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ごむらば
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10.人ではない黒光りするゴムの塊【海に放たれるゴム】

シャチのフロート、スーツケースに詰められたまま、車の揺れに身を任せてなっていた私だったが、車が停車し扉の開閉音で目が覚めた。 目が覚めてすぐに今の自分の状況を飲み込めなかったが、だんだんと思い出してきた。 スーツケースから出されて波の音を聞いていると、自分の状況がはっきりと思い出された。 “そうだ.私今から海で泳がされるんだった” そう思うと急に怖くなってきた。 そんな時、シャチのフロートが膨らみ始めた。 みるみるうちにシャチのフロートは膨らみ、真空パックされゴムの塊にされていた私の体がより圧迫されていく。 呼吸だけはチューブを通して確保されていたが、それでも肺が押し潰される感じがして呼吸しづらかった。 そんな私の体が持ち上がる。 「じゃあ、冬の海を堪能してきて!」 そんなご主人様の声が聞こえたかと思うと、水に浮かせべられたのが分かる。 今まで接地していたお腹側の感触がなくなった。 そして体が大きく揺れる。 風こそないようだが、激しい波に体が弄ばれる。 呼吸穴から潮の香りがするといった生易しいものではなく、海水が鼻に入り私は何度も咽せた。 波に体が振り回される中、私は思った。 “ご主人様、ちゃんとロープを握って私がどこかへ行かないようにしてくれているよね” その後も波は激しさを増し、私はご主人様がちゃんと私をとごへも行かないようにしてくれていふことを願う他なかった。 波に揺られ過ぎた私はだんだんと気持ち悪くなる中、私は気を失うのだった。 後日、ご主人様がニコニコしながらある動画を見せてくれた。 [黒光りするゴムの塊の喘ぎ]というタイトルの動画は、まさに私だった。 全身ラバーで脱げなくされた私がバイブで気持ちよくなり喘いでいる動画が投稿されていた。 黒光りした全身ラバーで覆われた自分の姿に思わず魅入ってしまう。 バイブで気持ちよくなりながらもラバー女はバイブを止めようとするが、お団子の様な手では止めることができずに何度も大きな喘ぎ声を上げて大きく痙攣して逝ってしまう。 最終的にはラバー女が動くなるまでの動画がそこには映し出されていた。 「これって!?」 「そう、君だ!」 思わず恥ずかしくて下を向いてしまう。 ラバー女の部屋もしっかり映っていたが、私本人を特定するものは映ってはいなかった。 視聴回数も、登録者数もかなりの数に驚いてしまう。 そして、ご主人様は次の動画を再生した。 [ゴムの塊を水責め]というタイトルの動画ではラバー女に海女さんが着るような両面スキンのウエットスーツを着せる動画から始まっていた。 ウエットスーツは黒光りするラバー女の全てを包み込み、その痕跡は鼻のところに開けられた僅かな穴だけとなっていた。 そんな僅かな穴からしか呼吸のできないゴムの塊にシャワーが容赦なく浴びせられる。 水を吸い込んで咽せ返すゴムの塊。 水を嫌がり手で防ごうとするゴムの塊だったが、手を払い除けられて水を浴びせられて咽せていた。 最後は浴槽に溜まった水に頭を浸けられてもがく姿、そしてまた苦しそうにゴムの塊が咽せ返す姿が映し出されていた。 次の動画は[人には戻れないゴムの塊]というタイトル。 そこにはウエットスーツを着せられたゴムの塊がバキュームベッドへと収まっていた。 特殊な液体を入れた後、真空パックされるゴムの塊。 完全に真空パックされたゴムの塊のバイブが再び動き出して、バキュームベッドの中で喘いでいる。 これだけなら他でも見たことのありそうな動画だったのだが、喘い体を捩らせているうちにバキュームベッドから真空されたまま、ゴムの塊が飛び出した。 少しずつバキュームベッドから分離したゴムの塊が逝って動かなくなる頃には完全にバキュームベッドから外れていた。 動かなくなったゴムの塊のラバーシートの接着面は完全に溶けて融着していた。 それが自分の姿だということも忘れて魅入ってしまってしまっていた。 [ゴムの塊との別れ]とつけられたタイトルの動画。 “別れって!?” そう思っているうちにも動画が流れ始める。 そこにはバキュームベッドから分離し、人には戻れなくなったゴムの塊の姿があった。 そんなゴムの塊をシャチのフロートへと詰める動画、続いてスーツケースに詰められてゴムの塊は車に乗せられて移動を始めた。 海へとやって来たシャチのフロートに詰められたゴムの塊。 シャチのフロートが膨らまされると、可愛く胸ビレと尾ビレを動かしている。 だが、実際は怖くて抵抗していたに過ぎない。 冬の海に浮かべられたシャチのフロートは荒波に揉まれていた。 それは私が身を持って体験した。 シャチのフロートにはロープが結びつけられており、ある程度波に揉まれて沖の方へ行きそうになるとロープを引っ張り浜へと戻ってきていた。 見えていなかったのでこうなっていたのかと思いながら動画を見ていた。 だが、そのロープが外される。 “えっ!ヤバくない?!” シャチのフロートは波にさらわれて、そのまま波に揉まれながら、沖の方へと流されていく。 “ヤバい、ヤバい!助けなきゃ!” そんな思いが湧いてきた。 だが、動画はそんなシャチのフロートを撮り続けているだけ。 そして、ついにシャチのフロートは波の向こうへと消えてしまった。 そんなシャチのフロートが見えなくなると、カメラは車へ戻り帰っていく途中で終わっていた。 「助けてくれなかったの?」 私は思わず、ご主人様に聞いた。 「じゃあ、ここにいないだろ!あれはただのシャチのフロートだよ」 「また、ゴムの塊にして動画を撮っても?」 そう言われて私は笑顔になって、ご主人様に抱きつく。 私は今もご主人様に人ではない黒光りするゴムの塊として扱われ、悦びに浸っている。 おしまい

10.人ではない黒光りするゴムの塊【海に放たれるゴム】

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