魔王による世界を覆っていた闇が勇者によって払われ、祝祭で王都は盛り上がっていた。
中でも一番の光を放つ中心には、若き勇者アレスがいた。
アレスの功績は語るまでもない。
魔王軍を衰退させ、長きにわたる戦乱に終止符を打ったのだ。
民衆は熱狂し、王はアレスに惜しみない称賛を送った。
「見ろ!!この俺こそが世界を救った英雄だ!」
アレスは高らかに宣言し、湧き上がる歓声に酔いしれる。
しかしその輝かしい功績の陰で、アレスの傲慢さは肥大化していった。
元々あまりに強大な魔力を持つアレスは、自分よりも強い存在を知らなかった。
魔王軍すらアレスにとっては取るに足らない敵であり、その勝利はアレスの自己中心的な性格をさらに助長させたのだ。
平和な日々が続くにつれて、アレスの傍若無人な振る舞いは目に見えてひどくなっていった。
アレスは欲しいものがあれば力ずくで手に入れ、気に入った女性がいればたとえ相手がいようと構わず自分のものにした。
それどころか相手がいる女を敢えて狙い、その主人の目の前で乱暴に犯すことを好んだ。
民衆からは当然不満の声が上がるが、アレスは容赦なく魔力でねじ伏せた。
「貴様ら下民がこの俺に逆らうのか?」
最初こそ勇者の偉業に免じてその横暴を大目に見ていた民衆も、次第にアレスの存在を疎ましく思うようになっていった。
彼らの心には、英雄への感謝よりも恐れと憎悪が渦巻き始めていく。
一方で世界から忘れ去られたかのような辺境の地に、一人の男がいた。
豪奢な衣服に黒い革の手袋をはめ、精悍な顔立ちをした男。
その男こそ、かつての魔王ヴァンだった。
アレスとの壮絶な戦いの中でヴァンは多くの忠実な配下を失い、自身もかつての力を大きく減退させていた。
しかしヴァンの瞳には、決して消えることのない復讐の炎が宿っていた。
「アレス…いつか必ず貴様から全てを奪い返してやる…」
ヴァンは静かにその時が来るのを待っていた。
民衆の不満と憎悪が渦巻く中、アレスの心は一切動じることはなかった。
むしろ、自分への反発はアレスの中の傲慢さをさらに加速させる燃料となっていた。
アレスはもはや世界を救った英雄としての役割を放棄し、自分のためだけの世界を築き上げようとし始めていたのだ。
「俺が救ったこの世界は俺のものだ」
アレスは公然とそう宣言すると、美しい女性だけを自分の傍にはべらせ、それ以外の民衆は奴隷としてこき使い始めた。
その行動は僅かに残っていたアレスへの信頼を打ち砕き、国中の人々を深い絶望と憎悪の淵へと突き落とした。
かつてアレスを英雄と崇めた者たちの目は、今や冷たい怒りに燃え上がっていた。
「あの男はもう勇者ではない…!」
その頃、辺境の地に身を潜めていた魔王ヴァンは、人間界から流れ込む負の感情の濁流を肌で感じていた。
それはアレスへの憎悪や絶望、そして底知れない怒り。
これらの感情は、枯れ果てていたヴァンの魔力を再び満たし、ヴァンの弱体化した肉体に活力を与えていった。
「愚かな勇者だ…自ら破滅の道を歩むとはな。実に愉快」
ヴァンは冷酷な笑みを浮かべながら、心の底から湧き上がる歓喜に全身を震わせた。
アレスの悪行が深まるほどヴァンの力は回復していき、アレスが自らがヴァンの復活を早めていったのだ。
そして、かつての魔力を取り戻し始めたヴァンが地面へと手をかざすと、甘美な香りを漂わせる一匹のサキュバスが姿を現した。
「出番だ」
ヴァンの冷たい声に、目の前に控える妖艶なサキュバスのリリスに冷酷な視線を投げかけた。
「リリスよ、お前に命じる。あの愚かな勇者アレスを誘惑して『淫魔の箱』に閉じ込めろ」
ヴァンの命令にリリスは艶やかな緋色の髪を揺らし、魅惑的な笑みを浮かべた。
「御意のままに魔王様。あの傲慢な勇者など、私の敵ではありませんわ」
「心得てるだろうが、『淫魔の箱』はお前が扱う魔具の中でも最も強力なものの一つだ。しかし、その分発動条件も極めて難しい」
ヴァンは言葉を続けた。
ヴァンの脳裏には過去の敗北と、アレスへの屈辱が鮮明に蘇っていた。
「奴が何も身に着けていない状態で、欲望のままにその箱を自ら開かせねばならない。それができれば奴は二度とそこから出られないだろう。魂も肉体も永遠に箱の中に囚われることになる」
