「ヤバっ!」 俺は仕事に行く時間のアラームを忘れてゲームに夢中になっていた。 撮影現場が家から近いこともあり油断していた。 慌ててみたが結局遅刻した。 現場に遅刻していくと、半分ほど撮り終えていた。 俺、鹿島 大我(かしまたいが)はAVの見習いADをやっている。 見習いのADということで、俺は正直居ても居なくてもどちらでもいい存在。 だから、遅刻してもお咎め無し。 それはそれで悲しいことだが… 。 そして俺の仕事は主に雑用。 先輩ADに言われたことをただひたすらにこなすだけ。 女優や男優が休憩、監督と雑談する中、ベッドの上には奇妙なものが横たわっていた。 全身光沢を帯びた肌色をしたモノ。 人の形はしているが、髪はなく頭は坊主頭。 それ以前に人か人形かも区別しにくい姿だった。 その肌色をしたモノがゆっくり動いた。 人形ではなく人のようだ。 ゆっくりとこちらを向いた肌色のそれは人の形をしているが、顔のほとんどが女性器のようになっていた。 胸の膨らみはあるが乳首も乳輪もない。 そして、お股にも通常よりも大きな女性器を備えていた。 “人だよな?!” そう思っていると俺に指示が飛んだ。 「肌色のそれをベッドから退避させて来い」 「はっ、はい!」 俺はその肌色のモノを抱き抱え移動する。 どうやら肌色のコレは人の様だが、目が見えないようだった。 抱き抱えた感触で肌色のコレを覆っているのはラバーだと分かった。 不思議だったのは、どこにもファスナーが見当たらない事。 “じゃあ、どうやってこの女性は肌色のラバースーツを着たのだろうか?” そんな事を考え始めると凄く気になり、じっくりと観察してしまう。 手は5本指に分かれていないが、ラバーグローブの中で指が仕切られており自由には動かせなくなっているようだった。 指を使えないので、彼女は自分自身でこの肌色のラバースーツを脱ぐことはできないだろう。 それ以前にこの肌色のラバースーツは接着されて脱げなくされているようにも思えた。 そんな肌色のモノを抱き抱えて先輩に尋ねる。 「コレ、どうしたらいいですか?」 「その辺に置いておけ、また使うから」 人なのにモノ扱い、そんな肌色のモノを床に置くとそのまま横たわってしまった。 そして俺も彼女をモノ扱いしていることに気づいた。 撮影に肌色のモノが出演する訳ではなく、男優の調子が悪い時に勃たせる役割を担うらしいのだが、こんな奇妙な姿にされた女性で興奮するのだろうかと思ったのだが… 。 その辺りは男優によるのかも知れない。 撮影は始まったが、その後男優は調子を取り戻し、肌色のモノは使われることはなかった。 撮影は順調に進み、撤収となったのだが… 。 「おい鹿島、お前遅れてきたんだから、それの後始末頼むわ」 そう言って、この肌色のモノの所有物だと思われる大きなバッグとブーツ、それに服を渡された。 「えっ、あっ、はい」 咄嗟の事で俺はそう答えることしかできなかった。 「あのー、このラバースーツどうやって脱がせればいいんですか?」 俺が先輩ADにそう尋ねたが、答えが返ってくるどころか姿も消えていた。 俺は急いで、彼女に着てきた服、スカートとブーツを履かせた。 顔の女性器が目立ち過ぎるので、頭には俺の被ってきたキャップを深く被せた。 そして、撮影していたホテルの一室を出た時には先輩ADも撮影スタッフもいなくなっていた。 そのまま俺と肌色のモノもホテルを後にする。 少しでも人に見られないように、かつ不自然な印象を持たれないように俺は肌色のモノと手を繋いで移動した。 取り敢えず、ホテルから近い俺の部屋へ連れ帰えることにした。 つづく
ごむらば
2026-01-30 22:57:35 +0000 UTCJan Koda
2026-01-30 16:10:01 +0000 UTC