習が始まりました。
まず頭身、解剖学は比率の分かりすい8頭身のプロポーションを解説しているのですが、それがキャラクターとしての女の子になると5〜7頭身あたりが普通になってきます。頭身については自分がこのバランス好きだなて思う絵を描かれる方の絵を保存してそれを横目に調整していきました。
そして8頭身でも5頭身でも、パーツパーツの比率は大して変わらないので下記のように変換していきます。
こういう練習を様々な頭身でやる事で、どんな頭身でもおおよその比率に沿って絵を描けるようになったので大事な練習だったと思います。本の知識通りの硬い表現しかできなかった所から、柔軟な応用をしていける面白さがありました。
手元の資料もいくつか増えた時期です。
An Atlas of Anat,omy for Artists。これは洋書なので細かい情報は拾えないのですが、やさしい美術解剖図より緻密な筋肉・骨が載っているので合わせて資料にしておりました。
ジャックハム先生の人体のデッサン技法。これはプロポーションや比率、人体の可動域から間違って描きやすい例などが網羅されておりものすごく参考になりました。オススメ。
やさしい人物画。これは哲学書、多分大事なことが書いてあるのですが言ってることが難しいし文量すごいしで個人的には苦手で読むのやめてしまった。
”人体を描く上でのリズム感”とかそういう感覚的なテーマが好きな勉強熱心な方はチェックしても良いかも。
オタク絵(もう少し他に言い方ないかな…)寄りの技法書も何か欲しいなと買ったもの。解剖学やってからだとキャラクター絵を解説する体の描き方はいささか頼りない部分はあるものの、デフォルメ加減とか脂肪の載せ方は結構参考になった記憶。2005年の本なのでこういう系統の本はより現代的な絵柄に寄せたものいっぱいあるだろうのでこれを買えとは言いません。
そんな資料を少しずつ買い集めておりましたが、この頃にはピクシブとツイッターもすっかり賑わっていて。上手い人の絵に晒され続けると初心者は自信なくしやすいよねという話はツイッター上で繰り返し議論されてきたのでここでは割愛しますが、僕も例にもれず上手い人に嫉妬で狂いまくっておりました。幸いにしてその嫉妬を練習にぶつけることが出来たのですが、これはもう人によりけりなのでSNSとは上手な距離感で付き合っていきましょうね…
さておきピクシブで出会ったのが起死快晴さん(旧:松ッ先輩 https://www.pixiv.net/users/2271)という方。自分はこの方の線の表現にすっかり魅了されまして、今でも憧れの絵描きさんです。合わせて寺田克也さんのラクガキングという本も買って、確かなデッサン力があると線だけでこれだけの表現ができるのかという衝撃で目指す絵の方向が固まりました。今でこそ塗りの大切さも理解して少しずつ練習してますが、線による表現に執着する時期が長く続いたのはこちらの影響が恐ろしく強いです。
神の落書きを1000ページ集めた本。絶版本ですが、超画力の人のラフな絵から筆が乗った絵までまんべんなく堪能できるので手に入るなら是非お手元へ。
あとはもう嫉妬に狂ったりジャンルによってテイストが変わったり色々ありましたが、絵の練習内容というのはそんなに変わらず(年々サボりがちになるものの)ぼちぼちとやってきて今に至ります。
今絵が上手くなるのに大事だなと思ってるのはパーツ練習と全身クロッキー。
パーツ練習は昔からやってますが、手ならひたすら手、胴ならひたすら胴といろんなアングル、形を描き続けて頭に引き出しを増やしていくというもの。全身描くより楽なので練習のモチベも維持しやすいですし、それらを組み合わせて全身絵描く時も役に立つのでやってて楽しいですね。手とかは普段から重点的に練習しておくと、漫画描くときに手の形が定まらないと描いたり消したりする時間が省けるので特にオススメ。
それと並行して必要だと痛感してるのが全身クロッキー。ポーマニとかそういうアレですね。パーツ練習も同じですが、ただ想像だけでポーズ組み立ててると似たり寄ったりな絵になりがちで…グラビア写真でもなんでもいろんなポーズを手元に書き写して引き出し増やしていかないとなという感じです。
そういうポーズ集的なのでオススメなのはセクシーポーズブック1(2もありますが1の出来が良すぎるので個人的には1だけ買っておけば良いかなと)。立ち座り寝そべりという女の子描きたいマンが欲しいポーズが揃ってますし、モデルさんが綺麗なのでクロッキーやるモチベも上がります。
あとは背景描くの楽しいと思ったことないのが悲しいところですが、必要なものなのでこれもまたぼちぼちやっていきます。
色々書いてきましたが加えてさらに雑記。
・絵描き始めた頃は顔ばっかり上手くて手足ちゃんと描けないのはださいと思ってので、そういう一般的に苦手意識が強いとされる部分を重点的に練習して、相対的に上手く見えるように頑張ってました。
・それは良い練習だったと思うが顔描くのがずっとへたっぴなので、バランスよく練習する方が大事だと思う。
・ひどいスランプというのは長年描いてると必ず来る。そういう時は諦めも肝心。何週間、何ヶ月と描けない時期が続くと確かに繊細な部分での画力は落ちるが0になるわけではないので、また描きたいと思った時に取り戻せば良い。あまり気に病まずゲームしたりアニメ見たりしてると良い。
・アイカツ見たらスランプ抜けた。
・資料は大事、今は通販も発達してるしちょっと恥ずかしいものでも通販で買って資料にして存分にフェチ心を絵に詰めると楽しい。
・絵描けても漫画描けるわけじゃない。あれはまた別の才能と練習がいる。
・数年前まではここで画力打ち止めかな…と思うことも多かった。完全に勘違いでしたが。描けないものだらけなんだからそれは全て伸び代と思うべきだし、新たなものを吸収する意欲さえあれば時間とともにじわじわ上手くなっていく。頭の中のものだけでなんでも描こうとするから素材不足でそんな諦めが出てきてしまう。
・伸び代という考え方は大事。描けないものが描けるようになる=上達で、それはキャラクター絵だけに限ったことではない。例えばカメラを描いてみてと言われて満足に描ける人は中々いないはず。カメラの資料を集めて構造やついてるパーツの意味を把握→写真などを参考に描く→想像だけで描くよりかなり良いものができる。これこそが「描けないものが描けるようになる」体験。
・ずっと描いてきたキャラ絵での80点を81点にすることは大変だが、全く知らないものを描こうとすると0点から一瞬で40点くらいの絵が描けるので、こういうった成功体験を繰り返すことで停滞感から少しずつ抜け出せるのでいろんなものを描くというのはとてもオススメ。
最後はなんだか偉そうな事言ってしまいましたが、絵を楽しく付き合っていくために自分なりに培ってきたノウハウなので、行き詰まってしまった時に思い出してもらえると嬉しいですね。
絵は難しい趣味ですが、何年やっても全くしゃぶりつくせないし、上手くなろうと意識持ってる限りは上達し続けるし、人に見てもらいやすい交流ツールにもなるし…とにかく楽しいものです。今から始めたら1年2年後には全く違う世界が見えてくることかと思うので、未来の自分に技術という財産を残すチャレンジをしようという人を心より応援しております。