そのヴァンの言葉にリリスは唇の端を吊り上げた。
「今の勇者アレスであればたやすいことでございましょう。あの男はもはや英雄の皮を被った欲望の塊。私の誘惑に抗うことなどできはしませんわ」
ヴァンの予測通り、そしてリリスの言葉通りであった。
今やアレスの支配する王城は、今や彼の欲望を具現化したかのような場所と化していた。
美しい女性たちが豪華な衣装をまとって侍り、贅沢の限りを尽くす日々。
しかし、その裏では民衆の怒りと絶望が渦巻いていた。
リリスはそんな女達に紛れ、かすかな気配と共に王城に潜入した。
彼女がまずしたのはアレスの視界に偶然を装って現れ、その美貌と魅惑的な雰囲気をアレスに印象付けた。
一度リリスの姿を目にしたアレスは、たちまちその美しい女が欲しくなる。
アレスの肥大化した傲慢さは、自分に靡かない女性などいるはずがないと確信していた。
アレスは当然のようにリリスを自室へと招き入れる。
豪華な寝台に身を横たえ、彼は傲慢な笑みを浮かべてリリスに手を差し伸べた。
リリスは甘く囁きながらアレスの指先をなぞり、色気のある視線でアレスを誘惑していく。
リリスの肌から放たれる催淫効果を含む甘美な香りは、アレスの理性を徐々に蝕んでいった。
「あぁなんと美しい…お前のような美人がまだいたとはな。このまま俺の嫁にしてやってもいいぞ」
アレスは陶酔したように呟き、自らその豪華なローブを脱ぎ捨て始めた。
アレスの甘い顔立ちとは反して鍛えられた逞しい身体、そしてリリスの裸体に興奮していきり勃った凶悪なチンポ。
そんなアレスの姿には、英雄の面影などもはや見る影もなかった。
リリスはその姿を内心冷めた目で見ながら、アレスにうっとりしたように妖艶にほほ笑む。
そしてリリスは最後の仕上げとばかりに、あらゆる手腕でアレスを誘惑していく。
耳へ舌を差し込みながら甘く囁き、柔らかく豊満な肢体を絡め、アレスの理性は完全に麻痺させていった。
そしてアレスの我慢が限界に達し、リリスへ挿入するために覆いかぶさろうとした時。
リリスはあの箱を目の前に差し出したのだ。
魔力の宿る禍々しい輝きを放つ黒い箱。
普段のアレスなら、そんな怪しげな魔力の籠った箱を開けることなんてしなかっただろう。
しかし興奮しきったアレスは、リリスに『勇者様を更に喜ばせる物が入っております』と言われ、何の疑いもなく手を伸ばしたのだ。
そしてその箱が放つ危険なオーラを捉えることなく、アレスは欲望の中自らの意思でその箱の蓋を開けてしまった。
その瞬間箱から漆黒の瘴気が噴き出し、アレスの全身を一気に包み込んだ。
「な、なんだこれは!!」
アレスは呻き声を上げて抗おうと必死にもがいたが、時はすでに遅し。
アレスの肉体は見る見るうちに箱の中へと吸い込まれていき、やがて存在そのものが闇の中へと消え失せたのだ。
「ふふっ、愚かな勇者。自らの欲望の餌食となったわね」
リリスは満足げに微笑みながら、箱から生えた勇者のいきり勃ったチンポを見つめた。
これが『淫魔の箱』の力。
箱に封じられた者の性器だけを箱に残し、残りは実体をなくして閉じ込めてしまう。
箱に残った性器は何をされても抵抗することができず、ただただ好きなように弄ばれてしまう淫魔の持つ最強魔具だった。
閉じ込められている者は性器以外の実体がなくなるせいで、箱の持ち主が許さない限りは死ぬこともできなくなるため、淫魔が効率よく性を摂取するための道具なのだが…
リリスが淫魔の箱を満足げに眺めていると、背後の空間が音もなく歪んでそこから一人の男が静かに姿を現す。
精悍で男らしい顔立ちをしたその男、魔王ヴァンはリリスの持つ箱に冷徹な視線を注いだ。
「ご苦労だったなリリス」
「ありがとうざいます。魔王様、こちらを献上いたします」
リリスは深く頭を下げながら、恭しく箱をヴァンに差し出した。
ヴァンはそれを受け取ると、箱から突き出た硬く大きくなったままヒクヒクと動く哀れな勇者のチンポを嘲笑うかのように見下ろした。
「久しぶりだな勇者」
その声は静かだったが、箱の内部に囚われたアレスの意識にはハッキリと届き、その声の主を認識した瞬間凍りついた。
