バキュームベッドで真空パックされた私は何度も何度も逝ってしまい、気を失っていたようだったが、目覚めた時何か様子が違った。 全身が圧迫感に包まれたままだったから。 それはまるでバキュームベッドで真空パックされている感覚と同じなのだが、何故か体は動かせた。 ただし、手は肩を掴んだまま、両足は一本に纏められたまま。 それに呼吸用のチューブも口のところに付いたままのようだった。 幸いバイブは電池切れで止まっていた。 そんな自分を確認するようにモゾモゾ動いている私に気づいたご主人様が話し掛けてきた。 「凄いだろう!最新のバキュームベッドなんだぞ!特殊な液体と一緒に真空パックすると、バキュームベッドのラバーシートが密着したまま人の形に外れるんだ」 「もうお前は真空パックされたまま、ゴムの塊から人へは戻れなくなったんだ」 そんな恐ろしいことを言われているのに、私はその言葉に興奮し一人愛液を垂れ流していた。 “私、言葉も体の自由も、さらには人権も奪われて、ただのゴムの塊になったんだ!” そう思うだけで興奮して体が熱くなるのを覚えた。 「お前にはもう自由がないから、これから俺のオモチャとして使ってやろう!」 ご主人様はそう言うと私を持ち上げて何かに詰め始めたのだが、私にはそれが何かすぐに分かった。 《シャチのフロート》 私はゴムの塊にされたが、ただのゴムの塊ではない。 シャチのフロートに詰められるためだけのゴムの塊。 私はうつ伏せにされ、一本に纏められた足からシャチに食べられるようにしてフロートの中へ入れられているのだろう。 私がシャチのフロートの中に収まると、ご主人様が何かすると少し呼吸が楽になった。 呼吸用のチューブがシャチのフロートの外へ繋がる部分へ接続されたのだろう。 そんなことを私が考えいる間にシャチのフロートの口は閉じられ、ゴムの塊となった私はシャチのフロートの内臓となった。 「さぁ、出掛けよう!」 ゴムの塊にされ、シャチのフロートに詰められた私にご主人様の声はクリアに聞こえないが、そう聞こえた。 シャチのフロートは膨らんでいないが、ご主人様はこれから私を海へと連れて行き浮かべるつもりだろう。 私は気を失っていたので、今が何時なのかも分からないが、私はご主人様に従う他なかった。 シャチのフロートが膨らまないことに、私は少し胸を撫で下ろしていた。 なぜなら、膨らんだシャチのフロートの中では呼吸が満足にできなくなるから。 ホッとしたのも束の間、膨らんでいないシャチをご主人様は硬いものに詰め始めた。 “スーツケース?!” 私がそう思った時には、ほぼ詰め終わりあっさりとスーツケースは閉じられてしまった。 そのあとはご想像の通り。 私は暑さと息苦しさと闘いながら、スーツケースのキャスターの音をしばらく聴き続けるのだった。 ご主人様はゴムの塊となった私をシャチのフロート、そしてスーツケースへと詰めたまま、車を走らせるのだった。 こんな状況でも車が走り出すと、揺られて気持ちよくなり眠ってしまうのはマゾヒストの性だろうか。 つづく