「魔王ヴァン!!!」
箱の中からくぐもった怒声が聞こえてくる。
アレスは自分が何故このような状況に陥ったのか、その全てをヴァンの声によって理解したのだ。
「お前か!お前の仕業だったのか!!このクソ野郎がぁあああっ!!」
アレスの怒りは絶頂に達し、かつて世界を救った英雄の口から出るとは思えないほどの汚い罵詈雑言がまくしたてられる。
「汚い魔王が!正々堂々と戦う度胸もないのか!こんなゴミみてぇな道具使いやがって!」
「あの女も貴様の差し金か!クソ女がぁああっ!!」
「今すぐにここから出せ!てめぇらなんかすぐにぶち殺してやるよ!!」
箱から突き出たチンポはアレスの怒りに呼応するかのように激しく震えるが、勇者の無様な姿にヴァンは笑みを深めるだけだった。
「好きに吠えるがいい勇者。今のお前にはそれぐらいしかできないからな。むしろ心地よくすら感じるよ」
ヴァンはその黒革の手袋に包まれた指先で、その箱から生える勇者の勃起したチンポをするりと優しく撫でる。
「ぐっっ!!やめろ!!!てめぇの汚ねぇ手で触るんじゃねぇええ!!」
「はははっ、勇者よ。本当に情けない姿になったものだ」
ヴァンはアレスのそんな叫びにも嘲笑を漏らし、再びその指先で弄ぶかのようにグリグリと撫でた。
冷たい革の感触が手袋越しにその勇者の生々しいチンポの熱と脈動を伝え、指を滑らせるたびに革が微かにきしむ音がする。
「くっ…やめろっつってんだろうがぁああっっ!!気色悪ぃんだよクソがぁあああっ!!」
箱の中から屈辱と怒りに震えるアレスの絶叫が響き渡る。
かつて一瞬で魔王軍を薙ぎ払った男が、今やなす術もなくその指先になぶられている。
そんな勇者にとって耐え難い屈辱が、アレスの怒りを限界点まで引き上げた。
「今すぐ後悔させてやるよぉおっ!!あぁぁああああああああああっっっ!!!!!」
アレスが叫ぶと体内に眠る膨大な魔力が一気に解放され、かつて魔王軍を壊滅させた時よりも何倍も凄まじいエネルギーを放った。
淫魔の箱はまばゆい光を放ち、ガタガタと暴れるように激しく振動を始める。
「はははははっ!!!バカめ!!俺がこんな箱で抑えられる訳ねぇだろうがぁあ!!今すぐ箱ごとてめぇと吹き飛ばしてやるよ!!」
アレスの勝利を確信した叫びが響くが、それでもヴァンの表情は変わらなかった。
むしろその笑みはさらに嬉しそうに深まっていく。
そんなヴァンの笑みの理由を語るように、箱から放たれたまばゆい光は爆発することなく、まるで渦に吸い込まれるように箱の中へと急速に吸収されていく。
そしてあれほど激しかった振動も、光が消えると同時にぴたりと止んだのだ。
「な…ぜだ…?俺の力が…消えた…?」
箱の中から信じられないといった様子の、アレスのか細い声が漏れた。
「無駄だ勇者。この『淫魔の箱』の力は『吸収』。いくらお前が凄まじい力を出そうと、俺達のエネルギーとしてこの箱に蓄積されていくだけだ」
アレスが抵抗すればするほど、ヴァンがその力で回復することを聞いてもアレスは決して諦めなかった。
諦めないアレスによって何度も何度も光は放たれ、その度に箱に吸収されるように萎んでいく。
「無駄だ勇者よ。お前はこれから永遠にエネルギーを供給し続けてもらう」
それでもアレスは力を解放し続けるが、結果は何も変わらなかった。
「この箱はお前の魔力だけを吸収するのではない。お前が抱く『欲望』『絶望』『苦しみ』その全ての負の感情も俺らの最高の糧となるんだ」
ニヤリと笑いながら言うヴァンの声は、完全に力を取り戻した魔王のそれだった。
「分かるか?お前はその性器だけを晒し続け、永遠に欲に塗れて絶望し続けるんだ。それが力を持って生まれたお前の新たな役割だ」
そのあまりにも残酷な宣告にアレスは一瞬沈黙しする。
箱の中から聞こえるアレスの荒い呼吸音だけだったが、その沈黙を破ったのもまたアレスの乾いた嘲笑だった。
「ふっ…ははははっ!ふざけるなよ魔王!俺が誰だか忘れたか?てめぇをぶちのめした勇者だぞ!!絶望だと?笑わせるな!俺が貴様ら魔族なんかに支配できると思うな!」
アレスは挑発するように言い放った。
そしてその言葉に呼応するように、箱から突き出たチンポは強く脈打っている。
その力強い宣言はヴァンにとっても予想外のものだったのか、面白そうに目を細めて心底愉快そうに喉を鳴らした。
「そうだ勇者。そうでなくてはな。でなければ弄りようがない」
ヴァンの目が冷たく鋭く光ると、傍らに控えるリリスへと視線を移した。
「やれ」
短い命令にリリスは微笑み、深く一礼をする。
するとリリスは淫魔の箱へと歩み寄ると、その細くしなやかな指先を箱から突き出たアレスのチンポへと近づけた。
そしてリリスの指先から禍々しい紫色の魔力が流れ出ると、それがアレスのチンポへと垂らしたのだ。
「な、何をするつもりだ!!やめろ!!!」
箱の中からアレスの警戒する声が響くが、リリスは構わずその魔力を垂らし続ける。
その魔力は生々しく脈打つチンポの根元に絡みつき、ゆっくりとそのチンポへと紋様を刻み込んでいった。
「あ、熱いっっ!!き、貴様何をしている!」
まるでお湯に使っているような熱さにアレスの怒号がこだまする中、紋様がようやく完成する。
すると熱は嘘のように引き、代わりに体の芯から這い上がってくるような不快で抗いがたいまた別の熱がアレスを支配し始めた。
「な、なんだっ?身体が言うことを…」
アレスの声に初めて動揺と混乱が混ざり、ヴァンはその様子を満足げに眺めながら残酷に言い放つ。
「それは『発情』の紋章だ。サキュバスの一番得意とする魔術だよ」
「なんっ、だと…!?」
「お前の意志とは関係なく、肉体が強制的に発情して永遠に快楽を求め続ける呪いだ。お前がどれだけ抵抗しようと、その身体だけは正直にみっともなく欲を晒し続けるんだ」
その言葉を証明するかのようにアレスの意志とは裏腹に、箱から突き出たチンポは先程までとは比べ物にならないほど力強く脈打って熱を帯びていく。
敵の魔力によってチンポをこんなにも滾らせてしまうなんて、どんな屈辱よりもアレスのプライドを深く傷つけていった。
「ぐっ…はぁっ…くっ…」
箱の中から漏れる呻き声は怒りだけのものではなく、疼きに耐えるような熱を帯びたものへとなっていく。
どんなに堪えようとしても箱から突き出たアレスのチンポは、まるで独立した生き物のように熱を帯びて震えていた。
先端からは液まで湧き始め、ダラりとチンポを伝ってこぼれ落ち始める。
今まで感じたことのない抗いがたい発情。
誰でもいい、何でもいい、ただこの熱を鎮めるために触れて欲しい。
そんな猿のような渇望がアレスの精神を内側からジワジワと蝕んていった。
しかしアレスは腐っても勇者。
肉体を支配する尋常てはない疼きに心まで屈しはせず、精神のすべてを総動員して湧き上がる性欲を心の奥底にねじ伏せる。
「……はっ!ふぅっ…くだらんっ…この程度っ、かっ!魔王もっ、大したこがないっ、なっ!!」
その声は薄きで震えていたが、アレスはそれを怒りの震えであるかのように装った。
「はっ…サキュバスのっ、くっ…呪いもっ、大したことないっ…はぁっ、なっ!」
アレスは悪態をつきながら必死に平静を保ち、自身の身体が欲情を晒していることを知りながらもそれを一切感じていないかのように振る舞う。
その精神力は、まさに勇者と呼ばれるにふさわしいものだった。
「こんなっ…くっ…ゴミみてぇな魔力でっ…ほんとっ、ふぅっ…哀れな連中だっ」
アレスは絶対にこんな疼きには屈しないと挑発を続けるが、その言葉に反してチンポはさらに熱を帯びて液をこぼし続けている。
そんなあまりに矛盾した光景こそが、ヴァンをこの上なく楽しませるのだった。
「ははははっ!!」
アレスの虚勢にヴァンは腹の底から愉快そうに笑うと、その黒革の手袋を嵌めた手で欲情して液で光るアレスのチンポを指さした。
「強がるならその情けないチンポを何とかしてから言うんだな。ここは触れられたくて堪らないと正直に訴えているぞ?」
そしてヴァンは再びゆっくりと指を伸ばすと、艶のある黒革に包まれた指先で、その熱く膨れ上がったチンポの先端にそっと触れる。
そして焦らすようにゆっくりと、上から下までを革の滑る指の腹でなぞるように撫で上げた。
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